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2005年12月12日

林トレーナーに聞く上村里子の世界王座査定試合 [ 格闘技 ]

 11月12日、韓国で行われた女子プロボクシングのIFBA世界ミニマム級王座査定試合(48kg契約2分8回戦)は、上村里子(フィオーレ)が2-1の判定でシン・ユンジュ(韓国)に勝利した。
 試合から1ヶ月。試合の内容などどうだったのか、上村選手をトレーナーとして支えている林真一さんに語ってもらった。2月下旬の世界挑戦も内定。林トレーナーと上村選手はもう始動している。
(レポート&撮影:照屋盛義)

ミット打ち

 
会場の雰囲気に緊張した

――まず、上村さんの調子がどうだったかなんですが。

 一番調子が良かったのは(試合の)2週間前でしたね。1週間前に風邪をひいて、それで調整が狂いました。ただ、彼女の実力ならなんとかなるだろうと。あとは当日次第かなと。

――検量とか、前日はどうでした?

 普通でしたよ。検量も一発でパスしました。

――体重については順調でしたね。

 そうですね。早い時期に体重を落としてキープしていたので、身体も慣れて。いつもより楽でした。

――試合の当日は?

 2試合目だったんですけど、テレビの関係で4試合目に変更されたんです。待たされました。控え室は寒かったんで、みんなの服を着せて身体が冷えないようにしました。

――それはきつかったですね。試合までにもいろんな変更があったし、韓国サイドがルーズだなぁと思うんですが。

 まあ、ルーズなのかもしれないですよね。まいりました。他の国の選手も文句を言ってました。

――でも、試合はできました。

 女子プロボクシングは韓国では人気が高いんですよ。会場の設営とか凄かったです。大学の体育館で、テレビ用のクレーンとか入ってましたから。

――大相撲の韓国公演で使われた会場だと思うんですが。

 いや、違うと思います。会場も変更になったんですよ。(上村さんは)会場の雰囲気に緊張したようです。


内容は求めるものではなかった

――試合は?

 試合開始から動きが固かったです。倒す気まんまんだったので。あと、狙いすぎ。

――倒したいから動きを読まれやすかったとか?

 力みすぎてたんです。それで動きが固かった。

――8ラウンドの長丁場なので修正は利きますよね。

 最後に慣れてきましたけどね。ただ、全体的にパンチをもらいすぎ。

――それは今回の試合だけのものなのか、上村さんのこれまでの試合でもあったことなのか、どちらなんでしょうか?

 今までも含めてですけど、余計にもらってましたね。普段もらわないようなパンチももらってましたから。

――相手(シン・ユンジュ)はどうでした?

 実績はないんですけど、ちゃんと練習してる選手かなと。ただ、(上村さんに)不用意すぎるところがあったんで。もっとレベル差があったんですけど…。

――固くなって力を出し切れなかった。内容は不満ということ…?

 客観的に見て、負けてないんですけど、上のレベルを望んでるので不合格でした。

――でも、勝つことはできました。

 勝ったのは大きいです。(世界挑戦の)査定試合ということを考えると、意味は大きいです。でも、今回は内容重視だったんで。求めるものではなかったです。本人はわかってるはずです。

――最初に取材させてもらったときに「世界挑戦」という強い気持ちでやっていたので、勝ってチャンスをつかんだのは大きいことと思います。

 勝敗では意味がありますね。今回の試合はあくまでも「通過点」ですから。


2月の世界戦に向けて

――次はもう決まってるんでしょうか?

 2月下旬に世界戦が内定してます。

――あ、そうなんですか。いつ頃決まったんでしょうか?

 試合の次の日です。

――早いですね。相手は最初やるはずだった韓国のソン・チョーロン(IFBA世界ミニフライ級王者)?

 そうです。王座決定戦でチャンピオンになりました。

――前の取材で、上村さんは「組しやすい相手」と言ってました。

 タイプ的にはやりやすいと思います。でも、1年前と違って、見る限りではスタイルが安定して上手くなっていた。やりやすいと思ってあぐらをかいてると大負けするでしょう。

――女子ボクシングの選手はグンと成長することがあるみたいですね。

 あっちは初防衛で、しかも相手の国(韓国)での試合ですから。ジャッジとか厳しくなるでしょう。勝つためにはダウンを取るか、KOするか。今回のように固くなったら通用しないと思います。

――パンチをもらったということは、上村さんの状態は…?

 いや、パンチのダメージはなかったです。

――試合まであと2ヶ月ちょっと。練習のほうは?

 練習はもうハードにやってます。でも、こっちの望むハードさにはまだ慣れてないですね。どこかを痛めたりすると困りますから。


苦労したけど大きな経験になった

――韓国はどうでした?

 テレビで観る韓国じゃなかったです。まわりはハングル文字ばかり。言葉が通じなくて苦労しました。食事を頼むメニューさえわからなかったですから。

――帰国は試合の翌日?

 そうです。今回は楽じゃなかったです。

――でも、次もまた韓国ですし、今回苦労したことは活きますよね。

 そうですね。大きな経験になりました。

――世界戦、また変更とかないですよね…?

 やることは決まってますから。あっても開催日が延期になるとかだと思います。

――年が明けてから、2月までまた練習の取材などよろしくお願いします。今日はありがとうございました。

 こちらこそ。ありがとうございました。

投稿者 pawaspo : 2005年12月12日 20:29

このリストは、次のエントリーを参照しています: 林トレーナーに聞く上村里子の世界王座査定試合:

» 上村里子、IFBA世界ミニフライ級タイトル戦日程決定! from うしぇの思考
ようやく日程が決まりました! こんなに待ったんだから、 ぜひぜひベルトを日本へ持って帰ってきてほしいと思います。 BoutReview 女子ボク... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年03月31日 22:04

コメント

女子プロボクサー上村里子を応援するサイトにリンクさせていただきました。
http://www.joy.hi-ho.ne.jp/cgi-bin/user/sumipe/joyful.htm

今後ともよろしくお願いします。
次の世界戦には応援に行きたいものです。

投稿者 うしぇ : 2005年12月14日 20:39

リンクありがとうございます。
こちらこそよろしくお願いします。

投稿者 てるKUN : 2005年12月15日 22:27

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