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2005年10月16日

サッカーJFL後期第8節、ホンダロックは愛媛に敗れる [ サッカー ]

 後期第8節が行われた。15位のホンダロックSCは16日(日)、首位の愛媛FCと宮崎県総合運動公園陸上競技場で対戦。前半は自分たちのペースで0-0のイーブンも、後半は開始早々や終盤などに得点されて0-3で敗れた。
 次節、ホンダロックSCは10月23日(日)、11位の佐川印刷SCと立山城総合運動公園太陽が丘陸上競技場で戦う。

愛媛FC 3 - 0 ホンダロックSC
 (前半0-0、後半3-0)
ホンダロックSC 愛媛FC
ラフプレー 1点目の直前

 
愛媛FCとは?

 愛媛FCのスタートは1970年。松山フットボールクラブとして発足した。1987年に愛媛県リーグから四国リーグに昇格。1993年に母体となる愛媛フットボールクラブが立ち上げられ、チームの名称も変更した。JFLには2001年から参加している。ホームは松山市の愛媛県総合運動公園陸上競技場、チームカラーは今年から愛媛みかんのオレンジになっている。
 愛媛FCといえばJリーグ加盟を目指していることで大きな注目を浴びている。Jリーグ入りを検討し始めたのは2003年。この年は母体企業の設立の目処やスタジアムの改修計画がまとまらずに頓挫した。翌年は5位という成績、そして運営組織の問題を指摘されてアウト。
 今年は6月28日にJリーグ加盟の仮申請書を提出。8月29日にはJリーグによるヒアリングが終了。しかし、9月20日に鈴木チェアマンからホームスタジアムの問題などを指摘されてしまう。これへの対応は素早く、行政サイドが改修のための予算を計上して29日に正式に加盟を申請。10月7日には愛媛県知事と松山市長がチェアマンを訪問。あとはJFLで2位以内という条件を満たすだけ――というところまで来ている。
 成績は15勝5敗2分でリーグ首位。選手は30歳の友近が柱で、Jチーム出身選手が多い。
 チームのファンに対する動き、そしてサポーターの動きも活発で、さまざまなイベントを実施して、観客動員もなかなか多い。
旗だらけ


対するホンダロックSC

 リーグ16チーム中15位のホンダロックSC。JFL昇格初年度は下位に苦しんではいるものの、先日の天皇杯3回戦で栃木SCを破り、4回戦での鹿島アントラーズ戦を決めている。
 今回は南光太が累積で出場停止。これが不安材料ではあった。


さあ、キックオフ

 この日の天気は快晴。会場には522名の観衆が集まった。ホンダロックSCサイドは相変わらずの赤いサポーターたち。愛媛サイドは人数は少ないものの熱心なサポーターがいて、スタンドに大きなフラッグを何枚も飾っている。
 12時50分すぎ、ボールボーイの大宮高校サッカー部員がスタンバイして、選手たちが宮崎少年サッカー団の子供たちと手をつないで登場。13時にキックオフの笛が鳴った。
入場 握手
ホンダロックスタンド 愛媛スタンド


前半

 序盤からホンダロックペース。右サイドで細かいパスをつなぎ、11番・落合がシュートを放つ。愛媛は5分過ぎに右クロスからのチャンスを作るも、シュートは打てず。
 10分過ぎ、ロックがコーナーキック(CK)を得る。これは頭が合わず。しかし、ゲームはロックの流れ。パスがよくつながってるし、ディフェンス(DF)が落ち着いて対処している。ロック、フリーキック(FK)は合わず。
 愛媛は両サイドバックがよく上がってくる。サイドから持ち込んで、ボールをセンターに上げてチャンスを作っている。これは試合全体を通じて見て気づいたことだけど、ディフェンスのラインがワイド。この両端の前にスペースがあり、ここを積極的に活かしてくる……というか徹底している。
 しかし、愛媛は前線がなかなか仕事できない。ロックがボールを持たせないし、シュートも打たせない。DFが封じているし、ゴールキーパー・川島の好セーブも目立つ。オフサイドもある。
 ロックはボールをゴール前までに持ち込む。20分過ぎ、10番・大串がヒールでパスを出すもこれは合わず。25分過ぎには25番・水永がヘッドで打つもバーの外。惜しい場面がつづく。愛媛も右からクロスを上げるも川島にキャッチされ、16番・赤井が左からボールを上げるも活かせず。お互い、なかなか決定打とならない。
 35分過ぎ、大串にイエローカードが出る。場内からは「切り替えろ!」と声が飛ぶ。ロックは愛媛のボールをカットしてチャンスを作るも、もう一押しが足りない。
 愛媛は友近らにボールがなかなか渡らない。23番・猿田がドリブルで切り込もうとするも、ロックDFに止められる。40分過ぎには27番・金守が水永を後ろから倒してイエローをもらった。
 終盤、ロックにビッグチャンス到来。ペナルティーエリア前のFK。これを大串が蹴って、ボールは見事に枠の中へ……と思ったら、キーパーが上手くはじいた! これはほんと惜しかった…。その後のCKはヘディングシュートが逸れてしまった。ここで得点していれば……と思う。
 終了間際、落合が倒されてタンカで運ばれた。
大串のフリーキック ゴール前の交錯


後半

 ロックは「最初から集中ぞ!」と声を掛け合う。しかし……。
 後半1分、愛媛の左からのクロスを19番・永富が小さく折り返し(川島が永富に飛び掛ってゴールはがら空き)、フリーの猿田がシュートして先制! DFの対応に手違いがあったか?
 ここからゲームは愛媛FCに変わる。CKなどでどんどん攻める。ロックDFは集中力が定まってないか? 5分過ぎにクリアしようとしたボールを空振ってしまう。これを愛媛の赤井がシュート。これはキーパー川島が左にジャンプして見事にキャッチした。危ない。
 愛媛は前線がすいぶんと動き、そしてボールを持てるようになった。猿田はスピードもあるし、テクニックを活かしている。ロックは11番・落合に替えて14番の池田を投入。
 10分過ぎ。愛媛は左サイドからの攻撃が多い。猿田→濱岡とボールをつなぐけど、ロックDFがなんとか止める。ロックの攻撃はなかなか大串に合わない。
 15分過ぎ、水永がボールをカットしてカウンターを仕掛けるもキーパーに止められる。20分過ぎ、ロックの白川が脚を痛めてしまう。愛媛は友近に替えて、33番の田中を投入。ロックは5番の城が外れて、29番の大脇が入る。
 25分過ぎ、ロックは細かいパスつなぎから大串がセンタリング。しかし、大脇に合わず。逆に愛媛に攻められるも、川島が好セーブ。愛媛はCKで、猿田に替えて広庭を投入。CKはまたも川島が捕った。今日は大活躍だ。
 それにしても、愛媛は後半にガラリと変わった。運動量が落ちずに、よく動いてる。攻撃に関しては、前半はどこかでブランクがあったんだけど、後半はDFからフォワード(FW)までスムーズに流れるようになった。これが本来の姿なのだろう。
 30分過ぎ、愛媛がペナルティーエリア前のFKを得る。これはゴール右上のバーに当たった。あぶねぇ……。愛媛の猛攻はつづき、永富→濱岡とつないで持ち込まれる。そして34分。左からのFKを濱岡に決められて、2点差となってしまった。
 35分、大脇が倒されてホンダロックはペナルティーエリア前のFK。ここでロックは小谷と永里を、愛媛は赤井と金子を交代。再開後のシュートは入らず。ゴール前でなかなかシュートを打てない。そして、ついに攻めれなくなってしまう。
 愛媛の怖いシュート攻勢はつづく。スタンドからは「ホーンダロック!」と声援が送られている。40分過ぎ、相手を後ろから倒した永里にイエロー。ロックは集中力が切れかけているのだろうか。イライラも感じる。そして44分、左の狭い角度から永富に3点目を決められてゲームは終わった。
ピッチに向かう選手たち 猿田のセンタリング


大串選手、試合後のインタビュー

 試合が終わってから、大串選手に話を聞かせてもらった。
 「やることが違いますよ」――開口一番がこれ。つづいて「J2に上がれるだけの力はありますよ」。この試合、ホンダロックは前半は守りに徹していたそうだ。それが功を奏しての前半だった。しかし、「(愛媛FCは)無理して攻めなくてもいいと。0-0でもいいという試合運びでした」。愛媛は後半勝負に駆けていたのだ。そして3点を取った。運動量が落ちていなかった。ペース配分を、ゲームの勝ち方をよくわかっていた。 こういう強豪と戦えるのはいい経験になると思う。2年目に活かせるはずだ。
 大串選手に良かった点を聞くと「みんなでやることをひとつ決めて、しっかり守れた。共通理解を持って0-0に抑えれた」と話してくれた。以前に話を聞いたとき、チームの課題として挙げていたことである。しっかりしたものを持ってゲームに臨めないというのは。それが前半は解消されて、結果となった。悪かった点は「サッカーというのは、勝つためには点を取らないといけない。後半、点を取りにいったところを相手に利用された。“勝負どころ”ですよね」と返ってきた。
 愛媛FCとホンダロックSCの違い――それはサッカーに取り組む環境にもある。愛媛FCは毎日練習している。しかし、ホンダロックは仕事第一なので平日は月水金のみ。選手たちは遅くまで練習に励んでいる。それでも……である。
 トーナメント(天皇杯)とリーグ戦(JFL)の違いも話してくれた。トーナメントは一発勝負なので、この90分をこなせばというモチベーションで臨めるそうだ。大串選手曰く「得意分野」。リーグ戦は勝ち点を積み重ねる長期戦。これについても、いい経験になってると自分は思う。
 ホンダロックSCは11月3日、天皇杯で鹿島アントラーズと戦う。「JFLの会場に足を運んでもらうためにも、宮崎代表として勝ち続けていかないと」と大串選手は力を込めて話してくれた。「サン宮崎さんが降格して、宮崎の代表として戦うのはウチだけになった。下はもう県リーグ。サン宮さんがKyuリーグに戻るまでがんばります!」という言葉はジーンと来た。


試合の感想

 愛媛FCは強かった。完敗だった。個人技のレベルは高いし、サイドバックを使った攻めなど徹底したものがある。そして、勝負どころをわかっている。これは一定レベル以上のチームじゃないとできないことだ。
 今回の経験は、ホンダロックSCの来年につながると思う。前半はほんとにロックの流れで、「勝つか!?」と思った。
 それにしても、入場者が522名というのは少ない。こんなにいいゲームが地元であるのに……。
愛媛イレブン


後期第8節の結果

流通経済大 3 - 2 FCホリコシ
 (前半0-1、後半3-1)
アローズ北陸 4 - 0 デンソー
 (前半0-0、後半4-0)
佐川急便東京SC 3 - 1 Honda FC
 (前半2-1、後半1-0)
横河武蔵野FC 1 - 1 佐川印刷SC
 (前半1-0、後半0-1)
栃木SC 5 - 1 三菱水島FC
 (前半4-0、後半1-1)
愛媛FC 3 - 0 ホンダロックSC
 (前半0-0、後半3-0)

YKK AP 3 - 2 ソニー仙台FC
 (前半2-0、後半1-2)
佐川急便大阪SC 2 - 0 SC鳥取
 (前半0-1、後半0-1)


順位表

1位 愛媛FC(16勝2分5敗、勝ち点50、得失点差+19)
2位 YKK AP(15勝3分5敗、勝ち点48、得失点差+30)
3位 栃木SC(13勝6分4敗、勝ち点45、得失点差+25)
4位 アローズ北陸(14勝2分7敗、勝ち点44、得失点差+17)
5位 Honda FC(13勝4分6敗、勝ち点43、得失点差+18)
6位 佐川急便東京SC(12勝3分8敗、勝ち点39、得失点差+18)
7位 横河武蔵野FC(11勝6分6敗、勝ち点39、得失点差+11)
8位 ソニー仙台FC(12勝2分9敗、勝ち点38、得失点差+8)
9位 FCホリコシ(12勝1分10敗、勝ち点37、得失点差+8)
10位 佐川急便大阪SC(10勝5分8敗、勝ち点35、得失点差+4)
11位 佐川印刷SC(9勝5分9敗、勝ち点32、得失点差-3)
12位 SC鳥取(9勝3分11敗、勝ち点30、得失点差-8)
13位 流通経済大学(3勝5分15敗、勝ち点14、得失点差-38)
14位 デンソー(3勝4分16敗、勝ち点13、得失点差-27)
15位 ホンダロックSC(2勝3分18敗、勝ち点9、得失点差-37)
16位 三菱水島FC(2勝2分19敗、勝ち点8、得失点差-45)


後期第9節

愛媛FC vs YKK AP(10/22、愛媛、12:00)
FCホリコシ vs 三菱水島FC(10/22、群馬、13:00)
佐川急便東京SC vs 流通経済大(10/22、多摩、13:00)
佐川急便大阪SC vs 横河武蔵野FC(10/22、高槻、13:00)
佐川印刷SC vs ホンダロックSC(10/23、立山城総合運動公園太陽が丘陸上競技場、12:00)
ソニー仙台FC vs Honda FC(10/23、仙台、13:00)
栃木SC vs デンソー(10/23、栃木、13:00)
アローズ北陸 vs SC鳥取(10/23、岩瀬、13:00)

投稿者 pawaspo : 2005年10月16日 23:52

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