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2009年02月15日
結城登美雄先生&千人の蔵 【高千穂町】
町内、上川登集落センターで民俗研究家、結城登美雄先生の講演会がありました。
結城先生のお話しは、高千穂という山村に暮らす僕にとって、とてもためになります。日本の食糧自給力の問題は深刻です。1億2770万人の人口にたいして333万人の百姓しかいなくて、百姓の7割が60歳以上です。日本を100人の村とするならば、3人しか農作物を作る人がいないということになります。3人(40歳、60歳、70歳)で97人の日本人村の村人の食料を作っているわけです。3年後、遅くても5年後には米も不足するだろうというのが、全国の農村を歩いている結城先生の考えです。それは、百姓の高齢化がさらに進み田畑の放棄がもっと深刻化するからです。
これからも食料はある?ない?どちらの前提にたつかで今後のビジョンは変わってきます。
結城先生に「優れた農業政策をしている国はありますか?」と質問しました。先生はイギリスをあげました。なぜ、食料自給率が低かったらかの地が70パーセントを越えるまでになったのか、それは、食料は代替がきかず、その自給は国家にとっても、国民にとってももっとも最優先すべきことで、作物を作っている農民、農村を尊重するという国民の意識のもと、農家を直接的に支援したからです。大切なのは、国民の意識。日本でも農家に直接的に補助金をだすことを主張する政治家はいるそうですが、残念ながら国民の意識を抜きにしてそれを実行することは、たんに補助金を配るという行為でしかありません。大切なのは国民の意識なのです。
イギリスにしろ、フランスにしろ、ドイツにしろ、自給率の高い国は農家や農村がしっかりとリスペクトされているといいます。農作物ができるまでの背景をみず、たんなるものとして、価格だけを気にして選ぶのであれば、百姓の減少、農村の衰退はとまらず、やがてこの国は惨憺たる貧国となるでしょう。
先生は、米が安すぎると言います。一緒に聴いていた百姓も強く頷いています。苦労に対して報われないから、跡取りも少ないのです。親にしても継いでほしいと強く言えないのです。
農村に暮らし、多少なりとも情報を扱うものとして、今後はもっと農村の暮らしを伝える努力をしていきたいと思います。
余談ですが、食料にしろ、エネルギーにしろ、自分が暮らしている地域で生み出すこと、地域でお金を循環させることが、地域の自立であり、世の中の仕組みをかえることなのだと思います。それは、お金を吸い上げている一部のソサエティーから、日本を守る、我々の暮らしを守る革命でもあります。
結城先生の講演会の感想を書いた『日向時間ブログ』(08年9月21日付)
http://www.pawanavi.com/hyuugajikan/archives/2008/09/post_361.html
投稿者 hujiki : 2009年02月15日 10:02
コメント
お疲れ様です!
結城さんが来られたんですか!
現代農業でよく目にするあの人が!
いい話だったんでしょうね、聞きたかったなぁ
それにしてもさすが社会派カメラマン、いいこと書かれますねぇ〜
投稿者 tamiya : 2009年02月16日 17:37
tamiyaさん、そうあの結城先生です。
詳しくは決まっていませんが、3月に2泊3日で結城先生の集中講座があるもようです。tamiya さんは、絶対参加したほうがいいと思います!
あ、ちなみに文章は結城先生が言っていたことがほとんどです。でも、全部パクっていいと了解を得たので、結城先生の講演の高千穂版をつくろうと思っています♪
投稿者 テツロー : 2009年02月16日 21:22