***** 第3回 高梁学園学術研究コンファレンスレポート *****




開催日:2007/03/09(金)教育部門 03/10(土)研究部門
会場:九州保健福祉大学F講義棟
(レポート:パワナビ松田・甲斐)

 3月9日(金)、3月10日(土)の両日に渡り、延岡市にあります九州保健福祉大学内F講義棟にて、「第3回高梁学園学術研究コンファレンス」が開催されました。この「学術研究コンファレンス」は、学校法人高梁学園関連学校(吉備国際大学順正短期大学順正高等看護専門学校九州保健福祉大学九州保健福祉大学総合医療専門学校)によるもので、今回の発表がいわば最終選考となります。既に各校による学内審査が行われ、その中から選ばれた、教育部門6編、研究部門10編の研究担当者が、審査委員と一般客が見守る中、それぞれプレゼンテーションを行います。そして、もっとも優れた研究には、「創立者加計勉賞」が贈られます。もちろん最終選考のプレゼンテーションに残っている研究は、どれも非常に手間ひまをかけて練りこまれた、研究者の思い入れが感じられる素晴らしいものばかりでした。そんなことから表彰式の場では今回審査委員長を勤めた和田 昭允氏(高梁学園顧問)が、「優劣をつける事が困難である」と審査委員の方々の選考時の苦労を、リアルに語っていたのが印象的でした(下記参照)。

 とにかく今回発表された研究内容とは、かなりかけ離れたところにいる我々パワナビスタッフですが、この2日間はとてもいい体験をさせてもらったと思っています。各先生方のプレゼンテーションはとても分かりやすく、「何故そんなことを研究するようになったのか?」「どうしてそのような研究方法を思いついたのか?」など、まったく知らない世界ではありますが、話を聴いているうちにすっかりその世界に入ってしまうことが出来、研究をされている方々の苦労や喜びなどが、とてもよく伝わってきました。特に、私達の地元でもあり、様々な場所でお会いする機会のある九州保健福祉大学の先生方に関しては「こんな研究をされていた方なんだ〜」と驚く事ばかりでした。

 ということで、今回のレポートでは、研究者の顔、そしてプレゼンテーション風景に加え、青文字・アンダーバーで表記されている「演題」をクリックすると、研究内容の詳細が表示されるよう、「高梁学園学術研究コンファレンス詳細ページ」より、リンクを貼らせてもらっておりますので、興味のある方は、ぜひじっくりご覧いただきたいと思います。ちなみに、「創立者加計勉賞」は、
評価シュミレーション授業の紹介という演題で研究を発表された九州保健福祉大学・保健科学部作業療法学科 立石 修康氏が受賞されました。



▲ネット中継班最前列

▲ネット中継班最後列

 会場となっている学校以外の関連学校のために、カメラを2台用意し、テレビ中継のように切り替えを行い、インターネットを通して、会場の雰囲気や、プレゼンテーションの様子がパソコンの画面から確認できるような工夫がされていました。これらの作業はすべて九州保健福祉大学の方々がされていました。


高梁学園学術研究コンファレンス詳細ページ↓
URL:http://www1.kiui.ac.jp/conference/
学校法人高梁学園公式ホームページ↓
URL:http://www1.kiui.ac.jp/koho/
吉備国際大学公式ホームページ↓
URL:http://kiui.jp/pc/
順正短期大学公式ホームページ↓
URL:http://junsei.ac.jp/
順正高等看護専門学校公式ホームページ↓
URL:http://junsei.ac.jp/koukan/
九州保健福祉大学公式ホームページ↓
URL:http://www.phoenix.ac.jp/
九州保健福祉大学総合医療専門学校公式ホームページ↓
URL:http://www.kyusen.ac.jp/


高梁学園学術研究コンファレンスの開催にあたって
理事長・総長 加計 美也子

 平成18年度(第3回)高梁学園学術研究コンファレンスの開催に際しまして、ひとことご挨拶申し上げます。本学園は、昭和42年に加計 勉名誉理事長が岡山県高梁市に順正短期大学並びに順正高等看護専門学校を設立して以来、平成2年に吉備国際大学を開設し、平成11年には宮崎県延岡市に九州保健福祉大学を開設して参りました。さらに、平成17年4月には宮崎県宮崎市に九州保健福祉大学総合医療専門学校を開設いたしました。このように、本学園は短期間に大きく量的拡大を成し遂げてきたと思います。しかし、それとあいまって、私達は質的な向上を図らなければなりません。
日本社会全体の様々な動きが量的拡大から質的向上へと転換される中で、大学における教育・研究の質が問われるようになってきているからです。類似する多くの大学の中からオンリーワンになるためには、教育・研究の質を高めなければなりません。
 本学園の吉備国際大学及び九州保健福祉大学は、大学評価機関として文部科学省から正式な認証を受けた大学基準協会から、私立大学としての一定の水準を保ち社会貢献を果たしているとの評価を得る事ができました。しかし、本学園は、このことで満足することなく、さらなる質の向上に取り組む必要があります。
 本学園では、「学生一人ひとりのもつ能力を最大限に引き出し引き伸ばし、社会に有為な人材を養成する」という建学の理念に柱に、知識・技術の習得に偏らず、人間性向上についても考慮した教育・指導に取り組んでおりますが、平成16年度に発足した高梁学園学術研究コンファレンスは、研究面の質的向上を目指したものであります。本学園の各設置校それぞれの枠を超えて、教員が横断的に連携することにより、新たな視点を持った専門性の高い学際的研究及び高梁学園全体の学問水準の向上、若手研究者の育成をはかり、できる限り地域に貢献しうる事を目的としております。
 さらに今年度から、教育部門の発表の場を設け「建学の理念を達成するための教育上の試み」をコンセプトとして、高梁学園設置校における特色のある教育上の取り組みとともに、より質の高い教育活動実績に向けての創造的、先駆的取り組みについて学内外に紹介することとしました。
 今回の発表は教育部門6編、研究部門10編ありますが、これらは既に各校による学内審査をパスしたものであります。本コンファレンスでは、広く学外の方にも公開するとともに、厳正な審査を行うため、和田昭允先生を委員長とする外部の学識経験者9名の先生方に審査をお願いし、優秀な研究には、創立者加計勉賞、総長賞、キャンパス賞(旧学長賞)、市長賞などを授与することになっております。
 最後になりますが、本コンファレンスが末永く継続し、今後ますます発展していことを心から期待しております。
(コメントはパンフレットより抜粋)


審査委員長講評 高梁学園顧問 和田 昭允氏
 昨日の教育部門、本日の研究部門ともに、審査委員一同慎重に審査をしました。どれもたいへん興味深い題材であり、それぞれ熱心に取り組まれているので、発表意欲を感じ取る事ができました。それだけに審査委員会は選考するにあたり大きな責任があります。多くの方々が、長年にわたって一生懸命に研究された事に対し、点数をつけるのですから、私達審査委員に信用がなければ賞の価値が下がってしまいます。私としては、審査委員のあるべき姿を考えたのですが、審査委員が信頼をうるには判断の公正性・公明性、さらに問題を抱えていれば、何が問題で審査が難儀したかをみなさんに知らせる事が重要となります。
特に大きな問題は、審査委員の専門分野にない事が発表されたときのです。優れたものを導きだすポイントの一つには新規性というものがあげられますが、しかし新規性はその分野に精通していなければ難しい事が多く限界があります。次にプレゼンテーションのわかり易さや、論理性、社会的有用性などがあげられます。そんな事から、今回は、新規性にはあまり自信がないので、「人の力を最大限引き出す」という学園の方針に基づいた考え方を取り入れ選考基準のひとつとしました。そして、今回我々が直面した最大の難儀は、今回から新設された「教育部門」と「研究部門」のどちらから"創立者加計勉賞"を選ぶかということでしたが、あえてこのコンファレンスに「教育」を受け入れた創立者の考えに基づきまして、"創立者加計勉賞"は「教育部門」からとさせていただきました。ひとこと付け加えておきますが、あくまでも今回の各賞に関しましては、今回の審査委員会が懸命に考えて、ある側面から見た評価だという事を忘れないでください。特に、昨日発表の中にありました、「学力低下」に関係するもの等は、今後もこの学園の大切なテーマになると思われますし、本日の研究部門に関しましては、社会問題と地域性を考慮したうえでテーマに望んでいるのが素晴らしいと思いました。そして、このイベントはとても意義のあるものなので今後もぜひ続けてもらいたいと思っています。
(コメントは閉会式時の講評より)


審査委員

委員長

和田 昭允 氏 (高梁学園顧問)


教育部門

委員

江藤 利彦 氏 (宮崎県教育委員会委員長)

委員

佐々木 逸夫 氏 (延岡高校校長)

委員

佐藤 正二 氏 (宮崎大学教育文化学部教授(発達心理学))

委員

谷 聡史 氏 (日向学院高等学校校長)


研究部門

委員

河野 博 氏 (宮崎県福祉保健部長)

委員

河南 洋 氏 (宮崎大学医学部長)

委員

黒澤 宏 氏 ((独)科学技術振興機構JSTサテライト宮崎館長)

委員

小山 徹雄 氏 (NHK宮崎放送局長)



2007/03/09(金) 教育部門特別発表

吉備国際大学・九州保健福祉大学におけるキャリア教育推進の構想と展望
 安藤 耕己、荒田 徹二、三宅 邦建

アンダーバー演題(青文字)をクリックすると研究の詳細を見る事ができます

2007/03/09(金) 教育部門(発表順)
【教育部門・目的】
建学の理念の実践的取り組みとして、専門職業人養成の使命をもつ高等教育機関における教育的役割と機能を明確にするとともに、教育の質の向上と効果的教育活動の推進を図る。



臨床能力を有する実践型薬剤師教育の推進のためのベッドサイド実習の評価
 九州保健福祉大学・薬学部薬学科   徳永 仁 他
 
→総長賞



合宿研修「実践環境教育プログラム」導入によるライフスキル開発へのアプローチ
 吉備国際大学・政策マネジメント学部環境リスクマネジメント学科   村本 茂樹
 
→奨励賞



評価シュミレーション授業の紹介
 九州保健福祉大学・保健科学部作業療法学科   立石 修康 他
 
→創立者加計勉賞



量的空間認識力を高めるための幼児と学生が共に学び会える粘土遊びプログラムの構築
 順正短期大学・幼児教育科   前嶋 英輝
 
→奨励賞




    
 

リメディアル(補修)教育概要とその実践

九州保健福祉大学・社会福祉学部臨床福祉学科

登坂 学、横山 裕、三宅 邦建

→宮崎キャンパス賞

 




ポートフォリオ〜試験・レポートにかわる評価法にむけて
 吉備国際大学・社会学部スポーツ社会学科   新田 文輝
 
→高梁キャンパス賞



2007/03/10(土) 研究部門(発表順)
【研究部門・目的】
各専門分野の研究者が横断的に連携することにより、新たな視点を持った専門性の高い学術的研究を期するとともに、高梁学園全体の学問水準の向上と研究者の研究意欲の向上及び若手研究者の育成をはかる。



腰膝痛や糖尿病等に対する民間療法
 吉備国際大学・保健科学部理学療法学科   坪井 修平
 
→奨励賞



食の中に老年性認知症治療薬を探す
 九州保健福祉大学・薬学部薬学科   川原 正博
 
→総長賞



SMA日本語版の動作に基づいた介護予防体操(古都式体操)の考案
 吉備国際大学・保健科学部理学療法学科   佐藤 三矢
 
→高梁市長賞



無眼球症(anophthalmos)ラットとその発症抑制に関する研究
 九州保健福祉大学・保健科学部作業療法科   岩本 壮太郎正 他
 
→奨励賞



身体障がい者に対する筋力トレーニングの効果
 吉備国際大学・社会福祉学部健康スポーツ福祉学科   天岡 寛 他
 
→奨励賞



自立生活センターの介助サービスにおけるトラブル解決システムの開発
 九州保健福祉大学・保健科学部言語聴覚療法学科   松山 光生
 
→延岡市長賞



がん患者のエンパワメントを支える家族員の対処過程に関する研究
 吉備国際大学・保健科学部看護学科   名越 恵美 他
 
→奨励賞



ICTを活用した情報保障の高度化と運用に関する研究
 吉備国際大学・社会学部ビジネスコミュニケーション学科   佐藤 匡
 
→高梁キャンパス賞



途上国の保健医療分野における人材育成の研究
 九州保健福祉大学・社会福祉学部福祉環境マネジメント学科   秋葉 敏夫
 
→宮崎キャンパス賞



The Kanji Handbook 「英漢字早覚え辞典」
 九州保健福祉大学・社会福祉学部東洋介護福祉学科   V . デビッド
 
→奨励賞


<<トップページへ 九州保健福祉大学公式ホームページ>>

*** 宮崎県情報 パワナビ TOPICS ***
Copyright - (C) - 2007 All Rights Reserved
info@pawanavi.com