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2006年02月08日
センバツ九州地区代表 延岡学園高校 [ 野球 ]
2006年3月23日(水)から甲子園球場にて開催される「第78回センバツ高等学校野球大会」の出場校が決定した。宮崎県からは九州大会ベスト4の実績が認められ「延岡学園高校」が3年ぶり2回目の出場となった。今回、延岡学園を率いる、浜崎満重監督は1昨年の12月に就任したばかり、わずか1年での甲子園出場となる。同校は昨年開催された新人大会・準優勝~秋の九州大会宮崎予選・優勝~九州大会ベスト4と、着実に実力をつけている。九州大会では沖縄尚学(沖縄)や波佐見(長崎)といった強豪をやぶっている。そんなことから、センバツまで約1ヶ月強という短い期間でも、更なる成長が期待される。今回のレポートでは、そんな延岡学園の「成長力」をテーマに、この1年間でどのような部分が変わったのか?を、浜崎監督、小園主将、大西投手、そして今村マネージャーに聞いてみた。尚センバツ大会抽選会は3月15日(全国出場校リストは下記を参照)となる。
(文・撮影:松田秀人)
~のびのびと練習できる環境~
延岡市の北に位置する可愛岳を背景に、大自然にかこまれた素晴らしい環境の元、延岡学園高校の校舎やグランドがある。選手達が集中しつつも、のびのびと練習できる環境があり、ハード面でも室内練習場(SAKURAドーム)といった設備が充実している。下の画像は、校舎外観、広々とした野球グラウンド、そして室内練習場である。
~目的意識をもった練習~
この日(2月7日)は練習終了後に、ユニホームの採寸があるとの事で、若干早めに練習がはじまった。通常、平日の練習は朝も含め4~5時間、個人的な練習は含まれない。練習風景で特に印象的なのは、しっかりと声がでている事。それも、ただ大きな声を出しているのではない。練習の状況によって起こる様々なシーンを、選手達が想定し、しっかりと相手に伝えている。たとえば「今の○○は○○がよかった」といったように、「ナイス」とか「OK」といったアバウトな表現ではないのである。シートノックなどで、ミスをした選手が「もう一球!」と叫ぶと、「試合でもう一球はないやろ!」とゲキが飛ぶ!筋力トーレー二ングなどでも「○○にいい筋肉つけようぜ!」といった声がかけられる。どんな練習をする時でも、何のために今何をやっているか?を理解している事は重要。これらの目的意識をもった練習が、彼らの成長速度を大幅にアップさせているのでは?と感じる場面が多々あった。
~浜崎満重監督インタビュー~
-----センバツという事で宮崎代表としてだけでなく九州地区代表となりました。
全九州から選ばれたのですから、ほこりに思い、、また全力を尽くして戦いたいと思います。九州地区では、他3校(長崎・清峰、沖縄・八重山商工、佐賀・伊万里商)は全て公立校で、しかも全て初出場校です(延岡学園は3年ぶり2回目)。という事は、他の3校よりも最後まで生き残らなければならないと思います。
-----浜崎監督ご自身は春・夏共に経験されていますが、大きな違いは?
春の大会と夏の大会では、まったくちがいますね・・・。夏は予選から甲子園までの間に日数がなく、そのため、勝ち上がっていけばスケジュール的には厳しいものがありますが、精神的にも肉体的にも”勢い”が残っています。体がどっぷり実戦に浸かっているので試合の感覚がにぶる事はありません。しかし春の大会は、前の年の秋から甲子園まで一冬越してしまいます。そのため、肉体的にも精神的にもつくりなおさなければならないのです。そのようなわけで、今までは体造りに重点をおいて練習をしてきましたが、これから、あと1ヶ月間は実戦練習に取り組まなければなりません。昨年のいいイメージをできるだけ早くとりもどしていきたいです。
-----目標は夏の大会に設定していると聞きましたが?
そうですね、あくまでも大きな目標は夏の大会ですね。もちろん1勝する事は大切ですが、春だけを見据えてチームを作っていくと、大きな流れが春で切れてしまいます。今回の春の大会は、夏に向けての大きな経験ができる貴重な舞台です。この春を経験できる事で、又ひとつ選手達が成長できるのです。かれらはまだまだ成長途中で、いろんなものをどんどん吸収しています。今回の大会でも全力を尽くし戦う事で大きな収穫を得る事ができるでしょう。そして、それがまた夏に繋がるように流れを作らなければなりません。
-----秋以降、どのような練習を中心におこなっていますか?
体造りはもちろんですが、守備を主体にやっていますね。今のチームは内野・外野ともにバランスがいいと思います。しかし守備の要となる二塁手の米良君(2年門川中)が膝の怪我から復帰途中で、守備が主体となるチームだけに、彼の状態がキーポイントの一つではあると思います。私達も心配していますが、米良君本人が一番辛い時期だと思うので、本番までの実戦練習では、気持ちを強くもって頑張って復帰してもらいたいと思います。
-----一年で大きく変わった事はなんでしょうか?
新チームとなったのは昨年の8月ですが、現在以前からのレギュラーが5人残っています。様々な戦いを経験した彼らがそのまま仲間として在籍しているのは、チームが成長する上でとても貴重です。そうした中、どの選手も順調に、心身共に成長しています。自主性もでてきましたし・・・。昨年の夏はベンチだった新人のレフト柳田君(2年北川中)、同じくサードの谷口君(2年小林中)なども大きく成長しています。そして全体的にはリズムやテンポがよくなってきているのがうかがえます。昨年の春からの経験者が多いので、今まで培ってきた経験を是非、本番に活かしてほしいと思います。
~小園雄也主将(2年山之口中)インタビュー~
-----九州地区代表に選ばれた感想は?
一瞬「まさか?」と思いました。直ぐには実感がわかなかったのが正直なところです。取材などが終わり、浜崎監督から「これからも気持ちを引き締めろ!」といわれ、それから徐々に「代表に決まったんだな~」っていう実感がわいてきました。九州代表では他の3校が全て初出場校なので、絶対に3校より先に負けるわけにはいかないですね!
-----この1年間で変わった点は?
守備に対する考え方が変わりました。守備の重要性を理解する事で、特に接戦などの辛い試合の時は守備への自信が大きな味方になります。今は以前に比べ、意識的に守備強化を図って練習にのぞんでいます。
-----自分のセールスポイントはどこですか?
やはり守備です。それと、どんな小さな事でも常に全力でプレーする事です。これは僕だけでなく、チーム全体のセールスポイントになるように、チームをまとめて行きたいです。
-----目標としている選手を教えてください
福岡ソフトバンクホークスの川崎選手のように、足と守備が活かせるような選手になりたいです。
~大西靖彦投手(2年大阪杉中)インタビュー~
-----九州地区代表に選ばれた感想は?
ベスト4だったので、決まるまでは落ち着きませんでした・・・。決まった瞬間は本当に嬉しかったです。監督からも、「延岡市、宮崎県、そして九州の代表として戦ってほしい」と言われ気持ちを引き締めて戦いたいと思いました。今までは、甲子園にいく事が目標でしたが、これからは甲子園で勝つ事が目標となりました。甲子園で1勝する事は大きな意味があると思いますので、全力を尽くしプレーしたいと思います。
-----この1年間で変わった点は?
野球にとりくむ姿勢が大きく変わりました。個人練習の密度が高まり、練習する事が楽しくなりました。レベルも高くなり楽しいと感じるポイントも大きく変わってきたので、きつい練習でも笑顔でできるようになりました。これは僕だけでなく、みんなも同じだと思います。
-----自分のセールスポイントはどこですか?
自分はアンダースローなので、ストレート自体に癖があります。それを利用し、コースをつきながら打たせてとるピッチングを心がけたいと思います。
-----目標としている選手を教えてください
千葉ロッテマリーンズの渡辺俊介選手のようなピッチング技術を身につけたいです。
~今村桃乃マネージャー(1年)インタビュー~
-----マネージャーのお仕事は?
スコアをつけたり、掃除、選択、お客さんの接待や保護者の方のお手伝いなど、いろいろあります。
-----つらくはないですか?
先輩がいなくなって、ちょうど今、マネージャーが私1人になってしまったので、辛いというよりも、仕事が重なった時、とても忙しくなってしまいます。
-----たのしい事は?
試合でスコアをつけているので、試合の流れがよくわかります。そんな時、チームがいい感じになってきて、ベンチが盛り上がってくるのが楽しいです。でも個人的には勝ち負けに関係なくいつも泣きそうです(笑)。
-----マネージャーから選手達をみて1年間で変わったことは?
的確な場面で、大きな声がでるようになりました。それに最近選手達が「1日中練習していたい」なんて台詞も聞けるようになりました。野球に関しては頼もしく感じます。
-----代表として?
1戦1戦を大切にして、1勝でも多く勝ち星をあげれたらと思います。
「第78回センバツ高等学校野球大会/大会出場校一覧」
■北海道
北海道 駒大苫小牧 2年連続3回目
北海道 旭川実 3年ぶり2回目
■東北
秋田 秋田商 2年ぶり5回目
青森 光星学院 8年ぶり3回目
■関東
千葉 成田 初
群馬 高崎商 7年ぶり2回目
神奈川 横浜 3年ぶり11回目
神奈川 東海大相模 2年連続7回目
■東京
東京 早稲田実 18年ぶり18回目
東京 東海大菅生 9年ぶり2回目
■東海
岐阜 岐阜城北 初
愛知 愛知啓成 初
■北信越
富山 高岡商 18年ぶり3回目
新潟 日本文理 初
■近畿
大阪 履正社 初
和歌山 智弁和歌山 3年ぶり7回目
京都 京都外大西 8年ぶり6回目
大阪 PL学園 7年ぶり19回目
滋賀 北大津 初
兵庫 神港学園 11年ぶり4回目
■中国
岡山 関西 2年連続8回目
岡山 岡山東商 28年ぶり8回目
山口 南陽工 6年ぶり3回目
■四国
徳島 小松島 5年ぶり2回目
愛媛 今治北 初
■九州
長崎 清峰 初
沖縄 八重山商工 初
宮崎 延岡学園 3年ぶり2回目
佐賀 伊万里商 初
■21世紀枠
栃木 真岡工 初
石川 金沢桜丘 53年ぶり3回目
■希望枠
岩手 一関学院 初
投稿者 pawaspo : 2006年02月08日 13:47