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2006年09月19日
Fried Pride LIVE in MIYAZAKI [ ライブハウス ]
8月30日(水)、宮崎市「SR-BOX」では、宮崎初ワンマンとなる「Fried Pride」のライブが行われた。今年の6月21日に6枚目のニューアルバム「Musicream」がリリースされたばかりという、絶好のタイミングだけに"フラプラファン"としては嬉しいばかり!さらにこの日が九州沖縄ツアーの最終日だったこともあり、ステージ上のパフォーマンスも最後の追い込みとばかりに冴え渡っていた。そんなことから、会場はライブ開始と同時に異様な興奮につつまれ大合唱の連続!大ホール並の盛り上りを見せた。演奏もヴォーカル&ギターという実にシンプルな最小ユニットながら、「Fried Pride」に詰まっている底なしのアイデアを感じ取る事ができた!「6枚目にして初の日本語に挑戦!」と表記のあるニューアルバムからも井上陽水の「リバーサイド・ホテル」やゴスペラーズの「永遠に」を独特のアレンジで披露!とにかく二人で何でもこなしてしまうFried Prideの魅力は、ヴォーカルShihoの日本人離れした変幻自在かつ背骨から搾り出すようなソウルフルな歌声に加え、世のギターヒーローをミックスジュースにしたような横田明紀男の超絶ギターが絶妙にからみあい、技術と情熱をぶつけあうスリリングな展開がてんこ盛りされているところだろう。そんな事から、多分にテクニカル色の強いステージをイメージしがちだが、間近でみる「Fried Pride」のライブは、「あの曲のこのテクニックが・・・」なんていうのが恥ずかしくなってしまうほど情熱的だった。変な表現かもしれないが、勢いにのったどんな若手アーティストより、新鮮で活きがよかったと感じる事ができた。今回のレポートで「Fried Pride」のお二人の「活きのよさ」がちゃんと伝わるか心配でならない・・・。
(文:松田秀人 撮影:甲斐英利)
■Fried Pride公式ホームページ↓
URL:http://www.friedpride.com/
■ビクターエンターテイメントFried Prideホームページ↓
URL:http://www.jvcmusic.co.jp/friedpride/
■Fried Prideブログ「フラリプラリ」↓
URL:http://yaplog.jp/friedpride/
開催日:2006年08月30日(水)
会場:SR-BOX
取材協力:株式会社ホリプロ ガクオンユニティフェイス
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●ニューアルバム 「Musicream」
Fried Pride待望のニューアルバムは、6枚目にして初の日本語に挑戦!JAZZ/ROCK/POPというカテゴリーを遥かに超越した“フラプラ流POPアルバム”完成!!
「Musicream」
VICJ-61356
\3,000(tax in)
2006.6.21 RELEASE
01. 君の瞳に恋してる(Boys Town Gang)
02. リバーサイド・ホテル(井上陽水)
03. 接吻 KISS(Original Love)
04. Nightbirds(Shakatak)
05. Words With Wings(Fried Prideオリジナル曲)
06. Get Down To Me(Fried Prideオリジナル曲)
07. Midas Touch(山下達郎)
08. 永遠に(The Gospellers)
09. Higher Ground(Stevie Wonder)
10. La La Means I Love You(The Jackson Five)
※アルバムに関する詳細はこちらをクリック!試聴可能です
■ビクターエンターテイメントホームページ↓
URL:http://www.jvcmusic.co.jp/friedpride/
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● プロフィール
「Fried Pride」
類まれなる歌唱力と表現力を併せ持つハートフルヴォーカリストShihoと、超絶技巧のスーパーギタリスト横田明紀男の二人からなるジャズを超えたジャズユニット。2001年9月、日本人初の米国コンコード・レーベルからアルバム「Fried Pride」でデビュー。日本人離れした歌唱力とアルバムクオリティーの高さ、誰にも真似できないギタープレイで各方面から大きな注目を浴びる。その後、定期的にアルバムを発表。2004年8月にリリースした4thアルバム「That's my Way」ではグラミー賞アーティストでもある"マーカス・ミラー"、"ギル・ゴールドスタイン"、"マイク・マイニエリ"と共に作品を製作。この作品をきっかけに本格的に海外での活動をスタートさせた。現在までに米国ニューヨーク・ブルーノートをはじめ、数々の海外公演やイベントに出演する。2005年5月リリースの5thアルバム「two,too」でも更なる進化を魅せオリコンジャズチャート3位を記録。常に現在に満足せず、新たな可能性に二人で挑戦し続け、独自のサウンドやプレイスタイルはもちろん、ワールドワイドな活動を積極的に行い、多くの人々を魅了している。そして、いよいよ初の日本語に挑戦した6枚目のアルバム「Musicream」を2006年6月21日にリリースした。
■さらに詳しいプロフィールはこちら↓
(Fried Pride公式ホームページ"profile"より)
URL:http://www.friedpride.com/body/profile.html
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●ライブ風景
会場:SR-BOX
2001年、初の日本人アーティストとして名門ジャズレーベル「コンコード」から1stアルバム「FRIED PRIDE」でデビューして以来、毎年1枚づつアルバムを発表し、今年6月21日にリリースしたばかりのニューアルバム「Musicream」を引提げての、宮崎"初"ワンマンとなった今回のライブだが、私個人的には数年前に宮崎の野外イベント「UMK PHOENIX JAM Night」でライブを体験している。確か当時は1stアルバムを聞いて「なんだこの凄い人達は?」とか言っているところにタイミングよく「宮崎に来るみたいですよ〜」という情報が入り、宮崎でも頻繁に1stのジャンピング・ジャック・フラッシュなどが流れはじめていた・・・。さらに何かの番組でディープ・パープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」を演奏しているのを見て「リッチーの影なんかありゃしない・・・女性Voも、こりゃ〜えらくカッコイイぞ・・・」と、生"フラプラ"を見るのを心待ちにしていた記憶がある。たぶん、3rdに収録されたスモーク・オン・ザ・ウォーターはラジオからも頻繁に流れてはいなかったので、アルバムでいうと2nd発売直後の2002年ではなかったろうか?しかし、JAM Nightの野外ステージは大きかったので、"フラプラ"の表情までは確認できなかったが、それでも、二人の表情を感じたような気になれたので「流石だな〜」と思った。
そんな、思い出の"フラプラ"をもっと近くで熱く体感できる機会が来た!8月30日(水)宮崎SR-BOX!「今度は顔のシワの1本1本までしっかりと見てやろう!」そんな事を心に決めながら、延岡から宮崎に向かう間、車の中ではずっと「Musicream」を聴いていた。今回は「日本語に挑戦!」とのキャッチコピーがあったのだが、よくよく考えてみると日本人が日本語に挑戦というのもおかしな話だ・・・。しかし、いざアルバムを聴いてみると「なるほど!」と、あらためて思わせてくれるほど"フラプラ"の楽曲は世界に向けられている。決して日本人に向けられた日本語ではなく、日本を含めた世界の人々に日本語のメロディーを紹介しているのである。何故か4曲目のシャカタクの「Nightbirds」から5・6曲目のオリジナル、そして7曲目の山下達郎「Midas Touch」への流れに妙にはまってしまい、何度も4〜7曲目を聞き返した。そうこうしているうちに、SR-BOXに到着。スタッフの方と取材の打ち合わせを済ました後、時間があったので一旦外に出て開演ギリギリに会場に戻ると、すでに座席は満席で一部立ち見も出ていた。BGMが止まり、開演となった・・・。ブルーのライトの中に現れたヴォーカルのShihoさんは、以前のイメージとは違うロングヘアー!英語の歌を歌っていると、まるで外国人アーティストを見ているよう。ショートの時よりもロックミュージシャンっぽくてワイルドに感じられる。ブログ(フラリプラリ)の中で髪型が徐々に変わったのは知っていたが、今回のロングはまったく想像していなかったので、とても新鮮でカッコイイ!もしかしたら又、髪型がかわるかもしれないので、ロング時のShihoさんを見れたのは個人的にラッキーだったかも。ギターの横田さんはいつもの横田さんだったので安心した。
・・・と、もの思いにふけって?いると既に1曲目が始まっている・・・。曲はスティービー・ワンダーのパート・タイム・ラバー!二人は以前見たJAM Nightの大きなステージと違い、ライブハウスの小さなステージの上でイスに腰掛け演奏しているのだが、これが何故か?ステージ狭しと動きまわっているように見えるから不思議・・・。ヴォーカルの声も、マイクを通しているのか生声なのか分からないくらい迫力がある。そして超絶技巧ギターの演奏はいつもの如く素晴らしい!自分の中では「超絶」などという言葉で済ましてしまうのが恥ずかしいのだが、超絶は超絶なので「超絶」と書いた!
初めて間近に見る"フラプラ"を前にいろいろと思いをめぐらせていたら、1曲目が終わってしまった。2曲目のララ・ミーンズ・アイ・ラブ・ユーはニューアルバムにも収録されている誰もがどこかで一度は聴いた事がある曲。まだ2曲目だというのに会場が大合唱になっていた。Shihoさんの宮崎ライブ第一声が「プリーズゆびパッチン!」だったのには、思わず噴出してしまった・・・。
曲間のMCでは横田さんに「アキオコール」まで起こり、変に盛り上がっていた(笑)。そんな客席に向けて、お二人はこんな事を言っていた。
Shihoさん:「みなさんこんばんは!今回は宮崎初のワンマンライブという事なんですが、実はワンマンというのが初で、宮崎でのライブは2回目です。3〜4年前にUMK PHOENIX JAM Nightという野外イベントに出演したんですが、その時は台風の影響で外出できませんでした。だから、昨日やっと宮崎の街に出て、名物の地鶏のもも焼きを食べました!初のワンマンライブだったので、いろいろ心配な事もあったけど、こうしてみなんさんが集まってくれて新しい出会いがあるのが嬉しいです。みなさんリラックスしてくださいね!私も、ここ私ん家ィ〜☆ぐらいでやってますから!」
横田さん:「アキオコールありがとう!でも、ヨコタコールはあるけど、アキオ、アキオっていうのは小学校の運動会以来のレアな出来事です。前回、宮崎に来た時は台風だったけど、今回は天気がよくてよかったです」
このほかにも横田さんは、低くて渋い声ながら、微妙に面白いギャグを連発していた。
この日の5曲目は、4thアルバムのトップを飾るオリジナル曲「ザッツ・マイ・ウェイ」!演奏する前にShihoさんが「この曲は今日SR-BOXにいらしている女性の皆さんだけにおくります」とコメントし、この曲にこめられた「これが私のやりかた!」というメッセージを、客席の女性達に熱く投げかけると、会場にいた女性達だけが"ザッツ・マイ・ウェイ"をShihoさんと一緒に歌い始めた・・・興味本位で男が覗き見するにはちょっと近寄りがたい空間が出来上がっていたようなので、この時ばかりは会場にいた男性陣は横田さんのギターにすがるしかなかった。さらにライブ後半ではニューアルバムから日本語の曲「リバーサイド・ホテル/井上陽水」と「永遠に/ゴスペラーズ」の2曲を演奏した。思えばShihoさんの日本語をコレだけじっくり聴いた事があっただろうかと思った。もちろん日本人だから日本語が上手いのは当然(笑)だが、単に日本語の歌を日本人向けに歌っているのではなく、世界に通じる日本語をメロディーにのせて体の中から搾り出しているように思えた・・・。
もちろん横田さんの「超絶」ギターソロ(ステラ・バイ・スターライト)も見逃せない!上記でも超絶について書いたが、近くで横田さんを見ていて感動したのは、あれだけのテクニックをライブ演奏で見事に披露しながら、テクニックより数歩前に必ず「パッション」が感じらる事!そんな事からShihoさん同様に、横田さんも日本人離れしている。きっと海外のスーパーギターヒーローのようにテクニックだけでなく超絶パッション?が体中を駆け巡っているのだろう。そういえば、ライブ後に横田さんと話す機会があったので、いろいろと質問してみたのだが、その中で特に印象的だったコメントは「だれも未来の事はわかりません。明日も今日と同じようにステージにたっていられる保障はないんです。だから今精一杯の演奏をする!自分たちの熱い気持ちを演奏でしっかりと観客に伝えキル!これがFried Prideの活動の原動力に繋がるんです」というもの・・・。確かに二人からは演奏に対する情熱が技術以上に伝わってきた。横田さんは私もよくギター専門誌などで拝見するのだが、今度なにかの専門誌で「超絶・情熱ギタリスト」の特集を組む時は真っ先に日本代表で横田さんをあげてもらいたいと思った。そしてライブ終演直後に、この記事用のライブ風景を撮影していた同僚と話した事なのだが、「Shihoさんて、横田さんが長いギターソロを弾いているときもメチャメチャ存在感あるよね」と私・・・。すると同僚のカメラマンが「なんかね、写真撮ってても、ギターの後ろにShihoさんがいないと落ち着かないっていうか、おさまりが悪いっていうか・・・とにかく、ちゃんと二人で絵が出来上がってるんだよね」と語っていた・・・。かといってソロの間中、Shihoさんがダンスをしているわけでもなく、ただ横田さんに向かって微笑んだりしているのだが、その表情が半端ではない!ライブ中のMCでも横田さんの事を「私が世界で一番好きなギタリストです!」と語っているように、ステージ上でも、横田さんのギターソロが始まると、まるで熱烈なファンのような眼差しを、横田さんに投げかけるのだ(右上画像)・・・。だから、そんな光景を見ているこちらまで、何故かいい気持ちになってしまうのである。きっと、TVなどのグルメレポートで美味しそうに食べる人を見ているだけで、お腹がすいてくるのと一緒なのかも知れない。とにかく、そんな光景がとても印象的だった・・・。ライブの終盤は「ワーズ・ウィズ・ウィングス」や「ディグ・イット」といったオリジナル曲を演奏し、アンコールでは「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」「クロウス・トゥ・ユー」を歌いつつ、「メッチャ楽しかったです!本当は明日の朝までやりたいけど」という言葉を残して二人はステージを後にした。
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■セットリスト
注)☆印はオリジナル曲、★印は「Musicream」収録曲
1 パート・タイム・ラバー/スティービー・ワンダー
2 ★ララ・ミーンズ・アイ・ラブ・ユー/ザ・デルフォニックス
3 ファンタジー/アース・ウインド・アンド・ファイアー
4 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン/ジャズスタンダード
5 ☆ザッツ・マイ・ウェイ
6 Gt Solo(ステラ・バイ・スターライト)
7 リオ・デ・ジャネイロ・ブルー/フレディー・コール
8 リボン・イン・ザ・スカイ/スティービー・ワンダー
9 ★リバーサイド・ホテル/井上陽水
10 ★永遠に/ゴスペラーズ
11 ★☆ワーズ・ウィズ・ウィングス
12 ☆ディグ・イット
EC1 ジャンピング・ジャック・フラッシュ/ザ・ローリング・ストーンズ
EC2 クロウス・トゥ・ユー/ザ・カーペンターズ
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●握手&サイン会
ライブ後のひとコマ・・・。
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■JOY-FM 耳恋スタッフと
ライブの前日、Fried Prideのお二人が出演したラジオ番組JOY-FM「Radio Paradise 耳が恋した」のパーソナリティー、シローさんとアキさんが応援に駆けつけた!
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●メッセージ
最後にFried Prideのお二人から、宮崎のファンに向けてメッセージをいただきました!
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Shihoさん:「本当なら週一でやりたいぐらいです!今日が私たちの九州沖縄ツアーの最終日だったんですけど、みなさんが暖かく迎えてくれて嬉しかったです。みんなシャイなのかな〜と心配していたんですけど(笑)ライブもとても盛り上がり、いい最終日が迎えられました。今回はニューアルバム"Musicream"リリース直後という事なので、宮崎のみなさん!宮崎にピッタリの1枚"Musicream"ぜひ、よろしくお願いします。ドライブするにはピッタリのアルバムです☆」
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横田さん:「九州を何箇所かまわって感じたのは、九州の人ってその土地土地で個性的なカラーを持ち合わせているので、九州男児とひとくくりできません。とにかく地場に根ざしたアイデンティティを持った人が多い事です。そして、1度でもライブを観に来てくれて、知ってくれると、とても暖かく接してくれます。だから、僕達の音楽は、そんなみなさんにとっての"気持ちいい風"になれたらいいな〜と思っています。
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Fried Prideのお二方に関係者の皆様、取材にご協力いただきまして誠にありがとうございました。今後の御活躍を楽しみにしております。
投稿者 matsuda : 2006年09月19日 11:09
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