綾、都農、五ヶ瀬、都城、宮崎県内4箇所のワイナリーをめぐり、
醸造・栽培家の想いを聞きながら、定番ワインや新酒を堪能。
独自のスタイルを築き上げた南国宮崎のワイナリーをめぐる
『ワイン』と聞けば、ヨーロッパをはじめとする外国文化とイメージされる方も多いかと思いますが、近年では日本のコンビニエンスストアにも、低価格のオリジナル商品がならぶほどワインが日常化し、国内ワイナリーの技術も日々向上し、日本にワイン文化が浸透している様子が見て取れるようになりました。
とはいえ、焼酎文化が根強い九州地方、特に宮崎県ではワインは『特別なもの』という印象がつよく「外国ならではの文化」というイメージは、他地域と比べ根強く残っているような気がします。
しかし、そんな宮崎県にも10数年前からワイナリーが立ち上がり、現在は北から『五ヶ瀬ワイナリー』(五ヶ瀬町)・『都農ワイナリー』(都農町)・『綾ワイナリー』(綾町)・『都城ワイナリー』(都城市)と、4ヶ所に増え、それぞれが独自のスタイルを築き上げながら、国内ワインコンテストで金賞を受賞したり、世界でも高い評価を受けたりと、着実に発展しています。
そこで今回のレポートでは、『ワインエキスパート』の資格をもつ友人の武井千穂さんに同行いただき、県内4箇所のワイナリーをめぐり、工場見学から醸造担当者インタビュー、そして新酒の評価と合わせ、それぞれのワインにピッタリなお料理等、様々な角度から取材をしました。
各醸造所(製造工場)や貯蔵庫、作業風景など、一般的にあまり見ることのできない部分も惜しみなくご紹介しておりますので、ワイン好きの方はぜひ最後までお楽しみ下さい☆
綾ワイナリー
フレッシュ&フルーティ、そしてジューシーなワインが特徴
住所:宮崎県東諸県郡綾町大字南俣1800-19
電話: 0985-77-2222
駐車場:あり
URL:http://kuramoto-aya-shusennomori.jp
まずは老舗焼酎蔵『雲海酒造』が手がける蔵元・綾酒泉の杜にある『綾ワイナリー』から。
老舗の本格焼酎蔵・雲海酒造が、“町の活性化に地元の力を活かした何かをできないか?”との思いから、綾町で多く生産されていた生食用のぶどう栽培に注目し、1994年に綾ワイナリーを設立し、現在は国産生食用ぶどうのワインだけでなく、ヨーロッパ系のワイン専門品種のぶどうで飲みごたえの在る本格派ワインなど幅広く醸造。年間30万本もの生産量を誇ります。
また、国産ワインコンクールでは、毎年入賞するほど完成度は高く、国産ワインコンクール2013では、「綾ワイン・ナイアガラ」が奨励賞を受賞するなど、綾ワインの品質は高く評価されています。
▲案内をしてくれた福田清治工場長。福田工場長をはじめ、醸造スタッフは全員日本ソムリエ教会のワインアドバイザーの資格をもっているとの事!
「立ち上げ当初はどのようなワインを造れば、焼酎文化が根強い宮崎で受け入れられるのか、本当に悩みました。綾町で主に生産されていた生食用のブラックオリンピア、デラウェアやナイアガラなどの品種は、宮崎の気候にぴったりで、濃い実をつけ、香りも高く、しっかりしたものが育ちます。しかし、そのぶどうを原料としたときに、当時一般的だった渋さや酸味の効いたヨーロッパ産のワインをイメージできず、基本のスタイルを考える上で、いろいろな疑問点と直面しました。そんな中でヒントになったのが、たまたま出会ったドイツの白ワインです。ほんのり甘口で初心者でも飲みやすく、深みがあってワイン通も好む味。これなら生食用のフレッシュさとジューシーさを活かしながら、ワイン文化のない宮崎でも受け入れられ好んで飲んでもらえるのではと確信し、綾ワインのコンセプトが確立しました」と語る福田工場長。
国内でワインが有名な山梨県へ何度も足を運び、北海道のワイナリーと交流しながらゼロから勉強し、現在のフレッシュ&フルーティ&ジューシーなワインを完成されたとの事です。
施設紹介『蔵元綾・酒泉の杜』
地元・雲海酒造が手がける『お酒のテーマパーク』☆
綾ワイナリーは、雲海酒造が運営する『蔵元綾・酒泉の杜』の中にあり、ヨーロッパの教会のような外観が目印です。中には、ガラス張りの通路から製造風景を見学したり、綾ワインができるまでの工程パネルを見ることができるようになっています。(後記:工場見学参照)
綾の大自然に囲まれた酒泉の杜は、雲海酒造の醸造蔵、焼酎・清酒・ワイン・ビールや地元のお土産品がそろう販売店『杜の酒蔵』や宿泊施設『綾陽亭』、レストラン5店舗、現代の名工・黒田国昭氏の『グラスアート黒木』やお菓子店など、さまざまな施設が集合するお酒のテーマパーク!平日でも観光バスが並ぶほど人気の施設で、年間100万人が訪れる県内屈指の観光名所となっています。
工場見学風景
ぶどう本来のフレッシュ・フルーティ・ジューシーさを最大限に活かす技術☆
ワイナリー設立当初は、綾産のブラックオリンピアという甘さが濃厚でジューシーなぶどうを原料にした白ワインから始まり、現在はキャンベル・アーリー、デラウェア、ナイヤガラなど、さまざまな品種を醸造しています。
綾ワイナリーの大きな特徴として、生食用のぶどうのフルーティさを殺さず、食べた時のようなフレッシュ感を生かすために、通常の発酵ではなく、低温で期間を長く発酵させるという日本酒の工程に似た手法で行うことが上げられます。そして「圧搾」工程でフレッシュ感をそこなわないように、バルーン式のプレス機でゆっくりやわらかく圧力をかけることも特徴。
また、工場での工程の前段階においても、種の渋みが出ないように、さらに種抜き作業を省くため、予め農家さんと提携して『種無しぶどう』を生産してもらうなどの見えない努力をされているのだそうです。
びん詰工程では、ワインを無菌濾過し、ワインのフレッシュ感を損なわないように熱処理せず、またその後も変化を必ずチェックし、人の手に渡るまで細心の注意をはらっているとの事でした。
▲これまで受賞した数々の賞状が展示されています。
「最初に受賞した時は、自分は信じられない気持ちでしたが、地元の方や当時の社長が本当に喜んでくれました。これからも自己満足ではなく、コンクールに出品して、しっかり外からの目線で評価を受けたいと思います」と福田工場長。
▲文明的な機器がない手作業の時代に使われていた搾汁機。昔のワイン醸造風景の絵画とともに展示されているので、レトロ感だけでなく臨場感もあります。
見学は、ガラス越しに上から下の工場内を見下ろすようになっています。最新の機械や作業風景も魅力的ですが、 目の前まで何万本も積み上げられたフレッシュな出来たてのワインにワクワクしてしまいます♪これからも、基本の定番ワインだけでなく、新しい商品開発に取り組み、さらに幅広い酒類ファンに喜んでもらいたいと話していらっしゃいました。
ワインにおすすめグルメ☆
メニューが充実☆ワイン&ビアレストラン コルトコラス
営業時間:11:00〜15:00
綾ワイナリーのすぐ横にある『ワイン&ビアレストラン コルトコラス』では、店名の通り、ワインやビールにぴったりのパスタや石窯ピッツァなどの洋食グルメから、宮崎名物のチキン南蛮、お子さま連れでも安心なお子さま料理まで幅広くメニューが揃っています。
オーダーを受けてから石窯で焼き上げるピッツァ。オリジナル生地は石窯に入れてからほんの数分で周りがカリッと、中はふっくらもっちりと焼きあがるシェフ自慢の逸品!
レストランでは、グラスワインとフルボトル、どちらでもオーダー可能。綾ワインの中でも食中酒として人気のデラウェアやマスカット・ベーリーAは、洋食・和食問わず魚料理・肉料理と相性抜群!料理にあわせて、いろいろな種類のワインをグラスオーダーで楽しむのもおすすめですよ!
▲マスカット・ベーリーA(赤・辛口)(左)
爽やかな香りとすっきりとした飲み口で、軽やかでやさしい赤ワイン。グラスに注いだときの鮮やかなルビー色の輝きにうっとりします。
▲デラウェア(白・やや甘口)(右)
見た目のフレッシュ感をそのまま飲み干すような、爽やかではつらつとしたワイン。フルーティなほのかな甘さは、特にレモンなどの酸味を利かせた肉料理や淡白な鶏料理に合いそう!
それでは、レストランおすすめグルメメニューをご紹介します♪
▲ピッツァ マルゲリータ(1,000円)
トマトソースに、ナチュラルチーズをたっぷりのせたシンプルピッツァ。目の前にあるだけで生地の香ばしい薫りがただよい食欲をそそります♪レストラン人気№1メニューです☆
▲県産きのこの綾ワインマリネ(450円)
しめじ・ひめたけ・椎茸など何種類ものきのこと新鮮野菜のさっぱりマリネ。ほんのりと感じる白ワインの風味がマリネの質をいっそう高く引き上げています。こちらは爽やかな白ワインのデラウェア・ナイアガラがぴったり!
▲綾ワインでじっくり煮込んだビーフシチュー(ライスorパン付き)1,600円
プレートから山の様に盛り上がるほど厚くカットされた大きなビーフシチュー!フォークをあてるだけでホロホロと繊維が崩れるほど柔らかく煮こまれています。深みのあるコクとまろやかな後味の特製ソースをたっぷり絡めてどうぞ♪軽やかなロゼや輪郭のしっかりした赤ワインとの相性がぴったりです♪
ショッピングコーナー『杜の酒蔵』
雲海酒造の焼酎・ワインが試飲をしながらお買い物を楽しめる☆
営業時間:10:00〜17:00
販売店『杜の酒蔵』では、雲海酒造が生み出した焼酎・清酒・ワイン・地ビールなどがずらりと陳列され、それぞれ旬の商品やおすすめが試飲できるようになっています。
焼酎コーナー、清酒コーナー、ワインコーナー、リキュールコーナ、フードコーナー、それぞれ種類別に上品に陳列されていますが、中でもトータルして人気の商品は1つのコーナーに展示されているので、とてもお買い物しやすい配慮がうれしいです☆
おすすめ新種ワイン
今年(2013年】は日照時間が長く、収穫時までに雨が少なかったという好条件がそろい、綾ワインの歴史の中でもトップをあらそう自信の作品が勢揃いしたのだそう!新種は、そのどれもが、自分自身を精一杯アピールするようなフレッシュ&フルーティな香りが試飲用の小さなカップから溢れでるほどでした☆
▲国産ワインコンクール2013の北米系等品種・白部門で奨励賞を受賞した綾ワイン『ナイヤガラ』! 県内では唯一の受賞で、世界的にもますます注目を集めています。フルーティな口当たりでやや甘口の風味が飲みやすく、ワイン初心者やギフトとしても最適。華やかなお花のような香りが印象的です☆
▲町の活性化を念頭において生まれたワインだけでなく、この施設を訪れてくれたワイン通をも満足してもらえる世界レベルのワインを造りたいとの思いから生まれた、専用品種の酒泉の杜限定ワイン『カベルネ・ソーヴィニョン(赤・辛口 レッド)』と『メルロー(赤・辛口 グリーン)』。
カベルネ・ソーヴィニョンは、原料ぶどう種特有のカシスの薫りが豊かでどっしりした辛口!後味の渋みが心地よいワインです。また、メルローは、ほのかな樽の香りとぶどう本来のフルーティさとほどよい酸味が特徴です。
「当社の母体は焼酎会社です。しかし、焼酎会社が片手間でワイナリーを運営しているなんで絶対思われたくありませんし、絶対そうあってはなりません。だから、自分たちがワインの資格をもち、しっかりしたコンセプトのもと、とことん良い物をつくって、地元の方に愛され、 飲んでいただいた方に喜んでいただけるような、そしてリピーターになって頂けるようなワインを造り続けます。そして、ワインの楽しさを少しでも多くの方に広めていけたらうれしいです」
と話していた福田工場長。長時間の取材にも関わらず、丁寧にご対応いただいた福田工場長をはじめ、スタッフのみなさま、本当にありがとうございました!
都農ワイナリー
ワインづくりは土壌から!地元産ぶどうと自家栽培欧州種100%で醸した奇跡のワイン
住所:宮崎県児湯郡都農町大字川北14609-20
電話:0983-25-5501
営業時間:【ワイナリーショップ】9:30~17:00
【TSUNO FARM CAFE】11:00~16:00
定休日:【ワイナリーショップ】無休(年末年始をのぞく)
【TSUNO FARM CAFE】火曜日(祝日の場合は翌日)
駐車場:あり
URL:http://www.tsunowine.com
続いては、都農町にある『都農ワイナリー』をご紹介☆
『ワインは地酒である』というコンセプトのもと、地元の契約農家と独自の技術で自家栽培した都農町産ぶどう100%にこだわり、1996年に3万本からスタートした都農ワイナリーは、現在年間20万本という超える量を安定して生産されている国内でも希少なワイナリーへと発展。
生食用ぶどうで醸したワインがあまり世界で認められていない時代に、キャンベル・アーリー(ロゼ)がイギリスの批評家が評価する『Wine Report 2004』で『世界のワイン100選』に選ばれるほど、品質も高い水準で安定しており、世界で注目されるワイナリーとなっています。
こちらの一番注目すべきポイントは『地元産のぶどう100%使用している』というところ。綾ワイナリーレポートでも少しふれましたが、宮崎県は、ぶどうが一番活発に育つ春から夏、そして収穫を迎える初秋に「梅雨・台風」などの影響を受けてしまうのに加え、特に山と海が隣接している都農町は、雨に弱いぶどうを育てる環境としては特に厳しく最悪なのです。
▲案内をしてくれた栽培家・醸造家の赤尾誠二さん
しかし、戦後の都農町で、この環境でも稲作に頼らない豊かな農業を夢見て土壌や品種改良しながら果樹やぶどうを育てるなどの農業革命をおこし、現在では都農町特産品にまで発展した『尾鈴ぶどう』を誕生させた農業家『永友百二』氏の情熱や夢を引き継ぎ、都農ワイナリーでは今もなお契約農家の方と良いぶどうを育てるために語り合い、自家農園では土壌を改良し、新しい栽培方式を取り組みながら白ワイン用シャルドネや赤ワイン用のシラー、ピノ・ノワールなど欧州種ぶどうの栽培に力を入れています。
「良いぶどうでなければ、良いワインはできません。もちろん農家さんから入ってくるぶどうは、高値で取引されるような高品質のぶどうしか届きません。1人の夢が大きく広がり、今ではその夢がワインを造るまでになりました。地元のぶどうで出来たワインは、風土を表した『地酒』です。世界のワインもその土地で育ったぶどうで醸された地酒です。都農ワインは、地元から広がり、時間をかけて世界のワインとして愛される地酒となるため、これからも新しい事に挑戦し続けます」と話していた赤尾さん(上画像)。
ぶどう栽培に力を入れるだけでなく、オーストラリアで醸造技術を勉強し、新たな世界レベルの新商品を計画的に生み出すなど、商品の種類や幅も広がりをみせています。
今回のレポートでは特別に工場内を見学させていただき(後記参照)、都農ワイナリーが誇るさまざまな技術や考え方を惜しみなくご紹介いただきました。
施設紹介
カフェメニューも充実☆芝生の広場と街を一望できる店内からの景色が魅力的
国道10号線の西側の丘の頂上にある洋風のチャペルのような建物が「都農ワイナリー」。正面入り口前には広々とした駐車場があり、建物からは、あたり一面に広がる柔らかな芝生広場と、その向こうに都農町を一望できる絶景が眺められます。施設の中には、ここで造られたワインをはじめ、オリジナルグッズや県内のおみやげ品の販売所、見学コース、カフェがあり、お買い物だけでなく、食事やワインをその場で楽しむことができるようになっています。
工場見学風景
最初に醸造した3万本余りから5年で20万本を生産する体制を確立させた醸造所。ワインは微生物の働きが要となるため、衛生面にはかなりの注意を払っているとの事で、ワインのタンクや床はどこを見てもピカピカに磨かれています。
取り組みとしては、都農ワイナリー定番のワインだけでなく、農業活性化に貢献するプロジェクトとして特産品のマンゴーや沖縄県糸満市のパッションフルーツとコラボレーションしたスパークリングワインや地元特産のうめを原料したワイン等も生産。これは果汁を加えたフレーバーワインにするのではなく、ワイナリーの技術を活かして、ワインと同じように水を加えること無く、果実そのものの果汁や果肉を発酵させて造られたというから驚きです。
さらに樽熟成させたシャルドネを瓶内二次発酵させ、伝統的な手作業で4年以上かけて完成させたスパークリングワインや、ワイン醸造過程で出るぶどうの搾り滓やワインを蒸留して造る『グラッパ』、グラッパをベースに、都農産のレモンや梅などを合わせた『チェッロ』の開発など、原料を無駄にすることなくエコと伝統を意識しながら、永続的に楽しめる新しい商品の製造に取り組んでいます。
▲樽熟成の貯蔵庫(左) ラベラー(右)
「樽の熟成は、ワインに樽の薫りを含ませ、ワインの美味しさを濃縮させてくれます。タルもそれぞれ個性があり、タルの中の焼き加減でもワインが変わります。コンパクトなサイズで上質な樽を使用することで、多様な管理が可能になります」と赤尾さん。また、こちらのラベラーは日本でかなり希少な機械なのだそうです。
都農ワイナリーは『CORK(コルク)』ではなく『ZORK(ゾーク)』を使う☆
ワインはコルクを通して呼吸し、熟成を重ねるため、ワインの栓には一般的に昔からコルクが使用されています。栓をする前のコルクはボトルの口よりひと回り大きくなっており、締める際にコルクを圧縮してボトルの中に入れ込みます。
ここで、機械が発達する前に手作業で行われていた栓締め体験をさせて頂きました。
▲コルクに圧力をかけてボトルを締める様子。押し込む際に、ボトルのどの辺りまで入っているのか全く分かりませんでした。
▲コルクが圧縮される前後の比較の様子(左)▲コルクでワインが熟成されるが、逆にコルクの質が悪いと劣化してしまうというデメリットもあるのだそうです。(右:コルクによる品質のバラ付きを説明していただいたときのグラフ)
都農ワイナリーはコルク自体の質のバラ付きによるデメリット(高級なコルクが常時使用できればいいが、コルクの材料費がかかるため、それにともないワインの価格が簡単に何百円も上がってしまう)をなくし、都農ワインを絶対的に良い状態で提供するため、また、コルクの木の自然保護の目的で、日本ではじめて『ZORK(ゾーク)』を採用。
近年ではアルミのスクリューキャップを見かけるようになりましたが、 スクリュータイプはボトルに『スカート』と呼ばれる部分が残るため、ボトルをクラッシュしてリサイクルさせるときの『不純物』となり、ガラスとして再利用する際に純度が低くなることが多いのだそうですが、『ZORK』は全てを巻き取るため、リサイクルにも適しているのです。
▲現在、長期間計画で造っている『グラッパ酒』の蒸留機。グラッパはワイン醸造過程ででるぶどうの搾りかすから造られるお酒で、都農ワイナリーが2014年におくる新たな商品として市場でも見ることができるかもしれません。
クヌギの森とぶどう畑
自家農園でぶどうを育てる時に大きなヒントとなった、都農ワイナリーの前に広がるクヌギの森。ワイナリーが建つ前からある森は、野鳥や動物が駆け巡り、秋になると大きなどんぐりをたわわに実らせています。
「これだけのどんぐりの実を土に落としているのに、新しい芽は育たない。ということは、この土壌とクヌギのバランスが保たれており、完成させた森ということなんです。地表10センチくらいの土は、微生物がしっかり働き、鼻をつくほど土の濃い薫りがします。奥にいけば、薫りも穏やかです。ぶどうは地表に近いところで栄養分を吸い上げるので、このような微生物が活発に働く土壌をつくらなければ、この丘の上でぶどうは育たないと気づきました」と赤尾さん。
自家農園では栄養のバランスが採れた水はけの良い土壌づくりから、栽培方法、交配と新種開発まで、模索しながら独自の技術を磨き上げ、今では山梨県や長野県からぶどう栽培の視察や勉強に来られる方も多いのだそうです。
TSUNO FARM CAFE
広大な景色を眺めながらワイン・ランチ・カフェが楽しめる空間。
外の光が華やかに差し込む明るい店内では、都農ワイナリーで造られたワインをはじめ、ワインにぴったりなランチやフィンガーフードメニュー、カフェタイムにはケーキセットが楽しめるようになっています。その中でも、おすすめをご紹介☆
テイスティングセット 1,200円
(3種のワインとおつまみセット)
▲3種類の好みのワインや試してみたいワインをセレクトし、テイスティングできるうれしいセット☆
ワインは左手前から『キャンベル・アーリー』、『スパークリングパッション』、『スパークリングレッド』をチョイス。また、おつまみは日によって変わり、この日はカマンベールチーズ、アールグレイ紅茶のチーズ、ナッツと干しぶどうバター、フレッシュトマトにクラッカーもついた種類豊富なプレートでした!
BLTサンド 900円
▲ドイツのパンに地元ミヤチクの厚切りベーコンと、地元のフレッシュ野菜をサンドした贅沢なひと品!
ワイナリーショッピングコーナー
定番ワインだけでなく、限定品が勢揃い。
ショップコーナーでは、一般的に市場でみられる都農ワインの他に、ワインにぴったりのバッグやマグナムボトルなど、都農ワイナリー限定品が勢揃い!
▲極上な甘口の『スィート・ツノ』は食後のデザートとしておすすめ。また、ラッピングも可能!
▲都農ワインが厳選した高品質のオリーブオイルや、都農ワインの歴史が分かる書籍も販売!
おすすめワイン
原料のぶどうづくりから発酵や瓶詰めまで、すべての過程を都農ワイナリーの技術や知識を活かした最高基準で造る本格派ワインの数々!
土壌改革や品種改良により、年を重ねる毎にぶどうの品質も安定し、落ち着いた風味の定番ワインを世に送り出す都農ワイナリーの2013年新酒は、天候にも恵まれぶどうの出来がかなり良く、都農ワイナリー歴代のワインで最高のビンテージに仕上がったとのこと!
▲キャンベル・アーリー(ロゼ・やや甘口)(右)
薔薇色と優美な甘みが特徴で、都農ワイン人気№1ワイン。特徴尾鈴地区のぶどうを使用。煮しめなどのほんのり甘い味付けの和食にぴったり!
▲左:マスカット・ベリーA(赤・辛口)
品種の特徴的なフルーティな香りを引き出した製法で、果実味がしっかりと感じられます。ライトでドライな仕上がりで飽きのこないワイン。
▲右:シャルドネ アンフィルタード(白・辛口)
最良のシャルドネ単一畑から生まれた都農ワインの逸品。樽発酵、乳酸発酵、樽熟成させた本格派の人気ワイン!
▲左:スパークリング レッド(左)
赤尾さんがヨーロッパで出会ったスパークリングコーヒーから閃いたという赤のスパークリングワイン。赤特有の渋みと炭酸の刺激が絶妙なコントラスト!
▲右:スパークリング キャンベル・アーリー
上質な果汁のみを使用したうっとりするほどの鮮やかな薔薇色とフルーティな香りや甘さが生きたスパークリングワイン。『幸せを呼ぶ』といわれ、日常だけでなくプレゼントや記念日に好まれる逸品!
▲オールドキャンベル・アーリー2006
7年熟成されたキャンベル・アーリーの底力を感じるビンテージワイン!ラベルにこだわり、都農ワインの歴史が刻まれています。熟成によるレトロ風なレンガ色が魅惑的で、まろやかな酸味と甘味のバランスが絶妙です!
「ぶどうの栽培時期だけでなく、冬は土壌づくりをして、毎日ぶどう畑を見回ります。地元で育ったぶどうからできたワインは地酒です。煮しめなどの郷土料理 やおでん、和食にぴったりです。良いぶどうを育てて、良いワインを醸す、そして地元に愛され世界に広がり、ぶどうの里がワインの里になる。『永友百二』という1人の夢がみんなの夢に= 『A DREAM SHEARD BY ALL』が都農ワイナリーの在り方です」と赤尾誠二さん。
お忙しい中、本当にありがとうございました!
五ヶ瀬ワイナリー
標高660mの丘の上にある雄大な阿蘇五岳に囲まれた自然豊かなワイナリー。
住所:宮崎県西臼杵郡五ケ瀬町大字桑野内4847-1
電話:0982-73-5477
営業時間:【ワイン館】9:00〜17:00
【レストラン雲の上のぶどう】11:00〜15:00
定休日:水曜日(レストランのみ)
駐車場:あり
URL:http://www.gokase-winery.jp
続いては、宮崎県最北端にある『五ヶ瀬ワイナリー』をご紹介。標高が高く、寒暖の差がしっかりした五ケ瀬町は、東北に気候が似ていることと、台風や雨に被害が多い宮崎県でも比較的にぶどうの栽培には適していることから、特産であるお茶農業に匹敵する新たな取り組みとしてぶどう栽培に注目が集まっているそうです。
現在はブラックオリンピア、デラウェア、ナイアガラなど、さまざまな生食用ぶどうが栽培されていますが、そのぶどう栽培が盛んなポテンシャルを活かして、町の活性化や農業振興を目的に、2005年に創立されたのが「五ヶ瀬ワイナリー」です。
スタートして間もない2006年には第4回国産ワインコンクールで銅賞受賞や、翌年は第5回国産ワインコンクール北米系統品種白ワイン部門で『ナイアガラ』が日本一を受賞するなど、品質の高さにも定評があります。
現在は30軒ものぶどう農家と契約し、地元産ぶどうを100%使用して、ぶどう本来のフルーティさ、そして甘くてジューシーな果汁を感じれらるようなフレッシュ感あふれるワインを基本に、さまざまな種類が造られています。
▲案内をしてくれた醸造家の佐伯一朗さん。
「五ヶ瀬町だからこそできるぶどうの品質、ワインを造る環境があります。『夕日の里』と呼ばれる標高660mのすばらしい景色と、地元のぶどうで造られるワイン、質の高い地元農産物をメインにしたグルメが一体化した、これだけのポテンシャルをもつワイナリーは国内では希少です。基本のコンセプトをもって、五ヶ瀬でしか出来ないワイン造りに務めています。また、ここから見える美しい夕陽をイメージした、本格派赤ワイン造りにも取り組んでいます。現在は、まだぶどうが少ないこともあり本数に限りがありますが、これからもしっかりと安定供給を確立していきたいですね」と語る佐伯一朗さん。
今回のレポートでは、特別に工場内を見学させていただき、五ヶ瀬ワイナリーでしか体感できないワインとグルメをご紹介します☆
施設紹介
標高660mの丘の上にある五ヶ瀬ワイナリーは、五ヶ瀬町の『夕日の里』と呼ばれ、阿蘇外輪山に沈む真っ赤な夕陽が美しい場所にあり、晴の日には真っ青な青空と遠くの阿蘇山や夕陽を正面に眺めることができ、雨の日には、まるで雲の上に建っているような幻想的な景色が広がります。
施設には、ワイナリー、ショップ、物産館、レストラン『雲の上のぶどう』があり、平日でも観光バスが丘に登り、連日多くの観光客が足を運ぶ五ヶ瀬町の名所となっています。施設にはステージやバーベキュー設備が整っており、秋の新酒フェス『ワイナリー収穫祭in五ヶ瀬』をはじめ、季節ごとにイベントが行われています。
工場見学風景
五ヶ瀬産ぶどうは、県南のぶどうに比べ、酸味と甘みのバランスが良く、さらりとした爽やかさが特徴で、五ヶ瀬ワイナリーではそのぶどう自体を瓶に詰め込んだような、フレッシュさ、フルーティさ、ジューシーさを最大限に活かしたワイン造りを行っているとのこと。そのために、搾汁ではバルーン式の機械でゆっくりと圧をかけ、種をつぶさないようにぶどうの約70%を潰し、余分なものを取り除いたフレッシュジュースを使用するのだそうです。そのフレッシュ感を活かすために通常よりも低温管理し、3週間かけてゆっくり発酵させるとの事。再発酵を防ぐため、何度もろ過を繰り返す方法もあるそうですが、五ヶ瀬ワイナリーでは、ろ過と同時に旨みやフレッシュ感がなくなるため、安定処理し、品温をおとして余計なものを取り除くのも、大きな特徴のひとつです。その後も品質管理のため、細心の注意をはらって検瓶を行っているとの事。
工場見学では、ぶどうを仕入れてから瓶をつめてラベルを貼るところまで、ひとつひとつ丁寧にご紹介いただきました。
レストラン『雲の上のぶどう』
地元産の野菜を中心としたヘルシービュッフェ☆
(冬季12月から2月末までは、オーダー形式に変更)
【料金】
大人(中学生以上):1,480円 70歳以上:1,280円 小学生:800円
幼児:400円 3歳以下:無料
ワイン館の正面にあるレストラン『雲の上のぶどう』は、ぶどう畑をイメージした真っ白な店内が印象的。五ヶ瀬で採れた野菜をふんだんに取り入れたヘルシーメニューばかりで、その日の仕入れによってさまざまな料理がずらりと並びます。もちろん、五ヶ瀬ワイナリーで造られたワインをグラスやフルボトルでオーダーすることが可能です。
料理は女性スタッフを中心にして構成され、野菜やフルーツのフリッター、野菜ピザ、テリーヌ、雑穀サラダ、野菜のチーズ焼き、手作りジャムや手作りデザートなど、どれもが色鮮やかで可愛らしく、ディスプレイや器にも女性的なこだわりが感じられます。見た目にもとても華やかなビュフェです♪
ビュッフェには、地元の特産である緑茶やヘルシー志向の雑穀茶、自家製ハーブティ、ぶどう紅茶、フレッシュジュースが豊富に並べられています。
▲ キャンベル・アーリー(ロゼ・やや甘口)
ブドウ本来の甘みやフレッシュさをそのまま閉じ込めたような、やや甘口ワイン。鮮やかで可愛らしい色が魅力的です。
▲ナイアガラ(白・甘口)
キンモクセイのような華やかな香りと、マスカットのようなフレッシュ感をもつ、飲みくちが爽やかな甘口ワイン。
ショッピングコーナー『ワイン館』
ワインの試飲が可能。おすすめのワインにぴったりなセレクトフードにも注目!
店内には、五ヶ瀬ワイナリーで造られたワインをはじめ、オリジナルグッズやおすすめのお土産品、そしてスタッフがセレクトしたワインにぴったりフードがずらりと並んでいます。
▲木で作られたワインカップやワインボトルスタンド、世界的に有名なソムリエナイフやワインオープナーなどもあります!
おすすめワイン
▲デラウェア(白・やや甘口)(左)
ライムやグレープフルーツなどの柑橘系のような爽やかな香りと、フレッシュ感たっぷりのジューシーなワイン。
▲夕陽(赤・辛口)
メルローとプティ・ヴェルドを使い、樽で熟成させた本格派赤ワイン。ブラックチェリーのような深い色が美しく、まろやかな渋みと酸味で飲みやすい。
▲五ヶ瀬ワイナリーを案内して頂いたワイン館スタッフ興梠晴奈さんコメント
「年を重ねる毎に、ワインの完成度も高まり、今年は今までで最高の仕上がりになりました。2013年は10月中旬より新酒が登場していますので、ぜひこの美しい大自然の景色の中で、ワインとお料理をお楽しみ下さい」
長時間の取材にもかかわらず、丁寧にご対応いただき、本当にありがとうございました!
都城ワイナリー
有志たちが夢を実現!高千穂峰の山麓にある九州最南端の都城ワイナリー。
住所:宮崎県都城市吉之元町5265-214(醸造所)
電話:0986-33-1111
0986-22-1546(事務局)
駐車場:あり
URL:http://www.bonchi.jp/wine/
『宮崎ワイナリーをめぐる旅』、最後は高千穂峰の山麓にある九州最南端の都城ワイナリーをご紹介します。
11年ほど前、地元の有志20名ほどが集まる異業種交流会で、地域の畜産や農業の将来を支えるため、また現在の山内社長の夢でも在るワイナリーをやってみようと語ったことから、ワイナリー構想が瞬く間に現実的な形となり、有志たちが出資してスタートしたという県内では異色のワイナリー!このエリアは、アマテラスオオミカミが天岩戸にお隠れになる「天岩戸伝説」や、アマテラスオオミカミの孫であるニニギノミコトが天から降り立つ「天孫降臨伝説」などの多くの神話が息づく聖地、また、都城市は日本最高品質の食材をうむ畜産や農業、さらには日本でも屈指の工業技術が集約されていることから、神話伝説のロマンに想いをはせながら、地域の力と連携し、地域の食材に彩りを添えるワイン造りをコンセプトとしています。
▲案内をしてくれた山内正行社長。
ワインアドバイザー
ボルドーワイン振興に貢献した人に贈られるボンタン騎士団の称号をもつ
「ワイナリー構想がスタートしてからは、雨に弱いとされるぶどうの栽培に適した地を探し、現在の場所に辿り着きました。ぶどう畑をつくり始めるにあたり、南国宮崎ならではの降水量や栽培方法との格闘、さらに管理体制や原料の安定といった部分に本当に苦労しました。その間、たくさんのボランティアの方や地域の方に支えられました。そしてようやく3年前の2010年にファーストヴィンテージを出したんです。そうしたら今度は、口蹄疫で近隣は封鎖されたり、運悪く新燃岳噴火などの自然災害に見舞われ、ワイナリー構想がスタートしてから涙がでるような多くの問題が立ちはだかりました。しかし、そんな中ですが、自分たちは良い物を造っていることに自信がありましたし、この都城ワインの完成度の高さを評価してくれる専門家、そしてボランティアや地域の方に支えられ、都城ワイナリーは進化しているところです」と語る山内社長。
ワインアドバイザーで醸造家の山内社長が自信をもって醸造するワインをはじめ、都城ワイナリーならではの取り組みをご紹介します。
施設紹介
目の前には霧島山の絶景が広がり、近隣には霧島神宮や観光牧場、さまざまなリゾート施設があり連日多くの観光客が足を運びます。醸造施設はファーストヴィンテージの後、2011年に醸造工場とワインショップが完成しました。
都城ワイナリーの大きな特徴は、この土地で育てやすい生食用ぶどうを育てるのではなく、ワイン専用品種のぶどうや、それらと山葡萄を交配するなどして、土地に合わせた形で独自のぶどうを作り上げ、自家農園栽培のぶどうでワインを造りあげていること!
「宮崎は赤ワイン専用品種が育ちにくい環境です。しかし、都城は鶏・牛・豚すべての畜産の宝庫で、国内トップクラスの品質を誇ります。そのしっかりした旨味をもつ肉を使った料理には、やはり渋めのしっかりした赤ワインがぴったりです。地域の食材とマッチしたワインを造るならば、ぶどうをつくり上げる必要がありました。そのぶどう作りには、都城ワイナリーを支える『ぼんち騎士団』という強力なボランティア団体が支えてくれています」と話す山内社長。
最初のビンテージは、ワイン醸造の伝統にならい、ぶどうに感謝の気持ちをこめて丁寧に手作業で搾汁したのだそうです。
▲ぶどうづくりボランティア団体『ぼんち騎士団』。現在は200名を越えるのだそう!団体名の由来は、『ボンタン騎士団』の任命式で山内社長が、宣誓の際に手を入れる大きな木をくりぬいた鉢『ボンタン』を見て、その形状が都城の盆地に似ていることから『ぼんち騎士団』と付けたそうです。
▲ぶどうとワインを表現するワインショップ店内のディスプレイ
工場見学風景
通常はワインショップのすぐそばにあるデッキから見下ろす形で見学ができるのですが、今回は特別に工場内までご案内いただきました。
ワイナリー醸造所ができてまだ歴史は浅くとも、ワインを本格的に知る山内社長のもと、渋み・酸味・甘さなどの味に置いても、香りや色合いについても、かなり微妙なバランス調整を行っているとのこと。ワイナリースタッフだけではく、世界的に有名なソムリエに試飲してもらうなど、外からの目線を大切にし、世界レベルの品質を意識しているのだそうです。
今年は、春から収穫までの期間、雨が少なく日照時間が長いという天候に恵まれたおかげで、とてもよいぶどうが実ったのだそう。予想より糖度が上がったため、渋みや酸味を出すためにくきや種・皮の絞り汁を配合しながら、理想の風味を表現した結果、今年のワインはこれまでで一番の完成度なのだそう。
おすすめワイン
高千穂の峰の『神話伝説』がコンセプトである都城ワイナリーでは、ワインの銘柄には神話にでてくる神様の名前がつけられていることも、大きな特徴の1つ。
古い日本の記録『出雲風土記』には、ヤマタノオロチ神話伝説で『あまたの木の実を集めて酒を醸し』と書かれていることから、「その酒はぶどうを集めて造った酒、すなわちワインなのかもしれない、そして高千穂の峰に降り立った神様も、その木の実酒を楽しみ、その土地の人々に造り方を伝えたのではないか、そしてここがワインの発祥地かもしれない……」そんな高千穂の峰のロマンが詰まったワインの中から、おすすめワインをご紹介します。
▲左:ISHIKORIDOME(イシコリドメ)(白・辛口)(左)
イシコリドメは、神社の御神体となる鏡を造られる神様。シャルドネ100%で、すべてを映し出すような透き通ったワインです。
▲右:SHINMOE(シンモエ)(赤・やや甘口)(右)
穏やかなタンニンとほんのりした後味の甘さが優しくて口当たりの良い樽熟成ワイン。飲みやすいのでワイン初心者にもおすすめ。
▲左:TAJIKARAO(タヂカラオ)(赤・ミディアム〜フル)(左)
力持ちの神様の名前のように、大きくて包容力のあるような風味。深紅色が特徴でベリーやプラムの香りとともに、乳酸菌発酵由来のミルキーな香りが特徴。
▲右:AMENOUZUME(アメノウズメ)(白・甘口)(右)
都城の冷凍技術を活かし、アイスワインの製法で搾汁したデザートワイン。モモやパッションの香りや甘さ、そして柑橘系のような爽やかな酸味が感じられます。
「都城ワイナリーは、今から大きな可能性を秘めています。ぶどうの栽培から味の微調整まで、ワイン醸造は未知の世界が広がっています。現在は都城の畜産を意識して肉料理メインとなるワインが多いのですが、和食と好相性になりそうな優しい風味で、女性の神様の名前がぴったりと当てはまるようなワイン造りも進めていきたいと思います。地元の食材を支える役割を忘れず、地域の技術と連携しながら地元に愛されるワインを造りたいと思います」
と語る山内社長。お忙しい中本当にありがとうございました!
取材・編集スタッフ
モデル・レポート:中本望美、武井千穂
撮影・制作:ヴォーク有限会社