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2006年01月18日
宮崎ゴールデンゴールズ・片岡監督に聞く <1> [ 野球 ]
1月15日、宮崎ゴールデンゴールズ(宮崎GG)のユニフォーム披露会があった。テレビや新聞などで、このニュースを見かけた人は多いだろう。宮崎GGは“欽ちゃん球団”こと茨城ゴールデンゴールズの姉妹球団として発足し、宮崎県初の硬式野球チームとしての活動をスタートさせる。
宮崎GGはチーム発足やセレクションがテレビや新聞で大きく取りあげられるなど注目度は大きいし、イコール県内での知名度は高いと思う。しかし、チームの姿というのは自分にとっては不明瞭だった。どんな選手がいて、どういう目的で、何を目標に、どういう活動をしていくのか――これがわからなかった。
昨年暮れ、宮崎GGの監督・片岡光宏さんにインタビューを行った。場所は宮崎GGの事務局でもある片岡さんのお店「お好み焼 かたおか」。片岡さんは熱心に2時間ほど語ってくれた。注文があるときは、お好み焼きを作りながら。
インタビュー特集は2回に分けてお送りする。第1回はチーム発足のきっかけなどについて。
やらなくちゃいけない
――設立のキッカケは6月の試合(茨城GGvs宮崎選抜)で、宮崎選抜の監督をされていた片岡さんに萩本さんが声をかけたと新聞で見ました。
6月の試合で話が出て。「そうなったときに監督をやってください」と。宮崎には硬式野球のチームがなかったし、(高校を出た選手の)受け皿ができるのであれば協力するつもりだった。
ただ、事務的なことは聞いてなくてね。8月に「事務局からすべてやってください」と言われて、1ヶ月考えた。お金のことも含めて、1ヶ月の間に欽ちゃん(萩本さん)のことも調べた。どういう考えでやってる、とかね。最終的には「やらなくちゃいけない」と思って決めた。
底辺拡大=やってない人を拾うこと
――ええと……。
次は、賛同した部分ね。
――はい(片岡さんが順序だてて話してくれるので、自分はうなずくだけに)。
自分は野球人としてやってきたし、野球が手助けしてくれた。だから、野球に対する恩返しがしたい。技術を上げるのは指導者がやればいい。やらなきゃいけないのは底辺拡大。「片岡さん、してます?」と聞かれたら、自分は「やってます」と答える。少年野球教室とか。野球をやってた人間はみんなこう答える。
でも、欽ちゃんは「それは底辺拡大じゃなくて、底上げじゃないの?」と言う。「底辺拡大というのはやってない人を拾うことだよ」と。それをなぜ、今やらなきゃいけないのか? 「野球というのはテレビの王様だったんだよ」と。戦後から現代まで、ゴールデンタイムを2時間独占し続けてきたのは野球だけ。欽ちゃんでも番組は10年しか続かなかった。今、野球が元気でなくなっている。王様が元気ないと、国民も元気がなくなる――そういうことなんだね。
野球はインターバルのあるスポーツ。インターバルに演出を加えたら、もっと面白くなる。あと、野球界から芸能界に行く人間はいるけど、芸能界から野球界に行く人間はいない。欽ちゃんはその牙城を崩したかったんだね。
試合については野球はマジメ、おちゃらけはインターバルのみ。欽ちゃんが見たいとか、キッカケは何でもいい。日向ではお爺ちゃんやお婆ちゃんとか、野球場に来なかった人たちも来ていた。そこで欽ちゃんが面白おかしく説明して、「野球って面白い」となった。興味がなかった人の底辺拡大になった。これはプロ野球が認めているんだよ。
――ああ。だから、10月のプロ野球選抜との試合とかあったんですね。
野球をやる選手の受け皿を
チームを作らないと試合はできない。それは野球人がすべきこと。社会人野球はいま、企業チームが減ってクラブチームが増えている。
宮崎は高校で終わって、次に行ってやるところがない。軟式野球をやっている。大学もいい条件では入れてくれない。地元で野球を続けたいという子の受け皿が宮崎にはない。
もしかしたら、これからプロ野球に行く奴が出るかもしれない。でも、それはそういう状況を作らないと、夢も語れない。
県民球団による本当の都市対抗
じゃあ、お金はどうするのか? たとえば、都市対抗予選のエントリーだけで32万円が必要。さらに遠征費がいる。裏方にまわって初めて、現実の大変さがわかったね。
でも、子供たちのことを考えると誰かが作らないと。どういう運営をするのか? 行政も含めてどこかの冠じゃなくて、スポーツランドとして謳っている宮崎は県民で盛り上げるようにしたい。
たとえば、1つの企業に100万円とか出してもらうんじゃなくて、1口1000円とか県内で幅広く集めることが一番長続きできるんじゃないかと思う。勝ち負けを県民の方々に見てもらうチームを作っていくのがベスト。
宮崎ゴールデンゴールズがこれで都市対抗に出たら、“本当の都市対抗”だよ。高校野球はどちらかといえば“学校対抗”。宮崎ゴールデンゴールズは“県民球団”。
スポーツ間の交流も
スポーツコンテンツ的にいったら、これからやることは全国発信できる題材。宮崎ゴールデンゴールズは野球だけじゃないよ。たとえば、夏はサーフィンを教えてもらう。野球に活かすために。これがニュースになる。柔道場に行って、受身を教えてもらうとかね。受身に強い人間は球際に強いんだよ。
――え? そうなんですか。
そうなんだよ。(ここから細かく理由を教えてもらった。たとえばスライディングキャッチのとき、受身のできない選手はボールを獲りに行けないなど)
――ああ、なるほど。
まあ、賛同してくれる人がいればだけどね。宮崎ゴールデンゴールズが都市対抗に出たら、「俺たちが教えたんだ」といばってほしい。スポーツ間の交流はやっていきたい。何かのプラスになれば、スポーツランドの地域の活性化にマッチする。こういう理念を持ってやってる。
投稿者 pawaspo : 2006年01月18日 00:37
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