SNAC ZOU-NO-HANA vol.17 下弦の月の晩餐会
人々の出会いと交流を生み出すイベント、「SNAC ZOU-NO-HANA」(スナックゾウノハナ)で行われた、「下弦の月の晩餐会」をレポート!
神奈川県横浜市開港150周年事業として、2009年6月2日に開館した「象の鼻テラス」。今回のレポートは「象の鼻テラス」で不定期に開催されている人々の出会いと交流を目的としたイベント「SNAC ZOU-NO-HANA」(スナックゾウノハナ)の第17回目として企画された『下弦の月の晩餐会』を紹介します。
『下弦の月の晩餐会』は以前パワナビでもご紹介した「Tür aus Holz von neben Strand」(現在はテナントしていたビルの解体されたため、閉店中)の店主・「内藤正雄」さんが中心となり企画した一夜限りの晩餐会。
内藤さんが手がけたインスタレーションの中で幻想的に、そして時に激しく舞うダンスパフォーマンスを観ながら、「夜のマルシェ」で美味しい料理に舌鼓。
イベント当日には山下公園で行われていた「横浜スパークリングトワイライト2014」の目玉でもある花火も打ち上げられ、なんとも贅沢なひとときとなりました。
『下弦の月の晩餐会』の当日の様子と、「横浜スパークリングトワイライト2014」の花火の様子をお届けいたしますので、是非ともご覧ください♪
(写真、文章:井手悠哉 取材協力:マナ)
SNAC ZOU-NO-HANA vol.17 下弦の月の晩餐会
会場:象の鼻テラス
開催日:2014年7月19日
開催時間:19:00〜22:00
FB:https://www.facebook.com/events/470447656424274/
「SNAC ZOU-NO-HANA」(スナックゾウノハナ)とは。
象の鼻テラスは、横浜市・開港150周年事業として、2009年6月2日に開館した文化観光交流拠点の一つで、レストハウス(休憩所)としての側面を持ちながら、アート、パフォーミングアーツ、音楽など多ジャンルの文化プログラムを随時開催しています。併設した象の鼻カフェでは、文化プログラムに連動したメニューの提供などを行っています。
「SNAC ZOU-NO-HANA」(スナックゾウノハナ)はその中で、人々の出会いと交流を生み出すサロンをテーマに企画されたイベントの一つで、今回で17回目の開催となりました。
▲「SNAC ZOU-NO-HANA vol.17 下弦の月の晩餐会」の会場となった「象の鼻テラス」。
総合ディレクション「内藤正雄」さんインビュー
▲「下弦の月の晩餐会」総合ディレクション・内藤正雄さん
Q:「下弦の月の晩餐会」を企画したきっかけを教えてください。
「今回のイベントで使用している、光のインスタレーションを創ってくれた、光&オブジェ作家『ako』さんと、以前、私のお店『Tür aus Holz von neben Strand』で知り合ったのですが、その時に何か一緒にイベントを行おうという話になりました。そこで私の10年以上の付き合いのある、衣装美術家『稲村朋子』さんにも協力をお願いしたところ、稲村さんがそこから更に彼女の知り合いであり、今回のイベントでダンスを舞う『堀田千晶』さんに話を届けてくれて、そこから更に……という形で、どんどんと素晴らしい協力者とともにイベントの企画が始まっていきました」
Q:アートユニット「tobila」について教えてください。
「『tobira』は私と稲村さん、akoさんで結成した、企画、イベント、パフォーマンス、アートユニットです。基本的な考え方は以前やっていた私のお店、『Tür aus Holz von neben Strand』と同じで、国や文化などの垣根を越えて、モノや情報が枠にとらわれずに循環し、そこで新たな出会いが生まれることを期待しています。tobila(扉)という名前のように、メンバーがこの三人で固定というわけではなく、 色々な方がその時々関わればと考えてます」
Q:「下弦の月の晩餐会」のコンセプトを教えて下さい。
「今日、7月19日が半月ということもあり、なにか月にまつわる物語や伝説をモチーフにしようという話になりました。そこで稲村さんが兎の伝説を見つけてきて、それを中心に話を進めていきました。また、『下弦の月の晩餐会』というタイトルにちなみ、物語も料理のコース仕立てで表現しています。今夜は半月なので、お話も半分、うさぎも半分、現実と虚構の入り交じる世界を味わっていただければと思います」
「夜のマルシェ」
「下弦の月の晩餐会」ではダンスパフォーマンスの他に、「夜のマルシェ」と題し、横浜で活躍する3つの飲食店、そしてフラワーショップが出店しました。
sabatoratotur(鯖寅とtür)(ワイン酒場)
石川町の自然派ワインバール【鯖寅果実酒商店】、内藤さんが店主をしていた馬車道の雑貨/古道具/ギャラリースペース【Tür aus Holz von neben Strand】、石川町のアートスペース 【「と」】の3店舗が合同で運営を行っているsabatoratotur(鯖寅とtür)。自家製ドライトマト等を使ったパウンドケーキやサクレを提供してい ました。
FB:https://www.facebook.com/sabatoratotur
旅するコンフィチュール(ジャム)
100%天然で、果実や野菜のうまみ、甘みが凝縮された添加物などを一切使用しない、食べるように楽しめるコンフィチュール(ジャム)を販売する横浜市 中区相生町にあるコンフィチュール工房。
ディスプレイされている色鮮やかなコンフィチュールの数々に思わず感嘆の息をもらすお客様も。
ホームページ:http://www.tabisuru-conf.jp/
Le Traiteur Oguro(フランス料理惣菜店)
JR山手駅から程なくの所にお店を構えるフランス料理惣菜店「Le Traiteur Oguro」。毎日仕入れる新鮮野菜がたっぷりはいった栄養バランスの良い、おまかせ弁当や、常時15種類以上のフランス料理惣菜を取り揃えているのだそう。
キッシュやテリーヌなど、美味しいフランス料理惣菜を提供されていました。
ブログ:http://ameblo.jp/frenchdeli-oguro/
BALANCE FLOWER SHOP(フラワーショップ)
横浜市中区住吉町にお店を構えるフラワーショップ。士気が高揚する花いけを心がけているのだそう。
イベント当日は、お客様の雰囲気に合わせ、オリジナルの生花の花飾りをアレジメントしていました。
ホームページ:http://www.balanceflowershop.com/
ダンスパフォーマンス「下弦の月の晩餐会」
今宵の“晩餐会”のメインとなるダンスパフォーマンスはコースメニュー仕立てになっており、そのストーリーは月にまつわる兎のこんな物語を題材にしています……。
〜困った老人を助けるために、餌を採ってこれなかった兎が自分の非力さを嘆き仲間に火を焚いてもらい、自分を食べてもらおうと火に飛び込みました。その姿を見た老人は帝釈天としての姿を表し、兎の捨て身の慈悲行為を後世まで伝えるために、天へと登らせました〜
「下弦の月の晩餐会」
内藤正雄(総合デレクション.空間.料理)・稲村朋子(衣装.パフォーマンスデレクション.アコーディオン)・ako(空間・光の玉)・堀田千晶(振付・ダンス)・田代裕貴(ヴァイオリン)・西澤力(空間・花 植物)・熊地勇太(音楽提供)・佐脇由佳里(パフォーマンスサウンド)・三行英登(映像)・MADO.tobila企画
「下弦の月の晩餐会」半月の兎のコース スペシャルメニュー
アミューズ 始まりのマリネ
前菜 二十三夜のリエット
スープ 静寂と変化のポタージュ
魚 溢れたスープの海でとれた光る魚のポワレ
肉 半月ウサギのロースト
デザート 月待ちのソルベ
さて、物語のスタートです。
額に盛りつけされた料理が振る舞われ、スタートしたダンスパフォーマンス。光のインスタレーションや映像、生演奏のヴァイオリン、そして穏やかに時に激しく変容していく身体、その一つ一つがクライマックスに向け徐々に融け合っていく様を観ていると、文字通り異次元に誘われる気分でした。
満員の店内ではパフォーマンスが終わった後もしばらく、拍手が鳴り止むことはありませんでした。
「横浜スパークリングトワイライト2014」の様子
「下弦の月の晩餐会」と同じ日、山下公園で行われていた「横浜スパークリングトワイライト2014」では花火が打ち上げられていました。最後にそちらの様子もお伝えいたします。