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2007年02月20日
第45回延岡西日本マラソン [ 陸上 ]
2月18日(日)、新人マラソンランナーの登竜門である『延岡西日本マラソン』が行なわれた。陸上長距離の名門"旭化成"のお膝元で行なわれるこの大会。過去には、廣島日出国、宗兄弟、川嶋伸次選手らを輩出しており、九州では3大マラソンのひとつとして注目されている。また、日本陸上競技連盟公認のフルマラソンでありながら出場制限がない為、初めての公認記録を持つことが可能となっており毎年多くのランナーがこのマラソンに挑戦している。今回は招待選手14名を含む269名が参加し熱戦を繰り広げた。特に35km地点からは4人の選手達による抜きつ抜かれつの手に汗握る展開となり、ゴール前にある最後のアップダウン"安賀多橋"付近では2人の選手によるデッドヒートが観衆が見守る中繰り広げられ、壮絶な我慢比べが演じられた。そんな、まれに見る接戦を2:15:48のタイムで制したのはニューイヤー駅伝でも活躍した安川電機所属の立石慎士選手だった。そして惜しくも2位となった愛三工業所属の南 智浩選手は2:15:55と1位とはわずかに7秒差・・・下の画像からもゴール前の激戦の模様がうかがえる。
(文:木原ケイ 撮影:松田秀人)
▲1位の立石選手(14番)と2位の南選手(55番)との差はわずか7秒だった。
◆主催
九州陸上競技協会、宮崎県教育委員会、延岡市、延岡市教育委員会、
延岡市体育協会、西日本新聞社
(延岡市作成ホームページ)
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●10:00延岡市役所スタート
10:00に延岡市役所前をスタートする今大会。天候は曇りながら気温は2月にしては暖かい13.9℃、湿度77%、北西4.3mという気候の中、スタート前には例年通り、延岡花太鼓の子供達が演奏を披露し、選手達を鼓舞した。そのスタート5分前、一旦演奏が止まり選手達はスタート前へ…。これから始まる快走に期待する観客の期待を背に10:00ジャスト、首藤延岡市長の号砲と花太鼓のドラが鳴り響き今大会がいよいよスタートした!
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●5km地点 トップ通過タイム~0:15:41
1 足立(31番/旭化成/ペースメーカー)
2 水口(6番/大塚製薬)
3 合田(58番/山陽特殊製鋼)
4 南(4番/小森コーポレーション)
5 安生(3番/富士通)
6 立石(14番/安川電機)
例年と違い、なんと23名もの選手が形成する先頭集団。今大会を引退レースと位置付けている旭化成の森下選手や優勝候補の堤選手、また数名の一般参加選手などがレースを引っ張っている。最初の5キロまで15分41秒と、やや設定より遅めのレース展開である。
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●10km地点 トップ通過タイム~0:31:21
1 足立(31番/旭化成/ペースメーカー)
2 水口(6番/大塚製薬)
3 合田(58番/山陽特殊製鋼)
4 南(4番/小森コーポレーション)
5 安生(3番/富士通)
6 立石(14番/安川電機)
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●15km地点 トップ通過タイム~0:47:07
1 足立(31番/旭化成/ペースメーカー)
2 安生(3番/富士通)
3 南(4番/小森コーポレーション)
4 桧山(10番/安川電機)
5 丸山(9番/YKK)
6 立石(14番/安川電機)
レースが進むにつれ、徐々にその先頭集団から脱落する選手も見え出したが、10kmを越えた辺りに上り坂を迎え15キロ地点では18名の先頭集団のタイムが47分07秒と、5キロ15分40秒ペースのレースとなっている。この時点で、優勝候補と目されていた森下選手は先頭集団から一歩後退している。
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●20km地点 トップ通過タイム~1:02:49
1 足立(31番/旭化成/ペースメーカー)
2 安生(3番/富士通)
3 浅尾(12番/佐川急便)
4 丸山(9番/YKK)
5 立石(14番/安川電機)
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●折り返し地点 トップ通過タイム~1:08:36
日向市原町の折り返し地点を迎えても、遅めのペースは変わらない。それもあってか、この時点でも先頭集団は14名と形勢は変わらず、その選手が優勝してもおかしくないレース展開である。
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●25km地点 トップ通過タイム~1:18:34
そしてこの後、25km地点からはペースメーカーがレースを離れ、各選手間での駆け引きも見られるようになった。この折り返し地点直後、優勝候補と目されていたゼッケン2番堤選手がこの集団から一歩後退。27キロ地点前では12番浅尾選手がこの集団から一歩前に進むが、一般参加の55番南選手がこれを追いかける展開に。浅尾・南の先頭と10名からなる第二集団という展開になった。
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●30km地点 トップ通過タイム~1:34:32
1 南(55番/愛三工業)
2 立石(14番/安川電機)
3 水口(6番/大塚製薬)
4 北川(7番/大塚製薬)
抜け出した浅尾・南選手だったが、29キロ地点でスパートを掛けた南選手が一歩抜け出し、そのまま浅尾選手は第二集団に飲み込まれてしまう。変わって第二集団から追いかけていったのは立石選手。30キロ地点では約10秒の開きのある両選手。、ここから船越峠を越えるため、ペースが落ちる事が予想される。早めにスパートを掛けた南選手のスタミナが持つか、坂道を得意としている立石選手が追いつくか見ものである。その後方で徐々に差を詰めていた、共に大塚製薬所属の水口・北川両選手がその峠で追いつき、この時点での優勝争いはこの四選手に絞られた感がある。
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●35km地点 トップ通過タイム~1:51:26
1 北川(7番/大塚製薬)
2 水口(6番/大塚製薬)
3 南(55番/愛三工業)
4 立石(14番/安川電機)
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●残り5キロ地点 トップ通過タイム~1:59:00
1 北川(7番/大塚製薬)
2 水口(6番/大塚製薬)
3 南(55番/愛三工業)
4 立石(14番/安川電機)
そして残り5キロを切ったあたりで南・立石両選手が下り坂を利用しスパート!そのままジワリと差を広げ、残り4キロの時点でいよいよ優勝はこの二人に絞られた。南が差を広げようとすると、立石が必死に喰らい付き差を許さない。このまま、いよいよレースは佳境を迎える。
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●残り3キロ地点 トップ通過タイム~2:02:26
1 南(55番/愛三工業)
2 立石(14番/安川電機)
3 北川(7番/大塚製薬)
4 水口(6番/大塚製薬)
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●40km地点 トップ通過タイム~2:08:27
1 南(55番/愛三工業)
2 立石(14番/安川電機)
3 北川(7番/大塚製薬)
4 水口(6番/大塚製薬)
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●残り2km地点 トップ通過タイム~2:09:10
1 南(55番/愛三工業)
2 立石(14番/安川電機)
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●残り1km地点 トップ通過タイム~2:12:35
1 南(55番/愛三工業)
2 立石(14番/安川電機)
40キロを越え、いつスパートをかけるかお互いに探り合っている状態。残り2キロの給水地点でも、競り合いになっているからかあえて給水せず、レースに集中する二人。記録はそこまで伸びていないが、勝負としては本当に最後まで分からない展開である。残り1キロを切った時点でも譲らない2選手。勝負はゴール前の安賀多橋の上りで決まりそうな雰囲気である…。
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●ゴール 2:15:48 立石 (14番/安川電機)
そしてその安賀多橋前で、立石選手がスパート!今レース初めて先頭に立った立石選手に追いつけない南選手!そしてこのレース、2:15:48という記録で立石選手がマラソンレース初優勝を飾った!ゴール前で残念ながら2位となった南選手だが、立派にレースを引っ張っていった。
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◆1位 立石 慎士(14番/安川電機) 2:15:48
※立石選手のコメント
今レースは勝負にこだわりたかったので率直にうれしいです!最後まで粘って粘ってトップに喰らい付いて、でも最後には勝ちたいと思っていました。タイムよりも勝利できた事で、目標が達成できてうれしいです。35キロを過ぎて4人になった後、水口・北川選手を追いかけた時に足を使ったので終盤はきつかったですが、最後まで粘るぞ!という気持ちで走りつづけました。二人になってからは、相手が根負けした時に前に出れば勝てると思っていたので、いつ相手にスパートをかけられてもいいように歯を食いしばってくらい付いていました。。ウチは駅伝のチームなんですが、この勝利でマラソンにも力を入れてくれると思います。次はぜひ北京オリンピックを目指したいと思います。
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◆2位 南 智浩(55番/愛三工業) 2:15:55
※南選手のコメント
タイム的にもう少し伸ばしたかったです。25キロを過ぎてペースメーカーがいなくなりましたが、そこからは3分15秒のラップで行く事を心がけました。30キロからは他に前に出る選手がいなかったのでちょっと前に出ました。自分にはスピードがない分、強気で積極的に行きたかったのですが、最後の最後で前に出られませんでした・・・そこが自分の弱さかなと感じています。次の予定はまだ未定ですが、おそらく4~5月くらいにトラックに出場することになると思います。マラソンはまた来年になるかもしれないので、その時はこの大会でリベンジしたいと思います。
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●表彰式
1位 立石 慎士(14番/安川電機) 2:15:48
2位 南 智浩(55番/愛三工業) 2:15:55
3位 水口 紀幸(6番/大塚製薬) 2:16:09
4位 北川 敬大(7番/大塚製薬) 2:16:31
5位 福地 宏行(59番/安川電機) 2:16:44
6位 本田 智之(60番/SUMCO TECHXIV) 2:17:08
7位 丸山 光昭(9番/YKK) 2:16:09
8位 澁谷 明憲(53番/カネボウ) 2:18:40
9位 榎田 龍一(52番/カネボウ) 2:19:00
10位 浅尾 英(12番/佐川急便) 2:20:12
表彰式では優勝した立石選手にチャンピオンカップと、今後開催予定の海外マラソンへの派遣の目録を初め、沢山の賞が手渡された。また、入賞した選手にも同様に地元から沢山の賞品が手渡された。この大会では毎年、関係者や大会ボランティアとして約700名からなる多くの市民が運営に参加し、歴史あるこの延岡西日本マラソンを盛り上げているのもアスリートタウン延岡ならでは!参加選手達へのサービスの一環として、ボランティアによる全選手の競技写真配布(下)なども実施されている。プリントされた写真は選手控え室付近に掲示され、自由に持ち帰れるようになっている。また来年もこの大会が多くの支援者の下、すばらしいアスリート達賀熱戦を繰り広げていく事であろう。
投稿者 pawaspo : 2007年02月20日 10:47