1930年創業の老舗旅館『かみの家』が移転し2014年4月に新しくオープン!
“華鳥風月”をテーマにデザインされた和モダンな
「離れ」全8室から成る隠れ家的旅館。
高千穂町の中心部にオープンした隠れ家的存在の宿
2014年の夏は、全国的に連日35度を超える真夏日が続く酷暑となっていますね……。照りつける太陽から逃れようと、清涼感のある美しい景色の中で冷えたビールを飲み干す場面などを思い浮かべては、現実逃避している今日このごろです(笑)。
そこで、今回のレポートでは、そんなうだるような暑さを払拭し、快適かつ思い出に残る特別な旅を演出してくれる、今年の4月に高千穂町の中心部にオープンしたばかりの隠れ家的存在の宿『高千穂 離れの宿”神隠れ”』をご紹介します☆
1930年創業の老舗中の老舗『民芸旅館かみの家』が装いを新たに誕生させた『高千穂離れの宿 神隠れ』。80年を超えるサービスの伝統をそのまま受け継ぎながら、古式ゆかしい日本庭園や高千穂の文化に加え、現代的なシステムとを融合させたデザイン性の高い和モダンな雰囲気となっています。
さらに、客室が全て”離れ棟”の造りなっているのが特徴です。しかも、入り口からお風呂まで全てバリアフリー仕様なので、小さなお子さま連れのファミリーでも、車いすをご利用の方でも、快適に過ごすことができるようになっています。
独立した棟から成る”離れ”の造り
駐車場のすぐ横には、四季折々の花木が彩る小道が敷地の中心へむかって伸びており、それぞれの建物へ続いています。
全8室の客室はすべて独立した棟から成る”離れ”の造りで、異なるアプローチや独創的な庭園が完備されている完全なプライベート空間となっています。さらに、プライベートタイムを満喫していただくために、余分な音を少しでもカットしたいとの配慮から、庭園の玉砂利が敷いてある場所には、足を下ろす間隔に角石のステップが施されています。
ちなみに管理棟の屋根は、高千穂古来から伝わる『千木』造りになっています。(画像右上)
▲『管理棟』でのチェックインの風景。全室離れ形式の造りなので、宿泊の手続きはこちらの『管理棟』で行います。
夜の風景
※夜の風景の館内イメージ画像4枚 提供:高千穂離れの宿 神隠れ
独自のサービスと最新式のシステムを導入
国内だけでなく、世界各国から訪れる宿泊客の多様なニーズに応えられるよう、施設にはさまざまなサービスが充実しています。
神隠れの食事は、厨房で出来上がったばかりの最高の状態で提供できるよう、全て管理棟にあるデザイナーズレストラン『食彩』(画像左上)でいただくようになっています。高い天井とガラス張りの壁から見える緑豊かな景色で広々した開放的な空間が創られています。
さらに、宮崎県の地酒が多種類そろった(画像右上)飲み放題プランは、なんと1,080円という驚きの破格!!
施設内のWi-Fiが無料で使用可能!ビジネスにも安心です!
女性は好みの浴衣を2種類から選べます!(画像左上)浴衣で施設内を散歩することも宿泊の楽しみのひとつとなりそうです。また高千穂町内ではまだあまり設置されていない、電気自動車の充電スポットも完備!(画像右上)
客室紹介〜テーマの色に添ったデザイン
・チェックイン15:00~/チャックアウト11:00まで
客室イメージ
日本の美しい自然の風景、そしてそれらを愛でる心や風流を大切にし、全8室の客室は『華鳥風月』をテーマにデザインされています。さらに、日本独特の繊細な色合いを表現する古代色が客室名となり、それぞれのカラーに沿ったオリジナリティ溢れる雰囲気となっています。
※宿泊料金1名様 24,840円〜(1泊2食)
▲広々したベッドルーム。ベッドは世界のトップブランド『シモンズ』を使用(画像左)。それぞれの客室に屋内バスルーム完備(画像右)。高千穂町には源泉が無いため、天然温泉ではありませんが、高千穂峡の”玉垂の滝”から組み上げた神聖なご神水を使用しているとのこと!また、露天風呂付きの客室もあり、大自然の息吹を体感しながらゆったりとバスタイムが楽しめます。
▲和洋室『赤朽葉(あかくちば)』
▲和室『黄金(こがね)』
※客室イメージ画像4枚 提供:高千穂離れの宿 神隠れ
翡翠の間
上記”客室イメージ”でお伝えしたとおり、客室名は日本独特の古代色になっています。こちらは『翡翠(ひすい)』の間。翡翠は縄文時代から勾玉として使用されたという歴史があり、神秘的な深い緑色をしています。
▲玄関を入ると、正面には緑の木々が輝く庭園が広がっています。こちらはバリアフリーで、お年の方や小さなお子さまでも安心です☆
▲翡翠の色合いで整えられたインテリアが彩る室内。
▲客室に飾られた絵画は、オーナーの同郷で高山在中の『長谷川観石』氏の作品。旅館の看板や客室案内板、管理棟のロビーなど、全館のありとあらゆる所で見ることができます。
▲トイレ・お風呂も室内に完備され、全室が扉でつながっているユニークな設計で、すべてバリアフリーとなっています。バスルームからはそのまま庭園へ進むことも可能!
料理紹介〜『高千穂』が表現された自慢の料理の数々
夕食・朝食ともに、高千穂の自然や神秘的な空間を意識して、地どれの旬野菜やお米をはじめ、宮崎県産の食材を中心に構成されています。夕食には清流で獲れた魚などを使用した創作料理の数々が並び、メインには全国和牛能力共進会で最優等など受賞歴があるブランド牛『高千穂牛』のステーキが登場。さらに、朝食は彩り鮮やかな『小鉢7品盛り』を中心に、1食で30品目以上の食材を使用した品数豊富なメニューで、訪れた人から100%の満足度を得ているとの事!
※献立は、仕入れ・季節によって変わります。
夕食コース
▲取材時の夕食コース
★献立
(一)先付:山芋すり流し
(二)前菜:山河の幸 吹寄せ盛(鴨の燻製、長芋桜毬、鱒の甘露煮、丸十棒、男爵の寒天寄せ)
(三)蓋物:焚き合せ
(四)向付:紅鱒と勘八のお造り
(五)替鉢:唐芋と果物の竹グラタン
(六)焼物:鮎の香焼き 蓼酢(たです)添え
(七)台物:高千穂牛ステーキ
(八)酢物:山女魚南蛮漬、紅鱒金紙巻
(九)揚物:山菜の天麩羅
(十)汁物:田舎そば
(十一)飯物・香物:黒米古代米、豆腐味噌漬、しそ千枚漬
(十二)甘物:甘味・果物
▲焼きたての高千穂牛ステーキ!(画像左)口の中の温度で肉の脂身が溶けてしまうほどジューシーで柔らかい肉質が特徴!お造里は新鮮な海の幸・川の幸が相乗りしたひと皿!
▲半熟の卵黄と相まってさらにとろみが増した前菜の山芋すりながし。咀嚼せずにスルスルと体に入っていくような感覚です(画像左)。大好評の一品『竹グラタン』は、スタッフ自ら竹を切り出し、ホワイトソースから丁寧に仕込みます。中には甘藷とオレンジが閉じ込められ、ホクッとした甘さと酸味の効いたオレンジのバランスがとてもユニーク!
朝食
※朝食イメージ画像 提供:高千穂離れの宿 神隠れ
★朝食:山里の彩り朝ごはん
(小付七色盛り・姫鱒西京焼・寄せ豆腐・焼きたて出汁巻卵など。季節に寄って内容が異なります)
こちらのお宿でもっとも人気の高い朝食は、山の恵をふんだんに使用した小鉢の籠盛り7品を中心に細やかな作業で丁寧に造られた小鉢が数多にそろった和食膳。神隠れの品数豊富な夕食をお腹いっぱい食べた次の日でも、ほとんどの方が完食されるのだとか。
インタビュー
宿は旅の始まりと終りをつなぐ大きな要。前身の『かみの家』から続く先代の思いを引き継ぎ、一瞬一瞬と真剣に向き合いながらおもてなしを追求していきたい。
▲支配人:佐藤雄二郎さん
Q:オープンしたのはいつですか。
「今年2014年4月16日です。この宿はスタートしたばかりですが、元は1930年創業の『かみの家』という旅館を移転して新装オープンしたもので、旅館業の歴史は80年を超えています」
Q:ちなみに『かみの家』はどのような旅館だったのですか。
「高千穂の伝統と田舎らしさをコンセプトに、囲炉裏や伝統工芸品などが飾られた和趣の民芸旅館で、食事は山里の食材をメインにした郷土料理を中心に提供させていただいておりました。故郷を感じるようなとてもアットホームな雰囲気でした」
Q:なぜ移転することに?
「以前から、より質の高いサービス、そしてより心と体を開放してくつろげる空間にしたいと考えておりました。”他にない独自スタイルの旅館にしよう”と先代と話し合いながら数年かけて企画し、移転することにしたのです。サービスが行き届くように客室を全8室のみとし、独立したプライベート空間にするため全て離れ形式で造りました」
Q:『かみの家』とまったくイメージが変わりましたね。
「はい、前身の『かみの家』とはデザインもシステムも全く異なりますが、”高千穂の伝統文化を大切に”という先代の想いや、『かみの家』の伝統・精神はそのまま引き継ぎ、高千穂という地域を感じられるような造りにしています。例えば、施設の中心となる管理棟の屋根は高千穂に古くから伝わる建築様式”千木(ちぎ)”で、客室は高千穂の四季をモチーフにしています。食事は以前と同じく山里の食材を中心に使用し、さらに宮崎県を意識して頂けるように県内の食材を用いながらオリジナリティのある創作料理でコース形式にしています」
Q:『神隠れ』という名前の由来は?
「高千穂には天の岩戸開きという神話が息づいています。アマテラスオオミカミが岩屋戸にお隠れになって世界が闇と混沌につつまれたとき、天安河原で八百万の神が会議をひらいて策を練り、アメノウズメノミコトに岩屋戸の前で踊らせてアマテラスオオミカミを誘いだした……。という有名な神話です。現在の高千穂に関わるたくさんのキーワードがあることと、棚田に囲まれたこの地域の雰囲気が神話を感じさせることから名づけました」
Q:客室のデザインが独特ですね。
「客室は”華鳥風月”をテーマに、高千穂の四季をモチーフにして日本の古代色の名前をつけています。その古代色に近い壁紙やインテリアや家具をそろえ、それぞれ一室ずつが異なったオリジナルのデザインになっています。高千穂の文化・日本の古き良き伝統を意識しながら、室内は和モダンに整えて現代のシステムを導入して便利かつ快適に過ごせるように、また、室内のソファーに座った時やベットに寝転んだときの視野を意識してインテリアデザインしています」
Q:オープンして3ヶ月過ぎたところですが、今感じていることは?
「おもてなし、サービスの難しさですね。タイムリーなサービスを提供するためにスタッフと息のあった連携が必須です。ここは敷地が広いから尚更です。オープニングスタッフには新卒者やまったく関係ない職種から来られた接客業初心者もいますので、所作の美しさや接客教育はもちろん必要ですが、後は真剣に”おもてなし”と向き合い、経験を積みながら、旅館とともに自分たちも成長しなければならないと感じています」
Q:これからの目標は?
「記念日プランや女子旅プラン、花湯プランなど、さまざまな企画をホームページから分かりやすく打ち出し、”この宿に泊まったからこそ、今までで一番の旅になった”と言って頂けるように誠心誠意サービスと向き合っています。また、スタッフには芸術を専門に学んだ人、食関係のイベントに関わっていた人など、個性あふれる人材が揃っています。私たちの特技を活かしながら、いろいろな事に挑戦していきたいと思います」
お忙しい中、ありがとうございました!
アクセス
住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井1120-5
電話:0982-72-2111
チェックイン:15:00/アウト:11:00
URL:http://kamigakure.jp/
道案内☆
▲延岡方面から「高千穂峡」方面へ向かい「高千穂神社」を右前にみながら目の前の交差点を左折し県道50号線にはいります。数十メートル先の左側に緑色をした宿の看板が立っているので、案内に沿って小道へ左折して進みます。(クリック拡大)
▲この緑の看板が目印!(クリック拡大します)
▲しばらく住宅地を道なりに進みます。右手に木造の柵で囲まれた広い駐車場と施設看板が突然あらわれます。
▲駐車場に到着すると、施設からスタッフの方々が丁寧にお出迎えしてくれました!
MAP
取材・編集スタッフ
モデル・レポート:中本望美
撮影・制作:ヴォーク有限会社