パワスポホームへ

« DPT決勝1日目 写真レポート | メイン | DPT決勝2日目 写真レポート »

2005年11月20日

T.ウッズが劇的連覇! ダンロップフェニックス4日目 [ ゴルフ ]

 20日(日)、「ダンロップフェニックストーナメント」の歴史に新たなドラマが加えられた。
 最終日は最終組でまわったタイガー・ウッズ、ジム・フューリク、横尾要による激しい優勝争いに。前半はウッズとフューリクがスコアを崩すなか、横尾がバーディーを重ねて首位に立った。ところが後半、今度は横尾が崩れる。ここで首位に立ったのがウッズ。13番ホールはギャラリーのポケットにボールが入る珍事がありながらバーディー、15番はチップインバーディーとミラクルを連発。横尾に2打差を付けた。ここで横井が踏ん張る。16番ホールと18番ホールでバーディーを取り、ウッズとのプレーオフに持ち込んだ。
 プレーオフは4ホール目までもつれ、最後はウッズがバーディーを決めた後に横尾が外して決着。ラウンド開始から6時間を越える激闘をウッズが制し、連覇を果たした。
横尾を見守る ウッズ

 
 トップが日ごとに入れ替わるトーナメントもいよいよ最終日を迎えた。3日目までは恵まれた天気だったけど、最終日は雲って肌寒い天気。それでも9111人のギャラリーが集まっている(4日間トータルで28,004人)。寒いのに弱い自分は、さすがにジャケットを着ないといけなくなった。
 3日目までの成績はウッズが1位、2日目トップのフューリクが2位、3日目に追いついてきた横尾と1日目トップのデュバルが3位タイ。その後ろに2打差でW.リャン、さらに2つ離れて平塚哲二と続いている。上位がスコアを崩して、リャンたちが伸ばせば彼らにも優勝のチャンスはある。しかし、優勝が4人以外から出るという発想はありえなかった。というわけで、最終日は4人だけに注目することにした。
【1位 T.ウッズ(-10)、2位 J.フューリク(-9)、3位 横尾要 & D.デュバル(-7)】


OUT(HOLE 1~9):横尾がスコアを伸ばしてトップに

1番ホール(Par4、386yard)
 デビッド・デュバルは平塚哲二、W.リャンとの9:40スタート。雨がポツポツと降り出してきた。デュバルのティーショットは右のラフへ。しかしセカンドはグリーンに乗せ、2パットでこのホールはパー。まずまずのスタートだろうか。
 ギャラリーは動かない。報道陣も最終組を待っている。昨日からは黄色の腕章(ロープ内に入れる)を付けた記者も増えている。しばらくすると主役3人が現れた。
 3人とも2打でグリーンに乗せた。バーディーチャンス。まずは、フューリックのパット。これがわずかに外れて、フューリックはパー。次は横尾……沈めた、ナイスバーディー! いいスタートだ。最後はウッズ。「これが入らなかったら、優勝争いはもつれそうだな」と思っていたら、ウッズも沈めてバーディー。ギャラリーは「おお!」「さすが!」といきなり盛り上がった。
【1位 T.ウッズ(-11)、2位 J.フューリク(-9)、3位 横尾要(-8)、4位 D.デュバル(-7)】

2番ホール(Par4、435yard)
 3人を待っていたギャラリーが拍手で迎える。ティーショットは3人ともフェアウェイに乗せた。ウッズとフューリクが談笑しながら歩いている。ここで、タレントのやしきたかじんとTVクルーがいることに気づいた。バラエティーの収録だろうか? 関西人ならともかく、宮崎の人間で「やしきたかじん」と認識した人はどれぐらいいただろうか。
 グリーンはフューリクが長いパットを残した。これはさすがに入らない。パーパットを沈めて拍手。一方のウッズはパーパットも沈めてボギー。外した瞬間、グリーンを囲んだギャラリーからは「ああ……」と落胆の声が上がった。
【1位 T.ウッズ(-10)、2位 J.フューリク(-9)、3位 横尾要(-8)、4位 D.デュバル(-7)】

3番ホール(Par3、180yard)
 最初にティーショットを打った横尾がグリーンに乗せて「ナイスオ~~ン!」。ウッズとフューリクはバンカーに。
 まずは、フューリクのバンカーショット。これは乗せた。次はウッズ。これがなんとグリーンの反対側に! 思わぬミスショット。ウッズはアイアンを叩いて悔しさを見せた。3打目はピンから2mほど。ギャラリーは心配そうだ。
 2人のパット。まずはフューリク。これが入らず、ボギー。次の横尾も入らない。ギャラリーは「ああぁ…」「惜しい…」。横尾はパー。つづいてウッズのボギーパット。シ~~ンとギャラリーが静まる。「コン!」という音が響く。これが入らない! ギャラリー「ああぁぁ~~~…」。まさかのダブルボギー。これで3人がトップタイで並んだ。
【1位 T.ウッズ & J.フューリク & 横尾要(-8)、4位 D.デュバル(-7)】
1番ホール デュバル
フューリク カメラマン

4番ホール(Par5、557yard)
 フューリクがバーディーチャンスをモノにできず。なかなか波に乗れないし、もう2日目の勢いは感じられない。ウッズもバーディーパットを沈めることができない。思わずしゃがんでしまった。
 苦しむ2人をよそに好調なのが横尾。このホールでバーディーを取って、ついに単独トップに立った。
【1位 横尾要(-9)、2位 T.ウッズ & J.フューリク(-8)、4位 D.デュバル(-6)】

5番ホール(Par4、415yard)
 ティーショットは3人ともフェアウェイ。ウッズがフューリクのキャディーと並んで歩きながら話している。セカンドは3人ともグリーンでバーディチャンスに。
 しかし、ウッズも横尾も入らなかった。フューリクだけが沈めてバーディー、横尾に並んだ。
【1位 横尾要 & J.フューリク(-9)、3位 T.ウッズ(-8)、4位 D.デュバル(-6)】

6番ホール(Par3、200yard)
 横尾があわやホールインワンのショット! 「おおおおお!」と凄い歓声が起きた。ウッズは遠めのグリーン、フューリクはラフだ。フューリクがセカンドをピンにかなり近い位置まで寄せる! ギャラリーが「おお~!」とどよめく。調子が悪くてもギャラリーを沸かせるプレイが出来るのは、世界のトップならではか。ウッズも惜しいパットだった。
 横尾はバーディパット。ジッと見つめるギャラリー。これが入ってバーディー! 「よっしゃ~!」「いいぞ~!」とギャラリーが大喜び。みんな横尾を応援してるんだぁと思った。横尾はショット良し、アプローチ良し、パット良しの三拍子でこの調子なら……というほどの出来だ。
 それにしても、人が多い。おじいさんが「民族大移動じゃ」と言ってたけど、ほんとそうだ。
【1位 横尾要(-10)、2位 J.フューリク(-9)、3位 T.ウッズ(-8)、4位 D.デュバル(-6)】
ウッズ 談笑

7番ホール(Par4、483yard)
 横尾が単独トップに、しかもウッズに2打差をつけたことで「面白くなってきた」という声も。ところで、ホール内を歩くときは横尾が先頭をきっていることが多い。気持ち的に関係あるのだろうか。
 しかし、横尾のティーショットはここでラフに。セカンドはグリーンに乗らない。初めてのピンチ。ギャラリーからは「いかん」の声が。横尾の3打目……ピンそばへ! 大きな拍手が起きた。横尾も軽く手をあげて応えた。
 ウッズはバーディーチャンス。これがまたも入らない。ウッズは「No!」という感じだった。ギャラリーも「ああぁぁ…」と残念そう。対する横尾はパーパットを沈めて拍手喝さい。フューリクはパーパットを外して「あちゃ~」。横尾以外の2人がとにかく良くない。
 それにしても、人が移動するときの砂埃がたまらない。白っぽくなる。
【1位 横尾要(-10)、2位 T.ウッズ & J.フューリク(-8)、4位 D.デュバル(-6)】

8番ホール(Par4、387yard)
 ウッズのセカンドはピンから遠い位置へ。アプローチが良かったら良かったでパットが入らないから、今のウッズはたまらない。横尾とフューリクはいい位置に乗せた。横尾には「横尾、がんばれよ~」と声援が飛ぶ。
 ウッズはパーパットが入らず。どうも元気がない。横尾とフューリクのバーディーパットも入らず。そして、ウッズのパーパット……カップに嫌われてしまった。さすがに「ダメやね、これは」という声も。
【1位 横尾要(-10)、2位 J.フューリク(-8)、3位 T.ウッズ(-7)、4位 D.デュバル(-6)】

9番ホール(Par4、431yard)
 9番と18番は待ってるギャラリーもいるから、人が多い。子供が「タイガー、がんばって」と言っている。
 このホール、横尾のセカンドが外れて3打目。グリーンに乗ったけど強い。しかも、グリーンの傾斜に沿ってピンからどんどん遠ざかった行く。転がるたびに「あぁ…! あぁ~!」と悲鳴に近い声がつづく。そして、難しいパーパットが残った。これが入らず、横尾が初めてのボギー。ウッズはパー、フューリクはボギーだった。
【1位 横尾要(-9)、2位 T.ウッズ & J.フューリク(-7)、4位 D.デュバル(-6)】
ギャラリー 横尾のアプローチ
9番ホール ウッズの林ショット


IN(HOLE 10~18):横尾失速、タイガーがミラクル連発

10番ホール(Par4、475yard)
 フューリクがボギーで一歩後退。
【1位 横尾要(-9)、2位 T.ウッズ(-7)、3位 J.フューリク & D.デュバル(-6)】

11番ホール(Par3、165yard)
 横尾が2つ目のボギー。優勝ラインがどんどん下がっていく。
【1位 横尾要(-8)、2位 T.ウッズ(-7)、3位 J.フューリク & D.デュバル(-6)】

12番ホール(Par4、439yard)
 横尾が連続ボギー。ウッズもボギー。
【1位 横尾要(-7)、2位 T.ウッズ & J.フューリク(-6)、4位 D.デュバル(-5)】

13番ホール(Par4、332yard)
 デュバルのバーディーパットを見た。これが入らない。苦しそうだった。
 しばらく最終組を待つことに。すると、まわりが急に騒がしくなった。グリーン奥のギャラリーのほうにボールが飛んできたらしい。しかも、男性の左腕に当たったようだ。腕をまくってかざしている。しかし、肝心のボールがなかなか見つからない。ところが、意外な場所で見つかった。なんと、男性のポケットに入っていたのだ。男性がボールを取り出して掲げた瞬間、まわしは「ううぉぉ!」となった。人と報道陣が殺到してパニック状態に。まさかの珍事だ。
 男性はボールを掲げたまま動かないように指示された。ボールの位置が変わってしまうから。その間に報道陣が記念撮影(?)をしている。しばらくすると、ウッズがやって来た。林越えを狙ったウッズの球だった。またも人が殺到する。ウッズが話を聞いて、男性からボールを受け取りドロップ。そして、セカンド。これをピンそばにつけた! パットも決めてバーディー。横尾が3連続ボギーでスコアを落としたので、ウッズが逆転トップに立った。
【1位 T.ウッズ(-7)、2位 横尾要 & J.フューリク(-6)、4位 D.デュバル(-5)】
横尾のドロップ 服の中に入ったボール

14番ホール(Par4、419yard)
 横尾がバーディーで再びトップタイに。自分は15番ホールにいたけど、この日一番の凄い拍手と歓声が聞こえた。
【1位 T.ウッズ & 横尾要(-7)、3位 J.フューリク(-6)、4位 D.デュバル(-5)】

15番ホール(Par4、455yard)
 デュバルのティーショットは右の林に。結局、ここはボギー。デュバルがこれ以上優勝争いに絡むことはなかった。
 最終組、ウッズのティーショットが左の林の中に。わかった瞬間、ギュラリーがボールのもとへ急いで駆けて行く。その姿は行きすぎというか、見ていて滑稽に感じた。ウッズはかなり深いところに打ってしまった。横尾は右の林に。セカンドは無理せず、フェアウェイに出した。フューリクは2打目をグリーンに乗せてチャンス。
 さて、ウッズのセカンド。どうも、グリーンを直接狙うようだ。「ええ!?」と思った。そして、ショット。すると、もの凄いどよめきが起こった。なんと、グリーンには乗らなかったものの、すぐ近くのラフに寄せたのだ! これには「すげー、のせやがった」とビックリした。
 ミラクルは止まらない。3打目がチップインバーディー! その瞬間大音量の拍手がホール全体から起こった。そして鳴りやまない。目の前で起こったミラクルに誰もが驚愕していた。空気が変わった。
 フューリクの長いバーディーパット。打ったフューリクが「カモン!」と叫ぶ。しかし、入らなかった。パー。自分のボールを沈めてから、フューリクはウッズの腕をポンと軽く叩いて称えていた。
 最後は横尾のパーパット。シーンと静まり返る。スーパープレイの余韻が残るせいか、空気が重い。横尾は外した。ボギー。きついプレッシャーだった。
【1位 T.ウッズ(-8)、2位 横尾要 & J.フューリク(-6)、4位タイ D.デュバル(-4)】
雨の中のウッズ 15番のセカンド
ミラクル ラインを読むフューリク

16番ホール(Par4、402yard)
 3人とも2オン。フューリクとウッズは入らず、おばちゃん「あら~~」。横尾はバーディーパットを沈めて「おし!」。
【1位 T.ウッズ(-8)、2位 横尾要(-7)、3位 J.フューリク(-6)】

17番ホール(Par3、186yard)
 ショートホールだけに周囲は「人の壁」。ウッズがもしバーディーを取ったら決定的だろうと思ってたけど、入らなかった。横尾のパーパットにギャラリーから「ナイスパー!」と大きな拍手。やはり期待は大きい。フューリクは厳しくなった。
【1位 T.ウッズ(-8)、2位 横尾要(-7)、3位 J.フューリク(-6)】

18番ホール(Par5、560yard)
 横尾はここ18番ホールで1日目と2日目はボギー、3日目にパー。横尾が不利ではないかと思えた。2打目はグリーンそばのバンカーに…。
 グリーン周辺とスタンドでは多くのギャラリーが勝負を見守っている。横尾が紹介されたとき、ちょっと苦笑いしたように見えた。3打目のバンカーショット。グリーンに乗せて拍手が起きた。
 ウッズの4打目、バーディーパット。これが入れば優勝が決まる。「入れ!」「入れ!」「ああ…」。1mほど残した。フューリクの4打目。4mほどだろうか。わずかに左に切れてしまった。そのまま沈めてパー。これでフューリクは消えた。
 さあ、勝負を決める横尾のバーディーパット。入れば優勝かプレーオフ、外せば終わりだろう。シーン………………入った! 横尾がガッツポーズを3度繰り返している。今度はウッズにプレッシャーがかかる。入れればプレーオフ、外せば終わりだ。シーン………入った! 拍手が起こる。プレーオフが決まった。
【1位 T.ウッズ & 横尾要(-8)、3位 J.フューリク(-6)】
ウッズのバンカー 横尾のガッツポーズ


ウッズvs横尾、激闘プレーオフ

プレーオフ1ホール目(Par5、560yard)
 自分はグリーンから動かずに勝負を見守ることにした。いきなり、「ああ~」という声が聞こえてきた。ビジョンの見える場所に移動してみると、ウッズのティーショットが左の林の奥深くに入っていた。これは非常に難しい。「これは横尾、チャンスだぞ」と思った。
 ウッズがギャラリーを動かし始めた。グリーン方向を狙おうとしている。時間をかけて、やっと2打目を打った。「コン!」と何か当たる音がした。なんと、ボールは林から出ていなかった。ウッズは大ピンチ。ウッズのピンチは横尾のチャンス。ウッズの3打目は横尾のボールがあるラフの近くに落ちた。近い場所でウッズが4打目、横尾が3打目を放つ。「横尾の勝ちだな」と思った。
 ウッズのアプローチはピンに近いところ。横尾もグリーンに乗せた。まずは、横尾のバーディーパット。これが入れば横尾の勝ちだ。しかし、入らなかった。ショート。微妙な距離が残った。
 次はウッズのパーパット。これを外せばかなりやばい。ところが、これが世界最強の凄さか。ウッズはしっかり入れた。入れた瞬間、両手を突き上げて満面の笑みを見せた。グリーンを囲んだギャラリーの盛り上がりは凄く、「凄い!」「ナイスパー!」「タイガー!」と声がウッズにかけられていた。
 さあ、今度は横尾の番。外したら負けだ。しかし、横尾もしっかり決めた。パー。1ホール目では決着つかず。それにしても、ウッズはあれだけのピンチをよく盛り返した。
【T.ウッズ(-) vs 横尾要(-)】
大ピンチのウッズ グリーンの2人
両手を突き上げるウッズ 横尾のパット

プレーオフ2ホール目(Par5、560yard)
 ティーショットはウッズから。今度はしっかりフェアウェイに乗せた。横尾は深呼吸をしてからアドレスに入った。そして、ボールはフェアウェイに乗った。
 横尾のセカンドは右のバンカーに。ウッズは2オン。ただ、傾斜に乗ってボールがなかなか止まらず、難しい距離を残した。横尾は3打目でグリーンオン。
 ウッズのイーグルパット。カップ方向ではなく、左に方に打った。ボールが右にグッと曲がる。しかし、カップの手前で止まった。入らなかったけど、ウッズの凄さを見せつけるパッティングだった。そのまま入れてバーディー。
 横尾のバーディーショット。外せば負け。しかし、横尾が決めた! バーディー。またもや勝負は決まらず。
【T.ウッズ(○) vs 横尾要(○)】
次の戦いへ カップの切り替え

プレーオフ3ホール目(Par5、560yard)
 3ホール目に入ることで、カップを切り替えることになった。位置がグリーンの奥のほうにかわった。この作業を見れるとは思わなかった。
 終盤から特にそうだけど、2人の勝負は将棋やチェス、PK合戦に近い。1プレイごとにプレッシャーの流れが変わっている。
 まずは、ウッズ。300ヤードを越えて、フェアウェイにのった。サンドイッチを食べながらセカンドに向かう。次は横尾。バンカーの淵(ラフ)に落ちてしまった。ギャラリーから「あ~…」という声が。バンカーの傾斜に立たないといけないので、打ちにくい場所だ。横尾のセカンドはグリーンに届かない場所に落ちた。ウッズは2オン。ピンまで4mほどだろうか。今度は横尾がピンチだ。「これは勝負あったな」と思った。
 横尾の3打目。あわやチップインのスーパーアプローチ! 「おお~!」と歓声と拍手が起こる。横尾の望みが開けた。グリーンに着いた2人が改めて紹介される。惜しみない拍手はずっと続いた。横尾の表情は厳しい。
 ウッズのイーグルパット。決めたら優勝だ。しかし、わずかに左へ。1mほど残した。さあ、横尾のバーディーパット………入った! 横尾がガッツポーズ! 横尾は神がかり的だ。今度はウッズにプレッシャーがかかる。外したら負けだ。しかし、ウッズは決めた。勝負は3ホール目でも決着つかず。
【T.ウッズ(○) vs 横尾要(○)】

プレーオフ4ホール目(Par5、560yard)
 横尾が知人たちに声をかけられていた。ボールが少なくなって取りに行ってくれとお願いしていたそうだ。そして、「おまえ、がんばれよ」と言われて、「もういっぱいいっぱいだよ」と本音を口にしていたそうだ。プレーオフだけで1時間やっているし、ラウンド開始からは6時間になる。
 ウッズのティーショットはフェアウェイに。横尾も280ヤードほど飛ばした。そして、セカンド。これが大きく右のほうに。運良く木に当たってラフに落ちたけど、厳しい位置。ウッズは2オン。ピンまで遠いけど。横尾の3打目。グリーンの周りにある松の木が邪魔だ。なんとかピンに寄せた。でも、3mほど残っている。
 ウッズのイーグルパット。入らなかったけど、ピンそばまで寄せた。そのまま入れてバーディー。さあ、横尾のバーディーパット。これを外すとウッズの優勝が決まる。「横尾、入れ返せ!」と声が飛ぶ。そして………入らなかった。タイガー・ウッズの優勝が決まった。グリーンを囲んだギャラリーが2人に拍手を送る。2人は握手を交わした。
【T.ウッズ(○) win !】
2人のボール ウッズのパット
横尾を見守る 決着


表彰式

 グリーン上でそのまま、ウッズへのテレビインタビューとなった。

「今日は面白い1日でした。みんないいプレーができないなかで、2人のプレーオフとなりました。彼が素晴らしい戦いをして、そして勝つことができてうれしい」
「前半は本当に苦労しました。15番のチップインが大きかった」「左足首の調子がちょっと悪かった。でも、なんとか堪えればパッティングは頑張れたので」
「ラッキーだったけど、(このトーナメントに)また戻ってきたい。素晴らしいギャラリーの皆さん、ありがとう。また来年、戻ってきます」

 表彰式。ウィナーズジャケットとシェラトングランデを模した優勝トロフィー、MBS賞やベンツのゴールデンキーがウッズに贈られる。ウッズはずっと白い歯を見せて、うれしそうだ。台風14号の義援金が知事に渡されるセレモニーもあった。
 すべての表彰が終わった後、ウッズのスピーチとなった。

「今日訪れた皆さんにお礼申し上げます。シーガイアやMBSの皆さん、地元のボランティアの方々にもお礼申し上げます」
「今日は本当に凄い展開でした。自分でもビックリしています。フューリク、要、ともにかみ合わない状態でのプレーでした。横尾16番からのプレーは素晴らしいものでした。ファンの前で、勝ってもいいゴルフをしました。そんななかで優勝できたのは幸運だったと思います」
「自分自身、世界中でプレーしています。一番お伝えしたいのは、日本のゴルフファンはとってもいいギャラリーだということです。温かい声援でマナー良く、選手みんなを応援してくれた皆さんにお礼申し上げます」
「Thank you very much ! See you next year」

 ギャラリーからはタイガーが去るまで、ずっと声援が飛んでいた。
TVインタビュー 知事
ウッズのスピーチ ウッズ


最終成績

 デビッド・デュバルは最終日はノーバーディ、5ボギー。スコアを自ら崩す形で優勝争いから脱落していった。宮本勝昌とゴンサロ・フェルナンデスカスタノはスコアを4つ伸ばして、4位と5位に食い込んだ。

1位  T.ウッズ(-8)
2位  横尾要(-8)
3位  J.フューリク(-6)
4位  宮本勝昌(-5)
5位  G.フェルナンデスカスタノ(-4)
6位  W.リャン(-3)
7位T 谷原秀人、D.デュバル(-2)
9位T S.K.ホ、横田真一、平塚哲二(-1)
12位 川原希(0)
13位T P.シーハン、M.キャンベルら7名(+1)
(以下略)


ドライビングディスタンス BEST10

 4番ホールと12番ホール、4日間の平均飛距離1位はタイガー・ウッズ。横尾要は33位(272.38)、ジム・フューリクは42位(270.50ヤード)、デビッド・デュバルは12位(285.00ヤード)だった。

1位 タイガー・ウッズ(301.63ヤード)
2位 バッバ・ワトソン(299.75ヤード)
3位 ゴンサロ・フェルナンデスカスタノ(296.88ヤード)
4位 小田龍一(294.50ヤード)
5位 ディネッシュ・チャンド(291.50ヤード)
6位 鈴木亨(291.13ヤード)
7位 マイケル・キャンベル(290.75ヤード)
8位 立山光広(290.63ヤード)
9位 プラヤド・マークセン(288.88ヤード)
10位 宮本勝昌(288.50ヤード)


平均パット BEST10

 「パーオンホールでのパット数」を「パーオンホール数」を割ったものが平均パット数。トップだったのは横尾要。タイガー・ウッズは14位(1.7545)、デビッド・デュバルは11位(1.7436)だった。

1位 横尾要(1.6087)
2位 矢野東(1.7027)
3位 尾崎将司(1.7105)
3位 米山剛(1.7105)
5位 佐藤信人(1.7143)
6位 宮瀬博文(1.7179)
7位 野仲茂(1.7250)
8位 ゴンサロ・フェルナンデスカスタノ(1.7333)
9位 近藤智弘(1.7381)
10位 ジム・フューリク(1.7400)

投稿者 pawaspo : 2005年11月20日 23:02

コメント

コメントしてください




保存しますか?