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2005年08月01日

聖心ウルスラ学園レポート③~教師が見続けた野球部 [ 野球 ]

 企画広報室長であり、教師でもある谷川さんにお話をうかがった。谷川さんもこの日、取材の対応などで忙しく動いていた。
 うかがった話は野球部の創部から学校生活など興味深いものであり、そして感心させられるものばかりだった。

(創部の頃)
「試合で0-31で負けたんです。部員は11人。でも、頑張って応援しなきゃと思いましたね」
「最初はグランド整備です。雑草を取ったり、石ころを取ったり。で、徐々に勝ちはじめた」

(増えていく部員)
「ウルスラでやりたい、(監督の)石田さんのもとでやりたいという子が増えていきました」

(大会中の野球部を見て)
「試合ごとに上手くなってるように見えましたね」
「彼ら自身は試合に強いと思ってないんですよ。勝っても『まぐれ』と言ったり。いや、まぐれでここまで来ないだろうって(苦笑)」

(雪辱)
「昨年、現在のメンバーで都城商業にコールドで負けてるんです(3回戦、スコアは1-8)。今回は勝って、自信になったんじゃないでしょうか」
「(準々決勝、延長で勝った)宮崎日大には練習試合でボロ負けしてました」

(決勝直後のこと)
「試合をテレビで見てたんですけど、終わったら朝日新聞社の方々が『おめでとうございます』とすぐに来て、旗とか貼ってくださったんです。ええ、試合後すぐです」

(甲子園出場)
「(ここまで来るとは)誰も信じてなかったんではないでしょうか」
「出場を決めた後の野球部員たちは、高ぶったところがないですね」

(後援会)
「今は後援会の組織作りが大変で。やっと、今日(29日)たち上がったんです。事務所は大家さんが『タダでいいから』と貸してくださって」
「教員みんなが区長さんたちをまわって寄付活動をしています」

(ウルスラのメモリアル)
「今年は創立50周年なんです。いい記念になりました」

(地域に愛される野球部)
「先輩たちが作った伝統ですね。野球部員は朝早く、先生たちよりも早く学校に来て、学校の近くを掃除してるんです。小学校の子供たちの交通指導もやってる。これは『強くなるかも』と思いましたよ。公園のトイレ掃除もやってるんです」
「私たち教師も、早く学校に来たときは一緒にゴミ拾いをやってます」
「地域の人にも愛されてるんです。言われるんです、『元気が出ます』と」

(生徒としても立派)
「野球部員はホームルームが終わったら、すぐに(近くの短大にある)グランドに向かうんです」
「野球部員は携帯電話を持ってません。野球部で携帯が禁止になってるんです。眉を切ったり、髪を伸ばしたりもできない」
「椅子を並べてくれと頼むと、彼らは素早くやってくれます。何より、嫌な顔をひとつも見せないんですね」
「彼らは生徒指導としても申し分ないですよ。これはもう、石田さんの指導によるものです」
「野球だけで忘れ去られた生活面の大切さ――。それができなきゃ、野球はできないというわけです」
「学校生活の中に野球を入れて、しっかりやってます」

(石田監督)
「石田さんはロッテの黒木知宏投手(延岡学園)の師匠です」
「とにかく野球が大好きという人で。でも、野球ができない状態だったんです。それで、学校から声をかけたら、野球ができるならぜひ来たいと。小田原コーチも石田さんに付いてきた人です」
「石田さんは学校では商業を教えています」
「石田さんというのは妥協がない人で。徹底的に指導してます。野球については妥協しません。それが創部してから続いてます」

(アスリートたち)
「選手たちは言ってました。個人野球はやめて、つなぎます。自分を犠牲にしてやります、と」
「キャプテンは言ってましたからね。『休む者はいませんから』と」
「何をするにしても、みんなで一致団結してやってます」
「じつは、炭酸飲料は禁止されてるんですよ。身体に良くないからと。スポーツ飲料はいいんですけどね。スポーツ選手としての生活管理が行き届いてるんですね。メンタル面も鍛えられてますし」
「弁当はたくさん食べますよ。弁当を作りすぎたときに『食うか?』と声をかけたら、『はい!』とガツガツ食べますから(笑)」
「管理野球――そうですね。凄いのは、はぐれる者がいないということです」

(特待生はいらない)
「野球部は県北の選手ばかりです。県外から来る特待生はいません。校長が、いい選手を集めようという気がないんですよ。『これからもしない』と言ってますから。特待生はいらない、と。野球だけじゃなく学校生活もできないといけない、ということです」
「選手たちは特待生のいる学校への対抗意識はないんですよ。『県外から来てる選手は、目的があるからこそ来てるんです』と言ってますから」

 野球漬けだとは思ってたけど、野球以外の学校生活、高校生としての本分を大切にしており、それがあって野球があるという姿勢で自分は感心しきりだった。彼らは立派な高校生であり、そしてアスリートなのだ。

 野球部員に限らず、ウルスラの生徒たちは礼儀が正しい。校門をくぐってから、すれ違う生徒たちは必ず「こんにちは!」と挨拶してきた。自分が高校生のときはどうだったっけ…('A`)

 さて、いよいよ野球部のグランドへ。近くにあるウルスラの女子短大の敷地内にある。ちょっと頑張って歩けば海岸……という場所だ。
近くの海岸 建物の向こうにグランドがある

投稿者 pawaspo : 2005年08月01日 13:01

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