小国散策vol 2 〜 ぶらり『杖立温泉』・杖立プリン伝説プロジェクト
九州の奥座敷「杖立温泉」を満喫!「みちくさ案内人」とまわる地元のみどころ紹介と、旅館・商店合わせて18軒でオリジナルのプリンが食べられる「杖立てプリン伝説プロジェクト」スタンプラリーに挑戦☆
前回の小国エリアレポート「小国散策vol 1(鍋ヶ滝&グルメ) 」の道中、「道の駅小国ゆうステーション」で手に入れた資料の中にあった『杖立温泉・杖立プリンプロジェクト』にひかれ、レトロな温泉街を散歩でもしながら「ぜひ”杖立プリン”を堪能したい!」と、熊本県最北端、小国町は『杖立温泉』に足を運んだ。
この『杖立温泉』は熊本県と大分県の県境に位置し、昭和の初期から中期頃には「九州の奥座敷」と呼ばれ、温泉街にはたくさんの芸子の姿を見ることもでき、歓楽街温泉としてたいそう栄えたそうである。近年では、この近隣にある「黒川温泉」などが全国的に有名温泉地として人気を博しているが、きっと年配の方にとっては「杖立温泉」のほうがなじみの深い名称なのではなかろうか?
そこで、今回の『小国散策vol 2』では『杖立温泉観光協会』にご協力をいただき、地元を知り尽くした『みちくさ案内人』の方に、温泉街のみどころを案内していただくと同時に、『杖立プリン伝説プロジェクト』のスタンプラリーを体験し、レポートの最後に『米屋別荘』で「露天風呂」と「むし湯」をゆったりと堪能させてもらった。
(レポート:松田秀人、甲斐英利、オオタヒサヤ、藤木テツロー、九州工業大学のみなさん)
杖立温泉旅館組合
住所:熊本県阿蘇郡小国町下城
TEL:0967-48-0506
・杖立温泉交通アクセスマップ↓
URL:http://www.tuetate.jp/access.html
・杖立温泉旅館組合公式ホームページ↓
URL:http://www.tuetate.jp/index.html
・杖立温泉観光協会公式ホームページ↓
URL:http://tsuetate-onsen.com/
小国エリア観光案内
・小国ツーリズム協会公式ホームページ↓
URL:http://www.tourism-oguni.com/
・道の駅小国ゆうステーションブログ↓
URL:http://d.hatena.ne.jp/yu-station/
・熊本県小国町公式ホームページ↓
URL:http://www.town.oguni.kumamoto.jp/
杖立温泉
杖立温泉の歴史は1800年の昔にさかのぼるといわれ、今でも町のあちこちに温泉(約98度、弱食塩水、飲泉可能)が自噴している。地面を数メートル掘る だけで、良質な温泉がたっぷり沸いて出てくるという地の利もあり、ポンプを使う必要もなく、さらに温度が低いために湯を沸かしなおしたり、噴出量がすくな いために水をたしたりする必要がないから、上質で純粋な温泉が楽しめる貴重なスポットであるといえる。ちなみに『杖立』という地名は、平安時代の初めの頃 に、旅の途中で訪れた弘法大使空海が温泉の効能にいたく感銘しうたった短歌「湯に入りて 病なおれば すがりてし 杖立ておいて 帰る諸人」から名付けられたものとさせれている。杖をついてやってきた病人が、湯治後には杖をおいて帰れるようになる……それほど泉質がよいということ だ。もちろん町の中には湯治客のための長期滞在型旅館もある。
中でも高温の湯煙りを利用した「むし湯」は古くから愛され、杖立のほとんどの旅館 の中に設置されており、「風邪をひいたらまずむし湯」と言われるほど、生活の中にもとけ込んでいるそう。 またストレス解消はもちろんのこと、美肌効果、新陳代謝の改善、鼻づまりの解消、痩身など」様々な効能があるという。
(画像は米屋別荘)
確かに近年では、近隣の南小国町『黒川温泉』などが全国的に脚光をあびており、バブル期以降、杖立温泉に当時の賑わいはなくったが、しかしここ数年間で「お客 様に静かにゆっくり楽しんで頂けることを念頭に、生活に根付いた適正規模の、温泉情緒や歴史的由来などを生かしたまちづくり」を進め、様々な試み(”プリン伝説プロジェクト”や”みちくさ案内人”もその一部)をする中、いままでとは違った層の観光客の姿をたくさん見かけるようになったそうである。特に良質 な温泉以外にも「背戸屋(せどや)」(下画像)と呼ばれる、昔ながらの細い路地裏の個性的な風景にひかれる、熱心なリピーターも多い。
(細い路地裏の個性的な風景”背戸屋・せどや”)
杖立温泉
■泉質:弱食塩水
■温度:98度〜100度
■適応症:リュウマチ、皮膚病、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、切り傷、やけど、肥満病、美肌作用
■禁忌症:発熱時、飲酒後、悪性腫瘍、貧血、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、妊娠中(初期と後期)
杖立温泉周辺マップ
杖立温泉までの道のり
小国町に入る前に『阿蘇・大観峰』でトイレ休憩……。道端に雪が積もった大観峰は、いつもとひと味違った景色。この日は高千穂町から阿蘇市までの道のりでも、高森町付近などのは真っ白な斜面が何度も姿を現し、太陽の反射光がまぶしいぐらいだった。
雪で作られた今年の干支である牛(半溶け?)に出迎えられ、寒いけれど清々しい気持ちになった(笑)。
強風に煽られながらも絶妙なコントロールで飛び立っていったパラグライダー。素人だったらあっけなく失敗してたのだろう…。
気分もリフレッシュしたところで小国から杖立への道中に戻る。
小国町内に入ると看板に「杖立」の文字が見えてくるので212号線を看板通りに進んでいけばよい。右に曲がれば『道の駅小国ゆうステーション』という交差点を過ぎると「杖立温泉」の立て看板も見えてくる。
『道の駅小国ゆうステーション』から10分も走らないうちに上の画像のトンネル↑や下の画像の橋↓が見えてくる。この橋を渡れば杖立温泉はすぐそこ。
右手に「杖立温泉街入口」という文字が描かれた看板が設置された橋が見えてきたら、その橋を右折して杖立温泉の温泉街へ。登竜門を抜けると右手に駐車場の看板が見えてくる。左前には『観光案内所/杖立温泉観光協会』の建物↓が見える。
今回のレポートはこの観光協会の建物↑が「スタート&ゴール」のポイントになり、さらに建物前の坂を下った所にある「杖立川沿い無料駐車場」は温泉街の中心になるため、日帰り散策が目的の場合はとても便利である。
ぶらり杖立温泉・温泉街めぐり〜みちくさ案内人
(レポート:松田秀人、オオタヒサヤ、九州工業大学のみなさん)
まずは「みちくさ案内人」の方にお会いするため、町の無料駐車場に車を止め、駐車場入り口にある「観光案内所/杖立温泉観光協会」に足を運んだ。ここで『みちくさ案内コース』と『プリンプロジェクトスタンプラリーコース』にメンバー分けをすることにした。松田、オオタはこのまま「みちくさ案内人」と行動を共にし、甲斐と藤木は「スタンプラリー」(下記『杖立プリン伝説プロジェクト・スタンプラリー』参照)に挑戦する。さらにこの日は、「杖立温泉」に関する研究を重ねている、「九州工業大学工学部建設社会工学科」の「景観工学まちづくり研究室」に所属する、福元良典さんとその仲間も同行する事になった。
▲杖立川沿いの無料駐車場。片隅に「蒸し釜」がある。
▲観光案内所/杖立温泉観光協会でみちくさ案内人を待つ。
▲みちくさ案内人の河津さん(左から2番目)と九州工業大学のみなさん
みちくさ案内人・河津さん
「ほっこりわきあがる湯煙り、入り組んだ路地……古き良き環境を残した杖立には地元の人しか知らない見所や魅力がたくさんあります。そんな杖立の魅力をお客様にも楽しんでもらおうと思っています」といことから、地元方達により結成されたのが『みちくさ案内人』。河津さんの話によれば、只今メンバーは9人で、説明の仕方などは担当者によって異なるそう。もちろん河津さんも町内で仕事をされており、「案内人」を担当する時は、そのために時間を割いてる。そんな事からいろいろと大変な事もあるが、それでも、「この案内人をやるようになってから、勉強のために地元の古い文献を読み返してみたり、年配の方にあらためて地元の歴史を聞いたりする機会が増え、今まで知らなかった地元の歴史が分かったことが最大の収穫です」と語ってくれた。
みちくさ案内人・申し込み先
杖立温泉観光協会
TEL:0967-48-0206
URL:http://tsuetate-onsen.com/michikusa.html
・参加費 500円小学生以上
(事前申し込みが必要)
・温泉蒸し玉子とタオルがついてきます!
・午前の部 10:30〜12:00
・午後の部 14:00〜15:30
・集合場所 観光案内所/杖立温泉観光協会
※上記以外の時間帯、人数なども気軽にご相談下さい
九州工業大学・景観工学まちづくり研究室 福元良典さん
現在4年生の福元良典(九州工業大学工学部建設社会工学科)さんは、九州工業大学内で「景観工学まちづくり研究室」に所属され、この「杖立温泉」を建築の面からも、まちづくりの面からも見続けている。福岡から通うことすでに20回以上になり、この春には「杖立温泉」をテーマに論文を完成させるという。大好きな風景は「国道からの湯けむり」、見所は「背戸屋(せどや)」だそう!
ちなみに「研究室」と「杖立温泉」の繋がりは深く、無料駐車場の上を通る、渋い桜色をした『さくら橋』(上画像)は、彼は所属する研究室が、リニューアルのさいに、階段や手すりのデザイン及び設置、カラーリングなどを担当したそうである。階段の角度や滑り止めは、地元の高齢者を考慮し設計。手すりには地元の小国杉を使用。以前は階段に手すりがついておらず、角度も急だったため、リニューアル後の評判は上々だとか!
さらに、以前はあいまいだった歩道と車道を、しっかりと区別するため、歩道部分の材質を変えるなどの試みもしている。
ぶらり温泉街めぐりスタート
▲スタートとゴール地点となる杖立温泉観光協会前でタマゴとタオルをもらった。コースをまわる時間は平均すると約1時間30分。案内人1人の受け持ち人数は決まっておらず、河津さんはの経験では、少ないときで2人、多いときは40人とまわったことがあるそうだ。
▲無料駐車場をぬけ、目指すは『泉屋』さんの敷地内にある「蒸し場」。
▲先ほどもらったタマゴを天然の蒸し器にかけて散策に出かける。温泉の高温の蒸気を利用した自然の台所「むし場」は、町の方々で見かけることができる。
▲さっそく福元さんおすすめの「背戸屋(せどや)」の風景が登場。
▲中華人民共和国河南省登封市と小国町の友好を記す「友好締結書」と、弘法大使の逸話に表せる「温泉の効能」に、中国にて生まれた医食同源の思想にもとずく「薬膳料理」、更に嵩山少林寺(中国・河南省)伝来の気功「易筋功」を取り入れ、「食、体、温」の三要素を生かし、訪れるお客様に心も体も健康になっていただく事を願い、住民一丸となって鋭意精進していくことを誓う「杖立温泉・健康の里宣言」が大きく掲げられている。目の前の橋の上では、地元の人々が毎朝、杖立体操「易筋功」を行っている。
▲名物「杖立プリン」も「むし場」で作られる。
▲……。
▲133段の石段を登る……。
▲「杖立皇大神宮」の境内には樹齢400年のイチョウとスギの木が植えられている。
▲奥へ進むと、「ひぜんやの大杉」と呼ばれる、樹齢1,000年の大木がある。
▲更に奥へ……。「この道は参勤交代で使われていたといわれています」と河津さんが教えてくれた。
▲かなり登ったように思われる……。「こりゃ意外につかれるな」と思っていたら、目の前に階段が現れた。階段を登ると、落差約40メートルの『白糸の滝』が現れた。この日は水が凍っていた。以前、この地を訪れた嵩山少林寺の僧が<a href=”http://tsuetate-onsen.com/susume_05.html”>「易筋功をするならここがいい」</a>と言っていたらしい。
▲車道まで下りてきた。
▲昔の町の写真が「背戸屋(せどや)」のあちこちに飾られている。河津さんの説明によると、背戸屋全体がギャラリーになっているとである。
▲……。
▲『薬師湯』、1人200円(7時〜20時/浴場内に湯銭箱が設置されている)なので、時間のある方はどうぞ。
▲……。
他の地域の路地裏との大きな違いは、立体的であること。所狭しと階段と建物が連なります。
杖立プリン伝説プロジェクト・スタンプラリー
(レポート:甲斐英利、藤木テツロー)
昭和初期の頃、自家用車が普及し始め、「杖立温泉」にも自家用車で訪れるお客さんが増えたそうである。しかし当時は舗装路ではなく、曲がりくねった道のりを走ってきたお客さん達の表情が、「以前より疲れているように感じる」と気づいた女将達は、甘い物でお持てなしをする事を考え、口伝えで聞いた「今で言うプリンさしきもの」を試行錯誤しながら「甘玉子(あまたまご)」という名前で作りあげた……。温泉の蒸気を活かして作られていた「甘玉子」は、食材の少ない山間部にあって、少しでもお客様に楽しんでもらいたいという、当時の女将達の「おもてなしの心」のあらわれだった。そこで今再び、心からお客様のおもてなしをするという原点に戻るために、温泉の蒸気と地元の素材を活かした、「プリン」を蘇らせるプロジェクトが2008年の2月に立ち上がった!それが『杖立プリン伝説プロジェクト』である。
▲杖立プリンプロジェクトのパンフレット・スタンプカード。スタンプを10個集めると記念品を頂ける。
▲プロジェクトに参加している旅館・店舗はこの看板が目印。この看板も地場産品である「小国杉」で作られている。
このプロジェクトのコンセプトは地元の食材と、温泉独特の蒸気で蒸すという調理法を使うということ。そこで考えられたのが「甘玉子の伝説」からヒントを得たプリンだった。また小国には特産の「ジャージー牛乳」があり、杖立温泉ならではのプリンを作ることは自然な流れだったのかもしれない。
しかしプロジェクトは発足したものの、プリンを作ることに関しては素人同然の女将さんやご主人が殆どだったそうで、勉強会や試食会を繰り返し、まさに「甘玉子を作り出した女将達と同じように試行錯誤の毎日だった」と河津さんは振り返る。河津さんはご自身が調理人であるため、初めに30種ほどのレシピを提案したそうだが、試食会を重ねるにつれ、参加者達もオリジナルのプリンを提案するようになり、最終的にはほぼ全てが、各担当者によるオリジナルのプリンになったそうである。
▲今回のプリン食べ歩きマップ。青い線が歩いたルート。10個のスタンプを集めるということで、赤印の旅館・店舗さんにご協力いただいた。
▲無料駐車場に車を止め、観光協会でパンフレットを頂き、いよいよスタート!
Pホール
(マップ番号:5)
提供時間:9:00〜17:00
電話:0967-48-0484
最初にお邪魔したのは杖立の町並みが見渡せるPホール。写真でわかるように建物が「P」の形になっている!
Pホールの2階が喫茶スペース・アートスペースになっていて、リサイクル古着や手作り雑貨が置いてある。見晴らしもすばらしい!
昔プリン 300円
名前の通り、家庭でお母さんが作っていたような昔懐かしい味のするプリン。サッパリしたカラメルで、ちょっとかための食感が印象的。素材の味が生かされた王道プリン。
食べ終わったらパンフレットに忘れずにスタンプを押してもらいましょう!また全てのお店にプリン帳があるので、ぜひ感想などを書いていただきたい!
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次のプリンを目指し、川を渡る。
Pホールから先へ進むと細い路地があり降りていくと紅葉橋。
たぶん「みちくさ案内」でも渡ったはず?
むらせ
(マップ番号:2)
提供時間:10:00〜18:00
電話:0967-48-0311
階段を上った所に玄関のある「むらせ」。昔ながらの雰囲気で心が安まる。
町中で見かける竹明かりなども手掛けるご主人は自然派で鮎釣りの名人。ご自身で張り替えるという障子はスライドする仕組み。おもわずズズズっと動かしたくなる(笑)。
黒ごまプリン 250円
出来上がりまで2日かかるという手間暇のかかった黒ごまプリン。「黒ごまだけでは濃厚になりすぎる」ということから試行錯誤のうえ考え出された「白ごま」との2層になっていて、より味わい深くなっている。
プリンの上の餡は季節によって変わるそうだが、今の時期は手作りのゆず餡だった。ゆずの香りと味わいが口当たりをより一層爽やかにしてくれた。右上の画像は色々な話を聞かせていただいたご主人。
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Pホールから伸びた杖立橋のたもとから右へ。「背戸屋(せどや)」に入っていく。
Cage ぷくぷく
(マップ番号:8)
提供時間:9:30〜18:00
電話:0967-48-0388
三叉路の角にある「Cage ぷくぷく」。このおしゃれな外観とは裏腹な秘密が……。
実は、もともと店舗前にはシャッターがあり、今の外観からは想像できない姿の魚屋さんだったそう!目立つ場所でもあり、なんとかしたいなぁと考えていたオーナーが改装してCafeをオープン。他ではなかなか手に入らない雑貨なども並んでいる。イタリア料理を勉強した娘さんが手掛け食事も人気!
プリン カタラーナ 400円
イタリアでは定番のスイーツ「カタラーナ」。プリンでも、アイスでもない食感が癖になりそう!とくに溶け出し始めた頃の食感はなんとも言えず、風味が口いっぱいに広がる。クレームブリュレを凍らせた感じのこのプリンは水分の含ませ具合や、凍らせる時間などで食感が大きくかわるという。
ふくみ山荘
(マップ番号:9)
提供時間:10:00〜18:00
電話:0967-48-0121
背戸屋の一番奥にある「ふくみ山荘」。プロジェクトスタートから若いお客さんも増え、プリンを通したお客さんとの会話がとても楽しみなんだそう!
アットホームな雰囲気で気持ちよく寛げる。
山荘女将のほろにがプリン 250円
以前から、子どものおやつとして作っていたというプリンをさらに改良してつくられた「ほろにがプリン」。初めは他のプリンも考えたそうだが「ちょと苦くないとお母さんのプリンじゃない」というお子さんの言葉から「らしさ」を残したプリンにしたそうだ。
一見普通のプリンに見えるが縁からスプーンを入れると程よく焦がしたカラメルがじわ?っと染み出してくる。このカラメルのほろにがさが癖になったリピーターさんも多いとか……。コーヒーにもよく合うプリン。女将さんが美味しい食べ方を教えてくれる。
日田屋
(マップ番号:11)
提供時間:13:00〜15:00
電話:0967-48-0082
川沿いの道に出てすぐのところにある「日田屋」。映画に出てきそうな雰囲気の外観と内装だが、気さくな女将さんの笑顔に癒され、気楽に立ち寄れる。
揚げプリン 500円(ジャスミンティー付)
揚げたプリン???と思わず首を傾げそうだが、外はサクッ、中はプルプルとした食感がとても新鮮!普通に揚げたら溶けてしまうのでちょっと堅めに作るそうだ。簡単に聞こえるが、完成するまでは相当苦労したそう。
注文があってから揚げるため、旅館の予約が多い時など、やむをえず提供できない場合もあるそうなので、遠方から足を運ぶ場合は電話で確認したほうが確実。
やまがや
(マップ番号:12)
提供時間:11:00〜17:00
電話:0967-48-0338
日田屋のすぐ隣の「やまがや」。
とっても愛想良く、可愛いお子さんが出迎えてくれた。
ごぼうプリン 300円
子どもにも安心して食べさせられるようにと、旅館の食事にも自家製の野菜などを使われているそうで、このプリンも愛情がたっぷりと注がれている。繊維まで入ったこのプリンは「ごぼうだぁ!」と思わず口にしてしまうかも(笑)。ごぼうの風味の後には程よい甘さが口の中に広がる。上にのった苺は季節によって変わるのでお楽しみ。
新ひたや
(マップ番号:14)
提供時間:11:00〜17:00
電話:0967-48-0097
親戚の家に来たような気持ちで落ち着ける「新ひたや」。
お客さんから届いた絵手紙が旅館の雰囲気の良さを物語っている。
からいもプリン 250円
チョンと、「からいも」がのった可愛らしいプリン。「からいも」はプリン自体にも練り込まれており、その甘さと舌触りが絶妙に引き出されている。杖立温泉の蒸気はとても高温なので蒸し加減が難しいそうだが、からいもを混ぜることでさらに固まり具合を調整するのが難しくなったそうえある。季節ごとに新作も考えられているということで、そちらのプリンもお楽しみに!
お宿 丸正
(マップ番号:16)
提供時間:11:00〜15:00
電話:0967-48-0052
「さくら橋」のたもとにある「お宿 丸正」。数少ないペットもOKの旅館のひとつ。宿泊された方には温泉入り口の白岩橋のたもとにあるペット用の温泉の入浴料がサービス価格で利用できる。
ミルクプリン
素材の味がもっとも生きるミルクプリン。季節によって変わるたっぷりソースの下には、ジャージー牛乳の風味が効いたなめらかミルクプリンが隠れていて、同時に、ちょっと変わったお茶もセルフでいただける。せっかくなのでプリンだけでなくお茶も一緒にゆっくりと楽しんでみてはいかがだろうか?運が良ければ看板犬にも会えるかも!
米屋別荘
(マップ番号:19)
提供時間:9:00〜21:00
電話:0967-48-0507
「さくら橋」から右に曲がりちょっと歩いた所にある「米屋別荘」プロジェクト仕掛け人の河津さんの旅館。
ティラミス風 チーズプリン 250円
テイクアウト可能なプリンは常時5?6種類の品揃え。パンフレットにある「ティラミス風 チーズプリン」(右写真の右上2番目)はジャージー牛乳の風味を生かした濃厚な味わい。パウダーとチーズの相性がばっちり。プリンだけどティラミスという新鮮な感じになっている。
プロジェクト仕掛け人の河津さん。取材時のお声掛けなどいろいろとお世話になった。
泉屋
(マップ番号:17)
提供時間:9:00〜21:00
電話:0967-48-0021
いよいよ10個目!「無料駐車場」の目の前にある「泉屋」。観光協会の脇から階段を下りていくと玄関にたどり着く。上の道路沿いの入り口は宿泊のお客さん用なのでお間違えなく。
三人の足下には昭和57年の大洪水で浸水したときの床がそのまま残っている。とても堅いさくらの木が変形しており、当時の洪水の凄まじさが感じ取れる。
ほうじ茶プリン 250円
泉 屋=お茶というイメージが定着していて、当初からお茶を使ったプリンを作ることが決まっていたそう。プリンそのものは、ミルクティーをつくる要領でつくるそうなのだが、上にのっているほうじ茶のジュレ(ゼリー)は季節や気温にとても左右されやすく、納得のいく状態にするのがとても難しいらしい。イメージとしては、ほうじ茶の香りが口に広がる大人なプリンだが、もちろん子ども達ももよろこんで食べる。
観光協会へ
ついにスタンプ10個集まったところで再び観光協会へ。
観光協会でパンフレットと交換に記念品である「杖立プリン伝説手ぬぐい」をいただける。いままで食べたプリンの味が蘇って来て、ちょっと感動(笑)。スタンプラリー制覇記念に、おもわずポーズ・・・。
2月3日で1周年を迎える「杖立プリン伝説プロジェクト」
プロジェクトを切っ掛けに、若いお客さんが増えたり、お客さんと接する時間が長くなってお客さんの気持ちや、要望が直接聞けるなど良い効果が生まれた反面。参加している店舗の殆どが旅館で、女将さん達が自分たちでプリンを作っているため一般の宿泊客が多いときなどは、プリンの提供が出来なかったり、待たせしてしまうこともあったりと、スタートして初めてわかる新たな課題も見つかったそうだ……。しかし、いろんな工夫で課題をクリアし、今後はもっと積極的にプリン伝説をPRしていくそうである。
今回は、一度に10個のスタンプを集めたが、スタンプラリーに有効期限は基本的に無いので、女将さんやご主人のプリンに対する思い入れを聞きながらゆっくりと集めてみるのもいいだろう。
旅館や店舗の皆様、お忙しい中、取材にご協力いただき、誠にありがとうございました。
最後に「米屋別荘」で温泉を堪能!
(レポート:松田秀人、甲斐英利、オオタヒサヤ、藤木テツロー)
一日歩き回った後は、やはり温泉で疲れを癒すのが一番!ということで、「米屋別荘」で温泉を堪能。入浴の受付はプリンと同じく「赤のれん」をくぐる。
チャボ優先の看板に思わず微笑む。どうぞどうぞ、ゆっくりお進みください♪
米屋別荘
住所:熊本県阿蘇郡小国町杖立温泉
TEL:0967-48-0507
駐車場:あり
入浴料:大人500円、小人(1歳〜小学生)300円
貸切露天風呂付内風呂(3名) 1時間2000円(追加1名につき500円)
URL:http://www.komeyabessou.jp/
温泉入り口
こちらが温泉入り口。《長寿元湯》のうたせ湯(混浴露天風呂)【姫の湯(女性専用内湯)・殿の湯(男性専用内湯)むし湯・かま湯】と《不老長屋》の粒の湯(家族風呂 立ち湯)・糀の湯(家族風呂 うたせ湯)・粧の湯(家族風呂 うたせ湯)・糧の湯(家族風呂 あわ湯)・粟の湯(家族風呂 あわ湯)・女性専用露天風呂付風呂(あわ湯 うたせ湯 むし湯)の全ての湯へはここから。
入り口を入り左へ進んでいくと源泉があり、「蒸し場」もあった。米屋別荘のプリンはここで作られている。
不老長屋(家族風呂/女性専用露天風呂付風呂)
さらに奥に進むと不老長屋があり、ここが家族風呂と女性専用露天風呂付風呂になっている。
「家族風呂」も立ち湯、うたせ湯、あわ湯などそれぞれ特徴があり、どれも魅力的な露天風呂になっていた。
長寿元湯(姫の湯/殿の湯/むし湯/かま湯)
左の写真が男性専用内湯から見た混浴露天風呂部分で、この手前にむし湯(むし風呂)がある。右の写真は古くから伝わる石風呂を復刻したお風呂。ぶくぶくと泡が出ていて、まるでジャグジーのようだった。
なんといってもパワナビスタッフ全員が虜になってしまったのが「むし湯」。高温の源泉だからこそ出来る杖立温泉特有の入浴法ということで、サウナが苦手の甲斐もすんなり入って看板の通り大の字になって堪能した。かなりの気持ちよさである。
自噴する温泉をすべて掛け流しで堪能できる、現在では全国でも数少ない温泉地「杖立温泉」。その中でも米屋さんは開業160年を超える老舗旅館で、河津さんは7代目主人。杖立温泉では一般家庭に、いわゆる「お風呂」はなく、地元の方も温泉に入りに来るそうで、一種のコミュニティーの場にもなっているそうである。また、話を聞いていてびっくりしたのがトイレなどの生活水も温泉ということ。おもわず「うらやましい!」と言いたくなるが、「杖立温泉」のように温泉成分が濃いところでは、温泉が通るパイプなどにその成分が溜まりやすく、定期的なメンテナンスが必要だそうで、これがまた結構な費用がかかるとか……。当たり前だが、温泉もただで湧いているわけではないので、いままで以上に感謝して温泉を楽しまなければいけないと感じた。
「良質な温泉」「むし湯」「背戸屋ギャラリー」「みちくさ案内」「杖立プリン」など、みどころ満載の『杖立温泉』。ちょっとしたドライブから温泉旅行、さらに湯治などの長期滞在まで、どのようなスタイルにも対応できるし、温泉街をぶらりと散歩しているだけでも、歴史と共に、それらを演出している町の人々の「心意気」が感じられるのが嬉しい。特に「むし湯」にははまってしまいそうだ。