旬菜たけうち


投稿:2008.10.28
【延岡・日向エリア】 【グルメ】 【創作料理】 【テイクアウト】

旬の食材とアンティーク着物や家具・骨董品で彩られた隠れ家空間。

旬菜たけうち・料理イメージ旬菜たけうち・店内イメージ

 ふと我に返ると自分が今何処にいて、今まで何をしていたのかを忘れてしまうほどくつろげる「懐かしくも優しい空間」が女性に大人気のお食事処『旬菜たけうち』さん。オープンして9年目になるこちらの店舗は、特に広告することもなく、口コミだけでオープン当初からすぐに予約が「半年待ち」となったという、今や延岡市の見所の1つとなっているといっても過言ではないほどのお店!その人気はとどまる事なく、現在も多くのファンが足を運んでおり、今だ満席の日がほとんどといった状態が続いています。 実際、取材させて頂いたこの日は、平日でしかも大雨という状況でしたが、そんな中でもたくさんのお客様が来られていました。そこで今回は、年々グレードアップしていく店舗内容をはじめ、竹内一代オーナーのこだわりのポイント、そして『旬菜たけうち』誕生の秘密などを、詳しくご紹介したいと思います。

旬菜たけうち・北町店量り売り旬菜たけうち・北町店量り売り

 また、延岡市役所横にある『旬菜たけうち』のお惣菜が量り売りされているお店も合わせてご紹介させていただきます。長編ですが、どうぞさいごまでお付き合い下さいませm(__)m
(レポート:中本望美)

旬菜たけうち

住所:宮崎県延岡市松山町773
電話:0982-32-4676
営業時間:11:30〜14:00、18:30〜21:30
全て完全予約制(ディナーは前日まで)
店休日:不定休
駐車場:店舗前にあり

 

店舗までの道のり

 まずは延岡市中心部から店舗までの道のりをご紹介いたします。

旬菜たけうち・道案内旬菜たけうち・道案内

▲国道218号線を高千穂方面に向かい、松山橋手前にある2件並んだスーパーとセルフのガソリンスタンドの間の路地へ右折します。

旬菜たけうち・道案内旬菜たけうち・道案内

▲路地をまっすぐ進みます。最初の分岐もまっすぐです。

旬菜たけうち・道案内旬菜たけうち・道案内

旬菜たけうち・道案内旬菜たけうち・道案内

▲ミラーの設置された突き当り「止まれ」を左へ!直ぐさきに少し大きな交差点がありますが、ここは直進します。20メートルくらい走ると、民家の脇を右折できる路地があります。曲がった奥に旧TRの線路が見えてくるので、踏み切り跡を越えすぐの広い道を左折します。

旬菜たけうち・道案内旬菜たけうち・道案内

▲すると直ぐに『旬菜たけうち』の看板が見えるので、看板どおり分かれ道を右に進みます。

旬菜たけうち・道案内旬菜たけうち・道案内

▲田んぼや畑、民家が広がる風景がしばらく続き、「この道でいいのだろうか……」と思い始めたところに、『旬菜たけうち』と書かれた駐車場が右手に見えます。駐車場から道路を挟んで向かい側にある、民家が『旬菜たけうち』です。

 

周辺マップ

ルートを検索

 

 

店舗紹介

旬菜たけうち・外観旬菜たけうち・外観

▲美しく手入れされた植木の奥に玄関があります。そのたたずまいからは”お食事処”というより、温泉地にある隠れ家的旅館のよう。

旬菜たけうち・廊下旬菜たけうち・廊下

▲店内に入ると、美しくディスプレイされた骨董品が迎えてくれました。長い廊下にはアンティーク調の応接セットがあり、整えられたお庭を見ながらゆっくりくつろぐことができます。

旬菜たけうち・店内旬菜たけうち・店内ディスプレイ着物

▲廊下の横のお座敷には、豪華なお着物がディスプレイされていました。こちらはおかみさんご自身の物なのだとか。時によって、ひいおばあさまの貴重なお着物も飾られるそうですよ!そして和の雰囲気をいっそう際立たせていたのが、テーブルの帯クロス。見てお分かりの方も多いと思いますが、こちらは本物の帯を少し作り変えたものだそうです。

旬菜たけうち・店内旬菜たけうち・店内

▲お座敷の隣には、フローリングのテーブル席があり、その奥には磨きこまれたグランドピアノが置いてありました。ピアノ自身が輝きを放っているかのような歴史を感じさせてくれる艶は使い込まれた証!

旬菜たけうち・店内ディスプレイ旬菜たけうち・店内ディスプレイ

旬菜たけうち・店内ディスプレイ旬菜たけうち・店内ディスプレイ

旬菜たけうち・店内ディスプレイ旬菜たけうち・店内ディスプレイ

▲ディスプレイされた骨董品やアンティーク家具、何気に置いてある机や椅子など、すべてが見ごたえがあり、ふと時間を忘れてしまいました。ちなみに店内のインテリアとして置かれた骨董品の数々はおかみさんのお父様が、コツコツと集められたものを譲り受けたそうです。(画像は一部です)

 

旬菜たけうちの誕生

旬菜たけうち・竹内一代オーナー

▲オーナーの竹内一代さん(左)

「主婦がくつろいで、ゆっくりお食事できるお店をしたい……。そんな夢はあったものの、いざ行動に移そうとすると、どのようなコンセプトで営業し?どのようなスタイルで何を提供すればいいのか?漠然としたイメージだけで、なかなか形にすることができなかったんです」とオープン以前を振り返り当時の心境を語る竹内一代オーナー。いろいろと思い悩んでいる中、ある日相談をしていたご友人の一人に「延岡の中だけ見ていてもダメなんじゃない?」と言われた事がきっかけとなり、「何かヒントはないかしら?」と県外へ足を運び、たくさんのお店を見て話を聞きまわったそうです。特にゼロから観光地を作り上げた湯布院の方々の「急に大きな事をやろうとせず、今やれる事をやれば道は開ける。何事も時間をかけて育てていかなければいけない」という内容のお話は大変参考になったそう!

旬菜たけうち・竹内一代オーナー

 その後、自分のイメージや置かれた現状を整理した竹内さんは、「まずは今できることから!」と近所の方が気軽に足を運んで頂けるように自宅をそのままお食事処にし、地元でとれた新鮮でおいしい野菜や季節の食材をつかったお料理を提供することからスタートしたとの事。

 ちなみに竹内オーナーは、店舗オープン以前に、料亭やホテルといったサービス業などにお勤めをしていた訳でも無く、「単にお料理が好きだっただけの普通の主婦です」とおっしゃていましたが、毎月変わる季節メニューの数々は、普通の主婦ではちょっと考えつかないような、アイデアメニューのオンパレードです。また海外生活の長かった竹内オーナーだからこそといった「和へのこだわり」が感じられるのも『旬菜たけうち』の特徴ではないでしょうか?

 

月替わりランチコース 1,575円

旬菜たけうち・月替わりランチコース旬菜たけうち・月替わりランチコース

▲秋のランチ例

 旬菜たけうち』さんのメニューは「月替わりのコース料理」のみとなっていて、ランチコースは通常1,575円、その他2,625円、3,675円となっています。「旬のもの=季節」の素材を中心に、地元で採れた新鮮な食材にこだわったお料理は彩り美しく盛りつけられ、味だけでなく視覚的にも季節を感じさせてくれます。ちなみに下記は「秋のランチ例」です。

前菜 三品

旬菜たけうち・前菜 三品

・鴨のパストラミー だしゼリーかけ
 だしがゼリー状になっているので、鴨にしっかりと絡むのが特徴。鴨の塩加減がまた上品!

・梨の白和え
 お料理の説明を聞いてまずびっくりしたのが、果物を白和えに使っていたこと!野菜の白和えとは違った、やさしく上品な梨の甘みとシャキシャキ感が新鮮な一品です。

・ほたて貝ひも、大根の胡麻和え
 胡麻の香りが高く、ほたての旨みをしっかり味わうことができます。

 

小松菜、まいたけのお浸し 菊花添え

旬菜たけうち・小松菜、まいたけのお浸し 菊花添え

 鮮やかな緑に黄色い菊が美しく映え、見た目を楽しませてくれます。とれたての小松菜がシャキッとしていつつ、とても柔らかです。

 

湯豆腐の茸餡かけ

旬菜たけうち・湯豆腐の茸餡かけ

 大豆の風味がしっかりしていて食べ応えのある豆腐に、きのこ、ぎんなんなどがたっぷり入っている餡には大きな海老も添えてられています!温かくやわらかいい豆腐が体に染み渡り、ほっとさせてくれます。まさに「秋そのもの」という感じ!

旬菜たけうち・湯豆腐の茸餡かけ

 

季節の揚げ物 野菜添え

旬菜たけうち・季節の揚げ物 野菜添え

旬菜たけうち・海老の蓑揚げ旬菜たけうち・天麩羅/ズッキーニ、イチジク

・海老の蓑揚げ
餃子の皮を細く切り衣にした変わり揚げ!おつゆではなく、こだわりの塩のみに付けていただきます。パリパリッとした衣の中に、プリッとした食感の海老……見た目にもお腹にも豪華で満足です!

・天麩羅〜ズッキーニ、イチジク 
この2種類を天麩羅にするアイディアも、おかみさんならでは!ズッキーニも美味しく、イチジクはとろっとした甘さで、デザートとしても頂けそうです。

 

栗ご飯

旬菜たけうち・栗ご飯旬菜たけうち・栗ごはん

 贅沢な大きい一粒栗がのった炊き込みご飯。ご飯に薄味のだしがしみ込んでいて、おかず無しにご飯だけでもおいしく頂けます!

 

胡麻豆腐のお吸い物 湯葉餡

旬菜たけうち・胡麻豆腐のお吸い物 湯葉餡

 あっさり味のとろみがかった上品なだしの中には湯葉が浮かび、胡麻の香りたっぷりの、もっちりとした胡麻豆腐と合わせて口に入れると、面白いようにとろけてしまいます。

 

柿のムース

旬菜たけうち・柿のムース旬菜たけうち・柿のムース

 ふわふわした食感で素材の柿の甘みがやさしい、ちょっと珍しいデザート。ご馳走を頂いたお口やお腹を心地よく休めてくれます。

 

ウエルカムドリンクと食後のコーヒー

旬菜たけうち・ウエルカムドリンクと食後のコーヒー

 香ばしく豊かな香りで、後味に甘みがあり、味わいのある蕎麦茶がウエルカムドリンク。以前は果実酒を出されていたそうですが、ドライバーの方の事を考え、仲間と一緒に来ても、みんなが気持ちよく楽しめるよう変更されたそうです。季節や月替わりのコース内容によって、ゆず茶やかぼす茶などに変わるそうです。また食後のコーヒーはまろやかな酸味が心地よく、ついついおかわりしてしまいます。また、全品通じて味だけでなく、こだわりの器にも注目です☆

 

ウエイティングバーでディナー!

旬菜たけうち・ウエイティングバー旬菜たけうち・ウエイティングバー

 さらに上記のランチコースだけでなく、ディナーコースもありますが、こちらのウエイティングバースペースでは、前日までの完全予約制にてディナーコースを楽しむ事ができます。遠方から来られた方をゆっくりお食事させてあげたいという方、お祝いのお席、またお接待など、ディナーの予約は女性ファンだけでなく、男性ファンも非常に多いそうです。

旬菜たけうち・ウエイティングバー旬菜たけうち・ウエイティングバー

 しかし山里の夜はとても暗く、周辺には山と川しかないため、お客様を退屈させないようにするには……と考え作られたのが、ご予約されたお客様だけが利用できるウエイティングバーなのです。カウンターには選び抜かれたお酒・ワイン等がが並んでおり、輝くグラス・ボトルの陳列棚の上には、豪華絢爛な年代物の色打ち掛けがディスプレイされていました。

旬菜たけうち・ウエイティングバー旬菜たけうち・ウエイティングバー

 ここは以前、住宅ではなく2階建ての古い納屋だったところだそう。足場が悪くなっていた2階の床を落とし、むき出しになった柱などを磨き上げ、趣のある建物として再生させたのです。4年ほど前まではここにショップコーナーがあったそうすが、お客様が増えるにつれ、ショップコーナーを新たに作って(下画像)移動し、ここにテーブル席を設置したり、ウエイティングバーを設けるなど、お客様のニーズに合わせるようにゆっくりと変化を遂げ、現在はこのようなスタイルとなっているそうです。

旬菜たけうち・ショップコーナー

 

旬菜たけうち 北町店

旬菜たけうち・北町店旬菜たけうち・北町店

 

旬菜たけうち 北町店

住所:宮崎県延岡市北町2-2-9
電話:0982-26-2648
営業時間:11:00〜(売切れ次第終了)
※夜は前日までの完全予約

旬菜たけうち・北町店旬菜たけうち・北町店入り口

 市役所のすぐ横にある北町店でも、たけうちのお料理を気軽に食べられるとあって、毎日開店してすぐに売切れてしまうという人気ぶり!こちらも民家を改装したお店で、全てひとつひとつ丁寧に作られた量り売りのお惣菜が並び、お持ち帰りはもちろんですが、横にはそのままお食事できるスペースがあります。上記でご紹介しました松山本店と雰囲気は似ているものの、違った形のスタイルでお食事を楽しめます。

旬菜たけうち・店内旬菜たけうち・店内

旬菜たけうち・店内旬菜たけうち・店内

 

周辺マップ

ルートを検索

 

限定10食 日替わりお弁当(525円)

※デザート(抹茶のわらびもち)付き

旬菜たけうち・限定10食 日替わりお弁当旬菜たけうち・限定10食 日替わりお弁当わらびもち

▲電話でのお取り置きに対応して下さるので、実物を見る前に完売してしまう人気のお弁当!この日も、すでに開店前から売り切れていました・・・。お弁当に入っている玉子焼きは、たけうちのお惣菜の中で私も大好きなオススメの1品!ほんのり甘く上品な味で、ご覧の通り、鮮やかで黄金に輝いています。

 

おすすめメニュー

旬菜たけうち・お惣菜イメージ旬菜たけうち・野菜たっぷりの生春巻き

▲野菜たっぷりの生春巻き 1本 100円(右)

旬菜たけうち・じゃこと大葉のライスコロッケ旬菜たけうち・太巻き

▲じゃこと大葉のライスコロッケ1個70円(左) 太巻き1個100円(右)

旬菜たけうち・ハンバーグ旬菜たけうち・いわしのカレー揚げ

▲ハンバーグ1個200円(左) いわしのカレー揚げ1枚120円(右)

旬菜たけうち・ナスの味噌炒め旬菜たけうち・おはぎ

▲ナスの味噌炒め100g 180円(左) おはぎ1個100円(右)

 

人気の秘密

「一番時間がかかるのは何ですか?」という質問に対し、「とにかくお掃除です」と笑顔で答える竹内オーナー。いつも朝早くから、柱やディスプレイされた小物まで、全て磨き上げることから始まり、閉店後もお掃除に終わる。このような部分からも、レポートの途中でお伝えした「何事も時間をかけて育てていかなければいけない」という言葉をコツコツと実践されているのがわかります。とにかくどんなに素晴らしいアイデアも、そして古くから伝えられた素晴らしい技術や文化も、磨かなければ光りません。でも、いい時も悪い時も変わらずそれを継続するというのは中々出来る事ではありません。しかし、お客様のニーズも年々多様化しているのも事実・・・。そんな中、竹内オーナーは、守らなければならない部分は頑固なまでにこだわり、新たに取り入れなければならない部分は斬新な切り口で自分流を貫く!そんなバランス感覚を大切し店舗造りをしていらっしゃるそうです。竹内オーナーが造りだす「ふと懐かしさがよみがえる暖かな日常の中に心地よく突き抜ける非日常」それが『旬菜たけうち』ならではの魅力といえます。そしてこれからは、観光で来られた方、遠方から訪ねてくださるお客様のために、予約無しでもくつろげるようなカフェやお野菜などの地場産品を販売できるスペースを設けることを目標にされていらっしゃるそうですが、きっと近い将来、まるで昔からそこにあったかのごとく現れるのではないでしょうか?

 竹内オーナー、そしてスタッフの皆さま、お忙しい中(さらに土砂降りの雨の中)取材にご協力いただきありがとうございました。

 


pawanavi Since 2001.01.24|Renewal 2012.07.23 Copyright - (C) 2001-2016All Rights Reserved