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2006年06月30日
九州1歳市場2006結果 [ 競馬 ]
九州の馬産・・・。最後まで頑張り続ける人たちが集まり、なんとか復活を目指しておこなったセリ市場。購買率の75%は素晴しい数字であるが内容は素直に喜べないものもあった。これからの九州の馬産業を守る為に何かを考えなければ・・・。そんな思いが強くなる一日だった。
(文・撮影:黒田 健)
開催:2006年6月12日(月)
時間:展示開始:午前10時、せり開始:午後1時
場所:大崎家畜市場(JBBA九州種馬場)
http://www.uma-furusato.com/farm.php?farm_id=10580
主催:鹿児島県軽種馬協会
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上場頭数20頭(牡10頭、牝10頭)、売却頭数15頭(牡8頭、牝7頭)、売却率75.0%、売上総額は25,305,000円(税込)だった。平均価格は120万4000円(税込)。
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No 性 父 母 母父
落札価格(税抜) 購買者(敬称略) 販売申込者(敬称略)
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1 牡 鹿 パラダイスクリーク スカズカ Sir Ivor
5,100,000 柏木務 ホースパークプロスパー
父パラダイスクリークは米芝チャンピオンとして鳴り物入りで日本に導入された種牡馬。父ににて馬体の良い産駒がおおく、テイエムプリキュアをはじめ重賞勝ち馬も数多く産出している。激しい気性の産駒も多く、当馬も今のところそのような傾向が見れた。母系は南関東競馬で活躍中のサンキューウインをはじめ安定していてこのセールでは一番のセリ値で売却された。
2 牡 鹿 アサティス フレンディガール カリスタグローリ
2,000,000 柏木務 本田土寿
3 牡 鹿 サイレントハンター グッドウォーニング ウォーニング
主取り (有)ニルキング牧場
4 牡 鹿 ビークァイエット ウォーカーヒル ノーリュート
1,500,000 坂東島繁藤 田上勝雄
5 牡 栗 タイキファイヤー カシワズテースト ノーザンテースト
1,500,000 柏木務 本田 土寿
6 牡 青 グレートサン ペプチドハナシオン アーミジャー
1,200,000 徳重正幸 小林 良助
7 牡 鹿 サイレントハンター トニービンスター トニービン
1,500,000 西村新一郎 (有)ニルキング牧場
8 牡 鹿 レザームーン ヒカリラバーズ ベストタイアップ
主取り 吉野政敏
9 牡 鹿 サイレントハンター ロイヤルビクトリー ピルサドスキー
1,000,000 加治屋康雄 (有)ニルキング牧場
10 牝 鹿 サイレントハンター キャロルライデン ワカオライデン
1,200,000 柏木務 小林良助
11 牝 鹿 サンキリコ ウッドスピリット ティンバーカントリー
1,700,000 柏木務 山口牧人
12 牝 栗 サイレントハンター ダイイチジョグ ヘクタープロテクター
800,000 森中蕃 岡元恒雄
13 牝 鹿 サイレントハンター スイフトクイン スイフトスワロー
3,000,000 坂東島繁藤 田上勝雄
14 牝 芦 メジロマックイーン スミレコトブキ パーフライト
主取り ホースパークプロスパー
15 牝 鹿 ビークァイエット コトブキキミコ ポリッシュネイビー
1,100,000 熊本県馬主会 田上勝雄
16 牝 栗 グレートサン ミスティーキャロル キャロルハウス
主取り 坂本トニアシュタール
17 牝 栗 マルカダイシス エアリーパック サニーブライアン
1,000,000 熊本県馬主会 徳重正幸
18 牝 栗 ビークァイエット カツイチシホコ ラシアンルーブル
1,000,000 熊本県馬主会 中神貴幸
19 牝 鹿 ゴールドヘイロー カーラー Sadler's Wells
主取り ホースパークプロスパー
20 牡 芦 エアジャスティス ブルーシンデレラ タマモクロス
500,000 坂東島繁藤 宮路毅
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感想
サンデーサイレンス後継種牡馬として導入されたサイレントハンター産駒が6頭上場されたが購買者・生産者の評判は良くない。実際気性が悪く(臆病な馬が多く)今まで見た産駒もあまり評価の高い馬はいなかった。ましてサイレントハンターは歳を重ねて活躍した馬だけに、早目から活躍が期待される今の競馬での活躍は厳しい。せめてG1を勝ったような種牡馬がいればもう少し高い値段で売れる馬がつくれるのだが・・・。牧場の数も生産馬も減少する中、産地としての九州を守る為にももう少し選択肢をあたえていかなければ九州産馬は苦しい立場に・・・。もちろんもう一頭の種牡馬ダンツシアトルに期待しているが・・・。宮崎産に関しては鹿児島産馬以上に厳しい状態が続く。
サイレントハンター
http://www.uma-furusato.com/horse.php?horse_id=100466
-si01 -si02
ダンツシアトル
http://www.uma-furusato.com/horse.php?horse_id=100361
投稿者 pawaspo : 2006年06月30日 00:17
コメント
初めまして総統と言います。
すべて、宮崎ひいきに書いている記事や宮崎ではマイナーな扱いのスポーツにまで、フォーカスを当てていて、大変興味深くおもしろく拝見指せていただいています。
特にこの競馬の特集では、競馬文化のない宮崎で、ここまで掘り下げた記事はなく、非常に面白く読んでいます。
私も、一時期、JRAの調教助手を目指していて、競馬学校を受験したことがありまして、競馬が大好きなのです。
競馬文化がないと書きましたが、実は宮崎では昭和32年に廃止されるまで、競馬が行われていて、戦争中も軍馬を生産されていた馬文化の先進地域だったんですよね・・・。
競馬が撤退してからは、あまり振るいませんが、以前、延岡北部から北川一帯では、競走馬を始め馬が生産されていましたし、すでに引退された矢野照正調教師はこのあたりの生まれなんです。稀代の癖馬「カブトシロー」の墓も延岡にあるんですよね~。大崎昭一のダービージョッキー、池江 泰郎の名トレーナーなどがいて、けして競馬とは無縁の土地ではないのですがね・・・。
九州産駒を大事にしてもらっている、柏木務オーナーやツルマルのオーナー、テイエムのオーナーにはがんばって欲しいところですよね。いつの日か、小倉デビューの九州産駒が、ひまわり賞→小倉2歳S→朝日FS→弥生賞→皐月賞→ダービーというローテーションで見事ダービー馬になるという夢を見ていきましょう!
ダンツシアトル×カシノリファール
登録名 カシノフェニックス (山内厩舎)
このあたりでどうでしょうか?かなり宮崎のにおいをさせて見ましたが・・・・
(私は、以前POGでカシノリファールを持っていたことがあります)
これからもマニアックな情報楽しみにしています。ホンダロックSCも末永く応援よろしくです。
投稿者 総統 : 2006年07月03日 00:25
私は10年以上グリーンチャンネルでディレクターをやってるんですが取材を通じての知識の範囲で言えることはサラブレッドの進化の歴史を考えれば逃げるために脚が速くなった草食獣である馬に肉食獣のエッセンスを加えて進化させていると思われるのです。よって種牡馬は肉食獣に近い追い込み馬の方が成功します。たとえばブライアンズタイムはレースではリズンスターに全く通用しなかったわけですが種牡馬の適正は高かったわけです。ブライアンズタイムはイソノウイナーを彷彿させるようなレースが終わってからの追い込みが素晴らしかった。兄のサンシャインフォーエヴァーより肉食獣に近かったのでしょう。そしてすごい追い込みを見せる馬は総じて爪が小さいです。ディープインパクトやデュランダルがそうなんです。他にも成功の条件はあるのですが話しが逸れ過ぎですね。サイレントハンターの不評は想像できた事なので次に種牡馬を導入する時は今回の教訓を胸に進化したサラブレッドを探して来ないと九州の馬産はさらに衰退するでしょう。
投稿者 美野真一 : 2006年07月04日 00:55
ごめんなさい、矢野照正調教師まだ引退していないよね・・・。矢野幸夫調教師と勘違いしてました。
投稿者 総統 : 2006年07月04日 10:04
コメントありがとうございます。
九州の種牡馬に関してはやはり選択肢の問題。質の問題。どっちにしてもこのままではだめだと考えるべきです。種牡馬の導入は繁殖牝馬の導入と違って、個人のレベルではなかなかできることではありません。JRAに頼るか、大手の馬主が生産牧場を開場するか?そんな選択肢しか残されていないような気さえします。海外の馬主の開放が決まればもしかしたら九州に本拠地を持ってくれるかな?何てことも考えてしまいます。少なくともこの地域は暖かく年中おいしい草が食べれて、サラブレッドの育成には適した地域であるとおもいます。そんな馬の文化の残った九州でこそできる馬産があるのでは?そんな問いかけを少しでも多くの馬にかかわる人に伝えていきたいと思ってます。
投稿者 パワスポ☆黒田 : 2006年07月07日 03:11
>サラブレッドの進化の歴史を考えれば逃げるために脚が速くなった草食獣である馬に肉食獣のエッセンスを加えて進化させていると思われるのです。
なるほどですね・・・。そういった考え方、初めて聞きました。
>種牡馬は肉食獣に近い追い込み馬の方が成功します。
なるほど・・・そういった意味でも、数年前に主に地方馬で活躍した種牡馬のホクトヘリオスなんかもそうなのかもしれませんね。しかし、脚質は調教によるところも多いと聞きますから、現役での脚質と言うよりは、個体そのものが持っている脚質特性(わかるのか?やっているのか?)みたいな物がわかれば、血統がいまいちでも、安くていい馬が誕生するかもしれません。
私としては、宮崎・鹿児島の牧場の体力を考えれば、中央でG1を狙う一頭数千万円もする良血馬を生産する事よりも、地方の馬主さん達やが買いやすく、しかもコンスタントにそこそこ勝ちあがるような血統が欲しいところですよね。むしろ暖かい環境を生かして、育成で強くなる馬や調教に強い馬の生産と、それをなし得るトレーナーの育成のこそ、九州産の活路と考えますが、どちらも現実は厳しいようです。個人的には、カシノリファールのように、外国産を持ち込んで生ませ、九州産として走らせることも、九州産駒の底上げということの抜本的な改革とはならないまでも、九州産に目を向けるためのアピールにもなるし、九州産駒のレギュレーションを最大に生かして、クラッシック戦線に乗れることの妙味をもっと競馬界に知ってもらうことも、実は必要だったりするのでは?と思ったりします。ぶっちゃけ、九州に回ってくる軽種牡馬協会の種牡馬が全くいけていないことが、最大の要因なんですが、北海道にはまだまだいけるのに、大手牧場でくすぶっている種牡馬もたくさんいるのですから、国内でシャトルして九州に回してもらいたいものです。ついでに肌馬も・・・・。サンデーの子供だからと何でも種牡馬になる時代ですが、金がないからこそ、知恵と工夫で九州産にはがんばって欲しいですよね。
投稿者 総統 : 2006年07月07日 03:38