その後の高千穂線〜全19駅めぐりの旅
平成17年の台風14号による被災の影響から廃線が決まった高千穂線(高千穂鉄道株式会社)。その後の各駅を散策しつつ「亀ヶ崎駅」「影待駅」に置かれた訪問者ノートに書き込みをした。
ところでみなさんは、平成17年の被災(台風14号)以前に高千穂線(高千穂鉄道株式会社)に乗ったことがありますか?五ヶ瀬川沿いを走り、峡谷を越え、大自然の中を駆け抜けるあの高千穂線です!なにを隠そう高千穂町在住の私は、子供のころから高千穂線に乗っていたのですが、ゆっくりと風景が楽しめる日中ではなく、不思議と真っ暗な夜に乗るのが好きでした。何故かといえば、それはまさにマンガ「銀河鉄道999」の世界だったからです。静かな暗闇の中を走る列車は、まるで宇宙を旅しているようであり、無人の駅におり立つ人々は宇宙を旅する異星人のように映りました。しかし残念ながら被災から2年が過ぎた現在、私が好きだった高千穂線沿線の駅や線路には雑草がいっぱいで、中には、ホームまでたどり着くのが困難なところもあります。たとえば「亀ヶ崎駅」「影待駅」がそれにあたるのですが、雑草をかき分け、ただでさえ急な坂道を足場を確保しつつ歩を進めなければホームにたどりつかないのです。子どもの頃のように「夜が楽しい」なんて言ってる場合ではありません……。
でも、そんな両駅には訪問者ノートが設けられ、雨風で劣化しないよう、きちんとビニール製のケースに入れられベンチの上にそっと置かれていると聞きました。その駅に思いをよせ、どうにかたどりついた人達だけが手にする事ができるノートなのです。ただ私自身、噂は聞けども、実際にそのノートには触れたことがなかったので、できれば現地に行って、そのノートに書き込みがしたいと思っていました。なにせ何十年もお世話になった高千穂線ですから、訪問者ノートに名前を書き連ねておかねば、後から後悔しそうです・・・。そこで、その2冊のノートがある駅に行くついでに思い出深い高千穂線の現状を知るため「どうせなら全駅を見てみよう!」と思い立ち、パワナビの松田氏を誘い、『高千穂線・駅めぐりの旅』に出かけました。ちなみに延岡駅~高千穂駅間には19の駅があります。中には、荒れ果てた駅とは正反対に、今でもしっかりと人の手が入れられ、管理されている駅もありましたし、逆にやけに自然と同化し、馴染んでいる駅もありました(苦笑)。知っているようで知らない駅も多数あり、高千穂線は通っていなくとも、とても新鮮な旅となりました。今回は写真中心のレポートになっていますので、延岡駅から順番に「高千穂線・駅めぐりの旅」をお楽しみ下さい。
(撮影:松田秀人、藤木テツロー 文章:藤木テツロー)
高千穂線駅名 延岡→高千穂
(※マークはノートの駅)
延岡駅→西延岡駅→行縢駅→細見駅→日向岡元駅→吐合駅→曽木駅→川水流駅→上崎駅→早日渡駅→「※亀ヶ崎駅」→槇峰駅→日向八戸駅→吾味駅→日之影温泉駅→「※影待駅」→深角駅→天岩戸駅→高千穂駅