Prince Ice World 2015 鹿児島公演
プリンスアイスワールドが鹿児島初上陸!世界で活躍する豪華出演者による氷上の祭典。豊かな個性と華やかな演技で12,000人の観客を魅了!
2015年6月13日・14日の二日間にわたり、鹿児島県鹿児島市の「鹿児島アリーナ」にて「プリンスアイスワールド2015鹿児島公園」が全4公演のプログラムで開催された。
「プリンスアイスワールド」は、日本で唯一のプロフュギュアスケーターチーム(総勢約26名)による”群舞”を見ることができる日本最大のアイスファンタジー。特に、1986年「THE CONVOY SHOW」を立ち上げ、全作品の作・構成・演出を手掛ける『今村ねずみ』によるテーマ『LOVE&CHINEMA』に乗せた演出も好評を得ていた。
また超豪華なゲストスケーター達にも注目が集まった。2006年トリノ・オリンピックの金メダリスト荒川静香(プリンスホテル所属)や、女子選手では初となる4回転サルコウを成功させ、アマチュア引退後は海外ショーでも活躍する安藤美姫、同じく引退後はショースケーターとしてだけでなく、テレビ出演では涙もろい性格やサービス精神旺盛なキャラクターで視聴者を魅了する織田信成など、国内外の現役トップスケーター、そしてプロスケーターが集結し、高度な技や華麗な演技で二日間4公演・約12,000人の観客を魅了した。
鹿児島県でアイスショーが開催されるのは初めてとあって、地元・鹿児島での期待も大きく、県内をはじめ全国各地のファンが会場に訪れた。
アイスショーを初めて体感する観客も多いことから、よりいっそう楽しんでほしいとの思いもあり、小物を使用したりゲストアーティストによる生歌とのコラボレーションが取り入れられたりするなど、ショーアップされた構成が印象的だった。
さらに、プリンスアイスワールドの大きな特色のひとつで、終演後にゲストやキャストへ直接花束を渡すことが出来る「ふれあいタイム」では、観客のリクエストに応じてポーズを決めるなどのサービスも満点だった。
※今回のレポートは14日(日)の17時公演をまとめたものとなります。
会場
鹿児島アリーナ
開催日
2015年6月13日・14日
出演
〈ゲストスケーター 〉
荒川静香/織田信成/鈴木明子/安藤美姫 田中刑事/今井遥
〈レギュラー出演者 〉
プリンスアイスワールドチーム/太田由希奈/本田武史
〈ゲストアーティスト〉
C&K/GILLE
構成・演出
今村ねずみ
主催
プリンスアイスワールド2015鹿児島公演実行委員会 / KYT鹿児島読売テレビ
企画制作
株式会社プリンスホテル / 株式会社GAKUONユニティ・フェイス
取材協力
開演前の様子
開演前には入場待機、そして、グッズ購入のための長蛇の列が出来た。ロビーには出演者へ送る花束が通路いっぱいに飾られ、そのフラワーアレンジをバックに撮影したり、ゲートの大パネルの前で記念撮影するなど、待ちきれない観客の熱気が溢れていた。
ロビー・通路にはゲスト・出演者への花束がずらりと並んでいた。場内ではブルーに輝く氷上の美しさに息をのんで見惚れる観客も多く、開演を今か今かと待ちわびている様子だった。
ACT 1 LOVE
会場となった鹿児島アリーナに特設リンクが出現。立ち見が出るほど場内は全国のフィギュアスケートファンで埋め尽くされた。
OPENING
プリンスアイスワールドチームが氷上に現れると共に大きな歓声と拍手が湧き上がる。スピード感ある滑りやフォーメーションの美しさに思わずため息をつく様 子が見られ、ゲストが次々と登場し、ジャンプやスピンなどの技を披露すると大きな拍手に包まれ、会場は一気に熱くなった。
オープニングから、荒川静香や安藤美姫をはじめ、ゲストスケーターたちが続々と登場!客席は一気にヒートアップした。
ゲスト 太田由希奈 『龍神伝説』
【主な戦績】
・2003年 世界ジュニア選手権 優勝
・2004年 四大陸選手権 優勝
アクロバティックな技を取り入れず、曲調に合わせてゆったりと手の指先まで使って表現した女性らしいしなやかな舞いと、時折みせるハイスピードなスピンとのバランス良い演技で会場を魅了。
ゲスト 本田武史 『ザ・ミッション』
【主な戦績】
・1999、2003年 四大陸選手権 優勝
・2002年 ソルトレークシティオリンピック 4位
・2002、2003年 世界選手権 3位
スピード感あるスピンや連続3回転ジャンプ、バタフライなどの技を披露し、削れた氷に反射してキラキラと輝く光をまとい、男性スケーターならではの迫力ある演技で会場を沸かせた。
LOVE
第一部「LOVE」のテーマにそって構成され、カラフルな妖精のような衣装で氷上が華やかに。3回転ジャンプ、リフトなどの技だけでなく、ハートを囲んでのポップな振り付けやリズムに合わせた軽快なステップをみせ、会場も一緒になって手拍子。
車とハートが登場するナンバーではゲストアーティスト『C&K』が登場。スケーターと共に楽しんでいる様子が印象的だった。
ジャズ曲調に合わせたシックな演技や恋愛模様を表現したようなプログラム、そしてキッズスケーターの登場には会場も大きな拍手を送る。大人顔負けの滑りとジャンプを見せ、観客たちは将来への期待感を抱いているようだった。
ゲスト 田中刑事 『ブエノスアイレスの春』
【主な戦績】
・2011年 世界ジュニア選手権 2位
・2013、2014年 全日本選手権 8位
駆け抜ける風と輝く砕氷をまといながら、ソフトでしなやかな動きとスピード感あるステップ、ムードある演技で大人の男性としての魅力を詰め込んだかのような作品。高さのある3回転ジャンプを決めるたびに会場から大きな拍手が沸き起こった。
ゲスト 鈴木明子 / C&K『みかんハート』
ゲストアーティストのC&Kとゲストスケーターの鈴木明子とのコラボレーションプログラム。片思いの心情を綴った歌詞に合わせ、時には切ない表情で、時には喜びを表したようなスピンやジャンプで感情を表現し、女性らしい可憐な舞いを見せた。最後にはC&Kに駆け寄り、深々と丁寧にお辞儀をする姿が印象的だった。
ACT1 FINALE
氷上がピンク一色に染まり、手にしたペンライトを掲げて観客と共に会場を包み込む。リンクいっぱいにキャストが広がり、駆け抜ける時に氷が削れる音と風、軽快なステップで会場を華やかな空気感でいっぱいにし、第一部の幕を閉じた。
ACT 2 CINEMA
CINEMA1
第二部は「CINEMA(シネマ)」のテーマに添ったプログラム。最初は『Childhood and Manhood』の曲に合わせて自転車を使いながら、コミカルに、そしてダイナミックに演舞。
▲太田由希奈と鈴木明子の美しいダブルスパイラルに会場中が湧き上がる。
本田武史・太田由希奈ペア、田中刑事・鈴木明子ペアの『007/死ぬのは奴らだ』では、息のあったコンビネーション技を次々と披露。本田武史・田中刑事2人そろってのスタイリッシュなイーグルは、ファンにとっては宝物のような瞬間だろう。
ゲスト GILLE 『 I Will Always Love You』
アジア8か所の国と地域のアーティストを集い開催する「第五回香港アジアポップミュージックフェスティバル」で、日本人初のグランプリ「スーパーノバ賞」を受賞。同時に「ヴォーカルパフォーマンス賞」と「ステージパフォーマンス賞」に輝き、イベント史上初となる3冠を達成した世界でも注目されるアーティスト。圧倒的な歌唱力で「ダイヤモンドヴォイス」と称されている歌声、洗練されたヴォーカル・パフォーマンスとクオリティの高さで会場中を魅了した。
ゲスト 今井 遥『Open Your Wings』
小道具に椅子を使用しながら、クオリティの高いジャンプとスピン、軽やかな身のこなしで、これから歩む将来に溢れんばかりの希望が詰まった若者たちの期待を描いたような、フレッシュな演舞となった。
ゲスト 織田信成 / GILLE 『ONE-君がいる理由』
【主な戦績】
・2005年 世界ジュニア選手権 優勝
・2008年 全日本選手権 優勝・2010年 バンクーバーオリンピック 7位
・2009、2010年 グランプリファイナル 2位
・2013年 グランプリファイナル 3位
人の優しさ、芯の強さを歌ったバラードに合わせて、指先まで丁寧に舞う姿に思わず感嘆のため息をもらす観客。途中3回転連続ジャンプを見せた時には大きな歓声があがり、時には出演者がお互いに指差しあう息のあったユニークなシーンも見られ、ステージそのものを楽しんでいた様子に、最後はスタンディングオベーションで見送られた。
CINEMA 2
身のこなしが鮮やかなステップやマカロンカラーに彩られたライティングの中を可憐に群舞する女性スケーターチーム、緊張な表情で滑り抜けるキッズスケーターなど次々と登場。アイスショーでしかみられない大技のバックフリップや男性チームのバトルシーンなど、躍動感のある構成となった。
ゲスト 安藤美姫 『Lovin’ You』
【主な戦績】
・2004年 世界ジュニア選手権 優勝
・2007、2011年 世界選手権 優勝
・2010年 バンクーバーオリンピック 5位
この歌詞のように、ひたむきに人を愛する大人の女性の心を表現した美しいプログラム。途中軽く歌を口ずさんでいるかのような素の笑顔に、「かわいいー」という歓声も。体いっぱいに切なさと幸せを表した体当たりの演技は観客をとりこにしたようだった。
ゲスト 荒川静香 『Ave Maria』
【主な戦績】
・1998年 長野オリンピック 出場
・2004年 世界選手権 4位
・2006年 トリノオリンピック 金メダル
氷上に現れた瞬間から、その存在感に圧倒されているかのように静かに演舞を見守る場内。まるで聖母マリアが降りてきたかのような神々しさを放ちながら、華麗なエッジワーク、ダイナミックなジャンプ、そして注目の『イナバウアー』を披露し、スタンディングオベーションの拍手喝采が会場に響き渡った。
FINALE
スケーターが動きをそろえてさまざまなラインを作り出す、プリンスアイスワールドの一番の見どころの1つ『シンクロナイズドスケーティング』では、一寸の乱れもない優雅な群舞で観客を魅了。コミカルなフロアダンスをはじめ、高速スピンやバックフリップなどの大技などが入り乱れ、大いに盛り上がった。
ゲストも世界レベルの演舞や得意技を披露するだけでなく、それぞれのキャラクターや持ち味を活かし、スピン中に笑顔で手を降る場面や、楽公演で話題となっている荒川静香の5連続ジャンプなどで会場はこの日一番の声援と拍手でつつまれ、ファイナルにふさわしい最高潮の盛り上がりで幕を閉じた。