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2009年10月05日

Duo Live Tour 2009 [ 自主企画ライブ ]

◆心を揺さぶるブラジル音楽がここにある

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 2009年9月10日(木)、日向市文化交流センター小ホールにて、日向商工会議所青年部主催によるライブイベント『Duo Live Tour 2009』が開催されました。
 この日ステージに立ったのは、イベントのフライヤーに描かれた「心を揺さぶるブラジル音楽がここにある」というキャッチコピーからもわかるように、”盲目のブラジル人シンガーソングライター”として世界的に注目を集めている、Gladston Galliza [グラストン・ガリッツァ]さんと、日本を代表するグローバルパーカッショニスト、ヤヒロトモヒロ [八尋知洋]さんの二人!
 まさに絵に描いたような夢の顔合わせを間近で見れるとあって、会場にはたくさんのブラジル音楽ファンが集まりました。
(レポート:松田秀人)

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▲左:グラストン・ガリッツァ(gu,vo) 右:八尋知洋(per)


会場:日向市文化交流センター小ホール
開催日:2009年9月10日(木)
主催:日向商工会議所青年部

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◆プロフィール!

※プロフィール画像及び文章はフライヤーより抜粋。

盲目のブラジル人シンガーソングライター
◆Gladston Galliza [グラストン・ガリッツァ]
(Guitar , Vocal)
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1967年ブラジル・Minas Gerais州Ouro Preto生まれ。9歳からギターを弾き始め、Minas de Gerais Federal UniversityのConservatoryで音楽理論を学ぶ。
1989年、Rio de Janeiroに移り、数々の音楽コンクールに出場。また、セッション・ギタリスト、アレンジャー、プロデューサーとしての活動を続けながら、自身のコンサートを積極的に行っている。本人によるバイオでは、もっとも影響を受けたアーティストに、Toninho Horta、Milton Nasciment、Antonio Carlos jobinの3人をあげている。
1994年、Cesar Nascimentoとのコラボレーションでファーストアルバム”Viver Voce”を発表。

グローバルパーカッショニスト
◆ヤヒロトモヒロ [八尋知洋]
(Percussin)
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1961年東京に生まれる。少年時代の10年間をスペイン領カナリア諸島で過ごし、地元のラテンロックバンドでドラム・パーカッションを始める。
1980年帰国後、上智大学入学。学生時代に青山のサンバクラブ「プラッサオンゼ」でハウスバンドとして演奏中にスピック&スパンのリーダー吉田和雄に見出されプロデビュー。
現在のレギュラー活動としては、GAIA CUATRO、坂田明YOSHI!、室内楽団 八向山、スピック&スパン、ネルビオ、Os Amarelos、鬼武みゆきトリオ、ユビクトス、金子飛鳥ユニット、おるケスタ・デ・4・ピエサス、JAWANGO TRIO、アフリカンパーカッションユニット「ソフィケルギ」、中村善郎(vo,g)やタイロン橋本(vo,g)とのDUO等、国内外で活躍中。

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◆会場風景

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 会場には、日本では発売されていないインディペンデントレーベルから発表された”グラストン・ガリッツァ”さんのレアなアルバムも販売されていました。

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☆寺尾代表あいさつ
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「今回私たちは、日向商工会議所青年部の事業の一環としてこのライブイベントを開催する運びとなりました。日向商工会議所青年部では、日頃より音楽文化事業及び、経済・教育などのキャリア事業を行っておりますが、人口6万5千人弱のこの日向市において、特に音楽文化というテーマを事業化し継続していくのは大変難しいことではありますが、年に1度でも、2度でも、私たちに出来る限り頑張って続けていきたいと考えております。今日、ここで演奏をしてくださるスペシャルゲストの”グラストン・ガリッツァ”氏は、先ほど皆様にお渡しいたしましたフライヤーのプロフィールにも記載されてありますように、全盲のシンガーソングライターです。そんなことから彼ならではの独特の視点でとらえた世界を音楽にのせて、普段我々が感じることのできない感性を体感させてくれることと思っております。そしてもう一人、昨年もこのイベントに参加(GAIA CUATROにて出演)いただきました世界的パーカッショニストのヤヒロトモヒロ氏の演奏にもぜひご注目いただきたいと思います。皆様の目の前にセットされている打楽器の数々をご覧になっていただければわかると思いますが、これほどの打楽器を即興で自在に操れるアーティストも稀だと思います。今日は心ゆくまでお楽しみください」

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◆ライブ風景

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 ヤヒロトモヒロさんのソロから始まった今回のライブ。体全体を使ってくり出される様々な打楽器の音は、どう考えてもたったひとりで演奏しているとは思えない厚みがあり、まるでいきなりサンバカーニバルの会場にでも足を踏み入れたような錯覚に陥ってしまいます。

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 なにより凄いのは、ただ単に勢いや流れ、手癖で手数を入れているのではなく、打楽器ごとの音色と特質が聞いている側にわかりやすく演出されているから、非常に聞きやすく、それでいて信じられなほどの厚みがあるということです。この演奏を実現するには、体の各パーツがそれぞれに意思をもって独自に稼働していなければ不可能でしょうね……。

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 やがてサンバ・ボサノバをベースにした心地よいメロディーが会場に流れると、どこからともなくグラストン・ガリッツァさんの歌声が聞こえ、会場からは大きな拍手が鳴り響きました。

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 その楽しげなメロディーやリズムとは裏腹な甘く切なげな歌声に、盲目ゆえの大胆さと、自分の歌声を探るような繊細さの両方を兼ね備えた独特なギター奏法が加わり、さらにヤヒロトモヒロさんの演奏が静かにヒートアップしてくると、会場全体が二人の魂がぶつかりあうソウル空間に変貌。ファン達に濃厚なエネルギーを放出しはじめました。

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☆ヤヒロトモヒロ ライブMC1

----- あいさつ -----

「今日はこんなにたくさんの方々にお越しいただき本当にありがとうございます。実行委員会の皆様には同イベントで昨年もお世話になり、今年もまたこうして声をかけてくださったことを感謝しております。普段は後ろでポコポコ叩いているだけの私ですので、こうしてメインでご挨拶するのがとても苦手で、演奏している時はドキドキしないのですが、今はもの凄くドキドキしています(笑)。先ほどまで裏で何を話そうか?とあれこれ考えていたのですが、今、頭が真っ白になってしまいました。すいません(笑)」
 
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☆ヤヒロトモヒロ ライブMC2

----- グラストン・ガリッツァについて -----

「まあ、私のことはさておきご紹介させていただきます。隣にいるのが僕の素晴らしい音楽パートナー”グラストン・ガリッツァ”です!(会場から大きな拍手)実はこうしたライブの時に『どうやって彼と知り合ったの?』とよく質問されるので、まずそのことについてお話をさせていただいたいと思います。昨年(2008年)は『ボサノバ誕生50周年』ということもあり、日本にもブラジルから”大御所”とよばれるアーティスト達が何人も来日しました。そうした背景の中でいくつかの大きなイベントも開催されたのですが、そのうちの一つのイベントを手がけるプロデューサーから『今日本には大御所達がたくさん来日しているけれど、それとは違う、まだあまり日本では知られていないユニークなアーティストはどこかにいませんか?そんな人がいれば、できれば一緒にツアーをしてもらいたいんですよ』と僕に連絡がありました。そこで思い当たったのが、僕が『GAIA CUATRO』でヨーロッパツアーをしている時に、現地のミュージシャン達に『ヨーロッパで活躍中のブラジル人アーティストを紹介してくれないか?』と尋ねてみたところ、『それなら今スペインに滞在中の”グラストン・ガリッツァ”しかいないね』と100人が100人ともに彼の名前をあげたのです。それには僕も驚いたから、早速彼の音楽を聴いたところ、とても素晴らしかったので『よかったら一緒に』と声をかけさせてもらいました」

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☆ヤヒロトモヒロ ライブMC3

----- ツアーについて -----

「さきほど『ボサノバ誕生50周年』というお話をいたしましたが、とはいえ、日本におけるブラジル音楽の認知度はまだまだ低いといえます。たとえどれだけ素晴らしい音楽内容と活動を行っていようが、世界的大御所ならともかく、これからというアーティストは、日本において想い描くような活動は中々できません。だからこうしたライブ企画に呼んでいただけるというのはとてもありがたいことなのです。にもかかわらず、さらに嬉しいのは、主催が『日向商工会議所青年部』という少々お固い響きのある団体にも関わらず『演奏曲目は全てそちらにお任せします』という事なので、今日はおもいっきり”グラストン・ガリッツァ”のオリジナル楽曲をお聞かせすることができます。何故こんな話をするかと言えば、こうした企画ではよく『”イパネマの娘”は絶対に演奏してくださいね』にはじまり、演奏曲目中数曲は有名な楽曲に時間を裂かねばならない事が多く、目的をもってツアーに出たはずが、大げさに表現すれば『リクエスト大会で終わってしまう』そんなこともあるからです(笑)。まあ活動の一部としてそれも必要なのは理解していますが、今回のツアーでは、出来る限り”グラストン・ガリッツァ”の楽曲を紹介したい気持ちが強いもので……。そんなことから、とにかくみなさんにとって今日は初めて耳にする楽曲ばかりだと思いますが、どれもとても素晴らしい音楽なので、たっぷりとお楽しみください。全18回あるツアーの中で、今夜は4回目にあたります。まだ始まったばかりのツアーですがよろしくお願いいたします」

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<アンコール>

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 最小限の音響と照明からなるシンプルなステージで、ありったけの人間力をぶつけあう二人のサウンドとパフォーマンスを生で体感していると、「本物の」「本場の」といった、巷にあふれるありきたりの表現を使うのがちょっと恥ずかしくなるような、そんな目に見えない魂の形を、耳だけでなく体全体で感じさせてくれる素敵な演奏でした。イベントのキャッチコピーに「心を揺さぶる」とありましたが、文字通り「乱暴なまでに揺さぶられた」といっても過言ではないくらいでした。

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<ライブ終了後>

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◆お疲れ様でした!

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▲スタッフ達と共に記念写真

 こうしたブラジル音楽というのは、ヤヒロトモヒロさんがMCでおっしゃっていたように、日本ではまだまだ認知度が低いのが現状だと思います。そのため、どこそこで今回のようなライブを見るということはできません。特に宮崎ともなれば、企画・開催もなかなかだと思われますが、なによりブラジル音楽が好きな人たちの呼びかけに答えて、全国ツアーの合間を利用し、九州は日向の地へ楽器を片手にふらりとやってきた、グラストン・ガリッツァさんと、ヤヒロトモヒロさんの揺るぎないスタンスからなるフットワークにはとにかく「感謝」のひとことです。できればまた来年もこの地で、地球的魂のサウンドを聴かせていただけたらと思います。

PS:取材にご協力いただきました出演者及び関係者の皆様、本当にありがとうございました。そしてお疲れさまでした。

 

投稿者 blogpawanavi : 2009年10月05日 13:20

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