「ZAZA」 GLASS WORKS & GALERIE SALON
住宅用窓枠などのインテリア作品から、ピアスやネックレスといった小さなアクセサリー類までを「日常生活に溶け込むステンドグラス」をテーマに表現する「ZAZA」南阿蘇工房&熊本分室サロン。
森に囲まれた静かな空間を求め、熊本市中心部から南阿蘇へ10年前に移住された「ZAZA」代表の塩田鈴子さん。移住後「住宅や日常の風景にステンドグラスを取り入れることが提案できる場所」としてオープンさせたのがこちらのステンドグラス工房『ZAZA GLASS WORKS』です。
工房にはオリジナルのスタンド照明やランプシェード、窓枠などのインテリア作品から身にまとうアクセサリー雑貨など、さまざまな形のステンドグラスが並び、工房を彩っています。
塩田さんは、以前に最新式の設備が整った近代的住宅メーカーをはじめ、欧風様式の自然派住宅メーカーなど、建築やインテリアに関係したお仕事をされており、住まいと日常の関連性には人一倍関心が強く、常に「日常生活の彩り方」について考えることが多かったそうです。
住宅メーカーから独立した理由を塩田さんはこう語ります。
「住まいと仕事を同じ空間で営むライフスタイルを実践しながら、人生で一番長い時間を費やす空間を一番居心地の良い場所に磨き上げる意味を見出し、結果的にそこから、世界にひとつだけの本当の価値観が導き出され、最高の人生を得られることを体感できると思ったからです」
今回のレポートでは、多くの人の生活空間に夢や価値観を与え、わくわく感が絶えない日常の演出を提案する『ZAZA GLASS WORKS』工房と、工房から卒業して新たにギャラリーを熊本市内に設けた『ZAZA GALERIE SALON』をまとめてご紹介します☆
(レポート:中本望美)
ZAZA GLASS WORKS
住所:熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽4773-2
電話・FAX:0967-65-5777
営業時間: 10:00〜夕方
定休日:火曜・水曜
駐車場: あり
URL:http://www.zaza5.com/
ZAZA GALERIE SALON
住所:熊本県熊本市中央区城東町5-42パレイシャル生駒309
電話:090-7299-2371
営業時間: 11:00〜18:00
定休日:木曜
駐車場:なし(近隣のパーキングをご利用ください)
URL:http://www.zaza-galerie.com/
道案内と周辺マップ
ZAZA GLASS WORKS
店舗紹介
四季折々に表情を変える草花や木々が茂る広い敷地にひっそりと自宅兼工房が佇んでいます。レトロな瓦屋根と白い壁、真っ青なドアが目印です。
ガーデンに足を踏み入れると、緑深いガーデンや、玄関へと続くレンガ造りのスロープが織り成す景色が、まるでヨーロッパの古民家に訪れたかのような雰囲気です。また、苑内のあちらこちらには鉄でできたユニークなオブジェがたくさんありました。(鉄製オブジェについては後記参照)
▲代表の塩田鈴子さん(画像右)
工房は自宅の一角にあり、大きなパネルやシンプルなスタイルの小振りな雑貨、室内照明など、さまざまな形とカラーの作品があちらこちらに散りばめられています。こちらの工房では、おもに住宅の壁やドアに設置する「パネル」が製作されています。卓上のカラー見本だけでなく、世界各国にある数多のガラス見本から色やガラスの質感を選び、思い描くデザインを造り上げます。
中でも、素材が異なる「クリアガラス」を組み合わせたシンプルなトーンの作品が印象的でした。
▲塩田さんご本人と、8月から熊本市内でZAZAの分室をオープンされたお嬢様の高野裕子さんが手掛けた雑貨。(分室については後記でご紹介します)
モノトーン系が好きな方は、色よりも素材の質感を楽しむ「クリアガラス作品」がおすすめ!写真やカード類をはじめ、小さな観葉植物を飾ったり、使い方は様々。主役の色合いやデザインを害することなく、さり気なく総合的な質感をアップさせてくれるのが嬉しいですね。
塩田さんが25年かけてコツコツと集めた古木やアンティークレンガなどを用いて建てられた自宅兼工房は、ヨーロッパの郊外にある古民家のような雰囲気です。アンティーク家具がもつ空気感と、ご自身のステンドグラスの作品が相まって歴史を感じさせるような温かい空間となっています。
ちなみに、ブルーの玄関ドアはイギリスのアンティーク家具で、塩田さんが一目惚れして購入したも。ちなみに、はめ込まれたステンドグラス(上画像)はそのドアに予めセットされていたものなのだそう。長い年月を経ても色褪せることのないデザインとカラーはステンドグラスの大きな魅力です。
照明のフードは、シンプルで小ぶりなデザインからカラフルで大きなサイズまで好みや予算に合わせて製作可能とのこと。ガラスサンプルから選ぶことも可能ですが、あまりの多さにデザインの焦点がぼやけてしまう方も多いため、作品の大小に関わらず、依頼される作品のコンセプトをクリアにする、初期段階の打ち合わせがもっとも大切なのだそうです。
▲東京で活躍する塩田さんのお嬢様でステンドグラスアクセサリーブランド「doro」のアイテムは、細工が細やかでシンプルなデザインが特徴。また、カラフルな「キャンドル」は、空間のアクセントにぴったり☆
▲照明は天井用だけでなく、卓上照明もあり。さまざまなスタイルでオーダー可能です。
天井照明(画像)27,000円前後の作品
卓上照明(画像)57,000円の作品(ベース込)
▲鉄職人「ZUBE(ずべ)さん」こと藤本髙廣さん(ガーデンに飾られている鉄製オブジェを手掛けたアーティスト)の作品。(後記参照)
ちなみに、卓上スタンドのベースは、こちらの鉄職人「ZUBE(ずべ)さん」に依頼したZAZAオリジナルなのだそうです。
▲教会のキャンドルホルダー。グラスを通すことで表情が変化する光が暮らしに彩りを添えます。キャンドルだけでなく、お気に入りの雑貨や観葉植物を飾ってもおしゃれ!小さい雑貨などは約1,000円〜販売されています。
▲写真立てやオーナメントなどの比較的細工が少ないものは、ステンドグラスワークショップにおいて自分で制作することが可能!
以前はこちらのワークショップをカップルで体験され、そのちょうど一年後に結婚を決められたということで、工房で写真の前撮りロケをされたこともあったのだそう!他にも定期的に通われる方や家族旅行として訪れる方もいらっしゃるのだとか。
【ワークショップ】(予約制・2名様〜)
・初回 3,500円(クロスオーナメントなどの小物雑貨)
・2回目以降 4,000円〜(鏡や立体的な雑貨)
その他、制作内容にて相談可。
▲四角のベースはペン立てやフラワースタンド、カードケースとしてもおすすめ!
▲住宅用パネルのサンプル。暮らしの中に溶け込みながらワンランクアップした空間を希望される方はぜひご検討ください☆好みや雰囲気に合わせてどんな形にも造り上げられます。
▲自宅兼打ち合わせスペース。レンガの壁や石を積み上げた柱など、住宅建築デザインの参考になるようなポイントがたくさんあります♪
▲塩田さんが集めた古材を再利用した階段。ステップは片方だけ打ち付けて、安定させるためにアイアン材を使用しているとのこと。古材とアイアンの材質がマッチしていて、見ているだけでとてもワクワクする遊び心がいっぱい詰まっています♪
「ZUBE(ずべ)さん」こと藤本髙廣氏の作品
熊本県菊池郡に「JUNK ART STUDIO ZUUN」のZUBE(ずべ)さんこと藤本高廣さんは、鉄製のユニークな動物などのオブジェや雑貨だけでなく、バイクや機械などのパーツを利用して巨大なオブジェをつくり、個人の展示会などの開くなどして、全国でも知られる鉄廃材のアーティスト。イベントや展示会などで知り合ったことから、オブジェや住宅雑貨などでコラボレーションし、オリジナル作品を生み出しているのだそう。
インタビュー ZAZA GLASS WORKS 代表 塩田鈴子さん
ステンドグラスを日常空間にさり気なく取り入れることで、住宅を引き立て、毎日の暮らしがワンランクアップしたように感じられる。そんな日々を積み上げていけるような暮らしのデザインを提案していきたい。
Q:オープンされたのはいつですか?
「ちょうど10年になります。今年は10周年のイベントを企画しようかと考えています」
Q:それまでは何を?
「住宅メーカーに努めていました。最初はシステマチックで便利な近代的住宅関係で、アンティークや古材などに全く興味ありませんでした。その後に欧風住宅やアンティークを扱う会社にうつり、そこで古き良きモノやステンドグラスに魅了されました」
Q:どうしてステンドグラスだけを扱う工房をオープンしたのですか?
「ステンドグラスの仕上がりは、ガラスの種類によってだけでなく、ガラスの中にある気泡や模様でもデザインや光の通し方がかわります。同じように作ったとしても全く同じものには絶対にならないんです。そんな『世界にひとつだけ』という特別感を暮らしの中に溶け込ませたかったからです」
Q:現在は塩田さんお一人で作業を?
「はい、7月まで同居していた娘が制作スタッフとして工房を一緒に運営し、東京で活動する娘のス テンドグラスアクセサリー『doro』のブランドを取り扱っていたのですが、8月から同居していた娘がこちらを卒業し、熊本市内で分室をオープンしました。ですから現在は私ひとりでコツコツと作業しています。娘に作業を頼っていた部分も大きかったので、今は初心に戻ってオープン当時を思い出しながら制作に没頭しています」
Q:活動をしていて一番印象深いことは?
「印象に残っている……。といいますか、完成品をお客様にお見せする瞬間が一番緊張します。完成品を見た瞬間に笑顔になるのか、眉をひそめられるのか……。今でもその瞬間が一番ドキドキします」
Q:これからやってみたいことは?
「これまで繋がってきた同じような価値観をもつアーティストとコラボレーションしながら、新しい事を提案できるようなイベントやワークショップを行ってみたいと思います」
お忙しい中、ありがとうございました。
続いては、熊本市内にオープンしたZAZAの分室「ZAZA GALERIE SALON(ギャルリサロン)をご紹介いたします。
ZAZA GALERIE SALON
熊本市中央区の上通アーケードすぐ近くにあるマンションの一室をアンティーク調にリノベーションし、ZAZAのサロン&ギャラリーとして2015年8月1日にオープンしました。南阿蘇工房の代表である塩田鈴子さんのお嬢様でいらっしゃる高野裕子さんが代表となり制作活動をされています。
ZAZA GALERIE SALON
住所:熊本県熊本市中央区城東町5-42パレイシャル生駒309
電話:090-7299-2371
営業時間: 11:00〜18:00
定休日:木曜
駐車場:なし(近隣のパーキングをご利用ください)
URL:http://www.zaza-galerie.com/
南阿蘇にある素朴で温かみのある工房とは全く異なった雰囲気になっており、むき出しのコンクリート壁、シックなアンティーク家具が織り成すシンプルでスタイリッシュな造りです。
代表の高野裕子さん自身がシンプルが好みだということもあり、カラフルなデザインは少なく、形のどこかにカラーをスパイスとして取り入れているようなシンプルでクールな印象の作品が多く並んでいます。
サロンには、一般的なカラフルなデザインは少なく、形のどこかにカラーをスパイスとして取り入れているだけのシンプルでスタイリッシュな印象の作品が多く並んでいます。
・キャンドルスタンド 1,944円(込)
最近では、特に「クリアガラス」にこだわり、まっさらな透明なガラスだけでシンプルの極限を追求した作品や、クリアな中でも異なる模様の素材を組み合わせた作品などが展示・販売されています。テラリウムは水を張って切り花をいけると、華やかさが増して違う表情を魅せてくれそうです。一輪挿しはペン立てやドライフラワーのディスプレイにもぴったり。
□ハンギング 3,780円(込)〜
□クリアトレイ 3,456円(込)〜
□一輪挿し 約2,000円〜
※素材や大きさによって価格がかわります
ステンドグラスアクセサリー『doro』の作品
『doro』オーナー・デザイナーの塩田青衣さんは、もともとアパレル企業につとめ、ファッションデザインの活動をされていたことを活かし、「ファッションにステンドグラスを取り入れる」というテーマでステンドグラスアクセサリーを制作されています。作品のひとつひとつが繊細なデザインがされており、どれも全て手作業でつくり上げるのだそうです。
□リボンペンダント(左画像)
・レッド7,020円(込)/クリア7,344円(込)/ブルー12,960円(込)
□リボン指輪 7,344円(込)
□ブローチ 約4000円〜
※素材や大きさによって価格がかわります
□ピアス 片方約2,000円〜
※素材や大きさによって価格がかわります
□オーナメント壁掛クロス
・大 5,184円(込)/ 小 4,104円(込)
インタビュー 代表・高野裕子さん
どんなスタイルの住宅、ファッションにも溶け込める色合いとデザインにこだわり、ステンドグラスを身近に感じてもらえる作品を提案したい
Q:サロンを開くきっかけは?
「南阿蘇の工房には熊本市内はもとより、県内外から多くの方に足を運んでいただきました。緑が深くて美しい場所なのですが、立地的にわざわざ足を運んでもらわなければならず、『お手軽感』が少ないと感じていました。せっかく日常に溶け込めるようなステンドグラスを提案したくても、身構えて訪れる所よりも、『ショッピングついでに立ち寄れる場所にあるほうが喜ばれるのでは?』と考え、熊本市内に分室を設けることにしました」
Q:オープンされて間もないですが、今の感想は?
「南阿蘇の工房でお世話になっていたお客様や、その方々のつながりで市内の方がお買い物ついでに足を運んで下さっています。南阿蘇の雰囲気とは違う作品が多いので、驚かれる方もいらっしゃいます」
Q:こちらではワークショップはされていますか?
「現在はまだできていないのですが、これからワークショップを定期的に行いたいと考えています」
Q:これからやってみたいことは?
「いろいろなスタイルのステンドグラスを身近に取り入れてもらえるような作品づくりと提案ができるようにスキルアップしたいです。また東京で活躍する姉が手掛けるファッションブランドも合わせて取り扱っていきたいと考えています」
お忙しい中、ありがとうございました。