第1回「こどもフリーマーケットと遊びの広場」


投稿:2011.07.31
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延岡初(発)!こどもフリーマーケット!!大人の手はかりず、子ども達だけで販売と管理☆

こどもフリマ・イメージ

 2011年7月31日(日)、延岡市民体育館にて『こどもフリーマーケット』(主催:同実行委員会)が開催されました。
 この『こどもフリーマーケット』は、子ども会の活動の一環として、家で不要になったオモチャ・衣類・本などを集め、大人達の手は借りず全て子どもだけで販売(全品500円以下)をするフリーマーケットで、子ども達のコミュニケーション能力と判断力を高めることをはじめ、お金の大切さと管理、物を大切にする心、自律した親子関係の構築、さらに集団の中でのルールとの向き合いかたやリーダーの心得などを遊びを通じて体感し、自然に覚えていくことを目的としています。

こどもフリマ・全体イメージこどもフリマ・あそびの広場イメージ

第1回子ども会夏祭り「こどもフリーマーケットと遊びの広場」

開催日:2011年7月31日(日)
会場:延岡市民体育館
主催:こどもフリーマーケット実行委員会
共催:延岡市子ども会育成連絡協議会
後援:延岡市教育委員会

 

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会場の様子

こどもフリマ・外観こどもフリマ・会場イメージ

こどもフリマ・参加のこどもたちこどもフリマ・スタッフ

▲参加した子ども達とスタッフのみなさん(開会式より)

 

こどもフリーマーケット

こどもフリマ・イメージこどもフリマ・イメージ

こどもフリマ・イメージこどもフリマ・イメージ

 

遊びの広場

こどもフリマ・遊びの広場こどもフリマ・遊びの広場

こどもフリマ・遊びの広場こどもフリマ・遊びの広場

 

開会式で太鼓の演奏を披露した「巴塾」

こどもフリマ・和太鼓巴塾

 

こどもフリーマーケット開催のきっかけや目的、子ども会とは?

 子ども会は近所に住む年齢の違う子どもの”異年齢集団”。子ども達が集まって、お互いに協力し、助け合い、自分たちの力で目的に向かって前進し、自然な形で実社会の疑似体験ができるフリーマーケットが、子ども会活動の目指しているものにぴったり当てはまりました。

こどもフリマ・イメージ

 

お話:志道政彦さん(こどもフリーマーケット実行委員)

 

Q:今回の「こどもフリーマーケット」は、一般的に開催されているフリーマーケットに子どもが参加しているといったものではなく、「子ども会」活動の一環として企画・実施された、全国的にもめずらしいものだと伺いましたが、まず「子ども会」とはどのような活動をしている会なのですか。

「はい、子ども会活動は子どもの成長にとても重要な要素を持っています。子ども会は近所に住む年齢の違う子どもの集団”異年齢集団”なんです。この世の中でもっとも小さな社会で、子ども達はコミュニケーションや集団のルール、リーダーの心得などを”遊び”を通じて自然に覚えていくんです。これは学校ではなかなか体験できません。なぜなら学校は”子ども社会”ではないからです。集団は同年齢でまとめられ、ルールは全て先生(大人)が決めます。なのでそこには実社会のような能力や年齢の差による序列や、集団の中だけのルールが成立しないからです。最近の子どもが実社会に入ってからコミュニケーションが取れなかったり、社会のルールに馴染めなかったりという原因もこのような体験不足によるところがあるのかもしれません。そうしたルールやコミュニケーションを、大人から教わるのではなく、自分の力で感じとって、自分のなかで育てていくための環境づくりのサポートをする、それが子ども会の活動なんです」

こどもフリマ・会場の様子こどもフリマ・会場の様子

 

Q:子ども達も、やがてなんらかの形で地域と関わっていくことになると思いますが、ちなみに、子ども会活動と地域との関連性を教えていただけますか。

「まず子ども会は地域を活性化させます。そして子ども会活動では新入生の歓迎会やクリスマス会、卒業生のお別れ会などの行事のほかに、地区のお祭りや敬老会など、地域の行事にも参加します。そこで子どもたちが地域の方たちと触れ合うことで、地域が子育てに参加する環境ができます。少年教育には親や保護者といった”縦のつながり”と、親しい友達同士などの”横のつながり”のほかに、近所の人々や親戚達、あまり交流のない子ども達といった”斜めのつながり”が重要だといわれています。つまり、直接的な責任や関わりのない第三者からの評価が大切なのです。親以外の大人にほめられると子どもは自信を持ち、怒られると素直に反省します。初めてであった子どもと親しくなれたら心が温かくなり広がる感覚を覚えます。それらは、大人になる前に充分に経験しておかないと、第三者との関わりが単に驚きや恐怖だけのものになってしまい、その後もひきずってしまうんです。だからこそ順応性の高い子どもの時期に、積極的に第三者との関わりを経験することが重要なんです」

こどもフリマ・会場の様子

 

Q:「こどもフリーマーケット」は「子ども会活動」にぴったりの企画ですね!

「本当にぴったりだと思います。実際に”こどもフリーマーケット”に参加が決まると、子ども達は家で要らなくなったおもちゃや洋服を集めはじめました。そのなかには地域の人に回覧板で要らないものを募集して、子供たちが集めて回ったところもあったんです。つぎに、集まった”不用品”を、みんなが欲しくなるような”商品”に変える工夫をしなければならないのですが、子ども達はアイディアを出し合い、かわいいPOPや看板を作ったり、きれいな包装をしたりしつつ、第三者が納得する値段を付けなければなりません。”お客さんの気持ちになって子ども達だけで考える”この部分がとても重要なんです。これらの作業を子ども達が集まって、お互いに協力し、助け合い、自分たちの力でみんなの目的に向かって前進することが、子ども会活動の目指しているものにぴったり当てはまりました。さらに、延岡市内の子ども達が一堂に集まって、同じ目的のなかで交流をする。当然他の子ども会よりたくさん売りたいという競争心が芽生え、自然な形で実社会の疑似体験ができる。フリーマーケットは少人数でも参加でき、優劣はアイディア次第なので、少子化で加入者の少ない小さな子ども会でも十分楽しめるところも、今の子ども会に合っていると言えます」

こどもフリマ・会場の様子

 

Q:なんでも「子ども会」が地域を巻き込んだ形で「こどもフリーマーケット」を開催するのは、全国でも例がないとお聞きしましたが、開催に至るきっかけなどを教えてもらえませんか。

「昨年の7月、友人との世間話で”子ども会単位で参加できる面白い行事”という話題になり、友人から何気なく出たこの”こどもフリーマーケット”というアイディアに、私は鳥肌が立つ思いでした。子ども会活動に必要なものが凝縮されているだけでなく、実は”こどもフリーマーケット”は、企業や一般が主催するものは別として、地域を巻き込んだ子ども会レベルでの開催となると、県内はもちろん全国のどの子ども会でも、まだ前例がありませんでした。どこかの地域で開催していてもおかしくないような内容なんですけれど、これが不思議なことにないんですよ……。だからこそ”延岡から全国に向けて発信”という意味も込めてどうにか開催したいという気持ちになりました。もちろん不安もありましたが、”失敗も勉強!経験は糧となりノウハウは次の世代に引き継がれる”と自分に言い聞かせ前進しました。ちなみにその時の友人との会話で上がったのが次のような内容でした……」

1・商品集めや値段決め、お店の装飾など、子ども主体の活動が実践できる 。
2・お金や人数が少なくても、工夫次第で楽しい活動ができる。
3・商品提供や公民館使用など、地域の方の協力で活動の輪がさらに広がる。
4・衣類やおもちゃなど不要になった商品が集めやすく、お客さんも同年代。
5・市内の子ども会が集まれば規模の大きなフリーマーケットが開催できる。
6・子ども会同士の交流の輪も格段に広がる。
7・フリマの売り上げで、以後の子ども会活動が充実する。

こどもフリマ・会場の様子

 

Q:それほどコンテンツが充実しているのに、過去にどの地域でも「子ども会」レベルで開催をしてこなかったというのは、なにか大きなハードルがあったのでは?

「やはりお金、現金を子どもだけで第三者とやりとりするということが一番の問題ですね……。でも、逆にいえばそれこそが大きな意味に繋がるんですけどね……。友人と話した後、正確には昨年8月です。”延岡市子ども会育成連絡協議会(通称:延子連)”に働きかけ開催を検討しました。そこでまず出てきた問題は、やはり、子どもだけでお金を扱うことについての危険性でした。フリーマーケットの開催場所といえば、商店街の広場や公園など、多くの人々が自由に行き来できるところが一般的なのですが、しかし、誰でも自由に出入できる街角などでは、そのぶん監視の目も充分に行き届きません……。最終的に何かの金銭的トラブルに子ども達が巻き込まれてイヤな思いをさせてしまうようでは開催の意味がなくなってしまいますからね……。かといって、そこに大人が必要以上に介入してくるようでは、同じように意味がなくなってしまうんです。あくまでも子ども達がどれだけ自分の力を発揮できるかが重要ですからね!」

こどもフリマ・作業様子こどもフリマ・作業様子

 

Q:現金を扱い、第三者とやりとりをすることへの監視の目はもちろんですが、保護者としても、手は出さなくとも自分の子どもの動きは気になるところですよね……。場所選びが最大のポイントなんですね?

「そうなんです。スタッフ側の監視のしやすさと、近寄って手出しできなくとも、どうしても子どもを見ていたい保護者達が最低限満足できるような、そんな都合の良い場所がないかと考え、そこで出たのが”延岡市民体育館”での開催でした。”延岡市民体育館”であれば、出入口が限られているので安全面も確保できる上に、舞台上から監視もできるうえに、2階にはギャラリー席があるので保護者の方も、遠くから安心して子ども達を見守ることができます」

こどもフリマ・会場風景

 

Q:場所とくれば次は開催日ですよね!

「日程に関しては、本番だけでなく準備を含め、やはり子ども達が集まりやすい夏休みが良いということになり、お盆前の日曜日に決まりました。都合のいいことに、延岡市民体育館は昨年から冷房設備が整ったので真夏でも快適に開催できます。次々に課題をクリアし、”延子連”でも開催が決まり、後は順調に進んでいくと思えましたが、現実はそんなに簡単ではありませんでした……」

こどもフリマ・会場風景こどもフリマ・会場風景

 

Q:場所や日程のほかに、どのような問題が発生したのですか。

「今お話ししたことはあくまで理論上の話で、内容的に見れば是非やるべきものであるのも、誰にだって理解できると思います。しかし、こういう日程でこの場所でこんな風にやれば必ずうまくできます!ということがわかったとしても、それは全て”できたらいいよね〜”という話しに過ぎないんです……。なんといっても実践するのは各地区の子ども会と子ども達です。毎年のことながら、すでに様々な年間行事が決まっているなか、新たにこの活動を子ども会で取り入れることは保護者の方や役員の方への負担を増やすことになります。子どものために良いこととは分かっていても、いざ自分の子ども会でやるとなると、内容のよさよりも新たな負担増への不安のほうが大きく、反応はこちらが思っていたのとは裏腹に、残念ながら冷ややかでした……」

こどもフリマ・会場風景

 

Q:開催に向けてどのような手をうたれたのですか。

「そこで、昨年10月から3ヶ月かけて、各地区の子ども会の育成会長(保護者の会長)に資料を配り、説明会をしてきましたが”翌年度の行事なため自分たちでは決められない”という意見が大半で、思うように周知はすすみませんでしたね……。そのまま月日だけがどんどん流れ、年度も変わり、最後のチャンスは各地区の子ども会の新しい育成会長が集まる5月1日の”延子連”の総会でのPRしかありません!この日、様々な重要な議題があったのですが、”延子連”の高橋会長は”こどもフリーマーケット”を今年の最重要課題として会長自ら事業の説明と参加の呼びかけをしてくれました。その後も機会があるたびに育成会長に参加を呼びかけ、なんとか17子ども会23店の参加が集まり、いよいよ7月31日に向けて本格的な準備が始まりました」

こどもフリマ・会場風景

 

Q:開催当日のご感想をお聞かせください。

「本番当日、朝から子ども達がかわいい商品や飾り付けを持って会場に集まってきました。よく見ると子ども達が折り紙で作ったリボンや自分で書いたイラストやポップなど、何度も集まって準備をしてきた様子が伺えるものがあちこちにあります。保護者の方に聞くと、夏休みに入って毎日公民館に集まってみんなで勉強した後に準備をしたとのことでした。お店作りが終わると会場は予想以上に華やかになり、子どもたちの顔にも笑顔と少しの緊張感が見え始めました。このとき、会場はお客さんが入れないように全ての入口をふさいでいたため、いったいどれくらいの子どもがきているのかも分からなかったんですが、フリーマーケット開店のアナウンスで開いた入場ゲートからたくさんの子ども達が続々と会場内に入ってくる光景は、全ての不安を打ち消してくれました。売り場で見せる子どもの顔はみんな笑顔で、商品が売れたときの誇らしげで満足げな顔は普段では見ることのできない顔です」

こどもフリマ・会場風景

 

Q:最後に参加した子ども達にむけてひと言お願いします。

「地域のつながりが希薄になり、コミュニケーションをうまく取れない子どもが増えている今、子ども会活動が見直されようとしています。子ども会を経験した子ども達が大人になったとき、きっと地域のお祭りや行事、そこにすむ人たち、そして子ども達を大事に守ってくれる人に成長してくれると信じています。これからもこの日の経験を忘れずに、自分の力を信じ感性を磨き上げていってくださいね!」


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