JOYFM 25周年記念 Special Live 佐藤竹善 with Friends


投稿:2010.03.25
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JOY FM(宮崎県)と関わりの深いアーティスト佐藤竹善(Sing Like Talking)を中心に、聞くものの心を揺さぶる質の高い本物の音楽を多くのリスナーに提供するべく集まったアーティスト達による、一夜限りの豪華なコラボレーションライブ!

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends

 2010年3月19日(金)、宮崎市民文化ホール(宮崎市)にて、JOYFM(株式会社エフエム宮崎)の開局25周年を記念するライブイベント『JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends』が行われました。
 この記念イベントは、JOY FMと関わりの深いアーティスト佐藤竹善さん(Sing Like Talking)を中心に、聞くものの心を揺さぶる質の高い本物の音楽を多くのリスナーに提供するべく集まったアーティスト達(Skoop On Somebody、秦 基博、SOFFet、多和田えみ、and more 一青窈、Key松本圭司、Perラムジー、Per松田 弘)による、この場所でしか体感することができない、一夜限りの豪華なコラボレーションライブです。

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・一青窈JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・Skoop On SomebodyとSAS松田 弘(Per)

 そんなことから、ライブでのファンの興味は誰と誰がどんな楽曲をコラボレーションするのか?ということにつきるのではないでしょうか?もちろんライブ当日のステージの模様は画像を中心にご紹介いたしますので、ファンの方はしっかりとチェックしてみてください。
 また出演アーティストのみなさんには、ライブ直前にインタビューにお付き合いいただき、現在の活動状況や最新リリース情報について語ってもらうのと同時に、FMラジオの記念イベントということから「ラジオにまつわるエピソード」などについてもお答えいただきましたので、そちらもライブ画像に織り交ぜてご紹介いたします。
(ライブレポート:甲斐英利、インタビュー:松田秀人)

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends

開催日:2010年3月19日(金)
会場:宮崎市民文化ホール
出演:佐藤竹善、Skoop On Somebody、秦 基博、SOFFet、多和田えみ
and more 一青窈、Key 松本圭司、Per ラムジー、Per 松田 弘

主催:JOY FM 株式会社エフエム宮崎
URL:http://www.joyfm.co.jp/
特別協賛:雲海酒造株式会社
協賛:ANA、南九州ファミリーマート、MCN宮崎ケーブルテレビ
協力:GAKUONユニティフェイス、株式会社ビーコン
後援:宮崎日日新聞社、UMKテレビ宮崎

 

オープニング・佐藤竹善

プロフィール及びアーティスト情報

URL:http://plaza.rakuten.co.jp/okranogunkanmaki/
URL:http://www.singliketalking.jp/
URL:http://www.universal-music.co.jp/slt/

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・佐藤竹善

M-1:「Spirit Of Love」
→佐藤竹善ピアノによる弾き語り
M-2:「WIND OF CHANGE
→佐藤竹善、松本圭司(Key)、ラムジー(Per)

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・松本圭司さん(Key)

▲松本圭司さん(Key)

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・ラムジーさん(Per)

▲ラムジーさん(Per)

佐藤竹善インタビュー

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・佐藤竹善

Q:今回のライブイベントをはじめ、佐藤竹善さんは、出演だけでなくイベントの企画なども積極的にされていらっしゃいますよね。

「もともとは自分から声かけをしてイベントづくりに取り組んでいたわけではなく、様々なメディアで番組などを制作している仲間達と話しをしているうちに、あちこちで企画が進み、過去にDJの経験がある僕が『しゃべれるから進行ができる』、ということから自然にホスト役をやるようになり、それが自然に定着し広まり、気がついたら自分主催のイベントが増えていたということです。企画によっては、もう十何年も続いているものもあるんですよ」

Q:この『JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends』に関しては、どういう気持ちで臨まれていますか。

「今回はDJ的な立ち位置ということになりますかね……。今日、集まってくださったお客様達には、きっとそれぞれにお目当てのアーティストがいると思うんですよ。その部分に関しては特別なことをしなくても、実力派のアーティストが揃っているので心配はないんですけれど、僕としては『お目当てのアーティスト以外』を、お客様にどのように見せていくかが課題でしたね。途中途中で僕が歌うにしても、接着剤的な役目を心がけ盛り上げていくことを忘れないようにしなければならないし……。もちろん、各出演が機械的に順番に出てきて歌うというシンプルなつくりのイベントもありますが、僕としてはこのイベントを企画するにあたり、徐々にアーティスト同士が繋がっていき、最後はひとつになるという過程や、会場を包む空気をしっかりと音楽を通してお客様に伝えていきたいという気持ちで臨みました」

Q:ちなみに今日のライブのみどころは?

「それぞれのアーティストが自分の持ち歌ではない、他のアーティストの楽曲を歌う時に、うまいとか下手とかではなく、歌そのものをどういうふうにとらえ、どのように伝えようとしているのかを、リアルに感じていただきたいと思います。それこそが、今日このライブでしか体感のできないものであり、このイベントのポリシーでもあります」

Q:話は変わりますが、昨年ファン待望の『Sing Like Talking』が再スタートしましたね。

「そうですね。でも『Sing Like Talking』の活動再開は、もともとまったく予定になかったんですよ。本当に『いつかやれたらいいな』ぐらいの感覚だったんです。そんな昨年のある日、以前からお世話になっているFM802(大阪)の担当の方が『竹善さん、ぜひ次のイベントはSing Like Talkingでお願いします』と声かけをしてくださったことがきかっけとなり、久しぶりに三人で集まってみたんです。そうして実際に音を出してみたら、思っていたよりもずっと三人の呼吸が合っていたので『よしやってみよう』ということになり、その後活動を再開する流れに至りました」

Q:竹善さんご自身のブログに『Sing Like Talkingでのレコーディングも考えている』とありましたが、『Sing Like Talking』の活動を心待ちにしていたファンに向けてのメッセージをお聞かせください。

「はい考えています。僕らはデビューの頃から、その時いちばんやりたい音楽を正直にきちっとやるというスタイルだけは変えずに貫いてきました。今回新たに三人で集まった時も、デビュー当時のまま『今やりたい音楽をやる』という意識を確認し合うことができたので、非常にフラットな形でスタートすることができました。もしかしたら、昔懐かしい香りのする楽曲が出来上がるかもしれないし、びっくりさせるような楽曲が生まれるかもしれません。どんな音楽が出来上がるのか、ファンのみなさんは期待と不安の両方を抱きつつ、リリースまでお待ちください」

Q:ソロ活動だけでなく、『Sing Like Talking』や『SALT & SUGAR』などのユニットもとても長く続いていますが、同じメンバーでやっていく楽しさや良さってどんなところですか。

「思えば若い頃は、誰もが音楽的に好みやスタイルをぶつけ合って、そこから何かを掴むのが主であったと思います。もちろんそうした部分は今も無くはないし、無くしてはいけないと思うのですが、それ以上に月日が積み重さなることで人間的な繋がりが強くなり、徐々に他人から親子・兄弟といった身内に近づいてくるんです。そのため単純に音楽性だけでは語ることのできない、その人達が集まることでのみ現れる世界とか空気があるのも確かなんです。それは同じ仲間達と長年一緒にやらなければ絶対に味わうことのできないものであり、やってきた人だけに与えられる特権であるかもしれません。音とか理屈で表現できるものではないんです」

Q:今回のインタビューでは特別に、出演者全員に「ラジオにまつわる思い出やエピソード」をお聞きしています。

「ラジオに関していえば、年齢的にも、僕は子供の頃にAMラジオ全盛時代も経験しているし、FM放送が力をつけ徐々に盛り上がっていく過程も体感させてもらっています。さらに仕事を通しても、深くお付き合いをさせてもらっているので、リスナーと出演者の双方の立場から、様々な力をもらっています。そんな中で今実感させられるのが、やっぱりラジオでしかできないことを常にやっていかないと、その時はよくても多様化していく社会の中で、『時代の流れに飲み込まれてしまうんだな』、といつも思っています。テレビやインターネットといったメディアを抜きにしても、それはAM全盛時代にFMが出来た時にも危惧されたことであり、FMに対してネットラジオが盛んになりつつある今でも、常に考えていなければならないことではないでしょうか?だからといって、それじゃ一時代を築いてきたものがそう簡単にすたれてしまうのかといえばそんなことはなく、現に何十年にも渡り愛されている番組もありますから、なんでも新しくしろというのではなく、守りながらも時代に合わせた進化を遂げる努力はできると思うんです。ようはそこで喋る人や制作に携わる人が、『いかに今ここでしかできないものを手がけようとするか』、という意識の継続の問題だと思うんです。これはアーティスト達にも同じことが言えると思います。例えばデビューから7~8年ぐらいであれば、なんとなく若さと勢いでやっていけるのかもしれませんが、その先となると中々です。やはり、自分だからこそという部分が、楽曲にも歌にも大きく影響してきますからね」

Q:今でも毎日ラジオをお聞きになっているとか?

「はい、もう昔からのことなんですが、今でも小さいラジオを枕元に置いて、ラジオを聞きながら寝ますね。どちらかというと、音楽主体の番組ではなく、トーク主体の番組が好きなんですよ。なんか、人がごそごそ喋っているのを聞きながら眠りにつくのが心地いいというか?実はこんなことを小学校5年生のころからやってるんですよ。たぶんテレビと違ってラジオは耳からだけしか情報が入ってこないから、言葉のはしばしを脳みそで解析しながらイメージする作業が楽しいんでしょうね。その部分はラジオだけが可能なのであって……。これはテレビとラジオのどちらがいいという問題ではないのですが、最近は若い人達のラジオ離れが進んでいるという実態も耳にしますから、せっかくの素晴らしいメディアであるラジオの魅力をもっと引き出せるよう、私を含め制作者サイドももっと努力をしていかなければならないと思っているところではあります」

Q:最後に宮崎県のファンのみなさんにひと言お願いします。

「宮崎県はですね、もう公私共に『通っている』といえるし、ある意味地元の青森県よりも親密になっていると言っても過言ではないほどの土地ですから、僕にしてみれば、宮崎県に足を運ぶというのは、実家に帰るような空気感があるわけです。実際にこの地に幼なじみがいるわけではないのですが、でも僕としてはたくさんの同級生達に囲まれてライブを行い、様々な番組にも出演するという気分でいますので、そんな暖かい空気感がみなさんにも伝わることを願っています」

 

多和田えみ

プロフィール及びアーティスト詳細

URL:http://emi.ti-da.net/

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・多和田えみ

M-3:「Feel Like Makin Love」
→多和田えみ、SOS KO-ICHIRO(Apf)、松本圭司(Key)、ラムジー(Per)
M-4:「Lovely Day」
→多和田えみ、SOS KO-ICHIRO(Apf)、松本圭司(Key)、ラムジー(Per)

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・多和田えみ

▲Skoop On Somebody TAKEさん、KO-ICHIROさんとのコラボ

M-5:「Let’s Stay Together」
→多和田えみ、SOSTAKE、SOS KO-ICHIRO(Apf)、松本圭司(Key)、ラムジー(Per)

多和田えみインタビュー

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・多和田えみ

Q:多和田さんは宮崎に来ること自体がはじめてなんですよね?

「はい、初めてです。でも私も南国沖縄出身なので、宮崎空港に降りたった瞬間のあたたかい空気を感じて『ここ来たことがあるかも……』なんて錯覚してしまうくらい、すっかりなじんでいます」

Q:今回は実にタイミングよく、3rdマキシシングル『Lovely Day』のリリースをあと数日後(3月24日)に控えてのライブ出演という形になりましたが、昨年の11月にリリースされた1stアルバム『SING』と聞き比べてみると、歌い方や歌詞をはじめ表現方法が、より肉感溢れるというか、エネルギーの放出加減が増大しているように思います。また、きれいにまとめるよりも「なにもかもををむき出しにしてしまえ」といったような気合いのようなものも感じられます……。

「それは嬉しい限りです!今回は『ソウルなラヴソングが歌いたい!!』ということから、ゴスペラーズの村上てつやさんにプロデュースをお願いし、さらにJAM companyのリーダー本間将人さんにアレンジを手がけていただいたんです。曲や歌詞だけでなく、音づくりやミックスの部分でも『よりソウルフルに』を意識して行っていたので、村上さんや本間さんの感性が相まって楽曲を更に高めてくださいました!みなさん本当に音楽に純粋で最高にソウルフルな方々なので、レコーディングを通して、私も今まで以上にソウルミュージックというものに近づくことができたと思います。ちなみに個人的な感覚で言えば、1stアルバムの『SINGS』はこれまでの自分の集大成であり、そしてこの3rdマキシシングル『Lovely Day』は、よりスタミナを増し、ソウルパワーを拡大させた、新しいスタート的なものであると位置づけています。それだけにかなり気合いも入っています!」

Q:そういえば『Lovely Day』の歌詞は何か特別な方法でつくられたとお伺いしましたが?

「はい、実は携帯配信サイトで、リスナーのみなさんから『愛のことば』を募り、それを元にラヴソング作ろう、という企画から生まれたんです。内容的には、恋人同士がお互いに見つめ合い、二人だけの世界を大切にしていこうというイメージから、さらにお互いを見つめ合うだけでなく、同じ目線で、どんな時も愛し合い許し合い助け合いながら広い世界へ共に踏み出して行こうというものなんです。この歌詞は恋人達へのものではありますが、私の個人的な心情としても、これからどういった気持ちで歌と向き合い歌っていくかということも含まれています。投稿してくださったリスナーのみなさんのおかげで、私の視点も広がり、これからの自分自身にとってかけがえのないラヴソングになりましたし、この『Lovely Day』が聴く人々を大きな愛に包まれる未来へ連れて行ってくれると信じています」

Q:3曲目は、Skoop On SomebodyのTAKEさんと、ゴスペラーズ村上てつやさんのユニット”武田と哲也”が参加し、いっしょに『Let’s Stay Together』を歌われていますよね。

「実は昨年の9月に東京で行われた”武田と哲也”のライブに伺ったとき、『せっかくだから、一緒に歌う?』とお誘いいただき、最終日に歌わせていただいたんです。その時に選んだ歌が『Let’s Stay Together』で。本番で歌った感触が非常によかったので、作品として残すことが出来て本当に嬉しいです。今回はマキシシングルなので、3曲しかお届けすることができないんですが、プロデュースを担当してくださったゴスペラーズ村上てつやさんをはじめ、アレンジでお世話になったJAM companyの本間将人さん、そして『Let’s Stay Together』を一緒に歌ってくださったSkoop On SomebodyのTAKEさんという、本物のソウルミュージシャンと共に作っていけたことで、ソウルミュージックを歌う上でとても大切なエモーショナルな部分が刺激されました」

Q:今回のインタビューでは特別に、出演者全員に「ラジオにまつわる思い出やエピソード」をお聞きしています。

「ラジオと言えば、意識的に様々な音楽を聞くようになった小学校高学年のころからは毎日のように聞いていて、主に洋楽R&Bを取り上げる番組が大好きでした。ヘビーリスナーだったころに、パワープレイでジャミロクワイが紹介されていて、毎日聞いているうちに完全に定着してきてクセになり、ファンになった記憶があります。とにかくラジオは世代を超えて、ランダムに素敵な音楽を届けてくれるから、私にとっては教科書のようなものでした。もちろんリクエストメールなんかもだしていましたし、実はある時、ラジオ番組内で行われていた、電話口で歌うカラオケ大会に出てチャンピオンになったこともあるんですよ!(笑)」

Q:最後に宮崎県のファンのみなさんにひと言お願いします。

「今回のライブをきっかけに、宮崎で歌える機会を増やしていければと思っています。宮崎のみなさんにはまだまだなじみの少ない私ですが、今後ともよろしくおねがいいたします!」

 

SOFFet

プロフィール及びアーティスト詳細

URL:http://www.soffet.jp/
URL:http://ameblo.jp/soffet-official/

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・SOFFet

▲佐藤竹善さんとのコラボ

M-6:「GOOD MORNIN ‘GOOD ROLLIN’」
→SOFFet、佐藤竹善、松本圭司(Key)、ラムジー(Per)

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・SOFFet

M-7:「春風」
→SOFFet、松本圭司(Key)、ラムジー(Per)
M-8:「君がいるなら」
→SOFFet YoYo(Key)、SOFFet GooF(Ba)、松本圭司(Key)、ラムジー(Per)

SOFFetインタビュー

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・SOFFet

Q:この春で結成15年を迎えたとのことですが、以前と変わったと思われる部分はどこですか?

YoYo:「楽曲をつくる感覚だとか、音楽の聞き方などが確実に変わりましたね。実は結成15年といっても15年前は中学3年だったんですけれど、その時は街に流れている曲をなんとなく吸収するような感じで聞いていたと思います。確か中学2年の時にフォークソングに興味を持って、二人でギターを買ってユニットをはじめたり、またポップスなんかも聞いたり、中学3年の時は地元の兄貴的人物からラップミュージックのデモテープをもらい、それがかっこよくて影響されたり……。影響されて何をやったかといえば、自分で声を吹きこんでそれを聞いて楽しんだりしていましたね。まあ15年前といえばそんな感じだったと思います。もちろん今では、ただ楽しむだけでなく、作り手として音楽を聞いていますし、また意識的にそういう聞き方をすることで、プロとして自分達も成長していったと思います。かといって全く音楽を楽しんでいないのかといえば決してそうではなく、楽しむ時は楽しむし、要するに仕事モードとの使い分けが以前より上手くなったのは確かだと思います」

GooF:「まあ、とにかく二人ともおっさんになりましたよ(笑)。先日、久しぶりに二人で酒を酌み交わしたんですけれど、お互いに日本酒をおちょこに注ぎ合って……。小さなおちょこだから頻繁に『どうぞどうぞ』みたいな……。本当におっさんになったなぁってしみじみ感じましたね。ただ15年も毎日のように顔をつきあわしている仲間と急に二人だけっていうのは、なんだか非常に照れましたね(笑)」

YoYo:「一応、15周年を迎えたその日は、写真だけはちゃんと撮っておきましたよ。感覚的には誕生日みたいなものじゃないですか」

GooF:「どちらかといえば、YoYoはそういうの大切にする人だから、いつもちゃんと覚えていて『なんかやろうよ』と言ってくれるんです。僕からはめったにないですね」

Q:音楽をつくる作曲やレコーディングと、表現をするライブ、どちらにも携わっているSOFFetにとって、両者に感覚的な違いはありますか。

GooF:「やってることは真逆ですよね。つくるというのは内へ内へと入る作業の積み重ねですし、表現する時はいかにして外向きに開いていくかなんですが、ぼくは性格的にライブのほうが気持ちいいですね。とにかく何が難しいって、つくる時と表現する時の気持ちの切り替えなんです。スケジュールの関係で、制作作業とライブとがクロスしているような時は、日々上がったり下がったり、まあ大変です(笑)」

YoYo:「ちなみに、今日はアットホームな雰囲気の中、リラックスしていいステージをお見せできると思いますよ。佐藤竹善さんとの絡みなんかもあるかもしれません!」

Q:今回のライブの見所に、佐藤竹善さんとのコラボレーションがありますが、お二人は、ジャンルの垣根を越えた、他のアーティストとの共同作業を試みることが多いですよね。そんな中、これからチャレンジしていきたいことなどがあれば、ぜひ教えてください。

YoYo:「そうですね。チャレンジということで言えば、コラボレーションはこれまでにたくさんやってきましたね。やるごとに、ジャンルやスタイルの異なる、たくさんのアーティストの方々の、音楽の作り方やこだわり、アプローチなどを体感することができ、僕らにとってもいい刺激をたくさんもらってきました。ただ、これからのことを考えると、コラボレーションではなく、今までに体感してきた多くの刺激を、自分達なりの形にして打ち出していく作業に重点を置いて活動していかなければと思っています」

GooF:「そこに誰か面白い人が入ってきてコラボレーションするという形であれば積極的にやっていきたいですね。僕らのオリジナリティもっとちゃんと確立できて、そこに個性的なアーティストがのっかてきてくれるというのが理想です。そうすれば、これまで以上に面白いコラボレーションができるのではないでしょうか」

YoYo:「また新しい試みとしては、先日の『Jam the Universe Tour』で、アコースティックジャジースタイルみたいなものをやったんですけれど、その時は、元の楽曲の雰囲気とはがらっと変えて、専属バンドと一緒にアレンジをし、全てつくり直しをしました。僕的にはそれが非常に刺激的な作業で、実際に全国3箇所で披露し、その後ファンのみなさまからはとてもいいメッセージをたくさんいただいたのですが、そうした試みをファンの方々に受け止めてもらえる状態もできたし、次のステップに向けて進むためのスタート地点にたどりついたかな?という実感を最近感じているところです。だからこそ『SOFFetとの新たな挑戦』や『僕らのオリジナリティ』という部分を、もっと自信をもってやっていけるように頑張りたいと思っています」

Q:最近の話題として、今年の2月に、石田純一さんが企画宣伝部長を務める、ウエディング曲のコンピレーションアルバム『BOUQUET!! -ブーケ- 』に、 2007年にリリースされた『Love Story』という楽曲が選曲されていますが、どのようなきっかけから選曲されたんですか。

GooF:「単純に選んでくれたということです(笑)。石田純一さんがご結婚されるというタイミングで、コンピレーションアルバムの話があったので、逆に僕らのほうがびっくりしたくらいです。選ばれた詳しい理由というのはわからないんですが、ウエディングがテーマとなるコンピで、『Love Story』が選ばれたのは嬉しかったですよ。もともと『Love Story』という楽曲は、当時僕らについていたマネージャーが結婚するっていう時に、その披露宴で歌うためにつくった楽曲が原型になっていて、リアルなエピソードが詰まった、とてもいい楽曲だからぜひCDにしようということから生まれたものなんです」

Q:今回のインタビューでは特別に、出演者全員に「ラジオにまつわる思い出やエピソード」をお聞きしています。

GooF:「僕は小さい頃はあまりラジオを聞いていませんでしたね。本格的に聞くようになったのは、実は高校性になって、自分達でデモテープをつくるようになってからなんです。きっかけはデモテープがラジオに流れたことなんですけど、それから徐々に音楽活動をする人間にとってラジオは必要不可欠なものなんだという認識を強く持つようになりました。そしてデビューしてから常にラジオで喋らせてもらったり、楽曲をかけていただいたり、さらに関係が密接になってラジオ局主催のイベントにも参加させてもらえるようになったり、気がつけば僕らの音楽はラジオによって育てられたし、広がったという実感を、今こうして感じているところです。僕らにとって本当に厳しい時期も、ラジオ局の方々が応援してくださったり、あらためて感謝しています」

YoYo:「僕もGooF同様、正直言って『ラジオを聞いて育ちました』といえるような聞き方はしていませんでした。やはり自分達のデモテープが流れるということがきっかけとなり、ぐっと入り込むようになったんです。初めてラジオに出演させていただき、DJの方を挟んでトークをしたときは、『こうやって多くの人に伝わっていくんだ』という実感がふつふつと湧いてきて、とても感動しましたね。メジャーデビューしてからは、僕らの番組などもやらしてもらったり、中にはデビュー当時から今も続いているラジオ番組があったりと、関わりが深くなるに連れて、例えば車の中でも自然とCDではなくラジオを聞く時間が長くなったり、気になる番組を注目したりするようになりました。今思えば、子供の頃は環境的にあまりラジオとの接点がなかっただけで、ラジオを聞く楽しさを知っていれば、かなりはまり込んで聞いていたのではないかと思います」

Q:最後に宮崎県のファンのみなさんにひと言お願いします。

GooF:「宮崎の気候と風景、そしてなにより料理が大好きです。ファンのみなさんも凄く楽しそうに盛り上がってくださるので、できれば次回は新曲を引っ提げて乗り込みたいと思います」

YoYo:「僕も宮崎は全国の中でもとてもテンションが上がる土地なので大好きです。初めてフェスで宮崎に来た時の楽しい印象が残っているところに持ってきてワンマンライブもやれたし、できれば早くワンマンツアーで戻ってきたいと思っています」

 

秦 基博

 プロフィール及びアーティスト詳細

URL:http://www.office-augusta.com/hata/

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・秦 基博

M-9:「虹が消えた日」
→秦 基博アコースティックギターによる弾き語り
M-10:「アイ」
→秦 基博アコースティックギターによる弾き語り

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・秦 基博

▲佐藤竹善さんとのコラボ

M-11:「メロディ」
→秦 基博、佐藤竹善、松本圭司(Key)、ラムジー(Per)

秦 基博インタビュー

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・秦 基博

Q:秦さんは、小学校の低学年まで、宮崎県の日南市で過ごされ、その後横浜に移住されましたが、幼少の頃の宮崎県での自然との触れあいの記憶が、今の曲づくりに影響を与えている部分ってありますか。

「7~8歳の子供にとって、自然があふれる宮崎から、都会の横浜に移住するのって、とても大変なことで、仲のよかった幼なじみと別れることや、生活そのものが180度変わってしまったことなど、そうした心の断片が、きっと少しづつ自分の中から無意識に楽曲に溶け出していると思いますね」

Q:今回のイベントをはじめ、秦さんは、冨田ラボさん、ムッシュかまやつさん、槇原敬之さん、その他と多くのコラボレーションを経験されていますが、ご自身の活動のどういった部分に影響を及ぼしていますか 。

「影響としては、自分に立ち返った時に、より自分を見つめ直すきっかけにはなりますよね。例えば今日だったら、佐藤竹善さんの歌を聞いて独特の何かを体感できても、それはまねのできないことであるし、冨田さんの曲に参加したからといって、当たり前ですが、明日から冨田さんのような曲が書けるようになるわけでもないんです。重要なのはその場その場で感じたものを、どう自分に還元できるかだと思うんです。だから、今の自分とはまったくかけ離れたジャンルの企画であっても、何か得られるかもしれないと思えた時は積極的に参加します」

Q:さて、今年の3月3日にリリースされた弾き語りアルバム『BEST OF GREEN MIND ’09』についてですが、2枚組23曲という、かなりボリュームのある内容となっていますね、よろしければ「弾き語り」というスタイルに対する思い入れのほどをお聞かせください。

「そもそもこのアルバムをつくるにあたって、単に記録用の資料として録音していた『弾き語りツアー』のライブ音源を素材にしようと考えていたんですけれど、でも単なるライブアルバムにはしたくないと思ったんです。そんな中、音づくりのことを考えながら弾き語り音源を聞いていたら、『やっぱり言葉がダイレクトに伝わってくる弾き語りっていいな』って思って、でも、もっと近くに、そしてよりリアルに、声や言葉を感じられるような音づくりができないか?と考えるようになって、MIX作業にあたってくれたエンジニアさんと試行錯誤しながら、曲順などにもこだわり、まずDisc1を制作しました。さらにそれとは対極のイメージで、ライブ会場の空間や距離感など、ライブならではの臨場感を体感できるような音に仕上げたのがDisc2なんです。アルバムに収録されている楽曲は、歌っている会場も様々で、野外もあればホールもあるし、ライブハウスもありました。そのため出音の響き方っていうのはそれぞれ違ったんですけれど、今回は先ほど話した『音づくり』にこだわったので、アルバムを通して聞いてもらっても、妙な違和感がないように工夫しています」

Q:原曲を聞いてから弾き語りを聞くと、実際に音数が減っているので、通常ならなんとなく物足りなく感じるものですが、秦さんの場合は、音数が減ることで迫力が増していますね。

「ありがとうございます。基本的に僕はアコースティックギターと自分の声で曲をつくりますから、本来弾き語りでは成立できないという曲はないんです。ある意味弾き語りで聞いていただいているのは、楽曲本来の姿であるともいえます。また弾き語りの場合、ギター一本でリズム感やビート感、強弱を演出しなければならないので、自然と人間力がむきだしになる、というようなことはあるかと思います。あくまでも音数が少ないのと多いのでは、どちらがいいということではなく、いろいろと試みることで楽曲が進化していくという面白さが、僕にとっては重要なんです。とにかく、ライブにせよ録音にせよ、歌う時はその時の最大値を出しきって臨むだけです」

Q:新曲発表の予定はありますか。

「実は昨年の秋ごろから3rdアルバムに向けた新曲づくりをしているんですよ。今までの2枚のフルアルバムに比べ、じっくり時間をかけていろいろ試しながら進めていたのですが、秋頃を目標に、ファンのみなさんにお届けできたらと思っています」

Q:今回のインタビューでは特別に、出演者全員に「ラジオにまつわる思い出やエピソード」をお聞きしています。

「みんな音楽を聴く時って、だいたい自分の趣味趣向で曲を選ぶことがほとんどじゃないですか?でもラジオって、自分の枠を飛び越えて様々なジャンルの音楽を届けてくれるじゃないですか。だから音楽好きの僕からすれば、ラジオはありがたい出会いの場だったわけです。中でも印象に残っているのは『スマイル』というバンドの曲で、ラジオがきっかけでCDを買いに出かけましたね。最近はありがたいことに、ふとした時に、自分の曲が突然ラジオから流れてきて『おおっ……、ああ、なんだ俺か……』とびっくりさせられることがありますが(笑)、あれってなんかいつもと違って聞こえるんですよね。ラジオって独特の雰囲気があるから、例えば同じ楽曲をCDで聞いてもなんとなくラジオから流れてくる音と違って聞こえたりして……。なによりラジオって音だけで伝えるメディアじゃないですか。僕は音源をつくる時に『音だけで全てを伝えること』に全力を尽くしています。そんなことからラジオは僕が伝えたい形にいちばん近い形で届けてくれるので、ラジオを通して多くの人に聞いていただくというのは、とても嬉しいことなんです」

Q:最後に宮崎県のファンのみなさんにひと言お願いします。

「今回はイベントという形ですけれど、本当に久々にライブで来ることができました。でもやっぱり故郷でもある宮崎ですから、もっともっと足を運びたいですね。また新作が出来上がったら必ず来たいと思います」

 

Skoop On Somebody

プロフィール及びアーティスト詳細

URL:http://www.skoop.jp/

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・Skoop On Somebody

M-12:「椛~MOMIJI~」
→Skoop On Somebody

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・Skoop On Somebody

▲松田 弘さん(Per)とのコラボ

M-13:「バラ色」
→Skoop On Somebody、松田 弘(Per)、松本圭司(Key)、ラムジー(Per)
M-14:「Nise’nSlow」
→Skoop On Somebody、松田 弘(Per)、松本圭司(Key)、ラムジー(Per)

Skoop On Somebodyインタビュー

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・Skoop On Somebody

Q:まずはじめに、以前から「将来は宮崎に移住する」とまでおっしゃっているTAKEさんの発言により、すでに「宮崎大好き」が一般化しているSkoop On Somebodyのお二人ですが、はじめてこのインタビューをご覧になられる方のために、あらためて宮崎の魅力をTAKEさんからご説明ください。

TAKE:「もう10年以上前からプライベートでもよく来ていますし、本当に好きなんですよね……。宮崎のどこが好きかっていうと、個人的に宮崎に流れる時間が好きなんですよ。そう思える要因として、ひとつには温暖な気候というのが作用していると思うのですが、もうひとつ上げるとすれば、それは人の言葉の優しさだと思うんですよ。単純に言葉づかいというだけの意味ではなく、街の中で聞こえてくる人々の会話のテンポだとかリズムだとかに惹かれたんです」

Q:さて結成13年目を迎えるSkoop On Somebodyですが、昨年秋、初のバラード・ベストアルバム『LOVE BALLADS 〜Best Of S.O.S. Ballads〜』(2枚組26曲入り)をリリースされましたね。中には懐かしいナンバーも選ばれていますが、よろしければアルバムと共に、この13年間を振り返ってください。

TAKE:「タイトルにあるように、アルバムのテーマはラヴソングではありましたが、選曲をするにあたり、やはり二人で13年間をじっくりと振り返ることができたし、そんな中で、今後どういった歌を歌っていこうかとか話し合う時間が持てたのはよかったですね。振り返ってみてわかったのは、13年前と今とで、基本的にやりたいことは変わってないんだなというのがわかりました。確かに時代と共にレコーディングの方法をはじめ、若干の言葉選びとか表現方法は変われど、音楽を通じて、自分達が、何を感じ何を伝えたいかという部分に関しては何も変わっていませんでしたね。まあSkoop On Somebody結成当時の大阪では、本物のR&Bを歌うシンガーも少なかったし、KO-ICHIROはゴスペルのバンドとかやっていたけれど、ブラックミュージックと呼ばれる音楽を、趣味としてではなく、真剣に取り組んでいた人は非常に少なかったんですよ。だから僕らは会うべくして出会ったと言えるのですが、13年たった今でも、例えば『LOVE BALLADS 〜Best Of S.O.S. Ballads〜』にも収録されている、『Everlasting Love』や『祈り』といったような、KO-ICHIROがつくる、彼にしかできないメロディに、作詞というよりは『もうこれしかないでしょ』と思えるような、降りてきた言葉をのせて歌うのが僕は好きだし、それこそがSkoop On Somebodyの核となる部分だというのを、あらためて実感することができました。やはりKO-ICHIROの身体の中から湧いて出てきたメロディやそれに導き出された言葉は、時代に関係なく、今の自分達にも響くんだなと思いましたね」

Q:今回のライブでは、サザンオールスターズの松田 弘さんや多和田えみさんとのコラボレーションなども見ることができるとお聞きしましたが、お二人は毎回どのような意識でライブに臨んでいますか。

KO-ICHIRO:「いつも『ライブは見にきてくださったお客様と一緒につくりあげる』という意識をもって臨んでいます。もちろん、もともと演奏したり歌ったりするのが楽しいし、楽しみたいという部分はありますが、でも、そこにやってきてくれた人も一緒に楽しんでもらわないと、やはり僕らも心の底から楽しむことができません。だから、そういう意味ではライブは毎回土地も変わればお客さんも変わるので、新鮮な気持ちになることができます」

TAKE:「ただ13年たって僕らも肩の力をぬいて、より自然体でライブができるようになったと思いますよ。若い頃はどうしても力が入っていましたからね……。どこか『見せたろ!』的な気持ちが強かったように思います。でも、それはそれで若い頃にしかできなかったことだから、 13年たった僕らが否定することではないし、そこがあるから今があるわけで……。かといって、今は『見せたろ!』的な気持ちがまったくなくなったのかと言えばそんなことはなく、やっぱり今日のように、素晴らしいアーティスト達が集まるイベントなんかでは特に『見せたろ!』と思うわけですよ(笑)。とにかく、ライブでは少しでも手加減しようなんて思ったら、すぐにグルーブしなくなるから、『見せたろ!』ぐらいの勢いでお互いがぶつかりあう意識があってこそ、ライブならではの特別な何かが生まれるのだと思います」

Q:今回のインタビューでは特別に、出演者全員に「ラジオにまつわる思い出やエピソード」をお聞きしています。

KO-ICHIRO:「僕はそもそも、音楽をやりたいと思ったきっかけは、ラジオから流れてきたスティービー・ワンダーの『Isn’t She Lovely』という曲なんですよ。それまではサッカーにどっぷりはまりつつ、習い事としてピアノをやっていたのですが、その時期ちょっとピアノから遠のいてしまっていたんです。まあ当時は男の子がピアノを習うというのがかなり恥ずかしいことでして、サッカー仲間には、若干隠していたような部分もありまして(笑)。で、たまたまラジオから流れたスティービー・ワンダーを聞いたとたん、久しぶりにピアノに触れたくなったんです。その時、記憶を頼りに『Isn’t She Lovely』を弾いて、はじめて『ピアノってなんて気持ちがいいんだろう』と思ったんです。それからは自分でも音楽をつくっていきたいと考えるようになり、ずるずると今に至っています……。もし、あの時ラジオを聞いていなかったら、今僕はここにいません。あと、DJがいろいろな悩みや相談にのってくれるようなコーナーも、若かりし頃はよく聞いていましたし、音楽番組なんかはちゃんとエアチェック(笑)していましたよ。えっ、エアチェックってもう死語ですか?昔はそんな言葉もあったんですよ」

TAKE:「僕は『FM STATION』世代ですから、 FM雑誌を買ってきて番組をエアチェックして、お洒落なカセットレーベルをつくったりして楽しんでいましたよ。歌に関して言えば、僕が今のボーカルスタイルに目覚めたのは、ソウルフルな選曲を主に流していた、都会的なアメリカのラジオ番組『Quiet Storm』で、番組内でかかるブラックミュージックにはまりまくっていましたね。またその番組がなんともアダルティでエロチックなんですよ。もうDJなんか甘ったるい超低音で絡みつくように語るんですけど、それが『のぞいてはいけない大人の世界』のようで、実にかっこよかったんですよね。そしてデビューしてから僕の中のラジオの思い出と今の仕事がリンクする瞬間がついにやってくるんです。実は『Quiet Storm』の超低音の主であるヴァーン・ハーパーさんが、Skoop On Somebodyのアルバム『Nice’n Slow Jam』で語りの部分を担当してくださったんです。これがなによりのエピソードですね」

Q:最後に宮崎県のファンのみなさんにひと言お願いします。

TAKE:「冒頭でも触れましたように、宮崎はいずれ住むことになると思いますし、だからこそ、そういう視点でみているからいろいろ発見もあって、もちろん宝物もいっぱいあるんです。でも、残念なことにここに住んでいる人にとっては、そんな宝ものも日常の当たり前の風景になってしまっているんです。だから、たまに僕らがやってきて『宮崎の海はとてもきれいだよ!大切にしてよ』って言うんです。宮崎のみなさん、ここには本当にたくさんの宝物があります。僕も宮崎のいいところはみなさんに伝えていきますので、どうか宝物を大切にしてあげてください。よろしくお願いします」

KO-ICHIRO:「TAKEはサーフィンもしますし、海を愛する人なんです。それに対して僕は山を愛する人間で、『一人ハイキング』をよくするんです(笑)。この宮崎というのは、すぐ手の届くところにいつも素敵な山、素敵な空気があるんです。だからいつか宮崎の山にこもって曲を書いてみようかななんて思っています。特に雲海で泳いでみたい……。というのは冗談ですが、この宮崎は自分がとてもピュアになれるところで、来ればそれだけで元気になりますから、ライブがなくてもまた近々来たいと思いますし、できれば一刻も早く来れるように応援のほどよろしくお願い致します」

 

一青窈

プロフィール及びアーティスト情報

URL:http://www.hitotoyo.ne.jp/

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・一青窈

M-15:「もらい泣き」
→一青窈、松本圭司(Key)、ラムジー(Per)
M-16:「花のあと」
→一青窈、松本圭司(Key)、ラムジー(Per)

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・一青窈

▲佐藤竹善さんとのコラボ

M-17:「La La La」
→一青窈、佐藤竹善、松本圭司(Key)、ラムジー(Per)

一青窈インタビュー

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・一青窈

Q:『新歌謡(進化窈)』というコンセプトのもと、シングル三部作をリリースし、また新しい一面をみせてくださった一青窈さんですが、一連の気持ちの切り替えについて、その経緯などをお聞かせください。

「2年半くらい前のことなんですけれど、私が子供のころに聞きなじんでいた昭和歌謡をたくさん手がけていた、作詞家の阿久 悠先生が亡くなられたことがきっかけなんですが、個人的に日本の歌謡曲をあらためて聞き返したりしていたところ、歌謡曲が自分の中に根付いていたことを再確認したんです。それで、自分も歌詞を書くものの一人として、時代を反映するものだとか、たくさんの方々にくちずさんでもられる作品を書いていこうと思ったのが一つのきっかけです。『新歌謡(進化窈)』というコンセプトは、自分自身への決意表明なんです」

Q:ちなみに、日本で歌謡曲(新歌謡=進化窈)と、ポップス(Jポップ含む)と呼ばれるものとの違いを、一青窈さんはどう受け止めていらっしゃいますか。

 「かつての歌謡曲は、歌う人は歌専門で、作詞や作曲を専門に行う人も他にちゃんといて、双方が一体となってひとつのパッケージ、『歌手のイメージ』をつくり上げていくのが定番スタイルでしたよね。当時はポップスなどを手がける、シンガーソングライターの方々との線引きが、今よりもはっきりしていたように思います。それが、だんだんと歌手とシンガーソングライターではなく、アーティストと呼ばれるようになり、アーティスト達は自己主張というか、身を削って等身大の歌を歌い、自分の全てを投げかけ、それを受け入れてもらうというスタイルが一般的になってきました。時代の流れだからという面はありますが、アーティストが等身大になり、積極的に全てをさらけ出す分、想像上の物語性が少なくなったように感じます……。そんな中、私が思う『歌謡曲』って、歌う人の人格などはあまり関係なく、役者さんのように、その歌ごとにイメージに合った役づくりをし、毎回ファン達を現実とは違う想像の空間に引きずり込むような不思議なパワーがあったと思うんです。たとえば、全盛期の沢田研二さんは、ばっちりメイクもしていたし、時には女性のようなファッションで登場したり、ピンク・レディーさんも、毎曲ごとにイメージを変化させ、その曲の中から生まれる自分を巧みに演出していましたよね。それは実際の彼や彼女らの人格とは関係なくて、逆にそのほうが、『TOKIO』とか『UFO』のように、エンターテイメントの世界の中に、子供からお年寄りの方までが、同じような価値観や距離感で夢がもてたし、より想像力がかき立てられ妄想が膨らんだような気がするんです」

Q:ちなみに4月21日にリリースされるニューアルバム『花蓮街(かれんがい)』も、様々な妄想が膨らむ内容になっていますよね。

「私もそんな歌謡曲がもたらす夢や妄想の世界にあこがれて『はやく大人になりたい』なんて思っていましたし、もっと聴いてくれた人が歌の世界に夢や妄想を膨らませる要素を盛り込みたいと思って作りました。だからいい意味での虚像を歌の中でつくりだしました。そんな取り組みが私にとっての『新歌謡』であり、ニューアルバム『花蓮街(かれんがい)』でやったことなんです。あと、私の中での歌謡曲の定義として『細かいジャンル分けにとらわれない』というのがあります。例えば、もうジャズでもロックでも演歌でも、どんな曲を歌っても、美空ひばりさんが歌えば全部、美空ひばりさんの世界になるというような、そんなイメージを意識しながら、このニューアルバム『花蓮街(かれんがい)』に臨んだので、私としては様々な新しい試みができたアルバムになったと感じています」

Q:『花蓮街(かれんがい)』のイメージや、アイデアのもととなるようなエピソードがあれば教えていただけますか。

「ちょっと具体的に『どこをイメージして』というような言い方は難しいのですが、しいて上げれば、昭和の臭いが残っていて、小さなスナックやバーなどが乱立し、どんな生き方も許される、いわば『新宿ゴールデン街』のような場所で、そこに香港のような極彩色の看板やネオン管がひしめき合っている街、それが『花蓮街(かれんがい)』のイメージです。そんな怪しげな街がどこかの島にあったらという妄想から生まれたのがこのアルバムです。アルバムをつくるきっかけとなったのは、2年前に『箱の中の女』という音楽劇に主演したことなんですが、舞台が終わってからも、その主人公の役から中々抜け出すことができず、『その後彼女は何をしているんだろう』といった妄想をするようになったんです。それがきっかけとなって、今彼女が暮らしているであろう街である『花蓮街(かれんがい)』のイメージができあがり、その街で暮らす人々の様々な感情を歌にしてみました」

Q:今回のインタビューでは特別に、出演者全員に「ラジオにまつわる思い出やエピソード」をお聞きしています。

「ラジオといえば、うちの母がよく聞いていたのを思い出しますね。日本に住んでいたいた時に、母が食事準備をしている時、いつも母の横でラジオが鳴っていたんです。そこから流れてくる歌謡曲を私も聞いていました。音楽以外では『子供電話相談室』のような番組は思わず聞き入ってしまいましたね……。あと出演するという角度からだと、テレビよりもラジオのほうが赤裸々になれるというのがあります。というのは、言葉に集中できるんですよね。私は言葉が好きだから、言葉以外のいろんな部分に気をとられず話ができるというのはありがたいんです。そしてなんといってもラジオ番組って、リアルタイムにリスナーとメールやファックスでやりとりをするじゃないですか。今自分が話題にしたことに対して、その場でリアクションがあるというのはとても嬉しいことですよね。また、こうして音源を発信できるような立場になると、たまに偶然街中で自分の曲がかかっている場面に遭遇したりするのですが、そんな時はすごく恥ずかしくなるんです。例えばコンビニで急にそんな場面に遭遇したりすると、思わず店から飛び出してしまったりすることもあります(笑)」

Q:最後に宮崎県のファンのみなさんにひと言お願いします。

「太陽いっぱいあびて、いつも笑顔の宮崎の人大好きです。ライブの時もその明るさでよろしくお願いします」

 

エンディング・佐藤竹善

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends

M-18:「願いを込めて」
→佐藤竹善、松本圭司(Key)、ラムジー(Per)

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends

ENC:「生まれ来る子供達のために」
→左から:Skoop On Somebody、一青窈、松本圭司、佐藤竹善、秦 基博、多和田えみ、松田 弘、SOFFet、ラムジー

 

JOYFM 井上プロデューサー

URL:http://www.joyfm.co.jp/

JOYFM 25th Anniversary Special Live 佐藤竹善 with Friends・JOYFM 井上プロデューサー

Q:開局25周年ライブ制作のきっかけを教えてください。

「制作のきっかけは、弊社『株式会社エフエム宮崎(JOYFM)』の開局25周年記念行事のひとつとして、ラジオ番組の内部ではなく、ライブイベントを企画しようということからはじまったのですが、実は5年前の20周年記念のころから『リスナーのみなさんに良質な音楽をお届けしよう』という意識のもと、私達は様々な動きをしておりまして、この『宮崎ライブ』でしか聞くことのできない良質な音楽を『生』で聞いていただくため、20周年目となった2005年はコブクロ、鈴木雅之さん、佐藤竹善さん、Skoop On Somebody、河口恭吾さんにご協力いただき、また2回目の2008年は佐藤竹善さん、根本要 from STARDUST REVUE、Skoop On Somebody、馬場俊英さん、手嶌葵さん、福原美穂さん、塩谷哲さん、大儀見元さんにご協力いただき、この地でしか聞くことのできない、一夜限りのコラボレーションライブを行ってきたんです。そして今回がこのような(上記参照)メンバーが揃ったわけですが、これまでのメンバーのどこが共通しているかというと、みなさん本物の歌を聞かせてくれるヴォーカリストであり、意識的に良質な音楽をやっているということなんです」

Q:このライブの醍醐味はどのような部分ですか。

「なんといっても流行にとらわれない、この先5年後も、10年後も変わらぬスタイルで質を重視し歌いつづけているであろう、自分達の音楽にこだわりをもったアーティスト達を、生でコラボレーションさせたら、いったい何がおこるのだろう?おこらないはずはない!という部分だと思います。楽しみな部分としては、どのアーティストが誰と組んで、どんな楽曲を歌うのだろうかという部分でしょうね。例えば1回目の20周年では、鈴木雅之さんがコブクロと河口恭吾さんをバックにランナウェイを歌ったり……。それで何がおこったかというと、『これはおもしろい』と言った鈴木雅之さんが、その後、ラッツ&スターとゴスペラーズの選抜メンバーからなる『GOSPE★RATS』を結成したり、直接的ではなくとも、音楽業界の様々なところで、今回のようなコラボレーションがきっかけとなり、新しい何かが生まれるというのは、とても素晴らしいことですよね。そしてなにより、宮崎県のみなさんに、アーティスト達の化学反応が起こるその瞬間を目の当たりにできるというのが、大きな醍醐味ではないでしょうか」

Q:今回のインタビューでは特別に、出演者全員に「ラジオにまつわる思い出やエピソード」をお聞きしたのですが、井上さんには、ぜひラジオ制作者の立場から、今後ラジオをどう向き合っていきたいかをお伺いしたいと思います。

「ひとことにラジオ放送といってもいろいろあるじゃないですか。中波(AM)や短波、そして超短波(FM)など……。その中でも僕は『FM放送』にこだわっているんです。ラジオの役目として災害時の役割という側面はありますが、ここでは割愛させていただきます。防災とは別に、FM放送が発展していった背景に欠かせないのが、やはり音楽なんです。その音楽をどう広げていくか?というのがFMラジオだと思っています。そして広げる為にはどうすればいいのかというところで、今、我々FM番組の制作携わる人間が一番意識しなければならないのが『音楽を大切にする』ということだと思います。ラジオの放送形態に限らず、現在はテレビや新聞、雑誌等だけでなく、インターネットの普及により、パソコンや携帯といった、とても便利な端末が各人に行き渡り、ひとことに情報メディアといっても、実に多様化の一途を辿っています。そんな中、FM放送というメディアだからこそ、どのメディアよりも確実に実行できる『音楽を大切にする』ということを、番組制作の核として、今後もFM放送独自の進化をしていきたいと考えています」

Q:最後に宮崎県のFMファンのみなさんにひと言お願いします。

「今回ご協力いただきました関係者のみなさま、そして会場に足を運んでくださった音楽ファンのみなさま、このたびは誠にありがとうございました。この場をお借りして、御礼申し上げます」

 

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