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2005年11月27日

ホンダロックSC、ホーム最終戦で首位と引き分け! [ サッカー ]

 JFLのリーグ戦も残り2試合。今週は後期第14節があり、15位のホンダロックSCは27日(日)、首位のYKK APを宮崎県総合運動公園陸上競技場で迎え撃った。
 前半は互角の流れで39分にYKK APがコーナーキック(CK)から小田切がヘッドで合わせて先制。41分には、同じくCKから水永のヘッドでホンダロックSCが同点に追いつく。後半はリーグ屈指の攻撃力を誇るYKK APが攻める。8分には右クロスから長谷川がヘッドで勝ち越し。その直後にまたも追加点というシーンがあったが、これはオフサイドだった。逆にホンダロックSCは16分、交代したばかりの日高が押し込んで同点。勝ち点3をもぎ取りたいYKK APは怒濤の攻めを見せるも、ホーム最終戦を飾りたいホンダロックSCが全員守備で守りきり、首位相手に引き分けに持ち込んだ。
 今回はイベントが盛りだくさんで梅野保育園太鼓のハーフタイムショーの他、抽選会やサイン会などが行われ、スタッフや選手がファンに感謝の気持ちと来年への意気込みを見せた。
 リーグ戦は愛媛FCが首位に立ち、2位以内を確定させたことで来季のJFL昇格を有力にした。愛媛FCかYKK AP、優勝は最終節で決まる。ホンダロックSCは12月4日(日)、富山市の富山総合運動公園陸上競技場で3位のアローズ北陸と対戦する。

ホンダロックSC 2 - 2 YKK AP
 (前半1-1、後半1-1)
前半 後半
選手とスタッフ サイン会

 
YKK APとホンダロックSC

 YKK APは富山県の企業チーム。サッカー部の発足は1962年と古い。JFLには2001年から参戦している。
 後期第13節終了時点で順位はリーグトップ。特筆すべきはリーグ最多の60得点で、攻撃力はJFLでもトップクラスといえる。2位の愛媛FCと勝ち点で並んでいるので、優勝するためには残り2節は負けられない。高いモチベーションで勝ち点3を獲りに来るであろうことは容易に想像できた。
 対するホンダロックSCはJFL参入年で15位と低迷。得点35に対して失点が75。自分がここ3ヶ月で観たホームゲームに関していえば、DFが後半に崩れることが多かった。
 試合前の予想では「YKK AP優勢」。6月に対戦したときはホンダロックSCが負けているし(1-3)、YKKには「優勝争い」という燃えるファクターがある。ホンダロックSCはキャプテンの大串が出場停止で試合に出れない。ホーム戦は6月からずっと負けだ。プラス材料を挙げるとすれば、「ホーム最終戦」を飾りたい気持ちだろう。


試合前のイベント&セレモニー

 ホーム最終戦だけに、試合前はいつも以上に凝ったものになっていた。練習前にはサインボールの投げ入れ。練習終了後には控えの選手たちがホンダロックのデザインが施されたサッカーボールをスタンドに蹴り入れた。試合前に出場選手1人1人のメッセージ(勝ちに行きます、etc.)を紹介するのも普段はないことだ。
 天候が良くて、入場者数はいつも以上に多い(840人)。スタンドのファンは気合いが入っていて「ホーンダロック!!」という声援を飛ばし続けている。横断幕もこれまで見たことのないものがたくさんある。
 11:50頃、ボールボーイの日章学園と宮崎工業のサッカー部員たちが配置についた。そして、サッカーファンには馴染みのBGMに乗って、両チームの選手が佐土原少年サッカーの子供たちと手をつないで入場。記念撮影など、試合前の昂ぶりを感じさせてくれる時間だ。
 スターティングメンバーは画像を参照。ユニフォームはホンダロックSCが赤、YKK APが白。天候は晴れ、気温は22度と温かい。12:00、キックオフのホイッスルが鳴った。
ボール蹴り入れ 入場
ホンダロックSC YKK AP
ロックスタメン YKKスタメン


前半

 前半は静かな立ち上がり。4分、ロックが左からのフリーキック(FK)。YKKは5分にコーナーキック(CK)。スタンドは「まもーる、ロック!」の合唱だ。応援はいつも以上に元気がいい。YKKは拡声器を使って、少人数で応援している。
 6分、ロックの5番・城に早くもイエロー。ファウルを取られたことに異議を唱えたためだった。10分、YKK2度目のCK。流れは今のところ互角。プレッシャーが互いに早いので、これといったチャンスがなかなか作れない。12分過ぎ、ロックは城が起点になって、ボールを右に流して選手が持ち込み、そこからクロスにつなげるという形があった。得点が期待できそうな形だ。
 13分、YKKが左からのFK。ゴール前の混戦でスペースが空いて、YKKがシュート! ボールは上に流れた。これが最初の危ない場面だった。15分、ロックは城から6番・南にボールをつなぎ、南がコートの真ん中をドリブル突破、そのままシュートもキーパー正面。その後のYKKの攻撃、9番・岸田が1人でゴール前に持ち込んでこれまたヒヤッとする場面。ここではロックのセンターバック・澤村がカットした。
 20分、ロックの攻撃。センターの水永が右の倉石にパス、それを倉石がセンタリング。でも、ゴール前で合わず。なかなかシュートに結びつかない。YKKも同じで、24分には10番・星出がクロスを上げるも実らなかった。
 どちからといえば、YKKが攻めてるか。細かくパスをつないでボールを押し上げていく。26分にはCK。これはロックが守った。27分にはロックがFK。これはYKKキーパーがキャッチした。29分にはYKKがロングシュート。これはロックのキーパー・川島がキャッチ。
 31分、ロックの落合にイエロー。32分、YKKのFKからゴール前の混戦。飛び出した川島とYKKの小田切が接触して、小田切にキーパーチャージでイエローが出た。スタンドからは「かーわしま!」と励ましの声援が。
 YKKの攻めが徐々に良くなっているように感じた。ボールを左右に振っている。ただ、ロックがこれに対処して防いでいる。まあ、見ていて冷や冷やさせられるけど…。
 34分、ロックのFKは得点にならず。その後にYKKのゴール前にボールが流れるも、これまた得点ならず。クリアボールでカウンターをYKKが仕掛ける。これをロックが凌ぐ。YKKのCKに。YKKがなんとか押しこうもうとするけど、なんとか凌ぎきった。ロックの好守にスタンドから拍手が贈られる。
 しかし39分、ついに均衡が破れた。YKKがCKからボールを上げ、これを小田切が鋭いヘディングシュート! 川島がキャッチして防ぐも、副審は「ゴール」のアピール。川島たちがダッシュで駆け寄って抗議をしても、覆ることはなかった。イヤ~な空気が流れる。
 ところが41分。ロックがCKからゴール前の混戦、最後は水永が頭で押し込んで追いついた! 歓喜のスタンド。選手たちはセンターラインまで喜びながら駆けていく。これを機にロックのチャンスがつづく(スタンドも盛り上がる)。YKKもCKなどのチャンスはあった。でも、両チームともその後は得点なく前半を終えた。
YKKスタンド 同点に追いつく


ハーフタイムショー(佐土原梅野保育園太鼓)

 梅野保育園の園児たちによる太鼓の演奏。みんな、とってもちっちゃい! この子たちがときには「ソレソレ」と踊り、ときには「ヤァ!」とポーズをきめながら、みんなしっかりまとまって太鼓を叩き続ける。驚いた。練習、たくさんしてるんだろうなぁ…。途中でちょっと乱れかけたのはご愛嬌か(苦笑)
 それにしても、ホンダロックSCのホーム戦のハーフタイムショーはいつも面白い。
ハーフタイム 太鼓1
太鼓2 太鼓3


後半

 後半の序盤、どちらかと言えば攻めてるのはロックのほうだった。スタンドは前半と変わらず元気で、子供たちが応援する声も聞こえる。5分、YKKの黄にイエロー。
 6分、ロックのゴール前でYKK2人vsディフェンス2人という場面。これは怖かった。YKKのシュートは右に外れて一安心。今度はこぼれ球をロックがシュート。これは弱くて入らなかった。惜しい。
 8分、試合が動いた。YKKの牛鼻が起点になって右サイドからクロス。これをロックGK・川島がパンチングでクリアしようとするも当たりが弱かった。13番の長谷川が頭で押し込んでYKKが勝ち越した。なんか、失点しそうな雰囲気ではあった…。またも嫌な空気が流れる。しかも、後半に入ってからの勝ち越し。後半に崩れて負けたこれまでのゲームの記憶が頭をよぎった。
 この直後、YKKが3点目!……いや、オフサイドだった。危ない。ロックは早く立て直さないと。右からのカウンターで反撃に出るも、YKKディフェンスにカットされてしまう。ここで、ロックは12番・井戸川を下げて14番・池田を投入。つづいて大脇に替えて、日高を入れた。
 YKKが攻める時間が増えたなぁ……と思っていたら16分! 城が起点になって、ロックがじっくり攻める。ゴール前で混戦になり、最後は日高のヘディングシュートがゴールの左に突き刺さり、同点に追いついた。「入れられたら取り返す」が2度続いた!
 これでロックのムードが高まった。ロックが押し気味になる。選手たちが走る走る。攻められてもキーパー・川島が好セーブを見せる。スタンドもさらに盛り上がってきた。
 21分、YKKが星出に替えて大西を投入。ロックは水永が縦にボールを流すも、キーパーにキャッチされてしまった。
 互いに精一杯のプレーを見せている。YKKは優勝のため、ホンダロックはホーム最終戦を飾るため――勝ちを目指してプレーしている。ただ、攻撃の時間はYKKに偏っていく。25分、ロックのゴール前にボールを持ち込まれるも、なんとか凌いでスタンドは大歓声。このプレー、ロックDFの連携ミスによるものだった。こういうミスはあることはある。これがピンチにつながるから怖い。ただ、今日のロックはミスをカバーしている。
 YKKが攻める攻める。前半よりもだいぶ激しい。ロックの選手たちはゴール前で身体を張って守っている。そして、チャンスを作ろうとしている。南がドリブルでキープして、右サイドの城に流したり。
 30分をまわって、YKKが2人目の交代。景山を下げて、森を入れた(ロングスロー要員)。31分にはCKを得る。YKKのシュートはバーの上だった。危ない、危ない…。ロックがなかなか攻めれなくなった。YKKは勝ち点3をもぎ取ろうと来ている。
 35分、YKKのFK。これも守った。川島が「休むな!」と声を出している。次はロングスロー。藤岡探検隊風に言えば「とどまることを知らない波状攻撃」だ。ロックも機会があれば攻めようとはしている。39分、ロックが3人目の交代。白川を下げて、永里を入れた。YKKも小田切に替えて、木村を投入。
 40分をまわった。YKKの攻撃がオフサイド。ロックは前線にいる池田につながらない。YKKは焦りからか、ラフプレイが目立つようになってきた。ロックの選手が倒される。
 ついにロスタイム3分。YKKのロングスローに対して、ロックは1人を残してみんなで守る。また選手が倒された。YKKのCK。しかし、これはオフサイド。ロックは相手エリアでFKを得る。これがラストチャンスだろうか。スタンドから「ゴール! ゴール!」の声が飛ぶ。しかし、惜しくも入らなかった。スタンドは「あぁ…」と落胆。
 逆に今度はYKKのCK。これがこのゲームのラストプレイか。YKKにとっては最後のチャンス。ロックは前にいる池田も呼んで全員で守る。ペナルティーエリアは大混戦になって、なんとかボールを外側に出した。スタンドはもう大歓声。ボールがまた襲い掛かるも、川島がキャッチしてまた大歓声。
 そして、試合終了を告げるホイッスルが鳴った。2-2の同点。YKKイレブンはある者は立ち尽くし、ある者はへたり込む。その姿は“敗者”だった。
全員守備 終了


勝ちに等しい「引き分け」

 大串選手にゲームについて聞いたら「言うことないですよ」と答えてくれた。今回は「勝ちに等しい引き分け」だった。
 これまでの試合だと「後半崩れる」「失点のあとに失点」ということがあったけど、今回は「後半崩れず」「失点してもすぐに取り返す」、そして「最後まで守りきる」だった。
 気持ちが大きかった。失点しても落ち込まず、どんなに攻められても集中力を絶やすことはなかった。身体を張って、最後までしっかり守りきった。
 ゲームはとてもスリリングで、ハラハラドキドキ。ホンダロックファンにとっては十分楽しめた試合だっただろう。チームにとって、今回のゲームは先につながるものになった。


試合後のイベント

 試合後、ホンダロックSCとYKK APのサポーター同士によるエールの交換があった。
 スタンド前に選手とスタッフ全員が並ぶ。まずは、評議員部長の長友氏が挨拶。「皆さん、今日はありがとうございます。ホンダロックはJFLに参入して苦戦しましたが、本日で最終戦を迎えました。応援し続けてくれた方々、運営を支えてくれた方々など地元の皆さんにお礼申し上げます。チームは来年に向けて、もう1ランク上を目指して、より高いレベルのプレーを見せれるよう頑張ります。来年も応援お願い申し上げます。ありがとうございました。来年もよろしくお願いします」。
 つづいてスタッフと選手全員1人1人が紹介された。そして、福田監督の挨拶。「素晴らしい運営のなかで、サポーターの皆様ともども1年間戦い続けてきました。今後もアマチュアの頂点を目指して頑張っていきたいと思います。1年間、本当にありがとうございました」。
 次は大抽選会。バスの乗車カードやスポーツ商品券などが賞品だ。ピッチではサッカーボールをゲットした子供たちと選手が仲良く記念撮影をしている。今日は子供が多かった。オリジナルボールなど賞品を投げ入れるときは、ずいぶんと集まっていた(苦笑) 合間には監督や選手がテレビのインタビュー。民放2局が来ていたので、夕方のニュースあたりで放映されるだろう。
 最後はサイン会。子供たちに大串選手や角田選手たちが笑顔で応えている。おばちゃん、若い女性もいる。この光景を見て、地元のチームの大切さを感じた。
イレブン1 イレブン2
イレブン3 イレブン4
イレブン5 福田監督
記念撮影 オリジナルボール
グッズ投げ サイン会


後期第14節

佐川急便大阪SC 4 - 2 佐川印刷SC
 (前半1-1、後半3-1)
アローズ北陸 1 - 0 横河武蔵野FC
 (前半0-0、後半1-0)
流通経済大学 1 - 1 ソニー仙台FC
 (前半1-0、後半0-1)
ホンダロックSC 2 - 2 YKK AP
 (前半1-1、後半1-1)

愛媛FC 3 - 1 Honda FC
 (前半0-1、後半3-0)
デンソー 0 - 0 FCホリコシ
 (前半0-0、後半0-0)
佐川急便東京SC 4 - 1 三菱水島FC
 (前半0-1、後半4-0)
SC鳥取 1 - 1 栃木SC
 (前半0-1、後半1-0)


順位表

1位 愛媛FC(20勝3分6敗、勝ち点63、得失点差+26)
2位 YKK AP(19勝4分6敗、勝ち点61、得失点差+34)
3位 アローズ北陸(18勝4分7敗、勝ち点58、得失点差+25)
4位 栃木SC(15勝9分5敗、勝ち点54、得失点差+27)
5位 Honda FC(16勝5分8敗、勝ち点53、得失点差+21)
6位 佐川急便東京SC(16勝4分9敗、勝ち点52、得失点差+23)
7位 ソニー仙台FC(15勝4分10敗、勝ち点49、得失点差+11)
8位 FCホリコシ(15勝2分12敗、勝ち点47、得失点差+13)
9位 佐川急便大阪SC(13勝6分10敗、勝ち点45、得失点差+7)
10位 横河武蔵野FC(13勝6分10敗、勝ち点45、得失点差+7)
11位 佐川印刷SC(9勝6分14敗、勝ち点33、得失点差-9)
12位 SC鳥取(9勝5分15敗、勝ち点32、得失点差-18)
13位 流通経済大学(5勝7分17敗、勝ち点22、得失点差-39)
14位 デンソー(4勝7分18敗、勝ち点19、得失点差-28)
15位 ホンダロックSC(3勝6分20敗、勝ち点15、得失点差-40)
16位 三菱水島FC(2勝2分25敗、勝ち点8、得失点差-60)


後期第15節(最終節)

※最終節はすべて12月4日(日)の13:00キックオフ

Honda FC vs 流通経済大学(都田)
YKK AP vs 三菱水島FC(桃山)
愛媛FC vs デンソー(愛媛)
ソニー仙台FC vs SC鳥取(仙台)
佐川急便東京SC vs 横河武蔵野FC(西が丘)
FCホリコシ vs 佐川印刷SC(群馬)
栃木SC vs 佐川急便大阪SC(栃木)
アローズ北陸 vs ホンダロックSC(富山市・富山総合運動公園陸上競技場)

投稿者 pawaspo : 2005年11月27日 23:45

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