CRAZY KEN BAND 「NAKAYOSHI 2011」ライブレポート
CKB「NAKAYOSHI 2011」 at 大分T.O.P.S Bitts HAL
2011年9月30日、神奈川県厚木市「厚木市文化会館」でのライブを皮切りにスタートし、17都市・18公演を行い、2011年12月12日、神奈川県横浜市「神奈川県立県民ホール大ホール」にて無事終了した、”東洋一のサウンドマシーン”CRAZY KEN BANDライブツアー 『NAKAYOSHI 2011』。
「やりたい曲をやる、今やるべき曲をやる」というのが一つのキーワードになっているこのツアー、その言葉通り、ステージではライブでの定番ソングだけでなく、今まであまり演奏されなかった楽曲や、これから発売予定の楽曲、さらには未発表の楽曲等々、新旧問わず様々な楽曲が、全国各地で披露されました。
そこで今回のレポートでは、2011年11月10日、「大分T.O.P.S Bitts HALL」で行われたライブの模様をお届けいたします!
もちろんこの日(11月10日)も、ファンの思惑の一歩先行く憎い選曲に「CRAZY KEN BANDのライブを観るのは初めて!」という大分のファンも終始熱狂!今や定番となっているリクエストコーナーを交えつつ、アンコールを含め約3時間にも及んだ充実のステージは、大分初上陸にも関わらず、Crazy kenこと横山 剣(vo)に「このツアーの最高記録を塗り変えたよ!ライブアルバムっていうのはこういう会場でとるべきだね!」と言わしめるほどの大盛況となりました。
(撮影:松田秀人・甲斐英利、文:井手悠哉)
CRAZY KEN BAND
NAKAYOSHI 2011 at 大分T.O.P.S Bitts HALL
日時:2011年11月10日(木)
場所:大分T.O.P.S Bitts HAL
CRAZY KEN BAND URL:http://www.crazykenband.com/
最新シングル『ワイルドで行こう!!!』
2011.11.23 RELEASE
UMCK-5352 ¥1,200(Tax in)
01.ワイルドで行こう!!!(リガオスCMソング)
02.生き残れ!!!(CR花の慶次〜焔テーマ曲)
03.eye catch
04.そんなクリスマス
05.1107 CKB ANNEX Remix feat. ZEN LA ROCK
06.CRAZY KEN BAND’s Information
07.ワイルドで行こう!!! (KARAOKE)
08.生き残れ!!! (KARAOKE)
09.そんなクリスマス (KARAOKE)
会場風景
大分T.O.P.S Bitts HALL
URL:http://www.oita-tops.com/bittshall/
▲今回のライブ会場となった大分T.O.P.S Bitts HALL
▲港のそばにあり、対岸には大分の夜景を望むことができる。
▲ライブTシャツやグッズなどを取り扱う物販コーナー
▲開演直前のステージ
会場周辺マップ
ライブ風景
大分では初となる「CRAZY KEN BAND」のライブは、老若男女問わず様々な年代のファンが会場を埋め尽くす中、ドラの音を合図に、CRAZY KEN BANDのライブではお馴染みの、横山剣の代名詞ともいえる「イイネ!」のフレーズ、メンバーの声、そして地元横浜をベースに世界で活躍する「MIGHTY CROWN」からMASTA SIMONのMCがリミックスされたSEが流れた後、スモーキーテツニのMCと共にスタートした。
横山剣が遅れてステージに現れると割れんばかりの歓声があがる。そしてキーボードの甘美な和音が鳴り響き1曲目の「あぶく」が始まった。普段ならライブ中盤かそれ以降に演奏しそうな曲が最初に来たため会場はなんともいえない不思議な興奮につつまれた。
2曲目は「Barrio Chino〜ロドリゲス兄弟〜サボさんまいったな〜珈琲ブーガルー」の流れるようなメドレー。どの曲もラテン系の曲調が印象的であるが、その中にアジアの香りや演歌のスパイスが漂っている。
1曲目の「あぶく」の時の雰囲気とは全く異なるが、これが”東洋一のサウンドマシーン”といわれるCRAZY KEN BANDの所以である。どの曲も根底には同じ質感の世界観を持っているのだが、曲ごとに国を、地域を、そして時代を自由自在にワープさせ、聞く者を魅了し続けてくれるのだ。まさに「CRAZY KEN’S WORLD」である。
3曲目は新曲(未発表)、8mmで撮ったフィルム映画のようなザラついた質感がクセになる不思議な魅力に包まれた曲、初めて聞くにも関わらず、お客さんは既に何回も聞いているかのようにノっていたのが印象的だった。
MCでは横山剣がプライベートで何度も大分を訪れていること、そしてドラムの廣石恵一のご両親が大分県国東出身というエピソードが語られた。
4曲目は「本牧仕様のサーファーガール」、横山剣の青春時代の恋の発展場だった横浜・本牧にある「本牧市民プール」を題材にした曲、プール上がりの気だるさと青春時代の甘酸っぱさが絶妙にブレンドされた名曲。
5曲目は「混沌料理」現実と夢の狭間で、ぼんやりと世界を眺めているかのような雰囲気で、聞く人の気持ちを良くしてくれるとても居心地のよい曲だ。
6曲目は「レッドライトヨコハマ」。甘美で艶やかなオトナの夜の歌、定番となっているガーチャンこと新宮虎児とベースの洞口信也の掛け合いも見所の一つ!
7曲目は今年7月にリリースされたばかり、某スーパーマーケットのCMとしてもお馴染みの「いっぱいいっぱい」、どファンキーなグルーヴ感がたまらない!
8曲目は11月23日にリリース予定の「ワイルドで行こう!!!」、アッパーで、とても力強い一曲、聞くだけで冬の冷えた身体を暖めてくれそうだ。
続く9曲目はこのライブ2曲目となる新曲(未発表)。胸を突くような切ない旋律のミドルチューン。
途中にMCをはさんでから10曲目の「Pizza」、11曲目「透明高速」へ。9年前の曲でありながら、これまであまりライブで演奏されていなかった「Pizza」はラグジュアリーな雰囲気がありつつも、なにか大事なものを無くして心が欠けてしまったような想いがこみ上げてくる一曲、「透明高速」は長年CRAZY KEN BANDのライブを支えてきたスタンダードナンバー、どちらも名版「グランツーリズモ」からの選曲だ。
そしてファンが歌って欲しい曲をリクエストして歌ってもらえるリクエスト・コーナーへ。CRAZY KEN BAND以外の楽曲にも「蛍の墓」で知られる野坂昭如から譲り受けたという「ヨコスカ・マンボ」や「ルパン三世のテーマ」そして「あの鐘を鳴らすのはあなた」など色々なジャンルの楽曲を演奏してくれた。
ライブ後半となる13曲目は、こちらもCRAZY KEN BANDのライブではお馴染みとなっている、ハマのギター大魔神、のっさんこと小野瀬雅夫による「小野瀬雅夫SHOW」!毎回素晴らしいエレキギターの音色を掻き鳴らしてくれるのだが、今回は新曲2曲をメドレーで演奏し、観客を魅了した。
14、15、16曲目は、小野瀬雅夫がエレキギターから三味線に持ち変えて演奏する、日本を逆輸入したようなテイストの「AMANOGAWA」、男の哀愁漂う「太陽のモンテカルロ」、そして聞く度に涙腺を刺激する「あるレーサーの死」を立て続けに演奏し、最後にはお決まりのターンテーブルに乗って決めポーズも!
17曲目は「中古車」、インド映画のようなイントロから始まったかと思えばツイスト調に切り替わり……。等々、人から人へ流れることで様々な匂いが染み着いた、文字通り中古車のように曲調が変化していく摩訶不思議な曲だ。
18曲目は言わずと知れたCRAZY KEN BANDの代表曲「タイガー&ドラゴン」、さらに19曲目にはCRAZY KEN BANDが結成される以前からの名曲「スージーウォンの世界」が演奏された。
終盤の20曲目にも古くからの名曲「Lady Mustang」が、21曲目にはライブでの定番中の定番となっている「香港グランプリ」が披露され、ファンのボルテージは最高潮に達した!
曲中に行われるコミカルな振り付けや、ィヨコワケ・ハンサムポーズなど見所満載のこの曲に、観客もこの日一番の盛り上がりを見せた。演奏終了後はこれまたお決まりの「逃げろっ!」の号令でメンバーは足早にステージを去っていった……。
鳴り止まない拍手とともに「イイネ!」コールも沸き起こったアンコールは計2回、まずは、ライブで演奏するのはかなり珍しい「山の音」、そして切なく優しい別れのソング「流星ドライブ」を、二回目のアンコールでは、ファーストアルバム「Punch! Punch! Punch!」からCRAZY KEN BAND不朽の名曲「空っぽの街角〜Punch! Punch! Punch!」のメドレー、そして最後に「California Roll」を演奏し、約3時間にも及ぶステージは幕を閉じた。
アンコールの時に、未発表音源を二曲もCDで聞かせてくれたり、曲が終わるごとに丁寧にお辞儀をするなど(ステージ上に置かれている飲料水にまで)とにかくサービス精神旺盛で、ファンを大切にしているCRAZY KEN BAND、ファンもそれに応える形で惜しみない拍手や歓声を送くっていたのが印象的だった。
講演終了後、楽屋にて横山剣さんが「今日のライブはホント最高でした。ありがとうございました」と語っていたように本当に盛り上がり、そして心が温まるステージとなったことは間違いない。見に来たファンにとっては最高の夜、いや「ィ夜」になったのではないだろうか。