美しい海と漁師町で知られる北浦ならではの絶景を一望!
港の空気を五感で感じながら自然の恵みが詰まった磯料理を
ゆったりと堪能できる断崖絶壁に佇む隠れ家的旅館。
港の風景を一望する断崖絶壁に佇む隠れ家的な旅館
延岡市北浦町は日本一のウルメイワシ漁獲量を誇り、漁業・養殖業が盛んな漁師町。
その港の風景を一望する断崖絶壁に佇み、客室を”全3室のみ”にしぼり、目の前の海で水揚げされたばかりの新鮮な魚介をはじめ、地採れの野菜や県内の上質な素材を使用した料理を、心やすまる静やかな空間で過ごすことのできる隠れ家的旅館『潮香ノ宿 髙平屋』。
今回のレポートでは、オープン記念として1年間限定で設けられた”お得なランチ”をはじめ、庭園で海を眺めながら楽しめる期間限定の”海鮮炭火焼き”など、漁師町ならではのお料理の情報を中心に、施設の紹介や旅館主人・髙平新之助さんのインタビューなどを掲載しています。
東九州自動車道『北浦』インターから車で約1分
昨年(2013年)10月にオープンしたばかりの『潮香ノ宿 髙平屋』は、3月に開通した東九州自動車道『北浦』インターを降りて車で約1分ほどの好立地にあり、庭園だけでなく館内全ての部屋から北浦町を一望することができます。
もともと、髙平屋の主人・髙平新之助さんが両親とともに北浦町で料亭『丸金』を営んでおり、そこを訪れた観光客から、常々「宿泊してゆっくり料理を楽しみたい」との要望が多かったことから、旅館の新設を決断。その際に「北浦町の美しい海の絶景が見られる場所に建てたい」と強く希望し、高台を切り開いて、断崖絶壁に建築したのだそう!北浦町内の港から見上げる旅館の佇まいも圧巻です。
▲旅館玄関前の庭園の風景。手入れは宿の主人・髙平さんをはじめ、スタッフや家族で行っているのだそうです。
▲個室3部屋(左)間仕切りをとって広い和室としても使用可能。
▲1階ダイニング(右)団体での利用もできます。
料理紹介〜庭園で食べる海鮮炭火焼きセット☆
海鮮の炭火焼き(春〜秋限定) 3,000円(別)〜
北浦特産の岩牡蠣や、濃厚な味わいが人気の緋扇貝、 大ぶりの干物やご主人特製のあげみなど、品質はもちろん「食べごたえ」が考慮された「海鮮焼き」、そして旬の魚を使用した漬け丼のセット!こちらは庭園で食べるので、春から秋の限定メニューとなります。
壮大なスケールの海を間近に眺めながら、海の幸を食べることが出来るのは、髙平屋ならでは!アウトドア・マリンレジャーとは雰囲気が全く異なった、土地の空気を五感で感じながらリゾート的バーベキューを楽しむことが出来ます。
▲重厚感あふれる見事な大理石のテーブルセット。
海鮮焼き基本のセット(岩牡蠣・緋扇貝2個、自家製あげみ、サザエ、海老、干し物)
焼き台の上に乗せると、ぶくぶくと旨みが泡をたて、海の香りがただよってきます。魚・海老・貝類・あげみという多様な種類に加え、海鮮の漬け丼がセットになった豪華なコースは、海鮮好きには見逃せません!
ちなみに、あげみはすでに火が通してあるので、炭火で炙る程度で食べることができます。また、岩牡蠣の中で殻が厚すぎるものは、ある程度焼けたところで殻から外し、緋扇貝の殻を器にして焼くと、早く焼きあがるのだそうですよ☆
旬の魚の漬け丼
調味液は使用する魚に合わせて調合され、絶妙な食べごろに漬け込まれています。
トロッとした魚の切り身の食感や、魚の旨味たっぷりのつけダレが染み込んだご飯は、言葉を発すること無く夢中で食べてしまうほどの美味しさです!
ランチメニュー紹介☆
北浦町で水揚げされたばかりの新鮮な海の幸をはじめ、地採れの野菜やお米、そして県内の料理店では髙平屋でしか取り扱われていない『山崎牛』などの宮崎県産の上質な素材、さらに醤油などの調味料は昔ながらの製法で造られた無添加のものにこだわり、既成品や添加物を使用せず独自に調合したタレで仕上げられています。
ランチ1,500円(別)
※仕入れによって内容が異なります。
▲1,500円のランチは、多くの方に足を運んび、北浦の素材を中心とした料理で楽しんでいただきたいとの思いから、『潮香ノ宿 髙平屋』オープン記念として、1年間限定で2014年10月まで提供される予定との事。
▲お造里(左)
その日水揚げされた新鮮なもの、旬の魚が数種盛りつけられています。
▲ウルメイワシのすり身の刺身(右)
北浦町は、ウルメイワシの漁獲量日本一。その中から水揚げされたばかりの”超”新鮮なもの、そして脂が乗りすぎていない中ぶりな形などを厳選し、身の部分だけをすり身にした貴重な珍味です!
▲自家製豆腐
髙平屋で仕込まれた、プルプルでほんのり甘みがある豆腐。そのままでも美味しくいただけますが、飲み干せるほど薄味に仕上げられた自家製つゆに付けて食べるのがおすすめです!
▲旬の魚のタタキ
ほんのり周りに焼き目をつけて旨みを閉じ込めたタタキ。魚の脂がタタキ用に調合された自家製タレに溶け込み、タタキによく絡みます☆
▲クロムツのすり身
こちらも髙平屋でしか食べることが出来ない逸品のひとつ!クロムツを骨ごと丁寧にすり身にし、表面を炙って芳ばしさをまとわせています。多く造ることが出来ないため、コースに並ぶことがはあまりないのだそう!
ランチ2,500円(別)〜参考画像:髙平屋ホームページより〜
※仕入れによって内容が異なります。
髙平屋の料理のもうひとつの醍醐味は、主人である髙平さんが修行時代からコツコツと集め続けていた焼き物器の数々!
「将来、自分のお店を持った時には、お気に入りの焼き物に自分の料理を彩り、器と食がひとつの作品となるような料理を提供したい」と幼い頃から思い描いていたという主人・髙平さん。
かねてからの夢の為に全国各地の窯元に足を運んで買い付けたり、オリジナルをオーダーしたりするなど、収入の全てを器にあて、作家自慢の逸品のみを収集してきたとの事。高価な焼き物器は100点以上にもなるのだそう!今でも、時間をつくっては修行時代からのお付き合いのある作家さんへのオーダーをはじめ、窯元を巡りながら好みの焼き物を探しているのだそうです。
全3室のみの客室
お客様が日常を忘れてゆっくりと過ごすことができるように、そして細やかで行き届いたおもてなしをしたいとの思いから、客室は3室のみ!
▲ずっしりとした存在感たっぷりの大きな1枚板の受付カウンターが印象的!宿泊の方は、台帳に記帳します。
館内は木を基調とした和モダンな造りで、廊下は素足で歩きたくなるような木のぬくもりと柔らかな雰囲気につつまれています。
▲部屋に合わせて切った分厚い1枚板のテーブルと椅子のセット!
▲それぞれのテーマとなるカラーで室内が彩られているのが特徴。飾る花は近くの山で採っているのだそうです。
※料金などの詳細は、ホームページをご覧ください☆
http://takahiraya.com
髙平屋主人・髙平新之助さんインタビュー
小さい頃からずっと思い描いていた料理人。まだまだ未熟で不安も多いが、ひとつひとつ丁寧に積み上げながら人に喜んでいただけるものを創りたい。
Q:オープンはいつですか。
「2013年10月です。ずいぶん前から準備していたのですが、ごらんの通り高台に建設したので、かなり時間がかかってしまいました(笑)」
Q:きっかけは?
「北浦町は10年前から隣の大分県佐伯市とともに『東九州伊勢えび海道』という伊勢えび料理を中心としたコースを設定する企画を行っており、自分の両親が営む『食事処 丸金』もその店舗のひとつです。そこに訪れるお客様から毎年『宿泊ができれば、もっとゆっくり料理を楽しむことができるのに』との希望が多かったからです。そして、せっかくならば北浦の景色を眺めながら海の素材が主役となる料理を堪能できる最高の条件を揃えたいと考え、ここに決めました」
Q:料理の食材・調味料にはかなりのこだわりがあるように感じられます。
「はい、北浦の海鮮はもちろんですが、その中でも上質なもの、そして県内各地に足を運び、肉・野菜を探し回りました。素材によってはここでしか扱っていないものもあります。また、上質な素材を最高の状態で提供するために、昔ながらの製法で仕込まれた物や無添加の調味料が不可欠です。わざわざここまで足を運んでいただくのですから、徹底的に上質なものを揃え、満足して頂きたいと思っています」
Q:そもそも、料理人を志したのはいつですか。
「両親が食事処を営んでいたため、自分や兄弟は閉店するまで夕食がなく、毎日お腹を空かせていました。ある日、幼稚園の弟が『お腹が空いた』とあまりにも泣くので、自分が卵料理を作ってあげました。当時、僕は小学校2年生くらいだったと思います。それが初めての料理でした。弟は『兄ちゃん、おいしい!』と満面の笑みで喜んでくれました。それが本当に嬉しかったんです。その時に料理人になろうと決めました」
Q:ずいぶん幼い時期ですが、火を使うことは怖くありませんでしたか。
「いや、もう必死でしたから恐さもありませんでしたよ。とにかくこの状況を何とかしなければ……。としか思っていませんでしたから。でも、その時の『必死さ』が自分のルーツなんですよね。今も、あの時の弟のような笑顔や喜びが見られるように、必死で料理をつくっています」
Q:旅館を運営し始めて、感じていることは?
「旅館は料理だけでなく、客室・設備・宿泊などさまざまなサービスが必要ですから、不安も多いし頭を悩ませる事ばかりです。だから、とにかく必死に努める日々です。全身全霊で打ち込むことで、お客様の喜びへとつながると信じて務めるだけです」
Q:今後の目標は?
「自分自身も、施設も、まだまだこれから充実させて行かなければなりません。今の時点では、まだスタートラインに立ててもいないような気がします。この素朴な土地を五感で感じてもらえるような髙平屋スタイルが確立して、多くの人へ浸透させて行けるように、努力していきたいと思います」
お忙しい中、ありがとうございました!
アクセス
住所:宮崎県延岡市北浦町古江字鶴山2927-1
電話:0982-45-3191
営業時間:
〈宿泊〉チェックイン16:00/チェックアウト10:00
〈食事のみ〉昼食11:30〜14:00 営業終了15:00
夕食18:00〜21:00 営業終了22:00
定休日:月曜(レストラン)
URL:http://takahiraya.com/
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取材・編集スタッフ
モデル・レポート:中本望美
撮影・制作:ヴォーク有限会社