ヘアメイクアップアーティスト『寺本 剛』
スタイリングがよくても、髪そのものが健康でいきいきしていなければ意味がない。僕は根本的に美しい髪をつくる手助けがしたいんです。
「頭皮と顔は一枚皮」という独自の美髪美肌理論を提唱し、サロンワークから海外CM出演、さらに著書出版と多方面で活躍している世界的メイクアップアーティスト寺本 剛。
もともときめ細やかなサロンワークに定評があった彼が、自身の活動の幅を飛躍的に広げるきっかけとなったのは、2006年の『花王アジエンス』海外CM出演である(翌年以降も同CMシリーズには毎年出演)。さらに2007年には著書『美髪ヘアサプリ 』(講談社)を発表。同書では美容業界で注目されていた『頭皮ケア』を一般人向けにわかりやすく解説し反響を呼ぶ。
以後、彼の名前は世界的なものになり、日々のサロンワークをこなしつつ、雑誌やCMの撮影に立ち会う傍ら、EXILE、COLORといった大物アーティストのヘアメイクなども手がけ、さらにイベントや講演、テレビ、ラジオなどに参加・出演し、時間を惜しまず精力的な活動を展開している。
また2008年秋には寺本氏プロデュースにより、自身が提唱する「頭皮と顔は一枚皮」のイメージを見事に商品化。ブランド名を『KAMIKESHO / 髪化粧』とし、頭皮洗浄をコントロールしつつ、美しく清潔で健康的な頭皮と髪をつくりあげる効果をサポートする『プレシャンプー』が注目を集めている。
(画像は公式ホームページより抜粋)
そこで今回のインタビューでは、多方面に渡る仕事をこなし、多忙な日々をおくっている寺本氏がヘアメイクアップアーティストになった直接のきっかけをはじめ、印象に残っている出来事や、自身が「原点」と呼ぶ「サロンワーク」へのこだわりなどを詳しく語ってもらい、彼の人間像に迫ってみた。
インタビューの中で「今後の目標は?」という質問に対し、「様々な活動はしてるものの、やはり自分の原点はサロンワークにあります」とした上で、「僕のもとに足を運んでくださる身近なお客様達を今まで以上に大切にすること。それが当面の目標です」と笑顔で語ってくれた寺本氏。
きっと世界の大舞台を経験している彼が掲げる目標にしては「身近なお客様を……」はあまりにも謙虚に聞こえるかもしれない。しかし彼はそのことを、どんなに大きな舞台よりも真っ先に、そして本気で考えている。
(取材・文:松田秀人)
寺本 剛