元祖チキン南蛮の『直ちゃん』
昭和30年代から変わらぬ味が魅力☆宮崎名物「チキン南蛮」発祥の店として知られる「直ちゃん」☆人気の秘密は、タルタル無しの「直ちゃん特製タレ」に有り!
今回の南国グルメレポートは延岡で「元祖チキン南蛮!」といえばもうお馴染みとなっております「直ちゃん」にやってまいりました。以前パワナビでもチキン南蛮特集などで取材したことはあるのですが、それ以外のメニューなど詳しくレポートしたことはありませんでした。
しかし、最近県外の方からも「チキン南蛮」についてのお問い合わせなどがよくありまして、中でも「元祖」と言われる「直ちゃん」についての質問等がありま したので、この機会にレポートさせていただきました。そして今回のレポーターは地元延岡出身のキヨミさん(下)です!
キヨミさん自身も最近知人から元祖チキン南蛮の「直ちゃん」について、いろいろ質問があったそうですが、地元ながらまだ食べたことがないということなので、今日はしっかりと情報を入手していただき、ぜひ県内外に「元祖チキン南蛮」を広めていただきたいと思います。さらにその他の人気メニューもしっかりレポートいたしましたので要チェックですよ!
(レポート:甲斐英利、モデル:キヨミさん)
チキン南蛮 直ちゃん
住所:宮崎県延岡市栄町7-12
TEL:0982-32-2052
営業時間:11:00~14:30、17:00~21:00
定休日:毎週火曜日
駐車場:有り
直ちゃんの駐車場は店舗向かいの1・2番です
店舗周辺マップ
直ちゃん」のチキン南蛮が「元祖」といわれるわけは?
さて、こちら「直ちゃん」のチキン南蛮が「元祖」といわれるわけはといいますと、現在の「直ちゃん」の顔となっております後藤浩一さん(下画像)の父親であり先代である、直(なおし)さんが、昭和30年代後半にアジの南蛮漬けをヒントに考案したそうです。残念ながら直さんは20年前に亡くなったそうですが、その味を浩一さんがそのまま受け継ぎ今日に至っているそうです。
現在、宮崎で最もポピュラーなチキン南蛮には全てタルタルソースがかかっていますが、「直ちゃん」のチキン南蛮にはタルタルソースはかかっていません・・・。実は先代の直さんがチキン南蛮を考案した際に、試食した当時の料理人仲間達がこの味に共感し直さんのチキン南蛮をアレンジしたものが一般的になっていったようです。
とはいえ、「直ちゃん」がチキン南蛮発生の地というのは中々知られていません。浩一さんいわく「特にウチが元祖です!なんてキャッチはどうでもいい事なんですよ。なんだかんだいっても結局美味しくなければお客さんはきてくれませんから・・・元祖より大切なのは味を落とさないことなんです。」と、昭和の味をしっかり守りつづけています。
「直ちゃん特製タレ」 店舗にて420円で販売
そんな歴史のある「直ちゃん特製タレ(左)」も店舗にて¥420で購入できます。一本づつ手作りということもあって、本数には限りがあるのですが、この「タレ」が人気で、様々なお料理の隠し味や、サラダなどにも使われているそうです。そして「直ちゃん」のメニュー(右)にはカロリーなどを記載した成分表示があります。これもちょっとした心づかいですね!
チキン南蛮 単品 550円 お持ち帰りOK!
「油の温度管理が重要です!」という、直ちゃん名物の「チキン南蛮」は単品でのお持ち帰りもできます!なんといっても、このチキン南蛮は「直ちゃん」だけでしかあじわえません!薄めのサクサクコロモと宮崎県産の鶏、そしてサッパリ系の特製タレでいただくチキン南蛮はちょっとクセになります。
その他の食材も宮崎県産のものばかり!そんな「直ちゃん」を目当てにわざわざ県外から足を運ばれる方が多いのも一度食べればうなずけます。「連休の時なんか県外の人でいっぱいですよ!」と、既に宮崎の顔の一端を担っているようです。
このチキン南蛮だけでなく、これからご紹介するメニューには全て熱心なファンがついていて、宮崎を通り過ぎるだけ!という時も必ず行きと帰りに立ち寄る方も多いそうです。カロリーのほうも表示しておきましたのでよろしくです(笑)。
チキン南蛮定食 850円 (808Kcal)
それでは早速、そのチキン南蛮を食べてみましょう!初「直ちゃん」のキヨミさんいかがですか?
キヨミ:「この薄めのコロモのサクサク感が気持ちイイです!コロモの厚さと鶏肉の厚さが絶妙です。優しい酸味の特製タレもスッキリしているからタップリつけてもしつこくないです☆とにかくスッゴクご飯が食べたくなる!」
鶏もも焼定食 1,150円 (1056Kcal)
続いて、こんがり焦げ目が魅力の「鶏もも焼定食」!かなりのボリュームでキャベツがついています。
キヨミ:「皮のカリカリと塩コショウでしっかり味付けしてあるジューシーな肉汁に包まれた柔らかい鶏もも肉……!すいませ~んビールください☆絶対に骨のまわりに残った肉も食べ残さないでくださいね!」
鶏串焼定食 750円 (799Kcal)
こちらの鶏串焼ですが、なんと大阪から頻繁に食べにこられる大ファンがいらっしゃるそうです!さてお味のほうは……。
キヨミ:「塩で味つけしてあるだけのようですが、タマネギと一緒に食べると、なんともいえない微妙な甘しょっぱさが口の中に広がって、まるでタレでもかかっているようです。裏技として、直ちゃん特製タレをつけて食べると2度美味しいです。とにかくご飯もう一杯ください(苦笑)」
鶏もも焼タタキ風定食 950円 (817Kcal)
せんぎりキャベツとアサツキが清々しいタタキ風!なんとも凄い枚数ですが!
キヨミ:「このピリ辛感がたまんない!すいませ~ん焼酎ください(笑)。タタキ風ということで、生っぽさは全然ないのでとても食べやすいです。味付けはサッパリしてますけど、とてもジューシーですよ!これはおつまみに最適!また夜にきます☆」
スタッフのお昼ご飯 まかない用 カレー味チキン南蛮が……
そして最後に裏ネタを一つ・・・、実はこちらのカレー味のチキン南蛮はメニューにはないスタッフのための「まかない料理」なんです。取材中あまりに香ばしい香りがするので「美味しそうですね・・・」というと「じゃちょっとだけね!・・・でもメニューにはないから何時でも作れるものじゃないよ!」そう言われるとますます気になりますよね!
さて、試食した感想はといいますと……。これはワザワザ書くまでもございません……。とりあえずパワナビ取材班からは「絶対にメニューに加えるべきだ!」と強く言っておきましたが、もしかしてタイミングがあえば特別に作ってくれるかもしれません……。どうしても興味のある方は直接「お願い作って~!」と言ってみてください。運がよければ食べることができると思います。
店主・後藤浩一さん
宮崎を代表するチキン南蛮の発祥の地「直ちゃん」。先代から今も変わらぬ味を守りつづける浩一さんは「特に店に対するこだわりなんてありませんよ!あるのは遠方から、そして昔から何度も足を運ばれるリピーターのみなさんに、先代が創り上げた変わらぬ味を提供するだけです。」とおっしゃいますが、これ自体充分こだわりのように思えます。みなさんもぜひ一度、「直ちゃん」に足を運んでみてください。
磨き続けて40年、元祖チキン南蛮は延岡の文化
(文:松田秀人 / 2007年10月追記)
タルタルソースを使わない元祖チキン南蛮の命は40年以上前に開発された秘伝の南蛮ダレ。流行や時代の変化に流されることなく愛され続けるこの味は延岡の文化と呼べる。
カラッと揚がったチキン南蛮に、自家製の南蛮ダレをサッとかけ、香り付けに季節の柑橘系をひとふりする。「とにかくうちはチキン南蛮一筋だから、このくらいの変化をつけて季節を感じてもらわなきゃ」と店主・後藤浩一さんは笑顔を浮かべる。香ばしいチキン南蛮と爽やかな香りが直ちゃんのカウンターいっぱいに広がる。
「おまちどうさま」とお盆に乗った定食が差し出される。チキン南蛮の特徴である、こってりとしたタルタルソースは見当たらない。それどころか目の前に置かれた「元祖チキン南蛮」からは、清々しさが感じられる。もちろん味も最高。絶妙な衣の加減は特出ものだし、気持ちいい酸味が印象的な「南蛮ダレ」はまさに絶品と呼べる。
40年以上続く南蛮ダレが命
チキン南蛮を開発したのは店主・後藤浩一さんの父親、故・後藤 直(なおし)さんである。昭和30年代後半に考案したそうだが、なんといっても苦労したのは「南蛮ダレ」の開発だったという。もともとタルタルソースという発想はなかったのだから、この「南蛮ダレ」こそ「直ちゃんの命」といえる。
「親父が残してくれた自家製の南蛮ダレの味は最高。やっぱり、うちのチキン南蛮はシンプルなだけにタレの味は重要ですから。40年が過ぎ平成になった今でも個人的にはこれ以上美味い南蛮ダレはないと思っています」と後藤浩一さんは語ってくれた。確かに平成生まれの子ども達が喜ぶ顔を見れば納得できる。
価値が出るまで磨き続ける
とにかく昼夜関係なくお店はお客さんでいっぱい。後藤さんは大忙しである。一息ついたのを見計らって「やっぱり価値があるものには人が集まってきますね」と何気なく話してみた。すると「とはいっても父親の代から40年以上もここでチキン南蛮をつくり続けているのですから、たいそうな時間が掛かっていますよ。でもね価値あるものだと信じて来れたからこそ磨き続け、守り続けようと思う事が出来たのです。これも父親のおかげ、感謝していますよ。せっかくの宝が錆びてしまわないように、しっかりと磨き続けます」と笑顔を絶やさない。
愛され、そして育まれ
宮崎が全国に誇れるメニューチキン南蛮の開発者、後藤 直(なおし)さんは確かに偉大だ。しかし、それを価値あるものと信じ、独自のスタイルを守り続けたご家族や、その味を愛し続けた延岡人達も同様に素敵ではないだろうか。文化は、愛され、そして育まれ、時間をかけて、少しづつ出来上がって行くもの。決して流行ではない。