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2005年09月03日
シーガイア・キッズゴルフレッスン [ ゴルフ ]
宮崎市のフェニックス・シーガイア・リゾートで、夏休み期間中に「サマーキッズクラブ2005」として乗馬や動植物観察、野菜収穫などを子供が体験するレクリエーションプログラムが行われた。
8月28日(月)、スペシャルプログラムとしてデビッド・デュバル・ゴルフアカデミーでゴルフレッスンがあり、女子国内賞金ランキング8位の横峯さくらプロと父の良郎さんも参加して子供たちに指導。子供たちはパターやクラブを手に取り、プロに接することでゴルフを楽しんだ。
シーガイアとサマーキッズクラブ2005
フェニックス・シーガイア・リゾートは宮崎空港から10km北、一ツ葉海岸沿いの黒松林のなかに位置する。広さは約700ha。45階建てのプリズム型ホテル「シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート」、九州・沖縄サミット外相会合の会場になった「サミットホール」、世界最大の室内プール「オーシャン・ドーム」、リゾートコテージ「コテージ・ヒムカ」、昨年できた「松泉宮」といった宿泊施設やリゾート施設がある。近隣にはフェニックス自然動物園、フローランテ宮崎、サンビーチ一ツ葉などもある。
スポーツリゾート、特にゴルフについては有名だ。タイガー・ウッズが参戦するダンロップ・フェニックス・トーナメントの舞台となっている「フェニックス・カントリー・クラブ」、ジャック・ニクラウスに競り勝って77年のマスターズを制するなどメジャー通算8勝のトム・ワトソンが設計した「トム・ワトソンコース」、01年全英オープン覇者デビッド・デュバルが名誉校長をつとめる「デビッド・デュバル・ゴルフアカデミー」がある。今年に入ってからは横峯さくらプロが拠点を宮崎に移し、ラグゼ一ツ葉に住んでいる。
他にも、4面の屋内コートと16面の屋外コートからなる「シーガイア・テニスクラブ」がある。自分がときどき行くサン宮崎FCの練習は、サミットホールそばのイベントスクエアが使われている。こういった施設やゴルフコースについては、追々紹介していきたいと思う。
「サマーキッズクラブ2005」は、夏休み期間中に6~12歳を対象に実施された子供向けの体験プログラム。親の元を離れて一緒に参加する新しい友達との交流を通じ、普段の生活では体験できない夏休みの思い出をつくる――というコンセプトだ。
たとえば、月曜は「オーシャンドーム&キッズゴルフレッスン」、水曜は「博物館体験&クッキー作り教室」、金曜は「フローランテで植物観賞&西都原で古代生活体験」。シーガイアに限らない場所で、いろんなことが行われていた。
8月28日は月曜のプログラムに、横峯さくらプロ&良郎さんが特別に加わったわけである。内容は午前中はオーシャンドームで遊泳、昼はシェラトン・グランデでランチ、それからゴルフアカデミーでゴルフレッスンとトークショー、夕方に少し遊んで終わり――というものだった。
42階でランチ
自分はお昼のランチからお邪魔させてもらった。場所はシェラトン・グランデの42階。宮崎の建物でこの高さまで上がるのは初めてだ。
参加している子供は、小学校1年から6年までの15名。低学年の子供が多い。みんな、おそろいの赤いTシャツとキャップを身につけている。
ランチのメニューはスパゲティーやウィンナーなどが入ったランチボックス、ジュース、プリン、クッキーなど。これを窓辺に座って、みんなでワイワイしながら食べている。
子供というのはほんと元気で、みんななかなか落ち着かない。カメラを向けるとなかなかストップせずに、他の子供も集ってきて、やっとピース……という感じだ。女の子は男の子よりおとなしいけど、はしゃいじゃう。
ここは夜になると「焼酎BAR STELLA」になる。カウンターには九州各地の焼酎がある。自分なんかはどうしても気になるんだけど、子供たちはもちろん無関心。まあ、当然だよな。
窓からの景色は素晴らしい。日向灘、シーガイア全体を一望できる。松林、ゴールフコースもはっきり見える。ほんと広い。子供たちは窓に張りついて見下ろしていた。ちなみに、自分が思ったことは「戦艦大和はこの海を南下して沖縄に向かったんだな…( TДT)ゞ」だった。
デビッド・デュバル・ゴルフアカデミー
デビッド・デュバル・ゴルフアカデミーはフェニックス・カントリー・クラブとトム・ワトソンコースの間にある。まわりはもちろん松林。
天然芝のティーグランドがあって、その先に350ヤードのフェアウェイが広がる。ところどころにバンカーやグリーン。他にも個別のグリーンがいくつか、その近くにバンカーがある。
レッスンプログラムは30分の短いものから長期滞在型までいろいろ。インストラクターが指導してくれるし、スイングをビデオ撮影して診断することもできる。
詳しくはまた別の機会に。
まずは基礎レッスンと準備運動
14時前、子供たちがゴルフアカデミーにバスで到着。この日は取材がたくさん来ていた。地元メディアはもちろんのこと、全国系列でも放送されたし、共同通信も来ていた。
まずはティーチングルームで基礎レッスン。先生からパターやドライバーについて、簡単なことを教えてもらう。子供たちはけっこう知ってるもので、「7ば~ん」「5番がいい~」なんて言ってる。
子供たちに身体のサイズに合ったパターを1本、ボールを2個渡して外に移動。輪になって、パターを使った準備運動だ。両手でシャフトを持って前にかざして腕をひねったり、とか。
終わったらグリーンへ移動。それにしても暑い…。そういえば、ある女の子は「午前がゴルフで、それから泳ぐほうがよかった」と言っていた。一番暑い時間帯だもんな…。
パッティング練習
広いグリーンでカップは2つある。高学年と低学年にわかれて、先生がそれぞれ付いてパッティングの練習が始まった。自分はまず、低学年の子たちに付いてみた。
まずは先生からフォームを教わり、2mほどの距離から1人ずつ打ってみる。なかなか入らない。ショートしたり、あさっての方向に勢い良く転がっていったり。「むずかしい…」という声が出てくる。
ここで先生がレクチャー。距離を変えて、1人1人回数をこなしていく。すると、だんだん良くなってきた。惜しいパットもある。カップに蹴られたり。女の子はまだ立って振ってるだけという印象だけど、それでもカップに近い当たりがある。男の子はグッと構えが様になってきている。そして、入るパットも出てきた。「カコーン!」という乾いた音が気持ちいい。
高学年ではボールが入るまで打たせていた。繰り返しで丁寧に教えている。さすがに飽きたのか「ドライバーで飛ばしたい」と言ってる子もいる。遠い距離、10mぐらい離れてやってみる。先生曰く「2回で入ればいい」。パッティングは難しい、でも最後までやれば入るものだと教えるためだろう。だいたい4打かかっていたけど、2打で入れる子もいた。
横峯さくらプロと良郎さんが登場
ここで横峯さくらプロと良郎さんが登場。マスコミもウヨウヨ寄ってきた。かなり多くいたので、子供たちは緊張しちゃったかもしれない。
まずは挨拶。ここで注意。帽子を取らない子がほとんどだった(1人だけ取って褒められた)。良郎さんが「ちゃんと帽子を取って、挨拶しような~」と言って、もう一度挨拶。これは非常に大事なことだし、自分は子供の頃からちゃんとしつけるものだと思う。高校球児はすれ違えば、立ち止まって帽子を取ってから頭を下げて挨拶してくれる。
それからはトーク。ずっとそうだったけど、しゃべるのはほとんど良郎さんだ。面白いトークでなごませる。
まずは、子供たちが打ってみる。下り勾配のロングパット。これを2打で入れるもんだから、良郎さんは「なんだよ~」。子供たちが上手くいかなくて、そこで教えるというアテが外れる。「もっと下手なのはいないかのか?」と言って、場が盛り上がる。さくらプロは、子供が打つときに声をかけてアドバイスしている。
すでにパット練習をやっていたせいか、調子のいい子供たち。経験者もいるようだった。やっと“下手なパット”が出てくる。
ここで、さくらプロが見本を示すことに。これをワンパットで沈めるのは難しいだろう。良郎さんのパターを借りる。構える。子供たちは両手をくっつけてグリップしているけど、さくらプロは手を離してのグリップ。打つ。距離が半分ほど足らない。さらに打つ。入らない。どうも、思ったよりも転がってくれない様子。「むずかし~~~!」「重いんだってば!」と悔しそう。
良郎さんの「自信のあるやつ、どんどんいって~」の声で、子供たちが次々とチャレンジ。ここで良郎さんに打ってという声が。「(俺は)さくらよりパット上手いからなぁ~」とまたも笑いを取る。子供たちも慣れて、ヤンヤと声を飛ばしている。良郎さんが打ってみる。入らない。「パターは集中しないといけないんだから」と言い訳が。
その後も子供たちは打ち続けた。良郎さんが「パターは難しい」「今日はこんなもんにしとこう」と〆て終わった。
ドライバーショットの練習
次はティーグランドに移動して、ドライバーの練習。子供たちがインストラクターの置くボールを、アドバイスを聞きながら打ってみる。みんな、パターよりもやりたかったのは思いっきりボールを飛ばすことだったろうと思うけど、なかなか上手くまっすぐ飛んではくれない。右側に陣取っているメディアに飛ばす子もいた。
ここで、さくらプロがまたお手本を。左手にグラブをはめ、グリップの上端を両手を付けて持ってスイング! 音が違う! フォームはきれいだし、ボールはまっすぐ飛んでいく。これを何度も繰り返す。自分はプロのスイングを間近に見るのは初めてだったので、心の中で「やっぱスゲーよな、オイ」とつぶやいていた。子供たちの目にはどう映っただろうか。聞けばよかった。
子供たちから質問が。「いつからゴルフを始めたんですか?」。さくらプロ曰く「小2から振ってる」。ここで良郎さんが「なんでチビなのに飛ぶのとか聞けばいいのに。(ここで背の高い女の子を呼んでさくらプロと並ばせる)ほら、あまり身長変わらんでしょ」と茶々を入れる。さらに質問「なんでまっすぐ飛ぶんですか?」。良郎さん曰く「毎日練習してるから」。
子供たちが再びチャレンジ。さくらプロや良郎さんもアドバイスを飛ばす。良郎さんが「なんで右に曲がるかわかるか?」と教える。前にまっすぐ飛ばす子も出た。
これを見た良郎さんが「ボロが出ないうちに終わろうか」と笑わせて、ゴルフの練習は終了。子供たちみんなが帽子を取って、頭を下げて挨拶をした。
さくらプロ&良郎さんとトークショー
アカデミーカフェに場所を移して、子供たちとさくらプロ&良郎さんのトークショーが行われた。(さくらプロは(さ)、良郎さんは(良))
――今日の感想は?
(さ) 短い時間だったけど、ゴルフをやったことのない子、やってる子がいて。男の子は元気すぎなんだけど、女の子は遠慮がちなところがあったので、もっといろいろ聞いてほしいなぁと思いました。
(良) さくらは小2の頃からプロになろうと思って、絵に描いたようにトーナメントに出てこうなった。昨日も新潟の寺泊でトーナメントがあって、今まではおじさんばっかりだったけど、今は土日は家族連れが多くて先日は1万人のギャラリーがいた。小さい子もいっぱいいて、ゴルフの中身は知らないけど藍ちゃん(宮里藍プロ)やさくらを応援している。今はゴルフをやる子が増えてます。宮崎にはこういういい環境があるし、ジュニアには無料で解放してます。日本一の施設があるので、今日この機会にゴルフを始めてください。声をかけてもらえば、おじさんが教えるから。お願いします。
――宮崎に移住して半年ほどになりますが、宮崎の感想は?
(さ) 前は鹿児島の鹿屋だったんですけど、空港まで2時間かかってました。こっちは30分で空港に着くので、すぐに帰れます。楽になりました。すっごい快適で、眺めもよくて。最近はイオン宮崎SCによく行きます。
――ゴルフを始めたキッカケは?
(良) 勉強が嫌いだったのもあるけど、ゴルフというスポーツは小さくてもできるのが一番の理由。ミッシェル・ウィーみたいに大きかったら、バスケとかバレーをやらせたはず。あと、田舎だから。東京だと練習場は40ヤード。こっちのほうが環境はいい。
――小2の頃の練習は?
(良) 小さい子に打つことはできない。まずはパターから。
(さ) ウチは3人姉妹で、ゴルフを3人とも始めて遊び感覚でやってました。
――ゴルフをやめたくなったことは?
(さ) ゴルフをやめたいと思ったことはないです。やだなぁと思ったことはけっこうあります。そういうときは自分で買い物やエステに行って、気分転換して頑張ろうと。
ここからは子供たちによる質問コーナー。
――おじさんは何のために生まれてきたの?
(良) ええ~(笑) 生きるためだろうな~。(「ゴルフを教えるため?」)そうだな~。
――6年生のときは何ヤード飛ばしてましたか?
(良) そういう質問を待ってたよ。
(さ) 190ぐらいかな。
――練習は毎日どのぐらい?
(さ) 今はコースをまわって4時間、そのあとの練習が2時間だから、6時間ぐらいかな。
(良) 仕事だからな。学校に行きたくない奴は、ゴルフを仕事にしたらいいよ。
――子供の頃と今、どっちが練習してました?
(さ) 小さいときが練習してたかなぁ。
――ドライバーはいつから?
(さ) 自分は小2のとき、ずっと最初はパターで、ドライバーは2ヶ月後ぐらいだったかな。
――ラウンドをまわった最高は?
(さ) 66です。
楽しい一日の終わり
トークショーが終わった後は、サイン色紙のプレゼントと握手会。さくらプロはキャップにもサインしている。
最後は子供たちみんなとさくらプロ、良郎さんで記念撮影。撮影が終わると、子供たちやそれ以外の人たちがサインを求めて集まり、さくらプロのまわりに人だかりができていた。
子供たちとはここでお別れ。市民の森へ遊びに行ったんだけど(これでキッズクラブの一日は終了)、自分はついて行かなかった。
子供たちに今日の感想を聞いてみると、「おもしろかった」「(さくらプロと良郎さんは)やさしかった」「いい思い出になった」という声があった。
宮崎とゴルフ
この短い時間で、細かい技術をおぼえるのは無理。大事なのはゴルフの面白さに触れることで、子供たちが「おもしろい!」と思えばそれで成功だろう。知名度の高いさくらプロと良郎さんに教えてもらったというのはいい思い出だし、キッカケになるかもしれない。
プロが子供やジュニア世代に教えるというのは、これから機会が増えればと思う。次の世代につなげ、社会に還元していくのはプロのスポーツ選手の役目だ。礼儀も含めて、いい模範であってほしい。
良郎さんは宮崎のゴルフ環境を絶賛していた。「凄いから、1回来てほしい!」と。この環境は世界に誇れる強みであるし、アマも含めてゴルフプレイヤーを惹き付けるもの。そして、この宮崎から有望なプレイヤーがどんどん育ってほしい。
今回は子供たちのレッスンが中心だったので、自分はゴルフ環境にちょっと触れただけ。正直言って、まだまだだ。これから機会があれば紹介していきたい。
投稿者 pawaspo : 2005年09月03日 20:56