日之影町〜「TR鉄道跡地」散策コースと「列車の宿」
吾味駅から、八戸観音滝までの『TR鉄道跡地コース』(距離2.2km)を歩き、実際に高千穂線を走っていた列車を改装して宿泊施設とした『TR列車の宿』に泊まる!
今回ご紹介するのは、今春4月22日にオープンしました、【日之影町森林セラピー・TR鉄道跡地コース】と、【TR列車の宿】です。
TRとは、第三セクター高千穂鉄道株式会社の略称で、延岡市から、(旧)北方町、日之影町、高千穂町までの19駅を結ぶ、地元住民にとっては、とても大切な鉄道でした。また、新緑や紅葉の美しい山々、水面からの高さ日本一を誇る第1高千穂橋梁(高さ105m)や森に抱かれる八戸の観音滝。五ヶ瀬川やそれにかかる鮎やななど、四季折々の美しさや見所の多い、風光明媚な観光鉄道としても人気を博していました。
しかし、残念なことに、平成17年9月6日の台風14号により、壊滅的打撃を受け、平成20年12月28日には、全線廃止となりました。
日之影町では、平成20年に住民が主体となり、「高千穂鉄道跡地活用検討委員会」を設立しました。高千穂鉄道の歴史的遺産を継承しつつ、その跡地や施設を有効活用し、新たな観光名所を創造しようと話し合われてきました。そうして生まれたのが、吾味駅から、八戸観音滝までの『TR鉄道跡地コース』(距離2.2km)と、実際に高千穂線を走っていた列車「かりぼし」、「せいうん」の二両を改装して宿泊施設とした『TR列車の宿』です。
(レポート:藤木哲朗)
日之影町役場地域振興課
電話:0982-87-3910
FAX:0982-87-0918
森林セラピーロード・TR鉄道跡地散策コース
メルヘンチックな吾味駅が、スタート地点となります。
それでは、出発進行!
橋梁の上は、舗装されています。ここを列車が走っていたと思うと、不思議な感じです。
第3五ヶ瀬川橋梁。美しい造形ですね~。
八戸ダムのそばなので、水深も深そうです。
線路の向こうから、列車が走ってきそう。
天気もよく、緑も生き生きとしています。
足元を見れば可愛らしいお花。四季折々の花の線路もいいですね。
スタンドバイミーの世界です。
八戸ダムが見えてきました。
トンネルの中は、ひんやり。冒険心をくすぐられます
道下の八戸稲荷大明神に参拝。八戸の街に入ると、いったん車道に入ります。
八戸ダム。大きな鯉も住んでいます。
日向八戸駅前。車道部分が、以前は線路でした。右側がホームとなります。
次は、八戸観音滝を目指します。(ここは、スタートから約1km。ちょうど中間地点です)
線路は続くよ、どこまでも。
六月。田植えの季節ですね。
働き終えて。お疲れ様でした。
干しタケノコ。竹細工もさすが日之影です。暮らしの知恵ですね。何気なく干してるのが、カッコイイ!
終点まで、もうちょっと。
終点地点から見える八戸観音滝。列車がここを走るときは、観光案内が流れていたな~。
終点。ちょっと、観音滝まで、足を伸ばしてみます。
滝のしぶきが気持ち良い。まじかで見るとすごい迫力です。素敵な風が吹いています。
観音様の前の椿かな?滝の右側の岸壁にある祠に、観音様が祀ってあります。
まさに、パワースポット。洞窟の岩肌から、清水が湧き出ています。
写真を撮るのが憚られましたので、概観だけ。観音様がいらっしゃいました。
元気、元気!散歩中の中野照子さん。
中野照子さん(80歳)
天気のよい日に散歩します。この前は、「よっちみろ屋」まで、二時間半かけて歩きました。帰りは、バスで帰りました。80歳には見えないでしょ。日本舞踊をやりよるから、背中がしゃんとちしょると。また八戸に、遊びにいらして下さい。
若いときは、地元のタクシー会社で働いていました。甲斐敬喜さん。
甲斐敬喜さん(78歳)
昭和35年から、八戸で暮らしています。八戸大火の前の年からですね。集落の半分が延焼した、大変な火事でした。あの頃に比べて、今ではずいぶん、人も減りました。昔は、観音様の祭りも賑やかで参拝客など、とても多かったですよ。
台風災害で、鉄道が廃線になったのは残念でした。延岡や高千穂への買物に使っていましたし、孫の通学などが不安でした。今でも、やっぱりないと不便ですね。
でも、こうして手入れされたお陰で、足の運動にもなりますし、ダムとか山とか眺めて、一日が過ぎていきます。年寄りもよく歩いていますし、みんなに喜ばれていますよ。
TR列車の宿
今にも、走り出しそうな列車の宿です。
「せいうん号」と、「かりぼし号」が帰ってきました!
部屋によっては、運転席もまじかに見ることができます。
洗面台の向こうにも、列車。面白い光景です。
四人部屋。贅沢な、寝台列車のようです。
二人部屋。シンプルなつくり、カップルに最適ですね。
一人部屋。車窓の向こうは、五ヶ瀬川が流れています。
TR列車の宿ご予約
ひのかげ列車の宿有限責任事業組合
電話:0982-87-2600
FAX:0982-87-2605
部屋タイプ 宿泊料金
四人部屋(洋) 10,000円
二人部屋(洋) 6,000円
一人部屋(和) 3,500円
※ 食事料金、入浴料金は、含まれておりません。
隣接する日之影温泉駅内のレストラン・温泉のご利用をおすすめします。
日之影温泉駅(TR列車の宿)周辺マップ
日之影温泉駅
その名も、日之影温泉駅。一階が売店とレストラン、二階が温泉となっております。
地元の利用客も多いので、面白い話も聞けると思いますよ。
露天風呂からは、列車と五ヶ瀬川を眺めることができます。なんだか、贅沢な気分。
旅の疲れに、「癒しの足湯」。こちらは、無料で利用することができます。
日之影町役場にて、工藤係長。「みなさん、遊びに来てください!」
日之影町役場 地域振興課 工藤富士係長 (45歳)
高千穂鉄道には長い間お世話になってきました。誰もが深い思い入れを持っています。
今回、県の制度事業の採択を受け、4月22日に、「TR列車の宿」、併せて「癒しの足湯」、森林セラピーロード「TR鉄道跡地散策コース」をオープンすることができました。
「TR列車の宿」は、鹿児島県阿久根市にある、引退した寝台特急「なは」をリニューアルした宿泊施設「あくねツーリングSTAYtion」をヒントにしました。
家族旅行、個人旅行にも対応できるように、四人部屋、二人部屋、一人部屋をそれぞれ二部屋ずつ完備し、日之影温泉駅や、森林セラピーとの連携を進めています。
おかげさまで、高千穂鉄道の全国的な人気、森林セラピーへの取り組みも功を奏し、予想以上の人気です。これからも、心のよりどころとなるような場所をつくっていきたいと思いますので、多くの人に遊びに来てもらって、日之影町の自然と鉄道文化の素晴らしさを感じていただけたらと思います。