新たなスタートの年のテーマは「Brand New Story」!
より一層華やかでドラマチックな世界を表現。
プリンスアイスワールド2019-2020〜Brand New Story〜広島公演レポート
2018年の夏、大盛況で幕を閉じた40周年記念広島公演から熱が冷めやらぬ中、2020年1月18日(土)、19日(日)の2日間にわたり、全4公演が行われた。新たなスタートの年となる今年のプリンスアイスワールドは「Brand New Story」というテーマを掲げ、新たなスタイルの構成にチャレンジし、一新される演目にファンの期待度も高まっていた。当日は広島公演記念限定グッズの販売も行われ、2日目のお昼に完売する限定品もあるなど、会場メイン入り口付近は終始多くのファンで埋め尽くされていた。
今回の広島公演で大きな注目を集めたのは、2019年の全日本選手権でシングルスケーターを引退し、2020年からは村元哉中とペアを組んでアイスダンスに転向することを表明した髙橋大輔。シングル引退直後にアイスショーでのシングルプログラム披露という事もあり、ファンが県内外から多数駆けつけ、会場内では声援・感謝の言葉が飛び交った。
また、ゲストにはトリノオリンピック金メダリストの荒川静香や本田武史、織田信成、安藤美姫、村上佳菜子、現役活躍中の本田真凜選手・望結選手・紗来選手姉妹、友野一希選手を迎え、さらに日本で唯一のプロフィギュアスケーターチーム(総勢24名)「プリンスアイスワールドチーム」やジュニアスケーター等が多数出演。
そして、ゲストアーティストとして、プリンスアイスワールドチーム応援ソングの「We’ll Be There」を12月12日に配信リリースした「BOOOST」が出演。現在LINE LIVEでは累計フォロワー数20,000人を超え、2019年4月配信リリースした「愛されたい愛されたい」がLINE MUSICリアルタイムランキング1位獲得しており、公演当日は会場にて2020年2月10日にリリース決定している1stミニアルバム「愛されたい」の先行発売を行った。
終演後にはプリンスアイスワールドでの大きな魅力のひとつである『ふれあいタイム』が設けられ、ファンがゲストやキャストへ花束やプレゼントを直接渡しながら声援や感謝の気持ちを伝えていた。出演者たちは感謝の言葉を伝えたり写真に応じたりするなど、丁寧に対応する姿が印象深かった。
※今回のレポートは初日2回目公演、二日目1回目公演をまとめたものとなります。
会場
ひろしんビッグウェーブ
開催日
2020年 1月18日(土)・19日(日) 2日間 全4公演
構成・演出
モモ ナガシマ
出演
〈レギュラー出演者 〉
プリンスアイスワールドチーム(総勢24名)/荒川静香/本田武史
〈ゲストスケーター 〉
髙橋大輔/安藤美姫/織田信成/村上佳菜子/友野一希/本田真凜/本田望結(18日のみ)/本田紗来(19日のみ)/村元哉中
〈ゲストアーティスト〉
BOOOST
主催
広島ホームテレビ/山口朝日放送/日本海テレビ/プリンスアイスワールド広島実行委員会/中国新聞社
協賛
広島信用金庫/にしき堂/マリモ/エディオン
後援
広島県/広島市/広島市教育委員会/(公財)日本スケート連盟/広島県スケート連盟/愛媛朝日テレビ/朝日新聞社
協力
大分朝日放送 / 夢番地
企画制作
プリンスホテル / GAKUONユニティ・フェイス
取材協力
株式会社GAKUONユニティ・フェイス
プリンスアイスワールドチーム
日本で唯一のプロフィギュアスケーター総勢24名が集うプロチーム。40年を超える歴史をもつフィギュアスケートのエンターテインメントショーで、スケーターが一体となって繰り広げる“シンクロナイズドスケーティング”を得意とする。今回は新たな演出やダンズ、アイスタップにもチャレンジし、チーム力だけでなく個々の豊かな表現力が活かされたバラエティに富むプログラムが披露された。新たなスタートの年である2019年は「Brand new story」というテーマの中、構成、演出、振付師を新たに迎えてプログラムを一新。オープニングから液晶モニターやライティング等の技術と氷上の演舞を融合させた会場の演出や、映画、クラシック、オペラ、ポップス等の様々なジャンルの要素を組み込んだ演出や振り付けなど、PIWの演技力とチーム力を再認識させられる公演となった。
ゲスト(出演順)
本田望結(18日のみ出演)
▼主な成績
2018年 近畿選手権(ジュニア) 4位
2018年 西日本ジュニア選手権 8位
2018年 全日本ジュニア選手権 12位
愛らしいイメージとは違った赤と黒の大人っぽいカラーリングの衣装をまとい、激しいステップや安定したジャンプだけでなく、指先の動きや目線などの細部にまで行き渡る持ち前の表現力で、昨年よりもパフォーマンスレベルをぐっとアップしている様子が伝わった。
本田紗来(19日のみ出演)
▼主な成績
2018年 アジアンオープントロフィーアドバンストノービス 2位
2018年 全日本ノービス選手権 A2位
2018年 全日本ジュニア選手権 17位
2019年 チャレンジカップアドバンストノービス 優勝
昨年は国際大会で初優勝し、実力を世に知らしめた本田紗来選手。幼い少女のあどけなく愛らしい表情や所作を見せながら表情を駆け抜ける一方で完成度の高いジャンプ等の大技をみせ、世界を舞台に活躍するスケーターとしての期待を大きく抱かせてくれた。
友野一希
▼主な成績
2018年 世界選手権 5位
2018年 GPロステレコム杯 3位
2017,2018年 全日本選手権 4位
2019年 四大陸選手権 出場
「Freaks」のナンバーに合わせ、トランペッターに扮して持ち前の軽やかな身のこなしと感情豊かな表現力で客席を魅了。華麗なステップやジャンプを次々と披露すると、ファンからは熱い声援や拍手が贈られた。退場時にはトランペットを軽快に吹く仕草を交えながら笑顔で氷上を後にした。
本田真凜
▼主な成績
2016年 世界ジュニア選手権 優勝
2017年 世界ジュニア選手権 2位
2018年 GPフランス大会 6位
柔軟性の高い身体能力と滑らかなスケーティングで可憐に美しく舞う姿が印象深いが、今回のプログラムでは、その持ち味に激しさや鋭さのようなスパイスが加えられており、アグレッシブで勢いのある姿に観客は圧倒されている様子だった。
村上佳菜子
▼主な成績
2010年 GPファイナル 3位
2013年 世界選手権 4位
2014年 四大陸選手権 優勝
2014年 ソチオリンピック 出場
メディア等の媒体でも知られる自身の天真爛漫なイメージと離れ、「シンドラーのリスト」のテーマ曲に合わせた重厚感のあるプログラム。氷面や空間を巧みに使いこなしながら切なさや苦しさを魅せる姿に惹き込まれ、感情移入して胸が苦しく感じたファンも多いだろう。
村元哉中
情熱的な眼差しと艶のあるスケーティングで会場を魅了。初めて目にする観客も、氷上の存在感に視線が釘付けになっていた。最後はアイスダンスでパートナーとなる髙橋大輔が登場し、息のあったダンスに今後の期待をのせた声援が贈られた。
アーティストゲスト BOOOST
BOOOST オフィシャルサイト
https://booost.jp/
プリンスアイスワールドチーム応援ソングとなっている「We’ll Be There」を披露。厚みのある歌唱力で客席を魅了し、会場の熱気を盛り上げた。
初企画:レクレーション
シンクロナイズドスケーティングの歴史を紹介するとともに、ラインやブロック、ウィール、インターセクションなどの技を紹介。また、ジャンプ6種を紹介して見比べるワークでは、「わかった!」などの歓声が上がっていた。
キッズスケーター
まるでピンポン玉が弾けて転がるように、色鮮やかな衣装をまとった可愛らしいキッズが元気よく氷上を駆け抜ける姿に声援が掛けられ、客席からは大きな拍手が贈られた。
本田武史
▼主な成績
1999年、2003年 四大陸選手権 優勝
2002年 ソルトレークシティオリンピック 4位
2002年、2003年 世界選手権 第3位
全日本選手権 6回優勝
世界で日本男子フィギュアスケートの存在を確立させた先駆者の代表的スケーター。重厚感のある滑りと情感豊かな表現力に定評があり、技のひとつひとつを丁寧に成功させる誇り高い堂々とした姿に大きな拍手が沸き起こった。
安藤美姫
▼主な成績
2007,2011年 世界選手権 優勝
2010年 バンクーバーオリンピック 5位
2011年 四大陸選手権 優勝
全日本選手権 3回優勝
昨年は自身が振り付けした「This Is Me」をPIWチームとともに披露し、振付師としても活躍する中、今回もセルフコレオのプログラム「Roots of the Throne」を披露。ドラマチックな演出や情熱的なスケーティングに観客が総立ちとなって拍手や声援を送った。
織田信成
▼主な成績
2006年 四大陸選手権 優勝
2006年 世界選手権 4位
2008年 全日本選手権 優勝
2010年 バンクーバーオリンピック 7位
映画「Ghost」の感動的なシーンを氷上で表現。引退後も自身の技を磨き続け、現役時代よりさらにレベルアップした演技を披露。高い到達点のジャンプやステップをみせると、会場からは声援と大きな拍手が贈られた。
荒川静香
▼主な成績
1998年 長野オリンピック 出場
2004年 世界選手権 優勝
2006年 トリノオリンピック 金メダル
登場からほんの数分間を幻想的で美しい荒川静香の世界に会場を引き込み、場内すべての人の視線を釘付けに。しなやかさや表現力は年々進化しており、全く衰えを知らず輝き続ける舞に、賞賛の声と鳴り止まないほどの拍手が沸き起こった。
髙橋大輔
▼主な成績
2002年 世界ジュニア選手権 優勝
2007年 世界選手権 2位
2010年 世界選手権 優勝
2010年バンクーバーオリンピック 銅メダル
2012年 グランプリファイナル 優勝
登場と同時に会場の熱気は最高潮に。ロング丈の黒い衣装をまとい、「Krone」の静かな曲調の中で、優雅に、そして時には熱情的な舞をみせた。リンク近くを駆け抜ける度に近くのファンからは大きな声援と拍手が沸き起こり、演技後はスタンディングオベーションで手作りのバナーや花束を掲げながら氷上を後にするまで見送った。
Act. 1
構成・演出:モモ ナガシマ
コリオグラファー・スケーティングディレクター:佐藤紀子
コリオグラファー:石川ゆみ
Opening
・One Vision
・1001のバイオリン
・Swan Lake
Guest
・Fever
・Beautiful
・Natural
Guest
・Japanespue
Act. 2
・レクレーション
Guest
・Dirty Work
・Santa Maria
・Open Arms
Guest
・ワルキューレの騎行
・交響曲第9番ホ短調op.95「新世界より」第四楽章
・One more time