和カフェ&食雑貨〜理庵(りあん)
「重要伝統的建造物保存地区」に指定されている美々津町に、170年前に建てられた商家を利用しカフェをオープン☆
お仕事や家事に追われ”なんとなく”毎日があわただしく過ぎ去り、知らないうちに様々なストレスを溜め込んでしまっている事って多いですよね・・・。いくら自然が豊富な宮崎とはいっても、上手くガス抜きをしていかないとストレスはたまっていくもの……。「最近ちょっとしたことでイライラするのよね〜」とか「微妙に疲れてるみたい……」なんて感じてはいませんか?でも、そんな忙しい方達にも、ごくたまに、ポッカリと時間が空いてしまうことがあるはず!それでも”無理矢理”残った仕事を詰め込もうとするのは心と体によくないですよ!少しの時間でかまいません、ちょっと長めの休憩をとるつもりでリフレッシュしてみてはいかがでしょうか?
そこで今回のグルメレポートでご紹介するのは、日頃の疲れを忘れさせてくれるレトロな雰囲気の町並みが今でも残っている「重要伝統的建造物保存地区」に指定されている美々津町(日向市)に今年(2007年)の4月に新しくオープンした、和カフェ&食雑貨「理庵(りあん)」さんです☆天保7年(1836年/約170年前)に建てられたという、大変貴重な商家の中には、オーナーが選んだ、食に関する色とりどりの雑貨が並べられ、さらにそれらの雑貨に囲まれながら、名物「京風・蒸し寿司」や、オーナー手造りの甘味を楽しむことができます。美しい美々津の町並みを見学し、障子から差し込む日本ならでは柔らかな光に包まれ、ホッと一息つくだけで、少しだけ心にゆとりができるかもしれませんよ・・・。
(レポート:中本望美)
和カフェ&食雑貨〜理庵
住所:宮崎県日向市美々津町3316
電話:0982-58-1088
営業時間:11:00〜18:00
定休日:月曜・火曜
店舗周辺マップ
店舗紹介
国道10号線から美々津町の「重要伝統的建造物保存地区」に入り、二番目の小道を左に曲がると、まるで映画に出てきそうな、趣のある”のれん”と”縁側”が目に映ります(画像参照)。そこが「理庵」さん!
この地区では二番目に古い商家というこちらの建物は、天保7年(1836年)に建てられたという、大変貴重なもの。しかし、170年もたっいるとは思えないほど、とても綺麗にお手入れされています。
のれんをくぐってすぐに目に留まるのは、とても大きな革張りの「アンティークかばん」(下)。100年以上前の貴重品で、船乗りが実際につかっていたものなのだそうです。その上にディスプレイされている黒い箱は、年代モノの日本の漆ぬり「お弁当箱」(下)。昔の方は、とてもおしゃれなお弁当箱をつかっていらっしゃったのですね〜しかし、かなり貴重な年代モノの玄関口に“ポン”とおかれているのですが・・・いいのでしょうか・・・と余計な心配をしてしまいました^_^;
こちらのランプシェード(下)は、オーナー自身が手作りされたもの。また店内の中央にあるシャンデリア(下)は、大正時代のものなんだそうです(*_*)!
そして外からの太陽の光をあたたかく、やさしいものに変えてくれる障子。こちらは、明治時代のものなんだとか。
明るく笑顔で説明してくださるオーナーですが、お話を聞けば聞くほど勝手に触ってはいけない気分になってしまう私でした ^_^;
雑貨紹介
さて、靴を脱いでお座敷にあがると、食に関する雑貨が色とりどりに並べられています。もちろん値札のついているものは全て購入できます。焼き物の中でも一際目にとまる、美しい赤の食器。なんと日本製ではなく、イタリア製の人気シリーズなんです。
オーブンや直火でもOKなので、調理したそのままの形で食卓で頂くことが出来るおしゃれな土鍋!シチューやカレーはもちろん、和風の鍋料理にもいかがでしょうか?また焼酎や日本酒の片口椀とおちょこのセットかとも思える器も同様にイタリア製。きっと一味ちがうワインを飲めるのでは?もちろん、お洒落に焼酎をいただくのもいいかも☆他にも手作り木製の漆器や焼き物、フランスの伝統的なブランド「Emile Henry」の食器もあり、世界の食に関するモノが並んでいるんですよ♪
京風 蒸し寿司 700円
(小鉢、お吸い物、お茶)
蓋を開けると、ほかほかの湯気が立ち上がり、中には彩りのよいお寿司(*^_^*)早速頂きます☆蒸したてあつあつのお寿司を頬張ると、上品なあまずっぱさが口の中に広がります。このようなお寿司を頂くことはよくあるのですが、蒸して食べるのは初めて!京都では熱々で食べるそうですよ。
そしてこのほんのり甘く、ピンク色がきれいな「桜でんぶ」はオーナーの手作り!魚を蒸して、ひとつひとつ小骨をとり、丁寧にすり鉢ですられているのでかなり手がかかっているのですが、そのおかげでふわふわで気持ちのいい甘さなのです♪
「昆布豆」は始めから大豆を水につけてもどし、ゆっくり炊き上げられます。甘すぎず、大豆本来の歯ごたえとうまみが感じられます。こちらもかなり時間がかかってそう(*_*)!そして「しらすのお吸い物」は美しい輪島お椀で楽しみます。このお椀はとても古いものだそうですが、目立つ傷や色あせもなく、丁寧に扱われていたことが分かります。深みのある色が年代を感じさせてくれ、見ているだけで心が穏やかになります(^_^)
「心が穏やか」といえば「ロータスティー」。はすの葉のお茶で、体を通り抜けるようなさっぱりとした香りが印象的。気分をリフレッシュさせてくれます。この急須やお湯飲みもやはり古いものだそうで、見た目はかわいらしいのですが、手に取るとずっしり重く、堂々とした姿に、おもわず魅せられてしまいます。
黒ごまプリン 400円
(抹茶orコーヒー付のセットは650円)
和テイストたっぷり!黒ごま風味で上品な甘さのやさしいプリン。もちろんオーナーの手造りです。また”きなこ”好きな方にピッタリな「きなこプリン」もあります。
抹茶 300円
食後に、そして甘味のお供にいかがでしょうか?とっても爽やかな気分になれますよ☆何気に使われていたお盆は艶と繊細な色が美しい伝統工芸・春慶塗。
手描きのメニュー表
島津 理オーナー
島津オーナーは、もともと国家公務員として東京でお仕事されていたそうですが、家業を継ぐため故郷である延岡へ帰り、その後は多方面に渡り会社経営をされていたそうです。毎日スーツを着てネクタイを締め、1年中休まず全国各地を飛び回わる・・・。その忙しさは、お話を聞くだけで「よく倒れませんでしたね・・・」とつぶやいてしまった程。体に溜まるストレスたるや想像を絶するものがあった事でしょう・・・。そんなことから島津オーナーは、60歳を過ぎ、退職を機に180度違う第二の人生を送りたいと この「理庵」をオープンされたそうです。
先ほどいただいた、美味しい手造りメニューの話になり、過去のお仕事(料理関係ではなかったので)と料理の関係について伺ってみたところ、特別、料理の修行を経験した事はないそうですが、仕事柄、全国各地を飛び回るうちに、様々な郷土料理や名物甘味を食してきたことで、自然に「美味しいもの」や「気持ちいい空間」を感じる心が出来上がったのでは?と語ってくださいました。また店内の雰囲気やメニューから伺える、やさしい色彩感覚も、過去にご自身がどう癒されたのか?という経験が元になっているようです。また、店舗内で扱われている食器や名器は、代々ご実家に伝わっていたものや、趣味で集めていたものおしみなく使っているそうで、私などは「もったいない・・・」なんて思ってしまいますが、島津オーナーにしてみれば、そんな器の事よりもお客様の笑顔のほうが何倍も大切なようです。
ありがとうございました
レトロな町並みと、風情ある建物のなかで、現代の忙しさを忘れさせてくれる「理庵」さん。 おいしい物をいただきながら聞くオーナーの経験談も、ある意味「違う世界」を提供してくれ、頑張るエキスをたっぷり与えてくださいます。
そして、直ぐ1本前の通りには、『アジアン雑貨&カフェ 民(min)』さんもあるので、興味のある方は、そちらも合わせて足を運んでみてくださいね。