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2006年01月19日
市民ランナー・野辺さんの青島太平洋マラソン [ 陸上 ]
自分の友人に、市民ランナーとして走っているのが2人いる。その2人を紹介したい。
最初の1人目は宮崎市在住の野辺博隆さん(通称・バン)。自分の高校からの友人である。今は2児の父親であり、スポーツは早朝ソフトボールを楽しんでいる。コイツが結婚したとき、自分はライガーのマスクを被って友人代表の挨拶をして盛り上げてやった。
このバンが市民ランナーとして青島太平洋マラソンに参加して、そして完走している。これは自分にとって驚きだった。長距離走は嫌がるような奴だったし、一時期お腹がポッコリ出てて運動不足を感じさせたから。
昨年の暮れ、某ファミレスでバンにインタビューを行った。そして、参加者の視点で青島太平洋マラソンに参加する理由や大会の様子などを語ってもらった。
(レポート:照屋盛義)
朝食は3時間前に
――まずは当日のスタートするまでについて聞きたいんだけど。スタートは何時だったっけ?
スタートは9時。起きたのは5時40分。「朝食は3時間前に食べてください」って申し込んだときに通達があったかいね。家で出てきた朝食は豚汁で、消化に悪いものばかり入ってた。でも、力を付けるために餅と卵を入れた。餅は腹持ちがいいっちゃが。グリコーゲンを蓄えるために、オレンジジュースも飲んだ。食べ終わったのは6時15分。
――会場まではどうだったん?
宮崎駅から運動公園までシャトルバスで行ったけど、45分かかったね。8時10分に着いた。
――交通量が多かったんだ。参加者は7000人いたんだよね?
うん。マラソンは6割が県外の人だった。
――ああ、そうなんだ。凄いな、それ。
それんしても、今年は寒かったが。毎年暑いのに、今年は寒かった。風が強かったし、スタート直前に小雨が降ったし。
――俺はサッカーで高城町に行ってたけど、こっちも雨がパラパラ降ってたよ。
アクエリ、梅干し、若いエキス
――バンは今年で何回目だったの?
6回目か7回目。ずっと完走してる。1回目は4時間50分。2回目からは「完走すればいいや」で5時間10~20分。今回は5時間14分。時速にすると……8kmやね。
――そうなるな。
同じぐらいの人が多いよ。見るからに遅そうなのばっかり。ジャージで走ってたりとか。日向の消防団で『火の用心』の旗を持って走ってる人がおっちゃわ。
――はぁ? 旗持って走ってんのかよ。
いつもは24kmぐらいで抜かれるっちゃけど、今年は21kmで抜かれたかい、「やばい」と思った。
――いつもよりペースが遅かったんだな。
栄養剤とか飴をポーチに入れてたけど、邪魔になって木にぶら下げていった。(制限時間が書いてある)紙を持ちながら走ってた。
――失敗したのね。
でも、今年は給水所が多かったかいね。
――2.5kmおきにあったみたいだな。食べ物は何があったの?
バナナ、みかん、日向夏ゼリー、おび天。全部食べたら、胃がもたれてペースダウンした。
――わはは(笑) アホや、おまえ。おび天は走ってるときは良くないだろ(自分はおび天が好きだけど)。
おび天は2ヶ所目でも食べようと思ったけどなかった。こういうときのバナナは美味いね。
――ドリンクは?
アクエリアスと水。もったいないから、アクエリばかり飲んでた。水はタダやけど、アクエリは金がかかるかい。アクエリを飲んだほうがお得やろ。
――わはは(笑) おまえ、マラソン走ってるときもそういうの気にするのかよ。
あと、沿道の人がチョコ、梅干し、塩を出してくれた。
――へぇ~。
でも、チョコは口の中が乾きまくった記憶があっとよ。死にそうになったかいね。給水の手前で食べた。
――梅干しとかいいみたいだね。
梅干しは元気が出るね。
――天気は?
7年連続でいつも晴れてるね。いつも暑いし。県外の人は宮崎らしさも楽しんでると思うよ。あと、沿道の人は重要やね。女子高生の前では頑張るっちゃが。
――女子高生? 運動会で女子の前だけで速く走るようなもんか?
たまにハイタッチできっとよ。それで若いエキスを吸い取っちゃが。
――まあ、俺らが女子高生と触れ合う機会はそうそうないからな(笑)
マラソンは気合い
――バンはなんでマラソンに参加するの?
目標を立てんと運動せんしね。達成感はあるよ。子供が産まれても泣かんかったけど、(マラソンで)ゴールが見えると涙が出るときもある。自分にできないことはないって自信がつく。これよりキツイことはないから。
――翌日は筋肉痛だろ?
次の日は筋肉痛で地獄やね。筋肉痛は塗り薬をすりこんでやるのがいいっちゃが。湿布は治るのに3、4日かかるけど、塗り薬なら1日。
――さすが薬剤師。バンは何か部活してたっけ?
ずっと帰宅部。マラソンは気合いだと思う。来年走ってみる?
――う~ん、俺は無理かなぁ…。
みんなが走ってるし、沿道の人が見てるから走れるっていうのはあるよ。1人じゃ無理。
――キッカケは何だったの?
自衛隊の友人が綾照葉樹林のハーフマラソンに出るとき、その付き合いで出て味をしめた。綾は時間の制限がない。コースは下りやから膝を痛めやすい。綾はぶっつけだった。それで「やばい」と思って、1ヶ月に2、3回60分ぐらいチンタラ走るようになった。昨年は1ヶ月前に足を捻挫してぶっつけ。それも気合いだった。今年は38kmから歩いた。
――マラソンで知り合った人とかいる?
「次の関門はどこですか?」と聞いてきた人がいて、話してるうちに仲良くなったよ。シーガイアの人やったかな。
――ふ~ん。
今回は最後のほうで嫁と子供が待ってたっちゃが。
――ああ、そうなんだ。
子供2人を抱っこして、入口まで走っていって。テレビがおるかなと思ってたけど、遅かったからいなくて空しかった。
――わははははは(笑)
インタビューされたら、言葉も考えてたっちゃけどね。「青島太平洋マラソンって最高だぜ、フォ~~!」って。
――それはカットされてただろう。
ゴールの一瞬の感動のために苦しむ
――完走したら何かもらえるの?
完走証が1枚。「○時間○分○秒、○位」と書いてる。自分はケツから100番ぐらいやった。紙で関門の時間を見ながら、ギリギリ走ってるかいね。
――嫁さんはどうなの?
ウチのカミさんは毎年無関心。「よくやったね」とは言うけど。
――弁当は出ないの?
出るよ。でも、マラソンの後は胃腸がもたれまくって美味しく感じない。消化のいいものが美味しいね。弁当は県外の人向けに、チキン南蛮とか宮崎のものが入ってる。
――表彰式は?
終わってる。今年はアナウンサーがおらんかったね。叔父さんと会おうって言ってたっちゃけど、叔父さんは3時間10分で走って、もう鹿児島に帰ってた。
――あらら。お金はいくらかかるの?
参加料が4200円。200円値上げした。
――それだけ払えば、自分も食うもの食って、アクエリ飲みまくるな(苦笑) 体重は?
1.5kg落ちた。次の日には戻ったけど。
――どういう人が多かった?
マラソンは3、40代が多いね。次が50代。中年の意地というか、若い者に負けたくないってのがあるんやろうね。1人だから気楽にできるし。
――バンの夢は?
子供が成人になったときに一緒に走って、勝って父親の威厳を見せつけたい。親子で走ってる人もいるよ。
――マラソンの楽しさは?
楽しいのは最初の1、2kmまで。ゴールの一瞬の感動のために苦しんでるよ。
≪おわり≫
投稿者 pawaspo : 2006年01月19日 18:15