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2007年12月03日
2007 KYORAKU CUP 第8回日韓女子ゴルフ対抗戦2日目 [ ゴルフ ]
日韓女子ゴルフ対抗戦2日目は日本が初日のリードを守りきれず、24-24の同点となり大会史上初のプレーオフに突入した。プレーオフ1組目の横峯さくら-李宣和、2組目の諸見里しのぶ-全美貞は共にパーでドロー。迎えた3組目、古閑が決めれば勝利のバーディーパットを外し、サドンデスは4組目に突入と思われたが、バンカーからのアプローチで1.5mにつけた張晶がパーパットをはずし、劇的な形で幕切れとなった。日本の勝利は7年ぶり。MVPには今大会日本勢では唯一2勝をあげた横峯さくらが選ばれた。また宮崎出身の前田久仁子は李貞妍に72-75で勝ちチームの勝利に貢献した。
開催期間:2007年12月1日(土)、2日(日)
開催コース:福岡センチュリーゴルフ倶楽部
大会ホームページ:http://www.mbs.jp/nikkan/
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◆最終結果
2ラウンドスコア 日本 24-24 韓国
PLAYOFF 横峯さくら5-5李宣和 諸見里しのぶ5-5全美貞 古閑美保5-6張晶
◆FINAL ROUND
両国12名によるシングルス12組(18Hストロークプレー)
日本 11-13 韓国
Party1
三塚 優子 74 ×
二日連続の1番手は今年初勝利をあげた三塚。USLPGA7位の張相手に13Hまで1打差の大接戦を演じる。結局71-74で敗れたが初日にあげた1勝がチームを勢いづかせ貢献度は高かった。最初にホールアウトし最後まで元気いっぱいチームの応援をしている姿が印象的だった。
Party2
飯島 茜 76 ○
昨日の負けを何とか取り返したい飯島、アメリカツアー2勝の安が相手。13Hを追え4打差のリードも14番ではまさかのダブルボギーで2打差に詰め寄られる。15番でしっかりバーデーを取り、最後は追い上げる安に1打差で勝利。
Party3
古閑 美保 74 ×
先週の優勝の波に乗れない古閑は辛相手に苦しいゴルフ。74-72で完敗。しかしこのあとのプレーオフでホールアウトの地点では誰も予想しなかった 劇的なドラマが・・・。
Party4
横峯 さくら 70 ○
相手に負けないゴルフに徹した感じのある横峯。大きなプレッシャーを跳ね返す力がこの何年かでついたことを感じさせるラウンド。韓国期待の若手池を相手に快勝。日本勢唯一の2勝でMVPを獲得した。来年は今年以上に飛躍の年に・・・。今年最後の試合を最高の形で締めくくった。
横峯さくらコメント:
勝てたので良かったです。7Hのロングも大きかったですけど、その前からずっと耐えていて5Hでパーを拾えたのが大きかったですね。あれは運が良かったです。ちょっと弱ければ止まっていた、相手の選手も「ナイスパー」といってくれました。(14H、15H、16H、3連続バーディ)とりあえず足を引っ張らないようにしたいと思っていました。勝ちに行くより、自分のプレーをしてその結果、勝てたらいいなという気持ちでしたね。良い形で1年を締めくくれてよかったです。
Party5
川原 由維 73 ×
今大会2敗も相手を考えると納得のゴルフ。それ以上に日本チームの応援団長を務めた父の活躍が目立った。USLPGAランキング5位の李とのラウンドはいい刺激になったはず。
Party6
原 江里菜 73 △
今大会一番闘志を魅せてのラウンドを行ったのは原かも知れない。最終ホール全のバーディーパットが決まった後のパットではずせば逆点負けの場面。集中してパッティングに望む姿に今年1年の成長が見られた。しっかり決めて引き分けに持ち込んだ経験は来年につながる。
Party7
米山 みどり 79 ×
キャプテンの重責を負い今日はOUTで差をつけられ最後まで調子を取り戻せずに敗退も、若手中心のチーム構成の中上手くチームをまとめた貢献度は高い。
Party8
上原 彩子 76 ×
上原は韓国チームキャプテンとの対戦に何とかくらいついていこうとするが、ストロークマッチの経験の差で負けないゴルフをする金に76-73で敗れた。最後は足を引ずりながらでも、闘志でプレーする金の姿は印象的だった。USLPGAランキング4位の強さを肌で感じることが出来たはず。
金美賢コメント:
ものすごく残念で悔しい。でも最後まで頑張ったので悔いはない。ゴルフは個人競技だけど、チームを作って皆で一緒にプレーできたことには満足している、また来年頑張りたい。韓国の13名の選手達は10万円ずつ集めて合計130万円を在日本大韓民国民団に寄付することに決めました。今日参加できなかった朴セリ選手も同意してくれました。
Party9
前田 久仁子 72 ○
昨日の敗戦から今日は一転責めのゴルフで序盤のリードをしっかり守り勝利。ジャパンを背負う戦いの中、集中して自分のゴルフを出来たのは大きな経験。シーズン後半は途中で崩れる事が多かっただけに大一番で来年からの飛躍につながれば。
Party10
諸見里しのぶ 68 ○
昨日の敗戦を人一倍気にしていたのが諸見里。今日にかける気持ちはプレーにも出ていた。難しいピンのポジションの中、果敢に攻めて68で李と並ぶ今日のベストスコアを記録。
Party11
佐伯 三貴 72 ○
後半の組は前の組の勝敗を気にしながらのラウンドも今日の集中力は素晴らしかった。しっかりと守る分は守り、攻めの部分では果敢にトライ。大差リードも終盤宋に詰められるがしっかりと追いつかれないゴルフで勝利。
Party12
有村 智恵 75 ×
昨日のベストスコアから一転、今日は1Hティーから緊張感が顔に表れる中、何とかUSLPGAランキング10位の飛ばしや李に食らいついていった。しかし最後まで緊張がとれることはなく18Hで敗戦が決まった瞬間大粒の涙が。責任感が故の重圧に耐えながら最後までラウンドした姿は感動的だった。プレーオフでの勝利が決まった瞬間一番いい笑顔をしてたのも有村だった。
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●プレーオフ1
横峯さくら 5-5 李宣和
日本の1番手は日韓戦7戦全勝、今大会も2勝と絶好調の横峯さくら。一方の韓国はHSBCチャンピオンシップを制するなどマッチプレーに強い李宣和。李は3打目をグリーン左のバンカーに外したが、リカバリーショットでパーをセーブ。横峯は6mのバーディチャンスにつけたものの、打ち切れずに引き分ける。
●プレーオフ2
諸見里しのぶ 5-5 全美貞
2番手で登場したのは、この日4アンダーの諸見里しのぶと、今年、この大会と同じ会場で行われたのヴァーナルレディスの覇者・全美貞。全は何とかパーをセーブするのが精一杯。諸見里は決めれば勝ちとなる1.5mのバーディパットを決めきれず引き分けに。
●プレーオフ3
古閑美保 5-6 張晶
3番手は、リコーカップを制して勢いに乗る古閑美保と、張晶の対決。3打目を左バンカーに外した張だが、そこからあわやチップインのアプローチで1.5mに。古閑は3mのバーディチャンスにつけたが打ち切れずにパー。このまま4試合目に突入するかと思われたが、張が短いパーパットを外して勝負は決まった。
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◆共同会見(日本チーム全員)コメント
米山キャプテン:皆のおかげで勝てた。チームの皆に感謝したい。
原江里菜:勝つ事が出来てとても嬉しい。互角の戦いの中で勝てた事が嬉しい。
三塚優子:特攻隊長として2日間いきました(笑)初日は上手くいったけど、2日目はもうちょっとで・・・。でも勢いをつけることはできたと思います。勝ててよかった、嬉しかった。
諸見里しのぶ:プレーオフでバーディを決めていれば、もっと簡単に勝てたのに・・・。この、メンバーに感謝します。
古閑美保:団体戦なのでチームが勝つのが一番。今年はメンバーが決まった時点からいい雰囲気があって、昨日全員が練習しているシーンを見て、これはいけると思った。
佐伯三貴:チームの雰囲気がとてもよかった。このメンバーの中にいられたことを栄光に思う。来年もまたこのメンバーに入れるように1年頑張ります。
上原彩子:優勝できて嬉しい。来年もこの13人の中に入れるようにオフも頑張りたい。いい経験が出来てよかった。
有村智恵:今日は最終組でプレーして、みんなの結果を知っていて引き分けでも勝てると分かっていたのに・・・途中でミスして負けて申し訳ない。それでも皆を信じていた。すごい!この3日間は楽しかった。
藤田幸希:応援に回っていていい経験になった。みんなのサポートをすることに専念した。選手としてプレーしたいので、来年はこのメンバーに入れるように頑張ります。
横峯さくら:インタビューをさっき受けて、勝ったらもう一回ここに来れるよ、と言われていて来れて嬉しい。今年は勢いがあったので勝てると思っていた。
前田久仁子:パッティングの調子が悪かったので、早めに入って調整をした。勝ててよかった。
川原由維:私だけ2日とも負けてしまった。でもその負けで皆が頑張ってくれて、チームも勝てたと思う(笑)
飯島茜:私も皆に助けられた。今日スコアは4オーバーでも勝てたのでよかった。また頑張ります。
◆プレーオフ出場選手&米山キャプテン
米山キャプテン:(プレーオフのメンバーは)調子のいい選手を選んだ。18Hを見ていた選手に今日距離があっていたとか、いい感じでよかったという情報を聞いて、5人(横峯・諸見里・古閑・佐伯・原)を選びました。
古閑:(順番は)1番目と2番目はどっちでもいいと思ったけど、さくらは負け無しなので相手に負けない印象を与えているし、しのぶも今日18Hでバーディを獲っていたので・・・さくらが「私行きます」というので決まった。
横峯:次につなげたいという気持ちと、ここで決めたいという気持ちがあった。プレッシャーはあった。6mのバーディパットを打ち切れずにパー。相手は3打目がバンカーだったのですけど、パーを獲ってくるだろうと思っていた。
諸見里:めちゃくちゃ緊張しました。まだプレーオフの経験がないので・・・ティでクジを引いてオナーだったので、だったらバーディをとって決めてやると思ったんですけど、バーディパットはゆるみました。1.5m。ボールをラインにあわせようとする手が震えて、なかなかあわないくらい。個人戦としてだけではなく、団体戦の緊張が・・・チームが勝ってよかった。
古閑:さくらはミラクルを起こすので、しのぶも入れると信じていた。彼女は本番より近い距離だったので、入れるだろうと思っていたらはずして・・・。3番目というのが微妙で、順番場回ってくるのか、決まるのか・・・やりたいとは思っていたけど緊張した。でもティショット、セカンドを打つときは緊張しなかった。JJがバンカーから入れてくるだろうとキャディさんと話していたけど、私の見ていた場所からは本当に入ったと思ったのでビックリした。うまいショットだった。バーディパットは手が震えて、始動がわからないくらい。打ち切れなかった。4番目の選手に託す気持ちだった。まだ先週の運が残っていた感じで感謝します。
今年を振り返って・・・
横峯:今年本当に最後の試合ですごくいい試合が出来た。いい締めくくりが出来てよかった。
古閑:個人競技では人の応援はしないけれども、団体戦では本当に人を応援する。雰囲気がよくて、皆が勝ちたいという気持ちが出ていた。これで勝てたことが全員にとって自信になる。これで来年は敵が増えたと思う。すごくよかった。
諸見里:来年ワールドカップにいきますが、団体戦としてすごく貴重な経験が出来た。昨日は朴セリ選手と回って負けたけれども得るものもあった。今日も苦労したけれども、私も勝てば日本も勝つチャンスがあると思ってプレーした。この2日間で成長できたと思う。
米山:今年はじめと最後でよい思いをさせてもらった(笑)途中は中だるみでしたけど・・・。若いこの考え方が分かってよかった。前向きな考え方が参考になった。こういう機会でないと、なかなか若いこの考え方とか分からないので勉強になった。
パワスポ黒田の感想:
今大会素晴らしい戦いの中、最終日には2つのドラマがあった。1つは昨日の快進撃を受けて最終組で韓国の飛ばしや李知映と戦った有村智恵。前半のプレーを見たが緊張で自分のプレーが出来ていないのが誰の目にもあきらかだった。コース内にあるスコアボードを見るたびに計算し、ため息をつく姿を見るたびに切なさを感じた。ジャパンの勝敗を背負う新人の姿に今年5大会目となる女子ツアーの取材では見られなかった笑顔のない姿、これ以上ない大きな経験をつむ有村に来年からの大きな飛躍が期待される。ホールアウト後、泣き出す有村に駆け寄る横峯や他の選手達、個人競技のゴルフの中で若い世代は共に強くなる道を選び始めていることを実感。
2つ目は韓国チームキャプテン金美賢の頑張り。昨日の朴セリと同様、プレーできるような状況ではなかった。前半は感じられなかったが、18Hホールのグリーンにあがる頃には足を引きずりながらのラウンド。それでも負けないのがUSLPGA4位の実力なのか?追いかける上原を振り切っての勝利。韓国の打倒日本の気持ちの強さが集約されていた場面だった。アメリカツアーで日本人選手が戦う為に必要なものが、若い日本チームの選手の目にはどのように映ったのか?そんなことを感じることが出来れば、来季以降日本人選手の世界での活躍が期待される。
投稿者 pawaspo : 2007年12月03日 17:54