>> オガワ・ノリユキ先生 <<
 九州保健福祉大学保健科学部作業療法学科の小川敬之(おがわのりゆき)です。前田先生の後を受け近況などつれづれに書いてみたいと思います。ところで、突然ですがみなさんは「作業療法士(Occupatonal Therapist)」ってご存じでしょうか。なんだか名前からして、土木作業の専門家のような印象を持たれる方もいるかもしれませんが、実はリハビリテーション分野の専門職の一つで、何らかの原因で障害を受け、生活に支障をきたしている方に対して医学的な知識をベースに支援していく専門職のことなのです。私は今、大学でそんな作業療法士の卵たちと日々奮闘をしています。そしてなんと、そんな卵たちも今年3月に第1期生が巣立っていきます。教員職に就き3年が経ちましたが、ゼミ生を持つのも初めて、卒業生を見送るのも初めての経験で、何ともいえない(嬉しいような寂しいような)思いがめぐるものです(写真は第1期の小川ゼミのメンバーです)。

「ゼミ生とととろの里(大分)にて」
細見(宮崎市)クリニック訪問
デイケア「かなりあ」の風景
昔懐かしい品々も・・・

 さて、次に私事ですが、昨年9月より大学の仕事の合間に、宮崎市にある細見クリニックにも顔を出しています。昨年4月まで宮崎県精神保健福祉センターの所長をされていた細見潤医師が開業され、2Fでは心療内科、精神科そして3Fでは痴呆疾患デイケアを行っており、私はデイケアのほうでプログラムの考案や運営に「あれをしたほうがいい」「これをしたほうがいい」など外野から叫んでいます。ここで少しデイケアの宣伝をさせてください。デイケアの名前は「かなりあ」といいます。歌を忘れた「かなりあ」は裏山に埋めるのでもなく、鞭でぶつのでもなく、象牙の船に銀の櫂、月夜の海に浮かべれば忘れた歌を思い出す。もうみなさんご存じの?有名な西条八十氏作詞の「かなりあ」です。痴呆症をもってもその方らしく、生活してゆける支援や環境調整をデイケアをとおして提供したい、そのような思いから命名しました。落ち着く雰囲気の中、今までにないデイケアでのサービスのあり方を模索しているところです。開院の時には東京からX-JAPANのトシも駆けつけお祝いのミニコンサートを開いてくれたほどです(本当は宮崎市でコンサートがあったとのこと・・・)。

トシのミニコンサート「声がきれいだったなーーー」

細見クリニックのスタッフです
指がつりそうです
 ここ最近、イラク・アメリカ情勢から戦争が起きそうな不安が世界を取り巻いています。私が大好きなJohn Lennonが生きていたらどんなに反対しただろうか、世界に起こっている反戦運動のリーダーとして中心的な動きをしていたんではないだろうかという思いがずーと頭の中をよぎっていました。人種や国、宗教なんてものは人間がかってに作り出したものです。色々な区別があるから争いごとも起きる「above only sky」頭の上にはみんなに均等に空があるだけ。John Lennonはそう歌っています。一人一人は小さな力ですが、皆がimagine(想像力)をもって自分のこと、人のことを考えることが出来るのなら、戦争も回避できるんじゃないかと思うのです。そんな今の心境をなにか表現したいと考え、現在自己陶酔しながらピアノでImagineを練習しているところです。しかし、ギターはよく弾いていたんですが、ピアノの経験はなかったので妻からむち打たれ、指がつりそうになりながら弾いているといったところです。(現実は厳しいーー)
段 階
 さて、つれづれに思いつくまま何の脈絡もなく話を進めてきました。こんなものでいいのかと不安もありますが、まーしかたないかといういい加減さも持ち合わせています。あまりいい加減ばかりでもいけませんので、最後にちょいと教員らしく、卒業してゆく九州保健福祉大学の保健・福祉職の卵たちへ私の大好きな詩を贈り、終わりといたします。 それではまた・・・。
「段 階」

どんな花もしおれ どんな青春も
老年になるように どの人生の段階も花開き
知恵もそれぞれに花開く どの美徳も
決められたときに花開き永遠に持続することは許されない
心はそれぞれの人生の段階ごとに
すでに別れと新たな開始のために準備をしなければならない
勇敢に悲しみは見せず
ほかの新しい絆に身をゆだねるために
そしてどの始まりにも一つ一つの魔力が内在し
それが私たちを守り 生きていくことを助ける

私たちは朗らかに一つ一つの段階を通り抜けるべきである
どの段階にも故郷のように執着してはならない
世界の守護神は私たちをしばりつけ窮屈にする意志はない
それは私たちを生の段階ごとに高め 広げようとする

私たちが一つの生活領域に慣れ親しみ
くつろぎを覚えるやいなや 衰退の危険がさし迫る
出発と旅の用意のある者のみが 
麻痺的な習癖から身をふりほどくことができる
おそらく死の時が私たちを若者として
新たな段階に送ってくれるであろう
私たちへの生の呼びかけは決して終わらないだろう
さあ 心よ 別れを告げよ 元気を出せ!

Hermann Hesse
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