パティスリー&カフェ「モン・ペシェ・ミニヨン」
異なる素材が共鳴しあう甘さのシンフォニー!カロリー控え目な無添加オリジナルスイーツに目がキラッ☆
先日、「高森に一風変わった手作りスイーツが並ぶお店がある」……との噂を耳にし、早速、実際に食した事のある方に感想を聞いてみると……「カロリー控え目で無添加なのに、しっかりと甘味があって、しかも今までに感じたことのない不思議な奥深さと味の広がりがあるから、何かに例えたり比べたりすることができない……。とにかく食べてみなければ分からないから行ってごらん!」」との答えがかえってきました……。それってどういう意味だろう?? 単に珍しい素材を使用しているだけとは思えないし、奇をてらった変わり種ということでもなさそう……。
ということで、その「一風変わった味」を体感するべく、カメラとメモ帳をもって出発! 向かった先は、熊本県高森町にあるケーキショップ『パティスリー&カフェ モン・ペシェ・ミニヨン』(pattisserie&CAFE mon peche mignon)!
ショーケースの中には色とりどりの手作りケーキが並んでおり、ガトーショコラやチーズケーキなどの定番ケーキの他は、異素材が幾重にも重なり合った独創的なスタイルが目を惹きます!
「高森町にはケーキショップが少ないので、ここを訪れてくれる人が少しでも楽しみにして頂ける様、常に味や食感を進化させることを心がけ、その日の仕入れによりケーキの種類も変わります」と語るのはオーナーの田代郁子さん。
今回のレポートでは『mon peche mignon』イチ押しのラインナップをはじめ、他では味わえない味の秘密を、田代オーナーのお話しを交えご紹介いたします!
(レポート:中本望美)
パティスリー&カフェ モン・ペシェ・ミニヨン
住所:熊本県阿蘇郡高森町高森2021-5
電話:0967-62-0324(FAX同じ)
営業時間:11:00から(無くなり次第終了)
定休日:日曜日・水曜日
道案内〜南阿蘇鉄道高森線「高森駅」のすぐそば!
▲国道325号線から高森駅方面へ。高森中学校前にあるオレンジ色の看板が目印です。
▲延岡方面からの景色(左) 『高森』交差点が目印です(右)
▲阿蘇方面からの景色(左) 『高森』交差点の風景(右)
▲高森駅からお越しの方はこちら☆
▲高森駅を背にしてすぐの交差点を左折すると、左手にお店が見えきます。
周辺マップ
店舗紹介〜イートインスペース有り!
絵本の中から飛び出したかのような、メルヘンチックなレンガ造りの外観が印象的!店内に入ると、ショーケースの中には様々なタイプのケーキが並べられ、さらに奥には、買ったケーキをその場で食べられる「イートインスペース」があります。
▲イートインスペース(左)
▲ガーデンを眺めながら食べられるテラスもあります♪
地元アーティスト達の作品が並ぶ
店内の棚には、高森町在住の布小物やビーズアクセサリー等を手がける作家達の作品が並べられ、ケーキや焼き菓子と相俟って、かわいらしさと温かみが増しています!
▲ポーランドのリネンバッグ。使えば使うほど、洗えば洗うほど柔らかさが増して表情が豊かになっていきます♪
ガラス鉄 造形工房 平井聡典(ひらいそうてん)
▲たまたま取材中に「看板のケア」に来られた、看板制作者の『ガラス鉄 造形工房 平井聡典(ひらいそうてん)』の作家『平井聡(ひらい そう)』さんご夫妻。たとえ看板といえど、作家にとっては愛情込めて誕生させた『子ども達』なので、このように定期的に見て回り、掃除やメンテナンスなどのケアをしているのだそうです。素敵♪
▲作家の平井聡さん(ガラス鉄 造形工房 平井聡典(ひらいそうてん)の作品。
ガラス鉄 造形工房 平井聡典(ひらいそうてん)
作家:平井 聡(ひらい そう)
住所:熊本県阿蘇郡高森町上色見2602-1
ブログ:http://soutens.exblog.jp/
ショートケーキ各種300円!
子ども達でも計算がしやすいようにと、値段を「ケーキ300円」「焼き菓子120円」に統一!
もちろんすべて手作り!季節だけでなく、その日の仕入れによって扱う素材が異なるため、毎日ショーケースの内容が変わっているという、ケーキショップではめずらしいスタイル☆
「日本料理屋さんのように、仕入れ状況による日替わり手作りケーキを継続するのは、かなり大変なことではありませんか?」という質問に対し、「今日はどんなケーキと出会えるのかな?とお客様が楽しみをもってお店を訪れてもらえるように!」と田代オーナー。
パワナビいちおし☆ケーキ紹介
色彩豊かな異素材を、順番にこだわり丁寧に幾層にも積み上げ「新しい味を創造」するオリジナルスタイルはまさにシンフォニー♪♪ しかもうれしい『甘さひかえめ』☆
名前未定(近日中に商品として登場!
一目では分かりませんが、ベリー系の甘酸っぱいムース数種を基本として、ホワイトチョコ、ダマンド生地、ブラウンチョコなどを間に挟み込んで8層も積み重ね、さまざまな食感と味を一体化させた贅沢な一品!断層がにじむ事なくはっきりと表現するこの技は、オーナーの田代さんが最も得意とする技法で、その集大成とも言える作品がこちら!ひとくちだけででしゅわっと甘酸っぱさが口の中に広がり、後に続けて甘さとチョコのコクを感じつつ、最後に残ったナッツを歯でしっかり噛み締めるという一連の流れが計算された芸術品のようです。
トマトの夏ゼリー
地元高森のトマト農家から仕入れた甘味の濃いトマトを、皮をむいてそのまま丸ごと閉じ込めた夏を感じさせるゼリー。細かく刻まれたミントの風味が、よりいっそう爽快感を演出しています。仕入れたトマトの種類によって、黄色やグリーンなどの色違いトマトゼリーも登場するそうですよ!
ショコラシトロン
チョコのビスキュイにチョコムースとレモンのムースを重ね、トップには定番の生クリームではなく、自家製のミントゼリーをまとわせたオリジナルスタイル。あっさり感と食べやすさだけでなくカロリーがグッと抑えられているのが魅力の1つ。各々のムースが「チョコのこく」と「レモンの酸味」を活かしたスイーツとして確立されていますが、この相反する特徴を合わせることで、これまでに経験した事のない新感覚の風味を楽しめます!
抹茶(まっちゃ)
選りすぐりの「大粒あずき」と「抹茶」のトッピングが印象的な和風スイーツ!その色彩からも「抹茶」が惜しみなくふんだんに使用されているのがよくわかります。ひとくち食べると、まず、点てたばかりの抹茶の様な柔らかな香りが体中を駆け抜け、その次に、なめらかな生クリームが抹茶の渋みを和らげ舌を包み、そのあとにきび砂糖で整えられたやさしい甘さがじんわりと広がります。そんな「大人な和スイーツ」ですが、意外にも「子ども達にリピーターが多い」のだとか!抹茶好きの方はもとより、和風スイーツが苦手だと感じている方にも一度は試していただきたいムースです。
南阿蘇ロール フルーツ 1本1,000円
人気のケーキ紹介☆
▲ブラック&ホワイト(左)
ブラウンチョコとホワイトチョコを合わせながら、デザインも味もシンプルに「チョコレート」を表現。紅茶やブラックコーヒーとの相性が抜群です!
▲ひのしずくタルトショコラ(右)
手作りの無添加タルトに、チョコレートにダマンド生地や自家製ラズベリージャムを積み上げ、最後に、この次期限定の「ひのしずく」という熊本のブランドイチゴをがたっぷり乗せた、とても華やかなケーキ!ピスタチオをトッピングして、食感にアクセントをプラス。細部にもこだわりを感じます。
▲いちごとレモンのピールをつかったムース(左)
春が旬のイチゴ果汁を惜しみなく使った甘みと酸味のあるイチゴムースと、イチゴとは違った酸味をもつレモンムースがマッチ!自家製レモンピールがほどよい食感を残しています。初夏の爽やかさを感じさせます。
▲スリー(右)
レモンと白ワインのムース。白ワインのほのかな香りとぶどうの甘み、そしてレモンの酸味がしっかりと感じられる、どことなく貴婦人をイメージさせる大人好みスイーツ。時折顔をのぞかせるカッティングフルーツが新しいハーモニーを生み出しています。
▲クレームブリュレ(左)
生クリームと卵黄のみ、さらに厳選した香りの高いバニラビーンズを「さや」から削りだして出来たクレームブリュレの骨頂とも言える仕上がり。店内のラインナップの中ではめずらしく濃厚さにインパクトを感じます。
▲りんごのタルト(右)
自家製タルトにダマンド生地、自家製アプリコットジャム、そして生のリンゴを酸化しない様にコーティングして合わせ、リンゴの甘みを大切にした無添加で体に優しいタルトです。
▲クラシックショコラ(左)
ケーキショップの定番!しかし、ここではベーキングパウダー無しで、純正ココアとチョコをふんだんに使用した「ショコラ=チョコレート」の意味を追求した伝統的なスタイルが用いられています。冷蔵庫から出して常温にするか、レンジで20秒ほど温めると、さらにチョコレートが柔らかくなり、甘い香りとふわっとした食感を楽しめます。ブラックコーヒーがお好きな方は、ぜひ一緒にご賞味ください!
▲豆乳ブランマンジェ(右)
牛乳ではなく地元のお豆腐屋さんの豆乳を使ったヘルシーなブランマンジェ。とろっとしたなめらかさとイチゴの酸味が相性抜群です!
両方ともベースとなるシュー生地に、フランス製の「ゲランド」というミネラル豊富な岩塩を使い、生地をそのまま食べてもクッキーのような焼き菓子感覚で食べられるだけでなく、さらにクリームと一緒に頬張れるように、口溶けの食感を重視しています。また、カスタードクリームには、「さや」から削りだしたばかりのバニラビーンズを使用。見た目はシンプルながら、食べた後の満足感はかなりのものです!
マカロン・焼き菓子・パン
マカロン/焼き菓子 各種1つ120円
▲マカロン10種(左)
(チョコ・抹茶・カフェ・レモン・オレンジ・木いちご・ごま・ピスタチオ・キャラメル・ブルーベリー)
▲焼き菓子(右)
「脱酸素材」などの添加物を入れず、「体に優しく安心」という基本コンセプトを追求し、バターや卵の風味を重視した濃厚なクッキーから、逆に乳製品を使わないアレルゲン対策のシンプルクッキーまで幅広く揃えられています。
つめあわせは予算に応じて、大・小さまざまな形の箱あり!
毎週火曜・木曜日にご両親が経営するペンションから届く手作りパン
オーナーの田代郁子さんの作品
20数年に渡りつくり続けたバラエティーにとんだオーダーメイド作品の数々!中には、生クリームやフルーツが苦手な方もいらっしゃるので、トッピングにマカロンを使ったり、チョコのみにしたり、体質や希望を細かく聞いてデザインしているのだそうです!現在もバースデーやウエディングなど記念イベントでの注文を受け付けているとの事☆
アントルメ価格表
12cm 2,000円/15cm 2,500円/18cm 3,500円/21cm 4,700円/24cm 5,800円
パーティサイズ 23×27cm 7,500円/35×40cm 12,000円
ショコラ・ベイクドチーズ 18cmのみ 3,500円
上記以外にも、サイズや素材のリクエストなど、可能な限り要望にお応え頂けますよ♪ご希望の方は、ぜひお早めにご相談くださいね☆
インタビュー~オーナー・田代郁子さん
自分なりのチョイスでオリジナルを創造することが何と言っても楽しい!だからうちのケーキは日々変化し進化していきます。
Q:オープンまでの経緯を教えてください。
「2007年2月にオープンして、5年をすぎたところです。最初は子どもが小さかった事もあり、ケーキの注文を受けて販売するだけでしたが、のちに近くのスーパーのショーケースに置かせて頂けるというお話があり、そのスペースで販売していました。しかし、自分のお店を持ちたいという夢が膨らみ、子ども達をはじめ家族の理解を得て、店舗運営勉強のために、福岡のケーキショップに1年間勤めました。そして、ようやく現在のお店をオープンしました」
Q:どうしてパティシェを目指したのですか。
「福岡に住んでいた20歳のころに、苦手なお菓子作りを克服したくてケーキ教室に通い始めたのですが、粉の配合や生クリームの泡立て方、素材の性質でいろんな表現が出来ることが楽しくなり、難しい工程や細かい作業も全く苦にならなかったので『これは天職に違いない』と感じました。もちろん『お菓子づくりは楽しいけれど仕事にはしたくない』という方もたくさんいらっしゃると思いますが、私は、楽しいだけでなく、『自分の培った技術やアイデアを人に伝えて行きたい!』との思いが強かったので、どうしてもパティシエになりたかったのです」
Q:『mon peche mignon(モン ペシェ ミニヨン)という名前の由来は?
「フランス語で『私のお気に入り』という意味です。ここのケーキを食べた方の『お気に入り』になってもらえるようなお菓子を作って行きたいという思いを込めて名付けました。また、『peche mignon』には『小さな罪』という意味もあるんです。家族が理解してくれているとは言え、私のわがままで始めたことなので、隠れた意味合いとしては私にぴったりだと思っています(笑)」
Q:ケーキ作りに対するコンセプトを教えてください。
「コンセプトは、『お母さんが作った安心でおいしいケーキ』です。結婚して自分に子どもが出来てからは、特に健康を気にする様になり、添加物を使わずに体に安心な素材だけでケーキやパンを焼き、自家製ジャムやピールを添えて食べさせていました。何より、フルーツを豪華にトッピングしたり、抹茶や純正ココアのような高価な素材を惜しみなく使ったり、一般的に店舗経営の理由で叶わないことも、家庭では自分の希望とする味や形を作る事が出来ますよね!そのような意味から、『安心安全で、素材を惜しみなく使ったお母さんが作るケーキ』をお客様に楽しんで頂けるよう、日々コンセプトを忘れぬよう心がけています」
Q:カロリー控え目なところが嬉しいです!
「基本的にケーキは甘くてカロリーが高いことから、健康志向の方々から敬遠されがちなところがありますよね……。しかし、お誕生日や記念日、お土産やプレゼントなど、ケーキは生活を彩るのに欠かせないものだといいうのも事実ではないでしょうか?もちろん『基本的に甘いものが苦手』という方も少なくありません……。だからカロリーを気にせず、気兼ねなくケーキが食べられる様に、生地にもクリームにも砂糖も極限まで抑えてあっさり感を持たせつつ、デザート感覚を損なわない様にバランスを取っています。嬉しいことに『ここのケーキならワンホール全部食べられる』とか『甘いものは苦手だけど、ここのケーキは大丈夫』というお声をたくさんいただき、それが理由でわざわざ県外から足を運んでくださるリピーターさんも多いんですよ!」
Q:お店の運営で心がけている事は何ですか。
「ここ高森町は大きな街ではありませんので、もともとケーキショップが少なく、そのせいか?やはり地元のお客様と身近なケーキショップに若干距離があるような気がします。だから地元の方々にも興味をもっていただき、一度足を運ばれた方が、また立ち寄ってみたいと思えるよう、できる限り毎日違う種類のケーキがショーケースに並ぶよう心がけています。季節ごとの素材を使ったものから、定番のものまでいろいろありますが、旬のものでもイチゴやサクランボ、ブルーベリーなどなど数ある素材から少しずつトッピングを変えてみたり、異素材を合わせたり……。さらに定番のものは、『ここのケーキが一番』と言われるように『究極』を追求しています。全て1人で作業しているので、商品の入れ替えに手間がかかることがありますが、このショーケースを覗いてみるたびに新しい発見があるような、わくわく感を持ってお店に足を運んでもらえるように努力しています。また、子ども達のお小遣いでも購入出来る様に、価格帯もできるだけ安く設定し、計算しやすい様に『ショートケーキは300円』『クッキーは120円』で統一しています」
Q:仕事を通じ、嬉しいと思う時はどんな時ですか。
「自分がイメージしたものが形となって出来上がり、それを食べて頂いた方が『おいしい』と喜んで下さることです。フルーツ、チョコ、野菜、粉、卵などの全ての食材を掛け合わせてムースやスポンジ生地、ダマンド生地といったいろんな味や食感を生み出し、さらに積み上げたり、トッピングしたりすることで出来上がる表情は計り知れません。その中から自分なりのチョイスでオリジナルを創造することが何と言っても楽しいですね。もちろん生地を重ねる順番やそれぞれの厚みなどを変化させることで、口の中で感じる印象が全く違ってきたりしますし……。だから、うちのケーキは私のアイデアや試行錯誤の加減で日々変化し進化していきます(笑)!そんなところは他のショップと比べると、独特かもしれませんね」
Q:これからの目標があれば教えて下さい。
「やってみたいことは山の様にあるのですが、まずは『お母さんの作る安心でおいしいケーキ』を広めて行きたいので『ケーキ教室』をしたいですね。その過程で後継者が育ってくれたらうれしいです。他にも、安心な素材で作ったタルトや生地、クリームやムースなど、それぞれ『パーツ』のようなスタイルで個別販売するのも面白そうですね。好きなパーツだけを集めて、自分のオリジナルケーキを作ったり、『親子クッキング』の材料になったり……。今は自分1人で作る事から販売まで行っているためできる事が限られていますが、少しずつ叶えて行きたいと思っています」
お忙しい中、ありがとうございました。
取材を終えて
冒頭に登場した「一風変わった」という感想は、決して奇をてらったものというのではなく、やさしい母親目線の、安心安全・無添加のカロリー控え目なスイーツという側面と、厳しい職人としてのオリジナル性へのこだわりが掛け合わさり、試行錯誤を繰り返し日々進化を続けるていうがゆえの伝えにくさという結論に達しました。
「食べてみなければ分からない」ケーキを求めて、みなさんも一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか♪