尾鈴山瀑布群 〜 滝めぐり
大小30以上もある美しい滝の数々を、森林浴を兼ね1日かけてまわるのが気持ちいい都農町の『尾鈴山瀑布群』。日本の滝百選に選ばれた「矢研の滝」をはじめ、高さ75mの「白滝」など、散策がてら10箇所をめぐる!
JR都農駅の南側を通り日向灘に流れ込む名貫川の上流にある『尾鈴山瀑布群』。尾鈴山県立自然公園内ということもあり、登山・キャンプをはじめ様々な楽しみ方があるが、なんといっても大小30以上もある美しい滝の数々を森林浴を兼ね1日かけてまわるのが気持ちいい。滝の種類も豊富で、家族で水遊びができるようなスペースがある小さくて流れの緩やかななものから、断崖を勢いよく滑り落ちる落差70m以上もある大きなものまでバラエティーにとんでいる。中でも日本の滝百選に選ばれている『矢研の滝』(左)はその美しい景観もさることながら、滝へのアクセスもいい(キャンプ場から片道約20分)ため人気である。
この日もたくさんの観光客が滝つぼまで足を運んでいた。また駐車場から山道(遊歩道)を5.3km(片道約2時間)も歩かなければならないが、高さが75mもあり、尾鈴山瀑布群の中では最も落差のある滝のひとつである『白滝』(右)は実にダイナミックで、頭上から降り注ぐ水しぶきがなんとも気持ちいい。
そんなことからできれば全ての滝をゆっくり見学したいところだが、とても1日ではまわることができない(それほど多い)ので、今回は遊歩道が整っており、ある程度楽に歩く事ができ(といってもアップダウンはある)、比較的安全な場所から見ることのできる滝を10箇所、『矢研の滝』『白滝』を押さえつつ、1日(9:30〜16:30)かけてゆっくりとまわってみた。とても暑い日だったが全体的に心地よい涼しさを感じられるポイントがとても多かったのが印象的だった。
(レポート:松田秀人、甲斐英利、オオタヒサヤ)
山と滝とくだものの町「都農町」ホームページ
URL:http://www.town.tsuno.miyazaki.jp/
尾鈴山瀑布群周辺マップ
尾鈴山までのルート
都農町内ドライブマップ
→国道10号線→県道40号線→県道307号線→第1駐車場→第2駐車場
▲国道10号線を延岡市内から宮崎方面へ(案内板あり)。
▲国道10号線『都農町・三日月原交差点』を県道40号線(山側)へ!
▲道中案内板有り。
▲県道40号『銀座北』を県道307号線へ(案内板あり)。
▲道なりに進む。
▲さらに……。
▲しばらくするとトイレのある第1駐車場が見える。
▲注)第1駐車場、向かって右手奥に『矢研の滝』への入り口があるが、現在、途中の橋が崩れているため通行不能。したがって『矢研の滝』へのアクセスは”キャンプ場駐車場”からが便利。
▲第1駐車場の直ぐ上に第2駐車場がある。
▲車は第2駐車場に止めた。ちなみにここにはトイレは無い。
滝めぐりマップ
※クリック拡大
▲滝めぐりルート図 (画像は現地案内看板)
▲周辺案内図 (画像は現地案内看板)
第2駐車場から白滝へ(5.3km)
まずは第2駐車場から『白滝』を目指し5.3kmの距離を歩く。通常、第2駐車場から『白滝』までは約2時間ほどの道のりだと思うが、道中7つの滝を撮影しながらゆっくり歩いたため3時間かかってしまった。また、道中には『近道』なるものがあり、『白滝』までのショートカットルートがあるのだが、傾斜が急で道も悪く、その他の滝を見る事ができない。試しに帰路は『近道』を利用したところ、片道1時間30分で戻る事ができた。おすすめは往きはショートカットせず、帰りに利用するとロス無くまわれる。
▲第2駐車から『白滝』までは徒歩
上記で記載したとおり『矢研の滝』へのアクセスはキャンプ場の駐車場からが便利なので、一旦駐車場から『白滝』までを徒歩で往復し、車で第2駐車場からキャンプ場に移動。そこから徒歩で『矢研の滝』へ向かう。
▲遊歩道入り口まではキャンプ場への車が行き来するので注意
※『白滝』への遊歩道入り口は徒歩で左。
※『矢研の滝』へは右の坂を車で下りキャンプ場で(下記参照)
▲『白滝』への遊歩道入り口
移動中
▲最初の『紅葉滝』へは若干ルートを外れる。
紅葉滝
第2駐車場から最初の滝までは意外と距離がある。まずはじめに現れるのが高さ34mの紅葉滝。驚くような大きさではないが、周囲の景観も含め、とても滝らしい滝で、水量が多いときは迫力がある。撮影もしやすい。
移動中
すだれの滝
紅葉滝から約10分ぐらいの遊歩道から対岸に見える落差100mの滝。
移動中
さぎりの滝
すだれの滝とは直ぐ鼻の先にある落差34mの滝。遊歩道からの景観は木立の向こう側となってしまい、滝へ近づくにはかなりの急傾斜を下らなければならないので危険である。
移動中
さらさの滝
遊歩道の木立の隙間まら見ることができる小さな滝。
移動中
やすらぎの滝
ここにくると何故かほっとする・・・その名前のとおり心やすらぐ滝。落差や角度も緩やかだが、周辺を含めた景観がよく、撮影もしやすい。
移動中
はがくれの滝
この滝も遊歩道沿いから木立の向こう側に見える傾斜の滑らかな滝。滝つぼへ降りていく道はないので、全貌を見るには岩場を降りなければならない。
移動中
白滝
高さ75mを誇る、尾鈴山瀑布群では『矢研の滝』と共に有名な『白滝』。ただ厳密にいえば75m直接落下ではなく、途中にいくつもの段があるので、1本の大きな流れにはならないが、その分、岩にぶつかって飛び散る水しぶきが多く、滝に近寄れば今の季節は天然のシャワーがなんとも気持ちいい!
▲現地案内板
第2駐車場から徒歩で5.3kmもあるため、滝までのアクセスは『矢研の滝』に劣るが、そのダイナミックな景観は負けてはいない。
“近道”を利用し駐車場にもどる
道中のあちらこちらにある小さな”近道”表示の通りに進むとおおよそ30分はショートカットできると思う。ただ『白滝』以外の滝もゆっくり見たい場合は利用しないほうがいい。もちろん道も悪く、傾斜もきつい……。
▲道中のあちらこちらにある小さな”近道”表示に注目
帰路は”近道”を利用したところ『白滝』から第2駐車場まで約1時間30分でたどり着いた。まあ、往きはショートカットせず、帰路のみ”近道”を利用するのがいいのではないかと思う?
▲『白滝』から第2駐車場まで約1時間30分でたどり着いた
キャンプ場から矢研の滝へ(約1km弱)
キャンプ場のすぐ手前にある駐車場から『矢研の滝』まで約1km弱(20分程度)の道のり。遊歩道は歩きやすいが途中すべりやすい部分があるので注意。道中『若葉滝』を経由して『矢研の滝』へ至る。
▲第2駐車場からキャンプ場までは車で移動(ほんの数分)する。
▲尾鈴山瀑布群 〜 滝めぐり・矢研の滝へ
移動中
若葉滝
矢研の滝のすぐ手前にあるこじんまりとした滝。遊歩道沿いの傾斜にあるのでとても見やすい。
移動中
矢研の滝
落差73m、幅30mを誇り、日本の滝百選にも選ばれた尾鈴山瀑布群ではもっとも有名なこの滝。ちなみに『矢研』という名前は「神武天皇が東征の折、矢を研いだこと」が由来だそう。今の季節は濡れる事を想定しつつ滝に近づく人も多く、水着にTシャツといった服装の見物客とすれ違う事も多い。
真夏でも涼しい尾鈴山瀑布群
この日は撮影のために上記ルート以外も歩き回ったため、なんだかんだいって1日を通し15km以上歩きまわった。登山のようにアップダウンが永遠に続くようなキツさはないが、とはいえまったく平坦なわけでもなく、さらに部分的には石がゴロゴロし足をとられる事があるので、1日歩けばそれなりに疲労はする。しかし、天気がよく気温も高かったにもかかわらず、遊歩道は木立で日光は遮られ、小川や滝が多くすぐそばを通っている事からか?歩いていても涼しく感じられることが実に多かったのが印象的だった。場所によってはエアコンの冷気に似た空気を感じる事さえあるくらいだ。
特に最後にまわった『矢研の滝』は視覚的にもヒンヤリ感があり、心身共に、健康的に体温を下げることが出来そう(笑)。なんといっても歩き回って”むくんでしまった足”を滝つぼに浸けた瞬間の気持ちよさは格別である!しばらく浸かっていたら”むくみ”も取れ、すっきりとした気分で帰路に戻れた。