村上”Ponta”秀一 presents 「WE THREE」ライブレポート
日本屈指のドラマー「村上”PONTA”秀一」が「PAナシ」の本格LIVEを、世界を舞台に活躍中のベーシスト「坂井紅介」と、ギブソン・ジャズギター・コンテスト優勝の経験をもつ若手ジャズギタリスト「小沼ようすけ」のトリオで延岡のCAFEにて開催!
2012年8月30日、宮崎県延岡市にあるカフェ&バー『SPOON CAFE』にて、日本屈指のジャズドラマー村上”Ponta”秀一氏のライブ・イベント「村上”Ponta”秀一 presents WE THREE Tour 2012」が行われた。
このライブのポイントは、村上”Ponta”秀一氏の「大ホールでは味わえないPAナシの『生音』『ダイナミズム』を体感してもらいたい!」との希望から、カフェの飲食フロアをステージとし、プレイヤーのまわりを観客が囲むという会場設定となったことである。
客席スペースの関係から、限定80席のみとなったが、一流プレイヤーのPAナシの演奏を、目と鼻の先で感じられるとあって、ライブ当日はカフェの外まで溢れんばかりの観客が詰めかけた。
今回のレポートでは、村上”Ponta”秀一氏のライブ後のインタビューを中心に、当日のライブ会場の様子を画像で振り返る。
出演
Dr. 村上 ”PONTA” 秀一
URL:http://www.ponta.bz/
Ba. 坂井紅介
URL:http://www.benisuke.com/
Gt. 小沼ようすけ
URL:http://www.yosukeonuma.com/
開催日日:2012年8月30日(木)
場所:SPOON CAFE (延岡市船倉町)
取材協力:株式会社 bloss
関連レポート:村上”Ponta”秀一「ドラムライブ in 延岡」
URL:http://www.pawanavi.com/?p=9060
会場紹介
SPOON CAFE
住所:宮崎県延岡市船倉町2-4-6
電話:0982-35-6812
PAナシならではのダイナミズムを体感してもらうことが主目的である今回のライブ。それだけに、観客との距離は近いというより、観客の中で演奏していると言ったほうがいいぐらい!開演前でも、そのセッティングを見ているだけで興奮の度合いが増してくる。
「ドラムの真後ろから、こんなに近くで見ることができるなんてめったにないことだよ!今日のお客さんはラッキーだな。なにせドラムの本当の生音は、演奏者と同じで後ろ側じゃないと聞くことができないからね!」
そんなライブ中のPonta氏によるMCが示すように、ファンのお目当てはまさにそのポジション!この日もドラムの後ろの席から順番に埋まっていったのはいうまでもない。
メンバープロフィール
Dr. 村上 ”PONTA” 秀一
1972年、フォーク・グループ“赤い鳥”に参加。以降、渡辺貞夫、山下洋輔、坂本龍一、後藤次利ら、超一流ミュージシャンとセッション、さらに井上陽水、吉田拓郎、山下達郎、松任谷由実、吉田美奈子、矢沢永吉、沢田研二、さだまさし、泉谷しげる、桑田佳祐、長渕剛、EPO、角松敏生、尾崎豊、など、膨大な数のミュージシャンのスタジオ・レコーディング、ライヴに参加。レコーディングはゆうに14,000曲を越える。
93年、自身初のリーダー・バンド“PONTA BOX”を結成、99年にはフジテレビ系「ニュースJAPAN JAZZ GIANTS」出演。また、同局『スーパーニュース』の音楽をPONTA BOXが担当し、03年4月よりフジテレビ系「堂本兄弟」第2期DOMOTO BROS.BANDとしてレギュラー出演。近年のリーダー・アルバムとしては、98年に音楽生活25周年を記念した『Welcome To My Life』、04年には30周年アルバム『MY PLEASURE』を発表。06年には、プログラミング音源に対してドラムでインター・プレイを試みた問題作『Rhythm Designer』が話題に。
昨年にはそのライヴ映像作品『Live! Rhythm Designer~Shuichi
“PONTA”Murakami Solo Performance 2006@青山円形劇場』も発表している。現在も、サウンド・プロデューサーとしてさまざまなアーティストと新たな音作りを続ける一方、ドラム・クリニックをはじめ、後進の育成、指導にも積極的に力を注ぐ。いちドラマーとしてだけでは捉えきれない高い音楽性と幅広い活動を繰り広げる、日本を代表するトップ・アーティストである。
(公式ホームページより)
URL:http://www.ponta.bz/
Ba. 坂井紅介
ハンク・ジョーンズ、ジョー・ヘンダーソン、ヘレン・メリル、ミッシェル・ルグラン、エグベルト・ジスモンチ、スティーブ・ガッド、日野元彦、など世界のジャズ界をリードするミュージシャンと共演。幅広い音楽性で多くのアーティストに招かれ、国内外のユニットに参加。演奏の場は米国や欧州だけでなく、アジア、アフリカにも及ぶ。
自己のグループで1993年より名古屋芸術創造センター、2000年にカザルスホールにおいてコンサート。作曲にも才を発揮し、映画、テレビ、舞踏、アーティストのCDに作編曲を提供するなど、活動範囲は広い。 1997年5月、全曲オリジナルのリーダーアルバム「TRIPトリップ」をリリース。現在、自己のグループやソロベース活動の他、井上淑彦fuse、土岐英史、などのステージで活躍。横浜在住。(公式ホームページより)
URL:http://www.benisuke.com/
Gt. 小沼ようすけ
1974年、秋田県出身。95年、ヘリテージ・ジャズギター・コンペティション世界大会で3位に輝いたのを皮切りに注目を集め、99年、ギブソン・ジャズ ギター・コンテストで優勝。2001年にアルバム『nu jazz』でデビューを果たす。以後、ソウルやR&Bの影響を受けたグルーヴ感あふれる独自のジャズを作り上げている。
06年より湘南の海辺に移住。サーフィンを楽しみながらギターを奏でる職住接近の毎日を送る。現在までに8枚のアルバムを発表。最近作はグオッカ・パーカッションとのコラボで話題 を呼んだ『Jam Ka』。2011年はアクアピットのギタリストとしても活動している。チャリティシングル『光 – Luz』がiTUNES他でダウンロード配信中。若手No.1の実力を持った最も期待されるジャズ・ギタリスト。(公式ホームページより)
URL:http://www.yosukeonuma.com/
ライブ風景
1:RAMBLIN’
2:Footprints
3:Goodbye Pork Pie Hat
4:Bésame mucho
5:Coffee Please
6:Stella By Starlight
7:MOONGLOW
8:Thelonious Monk Medley
アンコール:Love Me Tender
村上”Ponta”秀一 インタビュー
「最近は生音を知らない人が多い!だからこそPAナシならではのダイナミズムに触れて、生演奏本来の素晴らしさを体感してもらいたい!」
Q:今年の夏は雨が非常に多く、隣の大分県や熊本県では大雨による洪水などで大きな被害も出ていますが、九州各地の移動などは大丈夫でしたか?
「ほんとに九州は大変だったよね。大分県の日田市や大分市をまわってきたんだけど、竹田市の被害状況なんかを聞いていたから延岡は大丈夫かな?って心配したりもして……。でもこうして無事にライブをすることができてよかったよ」
Q:ちなみにPontaさんは、まだまだ震災の爪あとが色濃く残っている東北各地にもよく足を運ばれていますよね。
「そうだね、宮城県の石巻を中心によく行ってる。九州も水害による被災のその後、どうなってるかな〜って心配で、今回も高速道路を使わずに、ずっと下道を走ってあちこち見てまわったよ……。だからライブができる状況なのかが不安でね……。でも、自分達ができることは、来てくれたお客さん達に、たっぷりと音楽を楽しんでもらって明日への活力にしてもらうことだし、なにより延岡は久しぶりだから、ぜひとも演奏したかったから嬉しいね!」
Q:今回はCAFEでのライブとなりましたが……。
「このSPOON CAFEはね、いつも延岡でのライブが終わったあとに打ち上げで利用させてもらっていた店で、実は前回来たときに『ここで演奏したいな〜』なんて言ったのが、今回のライブのきっかけなんだよね!そんなことから延岡のblossさんに協力していただいて、今日実現することができました」
Q:Pontaさんといえば、国内外を問わず、様々な有名アーティストのサポートもされているので、ついドームや大きなホールでのライブを思い浮かべてしまうのですが、小さな会場でのライブを積極的に行うようになったのは最近ですか?
「そうだね、ここ数年かな?自分で今日みたいな規模の会場を選んで演奏しているよ。逆に大きなホールライブの依頼なんかよりも優先している感じだね」
Q:何故、小さな会場ばかりを選ばれるのですか?
「何故かと言えば、ぜひPAナシでプレイする『生音』を聴いて、生演奏本来のの素晴らしさを体感してもらいたいからなんです。現代はどこもかしこも音響設備がしっかりと整っていて、生の音を聞く機会があまりにも少なくなっていると思うんだよね……。生の音を知っている人自体が少なすぎ……。これでは、本当の生演奏の醍醐味を知っているとはいえないでしょ?生だと、会場の大きさや形、音の反響のしかたなどを考慮して、プレイヤーがダイナミズムを調整するんだけど、かと言って、音が細くなってしまったりなんて全然ないし、プレイヤーの表情やちょっとした体の動き、そういう部分も含めての演奏や音の広がりを空間全体から感じてもらうには、やはり小さいところでないと無理なんだよね」
Q:会場の設計の関係もあって、今日はドラムの真後ろから観客に見られる形とになりましたが……。
「通常のライブでは無いことなんだけど、とにかくドラムは手元や足先なんか、全部セットで隠れてしまうし、どうやって叩いてるのかな?なんて思っても、細かい部分まで見ることなんてできないんだよね。だから今日なんか、演奏の一部始終を見ることができるドラムの後ろに座っていた人たちはラッキーだったんじゃないかな?ドラム奏者って物凄く面白い体の動きするんだけど、それが一番感じられるのは、実は前ではなく後ろなんですよ。そしてなにより、ドラムの本当の生音って、演奏者と同じで後ろ側でしか聞くことができないからね!そんなこともあって、ソロライブの時は、360度ぐるりと客席がある青山円形劇場をわざわざ選んで演奏したりもするよ!面白いことに、ドラムの真後ろからチケットが売れていくんだよね」
Q:ちなみに今回のメンバーはどのようにして選出されたのですか?
「このメンバーはね、もう一年半前から頭にあったんだけど、もともと他の二人とは面識があって、同じステージに立ったりもしつつ、ただその時はもっと大人数の編成で……。でも、そんな中でも、頭の中ではこの二人の音が鳴っていて、一緒にこんな曲を演奏できればいいな〜みたいなアイデアも浮かんでいたんだよね。ただみんな忙しくて、このツアーでやっと実現させてもらいました」
Q:今後の予定を教えていただけますか?
「今、今回のメンバーがもっと進化できる形を考えていて、実際にいろいろと話を進めているところだから、また正式に決まればみなさんにむけても発表できると思います。その時はぜひ延岡にも足を運びたいと考えているのでよろしくお願いします」
ライブ終了後、お疲れのところありがとうございました。
会場周辺マップ